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第1章
それでもさかおり
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ウィキペディアでさかおりが活動を始めたのは2009年のことだった。それから数年を経て管理者になり、現在に至る。
ある日、さかおりはいつものようにパソコンを開き、ウィキペディアにアクセス、特別:新しいページを確認した。すると、「アナザーウィキメディアへの転生の仕方」というページを見つけた。これがWP:AFDに該当するか調べるため、リンクをクリックしたところ、突然目の前が真っ白になっていった。霧のようであるが、なんなのか全く分からずさかおりは混乱した。とうとう何も見えなくなった。さかおりは恐怖のあまり「ギャー!」と叫んだ。すると、尻の感覚に異変が起こった。それまで座っていた(と思っていた)椅子の感覚が消えたのだ。腰を抜かしたさかおりはどんどん落ちていった。
すると、突如眼下に青い海が広がった。さかおりはどうやら今、雲から落ちてきたらしい。バシャーン!さかおりは海に落ちた。しかし、海は浅くわずか10センチくらいしかなく、さかおりは助かった。
何とか起き上がって、海岸に足を踏み入れた。すると、「ネットの海 入るべからず 注意!トロール上陸中 ウィキペディア共和国海洋警察庁」という看板を見つけた。さかおりは、たまたま通ったおじいさんにここは何処か聞いた。すると、「まず自分の利用者名を言うのがマナーだろ!」と怒鳴られた。さかおりは「え?何のことですか?」と聞いた。
おじいさんは急に顔を真っ青にして「もしや、お前さん、最近増えてるトロールっていうやつかね…」と言った。そして、急に後ろを向いて歩き出した。さかおりは慌ててつけていった。すると、おじいさんが交番のような建物で魔法使いのような人に話をしているのが見えた。その人はさかおりに話しかけた。
「私はジャップ州の管理者、えのきだたもつという者。あなたの名前を聞きたい」と言った。さかおりは自分の本名を言った。すると、その人は突然さかおりの靴を取って靴下をめくり、「だが、あなたの足の裏にはさかおりと書いてあるがな」と言った。
さかおりはえのきだたもつに「もしかして、あなたは日本語版Wikipediaの管理者、えのきだたもつさんですか」と聞いた。全てを察したえのきだたもつは、ここがさかおりの住む現実世界とは異世界であることを説明した。
ここはアナザーウィキメディア連邦という世界で、複数の島(ウィキペディア島やウィクショナリー島)があること、その一つであるメタ島は首都・メガロポリスがあるが多くが単身赴任の役人や市民連合会員で人口が多いのはこのウィキペディア島であること、そのうちジャップ州は日本語使用者であることを説明した。
そしてこの世界は神であるジンボにより創造されたこと、地球の海とも繋がっているがネット中毒になっている者しか偶然辿り着けないこと、ウィキ中毒の者が偶然迷い込んで人口が増えていること、最近ソックパペット(靴下)を履いたトロールが増えて各島を荒らしていること、現実のウィキペディアで記事を立てても何にもならないがこちらで記事を立てれば報酬がある上現実にも反映されることなどを説明した。
さかおりは現実世界に戻る方法をえのきだに聞いた。するとえのきだは「それは私もわからない。知っているのは神ジンボだけだ。が、ジンボは今お隠れになっている」と説明した。
普通、アナザーウィキメディアに迷い込んだ者は自分はネット中毒なのだと諦めるのだが、プライド高いさかおりに諦められるはずもなく、家族も気がかりなので帰ろうとする。それは当たり前ではあるし、逆にそうしないウィキ中毒者たちが恐ろしいが、そんなやつらの中でもさかおりはさかおり、それでもさかおりである。
ある日、さかおりはいつものようにパソコンを開き、ウィキペディアにアクセス、特別:新しいページを確認した。すると、「アナザーウィキメディアへの転生の仕方」というページを見つけた。これがWP:AFDに該当するか調べるため、リンクをクリックしたところ、突然目の前が真っ白になっていった。霧のようであるが、なんなのか全く分からずさかおりは混乱した。とうとう何も見えなくなった。さかおりは恐怖のあまり「ギャー!」と叫んだ。すると、尻の感覚に異変が起こった。それまで座っていた(と思っていた)椅子の感覚が消えたのだ。腰を抜かしたさかおりはどんどん落ちていった。
すると、突如眼下に青い海が広がった。さかおりはどうやら今、雲から落ちてきたらしい。バシャーン!さかおりは海に落ちた。しかし、海は浅くわずか10センチくらいしかなく、さかおりは助かった。
何とか起き上がって、海岸に足を踏み入れた。すると、「ネットの海 入るべからず 注意!トロール上陸中 ウィキペディア共和国海洋警察庁」という看板を見つけた。さかおりは、たまたま通ったおじいさんにここは何処か聞いた。すると、「まず自分の利用者名を言うのがマナーだろ!」と怒鳴られた。さかおりは「え?何のことですか?」と聞いた。
おじいさんは急に顔を真っ青にして「もしや、お前さん、最近増えてるトロールっていうやつかね…」と言った。そして、急に後ろを向いて歩き出した。さかおりは慌ててつけていった。すると、おじいさんが交番のような建物で魔法使いのような人に話をしているのが見えた。その人はさかおりに話しかけた。
「私はジャップ州の管理者、えのきだたもつという者。あなたの名前を聞きたい」と言った。さかおりは自分の本名を言った。すると、その人は突然さかおりの靴を取って靴下をめくり、「だが、あなたの足の裏にはさかおりと書いてあるがな」と言った。
さかおりはえのきだたもつに「もしかして、あなたは日本語版Wikipediaの管理者、えのきだたもつさんですか」と聞いた。全てを察したえのきだたもつは、ここがさかおりの住む現実世界とは異世界であることを説明した。
ここはアナザーウィキメディア連邦という世界で、複数の島(ウィキペディア島やウィクショナリー島)があること、その一つであるメタ島は首都・メガロポリスがあるが多くが単身赴任の役人や市民連合会員で人口が多いのはこのウィキペディア島であること、そのうちジャップ州は日本語使用者であることを説明した。
そしてこの世界は神であるジンボにより創造されたこと、地球の海とも繋がっているがネット中毒になっている者しか偶然辿り着けないこと、ウィキ中毒の者が偶然迷い込んで人口が増えていること、最近ソックパペット(靴下)を履いたトロールが増えて各島を荒らしていること、現実のウィキペディアで記事を立てても何にもならないがこちらで記事を立てれば報酬がある上現実にも反映されることなどを説明した。
さかおりは現実世界に戻る方法をえのきだに聞いた。するとえのきだは「それは私もわからない。知っているのは神ジンボだけだ。が、ジンボは今お隠れになっている」と説明した。
普通、アナザーウィキメディアに迷い込んだ者は自分はネット中毒なのだと諦めるのだが、プライド高いさかおりに諦められるはずもなく、家族も気がかりなので帰ろうとする。それは当たり前ではあるし、逆にそうしないウィキ中毒者たちが恐ろしいが、そんなやつらの中でもさかおりはさかおり、それでもさかおりである。
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