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第二章【Enjoy life】
1 初デートの先の楽しみ
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今日は華と出かける。つまりこれはデートなのでは、という喜びの事実だ。
放課後デートをしたり一緒に下校したりはしたが、休日に二人で出かけるのは初めてだ。
集合場所は最寄り駅の時計台で、時間は午前10時ちょうどだ。それなのに俺が今集合場所にいる時間は9時半。いくらなんでも張りきりすぎた。
あと三十分も時間があるのだが、特にすることもない。
「早いね。」
「っ!?」
俺は勢いよく振り向く。するとそこには、私服姿の華がいた。
「やっほー!って、なんでそんなに見るのさ!ちょっ、照れちゃうんだけど…。」
俺が通っている高校は制服だから、華の私服は初めて見た。
華は袖にチェック柄が入った黒い長袖に、デニムのショートパンツというコーデだった。
まずい…。俺は極普通の服で来てしまって、一切服など気にしていなかった。
いや、華もこれが普通なのだろうか。
「おーい!蓮ー?」
はっ!しまった!
「ごっごめん…。ちょっと華の私服が可愛すぎてさ。」
「ちょっと?褒めればなんでも許されると思ってからかってるでしょ?」
可愛いのは事実なんだが。
俺たちはリニモに乗って、最寄りのデパートに向かった。
リニモの中で俺たちは席が隣同士だったのだが、途中華が俺の肩にもたれかかってきて少し戸惑ってしまった。
特に用もないデパートだが、華が服を買いたいと言うので服売り場に向かう。
ていうか彼女の服を彼氏が選ぶって、これ完全にデートじゃ──
「蓮ー!これどっちが似合うと思う?」
華が俺に突き出したのは、オーバーオールの白と黒の二つだった。
「これを俺に選べと?」
いや、こんなのどっちも可愛すぎて選べるわけが…。
「はーやーくー!」
華に急かされて選んだ答えは白だった。華はなんだか儚い(正直に言うと天使みたいな)感じがして、白や水色、青系統が似合うという勝手な意見に基づいた結論だ。
「蓮、なかなかセンスいいんじゃない?私も白がいいと思ってた!」
「いや、じゃあ白って言えよ…。」
でも女子にセンスがいいと言われるのは、普通に結構嬉しいことだ。
その後は雑貨屋に向かった。そう、なんと華とお揃いのキーホルダーを買うためだ。
交際すら初めてなのにお揃いのキーホルダーなんて、普通に興奮してしまう。
「蓮って好きな動物とかいないの?」
好きな動物か…。俺はわりとウサギとか──
「私はウサギとかが好きかな。」
「え…。」
ここで一致するか。さすがに俺は驚愕して硬直してしまった。
「えっ、何なにー?」
「いや、俺もウサギ好きだから、ちょっとびっくりしてさ…。」
「おー!じゃあウサギのお揃い!」
俺たちはウサギのお揃いのキーホルダーを買ってデパートを後にした。
こんなに本格的にデートをしたのは初めてだから、普通に緊張してしまった。
「もうお別れか~…。なんか物足りなくない?」
「そんなこともないけど。」
俺はわりとお腹いっぱいなんだが。華とデートできただけで、すでに結構キャパオーバーだ。
「ちょっとここで待ってて!」
「え?」
華はデパートの中に戻って行く。いや、彼氏を置いてもう一往復とかするつもりか?
俺はそんな不安を背負っていると、すぐに華が戻ってきた。さっきのはなんだったのだろう。
一緒にリニモに乗って駅で解散する頃には、そんな違和感はキレイさっぱり消えていた。
これからも華とたくさん想い出を積み重ねていきたいと心から思えた、最初のデートだった。
放課後デートをしたり一緒に下校したりはしたが、休日に二人で出かけるのは初めてだ。
集合場所は最寄り駅の時計台で、時間は午前10時ちょうどだ。それなのに俺が今集合場所にいる時間は9時半。いくらなんでも張りきりすぎた。
あと三十分も時間があるのだが、特にすることもない。
「早いね。」
「っ!?」
俺は勢いよく振り向く。するとそこには、私服姿の華がいた。
「やっほー!って、なんでそんなに見るのさ!ちょっ、照れちゃうんだけど…。」
俺が通っている高校は制服だから、華の私服は初めて見た。
華は袖にチェック柄が入った黒い長袖に、デニムのショートパンツというコーデだった。
まずい…。俺は極普通の服で来てしまって、一切服など気にしていなかった。
いや、華もこれが普通なのだろうか。
「おーい!蓮ー?」
はっ!しまった!
「ごっごめん…。ちょっと華の私服が可愛すぎてさ。」
「ちょっと?褒めればなんでも許されると思ってからかってるでしょ?」
可愛いのは事実なんだが。
俺たちはリニモに乗って、最寄りのデパートに向かった。
リニモの中で俺たちは席が隣同士だったのだが、途中華が俺の肩にもたれかかってきて少し戸惑ってしまった。
特に用もないデパートだが、華が服を買いたいと言うので服売り場に向かう。
ていうか彼女の服を彼氏が選ぶって、これ完全にデートじゃ──
「蓮ー!これどっちが似合うと思う?」
華が俺に突き出したのは、オーバーオールの白と黒の二つだった。
「これを俺に選べと?」
いや、こんなのどっちも可愛すぎて選べるわけが…。
「はーやーくー!」
華に急かされて選んだ答えは白だった。華はなんだか儚い(正直に言うと天使みたいな)感じがして、白や水色、青系統が似合うという勝手な意見に基づいた結論だ。
「蓮、なかなかセンスいいんじゃない?私も白がいいと思ってた!」
「いや、じゃあ白って言えよ…。」
でも女子にセンスがいいと言われるのは、普通に結構嬉しいことだ。
その後は雑貨屋に向かった。そう、なんと華とお揃いのキーホルダーを買うためだ。
交際すら初めてなのにお揃いのキーホルダーなんて、普通に興奮してしまう。
「蓮って好きな動物とかいないの?」
好きな動物か…。俺はわりとウサギとか──
「私はウサギとかが好きかな。」
「え…。」
ここで一致するか。さすがに俺は驚愕して硬直してしまった。
「えっ、何なにー?」
「いや、俺もウサギ好きだから、ちょっとびっくりしてさ…。」
「おー!じゃあウサギのお揃い!」
俺たちはウサギのお揃いのキーホルダーを買ってデパートを後にした。
こんなに本格的にデートをしたのは初めてだから、普通に緊張してしまった。
「もうお別れか~…。なんか物足りなくない?」
「そんなこともないけど。」
俺はわりとお腹いっぱいなんだが。華とデートできただけで、すでに結構キャパオーバーだ。
「ちょっとここで待ってて!」
「え?」
華はデパートの中に戻って行く。いや、彼氏を置いてもう一往復とかするつもりか?
俺はそんな不安を背負っていると、すぐに華が戻ってきた。さっきのはなんだったのだろう。
一緒にリニモに乗って駅で解散する頃には、そんな違和感はキレイさっぱり消えていた。
これからも華とたくさん想い出を積み重ねていきたいと心から思えた、最初のデートだった。
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