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第三章
1 一目惚れ
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私と水野くんの出会いは、私が高校一年生の夏だった。
照りつける暑さと蝉のうるさい鳴き声に呆れていた、あの夏の記憶。
「君が鷺谷あおいさん?」
私が上履きを見つめながら一人で廊下を歩いてきたとき、上から降りそそいだ優しい声。
「はいっ…!そ、そうだよ!」
私はすぐに顔を上げて返事をした。高校に入学してから綾乃以外の人に話しかけられたのが初めてだったということもあったが、なにより──。
(どうしよう、この人めっちゃタイプ…!!)
一目惚れ。そんな4文字で片付けられてしまうほど、私たちの出会いは儚く脆く、そして一瞬だった。
「俺、クラスメイトの水野翔です!鷺谷さんが綾乃と話してるの見て俺も話してみたくてさ!」
私には眩しすぎるほど綺麗な笑顔で笑った水野くん。
今思えば、私たちが話し始めたきっかけも綾乃だったね。
昔の辛くて苦い記憶を、私は順々に思い出していた──。
照りつける暑さと蝉のうるさい鳴き声に呆れていた、あの夏の記憶。
「君が鷺谷あおいさん?」
私が上履きを見つめながら一人で廊下を歩いてきたとき、上から降りそそいだ優しい声。
「はいっ…!そ、そうだよ!」
私はすぐに顔を上げて返事をした。高校に入学してから綾乃以外の人に話しかけられたのが初めてだったということもあったが、なにより──。
(どうしよう、この人めっちゃタイプ…!!)
一目惚れ。そんな4文字で片付けられてしまうほど、私たちの出会いは儚く脆く、そして一瞬だった。
「俺、クラスメイトの水野翔です!鷺谷さんが綾乃と話してるの見て俺も話してみたくてさ!」
私には眩しすぎるほど綺麗な笑顔で笑った水野くん。
今思えば、私たちが話し始めたきっかけも綾乃だったね。
昔の辛くて苦い記憶を、私は順々に思い出していた──。
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