はなしのはこ

レオ

文字の大きさ
1 / 1

Dream...

しおりを挟む





いつものつまらない授業。
いつもの昼飯。
いつもの日々。



固まって動くとかめんどうで、みんなと話はするけど、ひとりの時間が多かった。



今日もお昼ご飯はいつもひとりだから、屋上で食べてた。


そんなとき、声をかけられた。

「きみひとり?」

「誰?」

「…2年A組!小日向 紫音 (こひなた しおん)!」

「…1年C組皆咲りつです…」

「りつ!いい名前だね!」

突然だった。
紫音はうれしそうに、よろしく!と笑顔を交して、自然と笑顔になってた自分がいた。

それから、つまらなかった学校が楽しいものに変化した。
趣味も合って話は弾むし、先輩といえど気楽に話せて、会話が次から次へと出てくる。


-----人とこんなに話せるんだ。


そう思った。





HRが終わり先生に呼ばれ、

「皆咲、委員会が昼休みに入ったから行ってくれ。」

と言われたから、りつに伝えるために、2年A組に向かった。


----誰ですか?その人。


----"小日向 紫音"?聞いたことないな。



どういうことだ。




最後の希望とばかりに、2年A組の担任の獅童 遥(しどうはるか)もとへ行った。

「…いまなんて?」

「小日向紫音。」

「なんで、その名前知ってる…」

「何か知ってますか?連絡先教えてもらえませんか。」

「…無理なことだね。」

「どうしてですか。」

「そいつは、死んでる。」

「…………え」



獅童先生によると、
小日向紫音は5年前に、いじめにあっていたらしい。そして、この学校の屋上から落ちて自殺していた。
先生は幼馴染で、ずっといっしょだったらしいが、いじめにあっていたことは知らず、自分の無力さと気づけなかったことをずっと後悔していると言った。


それを聞いたとき、
一緒に食べ始めて1ヶ月たったある日のことを思いだした。


-----今でも"夢"を見る-----

------どんな夢?---------

----大切な人と幸せになってる"夢"----

----"なってる"ってなにそれ。これから"なる"んでしょ-----

----ははっ、そうだね----

その時、紫音が消えそうで儚い表情は脳裏に焼き付いていた。










いそいで屋上へ行く。
紫音はいつもの場所に立っていた。

凛とした様子で、

「その様子は聞いたんだね」

「あなたは…」

「今はいない存在。自殺した…ことになってると思う」


「なってる…どういうこと?」

「実は"落ちちゃった"んだよね、ここから。」

「…え?」

「確かにいじめは怖かったし、辛かった。だからここの上に立ってみた。でも死ぬのは怖いし、遥がいたから。でもバカだった。ここからすべって落ちた。死んじゃった。遥になにも言えなかったんだー。」

「だってよ、先生。紫音には内緒で連れてきてたんだ。今の聞いて…」

驚いた。

久々に再開したのに、目の前にいるのに、不思議な表情をした獅童先生がいたから。

「見えていないんだよ。りつ以外には見えない。今まで屋上に来た人に声をかけても、誰一人気づいてもらえなかった。だから、りつが初めてだった。」

「そんな…」

絶望的になり、言葉が出なかった。

無言の殻を破ったのは、先生だった。

「皆咲。紫音はどのあたりにいる。」

「えっ…と、ここです。」

紫音の前に立たせると、先生は深呼吸をした。

「はるか…?」

「君がいなくなって、すごく寂しくなっちゃったよ。死ぬなんて馬鹿だな…ほんと。でも今は君のおかげで、1日を後悔しないように生きていかなきゃ。ってすごく思うよ。」

「はる…か…。ずっと隣りに居たかった。それが夢だった。」

「いままでありがとう。」

「こちらこそだよ…遥、幸せになってね。それが今の夢だよ…土産話たくさん聞かせてね。」

「ちゃんと、幸せになってやるから。」

「うん、楽しみにしてる」

「天国で会おう。またね。」

「うん…!ありがとう。いってきます---」


たくさんの優しい光に包まれて、
紫音は消えていった。


「先生。紫音のこと見えたの?」

「いや、全く。でも、会えたなって実感はある。なんでかわかんないけど。紫音はなんていってた?」

「隣りにいることが、夢だった。って」

「ふっ…バカだな。今でも俺の隣りはお前だけだわ。」


その優しい顔は、あとにも、みたことがない。




"りつ、ありがとう。遥をよろしくね"


遠くから声が聞こえた気がした。








~~~~5年後~~~~~

「ほら!はやく!」

「うるさ、りつみたいに若くないし、体力ないから仕方ないじゃん。」


それから、紫音とすぐに仲良くなれたように、遥ともすぐになかよくなった。

紫音がくれた縁を大切に、今はふたりで毎日のようにいる。


今日は紫音の命日だ。

お墓の前で手を合わせる。


--------ねえ紫音。キミの代わりにとは言わないけど、いま遥と楽しく生きれてるよ。

つまらない世界に、色をくれてありがとう。

紫音の夢を叶えるにはもう少しかかるけど、しっかり見守っていてね。







fin




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


どうも、レオです。

楽しんでいただけていたなら幸いでございます。

今回の話は、男女設定はしていません。名前も中性の名前を選びました。

言葉を選ぶのは少し難しかったですが笑

今後も作品を更新していく予定です。

ありがとうございました!
またよろしくお願いいたします。
しおりを挟む
感想 0

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

娼館で元夫と再会しました

無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。 しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。 連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。 「シーク様…」 どうして貴方がここに? 元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!

◆アルファポリスの24hポイントって?◆「1時間で消滅する数百ptの謎」や「投稿インセンティブ」「読者数/PV早見表」等の考察・所感エッセイ

カワカツ
エッセイ・ノンフィクション
◆24h.ptから算出する「読者(閲覧・PV)数確認早見表」を追加しました。各カテゴリ100人までの読者数を確認可能です。自作品の読者数把握の参考にご利用下さい。※P.15〜P.20に掲載 (2023.9.8時点確認の各カテゴリptより算出) ◆「結局、アルファポリスの24hポイントって何なの!」ってモヤモヤ感を短いエッセイとして書きなぐっていましたが、途中から『24hポイントの仕組み考察』になってしまいました。 ◆「せっかく増えた数百ptが1時間足らずで消えてしまってる?!」とか、「24h.ptは分かるけど、結局、何人の読者さんが見てくれてるの?」など、気付いた事や疑問などをつらつら上げています。

貴方なんて大嫌い

ララ愛
恋愛
婚約をして5年目でそろそろ結婚の準備の予定だったのに貴方は最近どこかの令嬢と いつも一緒で私の存在はなんだろう・・・2人はむつまじく愛し合っているとみんなが言っている それなら私はもういいです・・・貴方なんて大嫌い

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

どうぞ、おかまいなく

こだま。
恋愛
婚約者が他の女性と付き合っていたのを目撃してしまった。 婚約者が好きだった主人公の話。

側妃契約は満了しました。

夢草 蝶
恋愛
 婚約者である王太子から、別の女性を正妃にするから、側妃となって自分達の仕事をしろ。  そのような申し出を受け入れてから、五年の時が経ちました。

処理中です...