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間話
アジア奪還─ノア亡き世界。
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「本日の天気は快晴です。」
雷同キャスターが告げる朝の天気予報。今日は我々HRIにとって重要な意味を持つ日だった。
太陽を吸い込むような漆黒の装い。フォーマルなその姿はどの国でも意味は同じである。
「ふー。お天道様の下だと流石に汗ばむな。」
「もう梅雨も終わりだからな。だが、それにしてもリクはいいよな。」
「ボク?!」
「そうだよ。能力のお陰で暑くないんだろ?」
俺と八重筒は羨む。リクは訓練の時でもあまり汗をかかない。それは彼自身の炎を操る能力ゆえだろう。
「そろそろか。じゃあ俺は五色の方に挨拶しに行くよ。」
八重筒を含む五色家の面々は今回の戦いで一色である青方五色の当主、青海稲樹を失い、新たな体制を作ることに奔走しているようだ。
「お、そこに居るのは。蓮君じゃないか!おーい蓮くーん!」
「紫苑さん!」
緑の短髪を揺らし、その女性はやってくる。第一小隊の隊長であり、白方五色当主の姉である天竹紫苑だ。俺が入隊を決めたきっかけであり命の恩人だ。
「あの時は助かりました。」
俺の一言に彼女は首を横にふる。
「いいんだ。君達が安心できるなら。この頭何度でも下げれるよ。」
あの時とはノアと決着を付けたあの日の事である。
ことの次第はこうだ。
──
「ノア、反応消失。無力化に成功した。」
癒瘡木隊長は無線越しに状況を伝える。
結論ではあるが、玲衣は姉の身体を殺せなかった。その代わりにとったが、ゼロ距離の冷凍。つまり氷塊による捕縛である。
『駄目だ!その塊をすぐ砕け!』
現場の選択が気に食わぬ者もいる。当然である。体組織を水に変化できる生物がノアであり、氷漬けは有効であるように思える。
それでも奴は神の子。そんな拘束を諸共しない可能性も充分あった。
この状況、現場と司令に板挟みにされて最も困っていたのは中間管理職─癒瘡木硬樹である。
「(どうすればいい…俺には氷を砕く力は残ってない。かと言って、玲衣や蓮に殺す選択をさせれるのだろうか。彼らの心的外傷は…)」
─ポンッ。と迷う癒瘡木の肩を叩く者がいた。
「アンタは難しく考えすぎなのよ。」
「紫苑!」
「紫苑さん!」
全てが終わって最強はやってきた。
「あー、本部?今確認した。大丈夫、ノアはもう動かないわよ。」
『な!紫苑!また貴様ッ…!──報告書はしっかり書けよ。』
「はいはーい。準備はアンタらがやりなさいよー」
鶴の一声。天竹紫苑は最強なのだ。彼女が安全を担保するなら、本部は何も言えない。
「良くやったね。玲衣。こんな結末だけど、アンタの選択、上手くいくと思う。」
「今まで、ありがとうございます。紫苑さん。」
「なーに、大したことないわよ。」
─
『全部隊に連絡する!7時13分─ノアの無力化を確認!繰り返す!ノアの無力化を確認!』
突然の連絡だった。隊員は信じられずイヤーカフ越しの声を偽物かと疑う気持ちさえあった。
『日本防衛戦、我々の勝利です!』
「「うおおおおお!!」」
「行くぞ!決着の地へ!」
沸き立つ者、素早く行動に移る者、反応は多岐に渡った。それでも心は一つ。
[勝利]に酔いしれる感情だけは皆同じであった。
「よくやった玲衣!少々氷を砕くのに難儀するが完璧だ!これで我々の研究も捗るぞ!」
真っ先に訪れたのは花子である。プラント研究の一任者。彼女は貴重な神の子の情報を欲していた。
「落ち着いてください花子さん!」
「ええい!邪魔をするな神木蓮!この研究には意義があるのだ!植物硬化病の対策、プラントの階級性の証明!やりたい事はまだまだあるんだぞ!」
俺は必死に抑えていたが、この女、力が強い。学校の七不思議の重鎮のような幼い見た目なのに本当に意味がわからない。
「いい、蓮。こうでもしないと罪滅ぼしなんて出来ないもの。」
その言葉に俺は花子さんを離す。彼女は全速力で、雨衣入りの氷塊に抱きついた。
「うっひひ!親族のていきょー同意助かるよ!うわっ!舌くっつひたー!」
興奮のあまり氷を溶かさんとする勢いで舐めまくる花子。もうヤツは俺らに気を遣わない。
「良かったのか?」
玲衣へ問う。
「お姉ちゃんは苦しんでいた。人を気付けてしまう自分に、ノアの存在に。罪を感じていた。なら少なくとも氷室雨衣が出来ることをさせてあげるしかない。」
冷たい回答。でも俺は知っている玲衣はこれでも心を痛めているのだ。
「っと、大丈夫か?」
突然ふらつく玲衣。俺に倒れ掛けてきた。
「…ぜんぜん。もう歩けない。」
「迎え呼ぶか。」
俺の問いに首を振る。
「蓮が連れてって。」
「…分かったよ。」
結局俺が玲衣を背負っていく形。背中から感じる俺の邪な思いを抑えつつ、クレーターを進んで行く。
玲衣も一杯一杯なのだろう。ちゃんと別れができたとは言え、自分の手で姉を終わらせたのだ。
「これから大変だろうけどよ。俺もできる限りサポートするから。」
「うん?」
言いたい事があまり伝わっていなかったのだろうか。玲衣は言質を取りたいのか…そうじゃないといわんばかりに聞き返してくる
「…1人じゃないって事だよ!皆んないるから寂しくないだろ!」
「うん。そうだね。」
「落ちるなよ。」
「うん。」
ギュッと俺の肩の周りを覆う玲衣の腕に力が入った。
──終戦を噛み締める者達が居る中、まだ戦いを続ける者もいる。第三小隊。彼等の役割は残党処理も含まれていた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ!」
プラントの集団の鈍い動きに1人の少女が忍者のような振る舞いで突入した。
両手に小刀。切れ味は凄まじく、軽快なステップと回転運動から銀閃が走るとプラントは次々に倒れた。
「ニアッ!入れ替われ!休憩だ!」
「やっとかー、引き継ぎお願いしますね。隊長ッ!」
ニアは視界の端から現れる宵茸の存在を確認すると後退する。
「うーわっ、すごー!」
宵茸リーダーは目立たないヒトだ。戦い方からして忍者のように音を消した立体的な動きをするから普段の生活でもそんな陰の雰囲気が出ている。
それでもやっぱり、彼が戦う時は美しい。彼を追いかける視線が止まらないのだ。それだけ滑らかな動きをしているということになる。火花が散る。彼はアーティストなんだと錯覚してしまうほどに綺麗だ。
「隊長!次は3時の方向、4メートル!」
そう、後輩もできた。第四小隊から来た火祭リク。前髪が長くて目が合わせづらいヤツだ。すぐにリーダーに気に入られてて私は気に食わない。
『討伐数36…付近のプラントの反応は消えました!』
オペレーターの興奮気味な声に対して、私は目の前の様子を受け入れられなかった。交替から1時間も経っていない、それなのに36体も討伐できている。
やはり、隊長の右腕に相応しいは─
「ふんッ!まだまだ動きが荒いね、火祭リク!」
地面に座る彼にスポーツドリンクを彼に投げ渡す。
「あ、ありがとう、ございまひゅ…」
隊長の動きに反応するだけで息も絶え絶えな男が相応しい?我ながら悲観的だ。
私以外に宵茸隊長と肩を並べて戦えるものが居るはずがない!
「ニア。あまり後輩をいびるなよ。」
「は、はい!」
滅多にない宵茸の叱責にカラダが喜びに震えてしまいそうになったニアだった。
「隊長。この戦いが終わればどうなるんですかね。」
「新入り、そんなのも分からず戦ってたの?終戦の報告と弔いよ。」
「…概ねニアの言う通りだ。残兵を処理すれば、日本には平和が訪れる。そして、その束の間の休息に心身を整える。要は次の戦いに備えるんだ。」
「次の、戦い…」
──
HRIの終戦のセレモニーは粛々と行われた。死者を偲び、その上で戦いに勝ったことへの事実を噛み締める。
「我々はこの戦いを多くの犠牲の上で乗り越えた。」
所長、大地の言だ。
「隣で夢を語らいあった者もいただろう。いずれ訪れる平和な世のために戦い続けた者もいただろう。そんな未来を望む彼らの尊い犠牲の上に我々は自由を得た。」
拳を壇に叩きつけて迫力を演出する。
「我々は忘れてはならない。この犠牲を!そして、今だにプラントの支配下に置かれ苦しむ隣人達を!【宣言】する!我々はHRI日本支部は次の戦場をアフリカとし、その荒廃した土地を奪還する!」
皆が騒めく。大地所長の【宣言】は指令であり、我々の目標となるのだ。
「取り戻し、取り戻し、勝ちに勝ち。我々は在りし日を、この手にするぞッ!!!」
─
「所長も大きくでたよねぇ。」
「それに先見部隊は第一小隊ですか。」
「いきなり最高戦力を持ち出すんだ、それなりの覚悟と勝算があるんだろうねぇ?」
「えぇ。新戦力も入りましたから。」
玲衣が「ねぇ?」と、言わんばかりにこちらを見てくる。
「全く君には驚かされてばっかりだ。第二の筋肉バカになるかと思いきや、他人の力を使い出すんだから。」
紫苑さんはニヤニヤとこちらを見る。そんな2人の態度にもいい加減慣れた俺は溜息から返事を始める。
「謎も多いんですけどね。花子さんのモルモットにされなくて良かったですよ。」
「ハハハ!アイツ『次は神木だ』なんて不気味に笑ってたわよ!」
「笑えねーっすよ。あの姉妹マジでネジ飛んでますから!」
「ふふふ」
「あ、玲衣ちゃん。笑った。」
「だって2人が面白いから。」
以前は鉄面皮のように眉一つ動かさず感情を表現しなかった玲衣がケラケラと笑う。嬉しい変化というヤツだろう。
「じゃあ行くよ。副隊長達。」
紫苑さんは俺らの前を歩く。俺らはついて行く。いつかこの日常も在りし日になるのだろうか。
だとしたら変わり続ける世の中で、変えさせてはいけないものがあるはずだ。
「今をより良くしていくために。」
雷同キャスターが告げる朝の天気予報。今日は我々HRIにとって重要な意味を持つ日だった。
太陽を吸い込むような漆黒の装い。フォーマルなその姿はどの国でも意味は同じである。
「ふー。お天道様の下だと流石に汗ばむな。」
「もう梅雨も終わりだからな。だが、それにしてもリクはいいよな。」
「ボク?!」
「そうだよ。能力のお陰で暑くないんだろ?」
俺と八重筒は羨む。リクは訓練の時でもあまり汗をかかない。それは彼自身の炎を操る能力ゆえだろう。
「そろそろか。じゃあ俺は五色の方に挨拶しに行くよ。」
八重筒を含む五色家の面々は今回の戦いで一色である青方五色の当主、青海稲樹を失い、新たな体制を作ることに奔走しているようだ。
「お、そこに居るのは。蓮君じゃないか!おーい蓮くーん!」
「紫苑さん!」
緑の短髪を揺らし、その女性はやってくる。第一小隊の隊長であり、白方五色当主の姉である天竹紫苑だ。俺が入隊を決めたきっかけであり命の恩人だ。
「あの時は助かりました。」
俺の一言に彼女は首を横にふる。
「いいんだ。君達が安心できるなら。この頭何度でも下げれるよ。」
あの時とはノアと決着を付けたあの日の事である。
ことの次第はこうだ。
──
「ノア、反応消失。無力化に成功した。」
癒瘡木隊長は無線越しに状況を伝える。
結論ではあるが、玲衣は姉の身体を殺せなかった。その代わりにとったが、ゼロ距離の冷凍。つまり氷塊による捕縛である。
『駄目だ!その塊をすぐ砕け!』
現場の選択が気に食わぬ者もいる。当然である。体組織を水に変化できる生物がノアであり、氷漬けは有効であるように思える。
それでも奴は神の子。そんな拘束を諸共しない可能性も充分あった。
この状況、現場と司令に板挟みにされて最も困っていたのは中間管理職─癒瘡木硬樹である。
「(どうすればいい…俺には氷を砕く力は残ってない。かと言って、玲衣や蓮に殺す選択をさせれるのだろうか。彼らの心的外傷は…)」
─ポンッ。と迷う癒瘡木の肩を叩く者がいた。
「アンタは難しく考えすぎなのよ。」
「紫苑!」
「紫苑さん!」
全てが終わって最強はやってきた。
「あー、本部?今確認した。大丈夫、ノアはもう動かないわよ。」
『な!紫苑!また貴様ッ…!──報告書はしっかり書けよ。』
「はいはーい。準備はアンタらがやりなさいよー」
鶴の一声。天竹紫苑は最強なのだ。彼女が安全を担保するなら、本部は何も言えない。
「良くやったね。玲衣。こんな結末だけど、アンタの選択、上手くいくと思う。」
「今まで、ありがとうございます。紫苑さん。」
「なーに、大したことないわよ。」
─
『全部隊に連絡する!7時13分─ノアの無力化を確認!繰り返す!ノアの無力化を確認!』
突然の連絡だった。隊員は信じられずイヤーカフ越しの声を偽物かと疑う気持ちさえあった。
『日本防衛戦、我々の勝利です!』
「「うおおおおお!!」」
「行くぞ!決着の地へ!」
沸き立つ者、素早く行動に移る者、反応は多岐に渡った。それでも心は一つ。
[勝利]に酔いしれる感情だけは皆同じであった。
「よくやった玲衣!少々氷を砕くのに難儀するが完璧だ!これで我々の研究も捗るぞ!」
真っ先に訪れたのは花子である。プラント研究の一任者。彼女は貴重な神の子の情報を欲していた。
「落ち着いてください花子さん!」
「ええい!邪魔をするな神木蓮!この研究には意義があるのだ!植物硬化病の対策、プラントの階級性の証明!やりたい事はまだまだあるんだぞ!」
俺は必死に抑えていたが、この女、力が強い。学校の七不思議の重鎮のような幼い見た目なのに本当に意味がわからない。
「いい、蓮。こうでもしないと罪滅ぼしなんて出来ないもの。」
その言葉に俺は花子さんを離す。彼女は全速力で、雨衣入りの氷塊に抱きついた。
「うっひひ!親族のていきょー同意助かるよ!うわっ!舌くっつひたー!」
興奮のあまり氷を溶かさんとする勢いで舐めまくる花子。もうヤツは俺らに気を遣わない。
「良かったのか?」
玲衣へ問う。
「お姉ちゃんは苦しんでいた。人を気付けてしまう自分に、ノアの存在に。罪を感じていた。なら少なくとも氷室雨衣が出来ることをさせてあげるしかない。」
冷たい回答。でも俺は知っている玲衣はこれでも心を痛めているのだ。
「っと、大丈夫か?」
突然ふらつく玲衣。俺に倒れ掛けてきた。
「…ぜんぜん。もう歩けない。」
「迎え呼ぶか。」
俺の問いに首を振る。
「蓮が連れてって。」
「…分かったよ。」
結局俺が玲衣を背負っていく形。背中から感じる俺の邪な思いを抑えつつ、クレーターを進んで行く。
玲衣も一杯一杯なのだろう。ちゃんと別れができたとは言え、自分の手で姉を終わらせたのだ。
「これから大変だろうけどよ。俺もできる限りサポートするから。」
「うん?」
言いたい事があまり伝わっていなかったのだろうか。玲衣は言質を取りたいのか…そうじゃないといわんばかりに聞き返してくる
「…1人じゃないって事だよ!皆んないるから寂しくないだろ!」
「うん。そうだね。」
「落ちるなよ。」
「うん。」
ギュッと俺の肩の周りを覆う玲衣の腕に力が入った。
──終戦を噛み締める者達が居る中、まだ戦いを続ける者もいる。第三小隊。彼等の役割は残党処理も含まれていた。
「ひぃ、ふぅ、みぃ!」
プラントの集団の鈍い動きに1人の少女が忍者のような振る舞いで突入した。
両手に小刀。切れ味は凄まじく、軽快なステップと回転運動から銀閃が走るとプラントは次々に倒れた。
「ニアッ!入れ替われ!休憩だ!」
「やっとかー、引き継ぎお願いしますね。隊長ッ!」
ニアは視界の端から現れる宵茸の存在を確認すると後退する。
「うーわっ、すごー!」
宵茸リーダーは目立たないヒトだ。戦い方からして忍者のように音を消した立体的な動きをするから普段の生活でもそんな陰の雰囲気が出ている。
それでもやっぱり、彼が戦う時は美しい。彼を追いかける視線が止まらないのだ。それだけ滑らかな動きをしているということになる。火花が散る。彼はアーティストなんだと錯覚してしまうほどに綺麗だ。
「隊長!次は3時の方向、4メートル!」
そう、後輩もできた。第四小隊から来た火祭リク。前髪が長くて目が合わせづらいヤツだ。すぐにリーダーに気に入られてて私は気に食わない。
『討伐数36…付近のプラントの反応は消えました!』
オペレーターの興奮気味な声に対して、私は目の前の様子を受け入れられなかった。交替から1時間も経っていない、それなのに36体も討伐できている。
やはり、隊長の右腕に相応しいは─
「ふんッ!まだまだ動きが荒いね、火祭リク!」
地面に座る彼にスポーツドリンクを彼に投げ渡す。
「あ、ありがとう、ございまひゅ…」
隊長の動きに反応するだけで息も絶え絶えな男が相応しい?我ながら悲観的だ。
私以外に宵茸隊長と肩を並べて戦えるものが居るはずがない!
「ニア。あまり後輩をいびるなよ。」
「は、はい!」
滅多にない宵茸の叱責にカラダが喜びに震えてしまいそうになったニアだった。
「隊長。この戦いが終わればどうなるんですかね。」
「新入り、そんなのも分からず戦ってたの?終戦の報告と弔いよ。」
「…概ねニアの言う通りだ。残兵を処理すれば、日本には平和が訪れる。そして、その束の間の休息に心身を整える。要は次の戦いに備えるんだ。」
「次の、戦い…」
──
HRIの終戦のセレモニーは粛々と行われた。死者を偲び、その上で戦いに勝ったことへの事実を噛み締める。
「我々はこの戦いを多くの犠牲の上で乗り越えた。」
所長、大地の言だ。
「隣で夢を語らいあった者もいただろう。いずれ訪れる平和な世のために戦い続けた者もいただろう。そんな未来を望む彼らの尊い犠牲の上に我々は自由を得た。」
拳を壇に叩きつけて迫力を演出する。
「我々は忘れてはならない。この犠牲を!そして、今だにプラントの支配下に置かれ苦しむ隣人達を!【宣言】する!我々はHRI日本支部は次の戦場をアフリカとし、その荒廃した土地を奪還する!」
皆が騒めく。大地所長の【宣言】は指令であり、我々の目標となるのだ。
「取り戻し、取り戻し、勝ちに勝ち。我々は在りし日を、この手にするぞッ!!!」
─
「所長も大きくでたよねぇ。」
「それに先見部隊は第一小隊ですか。」
「いきなり最高戦力を持ち出すんだ、それなりの覚悟と勝算があるんだろうねぇ?」
「えぇ。新戦力も入りましたから。」
玲衣が「ねぇ?」と、言わんばかりにこちらを見てくる。
「全く君には驚かされてばっかりだ。第二の筋肉バカになるかと思いきや、他人の力を使い出すんだから。」
紫苑さんはニヤニヤとこちらを見る。そんな2人の態度にもいい加減慣れた俺は溜息から返事を始める。
「謎も多いんですけどね。花子さんのモルモットにされなくて良かったですよ。」
「ハハハ!アイツ『次は神木だ』なんて不気味に笑ってたわよ!」
「笑えねーっすよ。あの姉妹マジでネジ飛んでますから!」
「ふふふ」
「あ、玲衣ちゃん。笑った。」
「だって2人が面白いから。」
以前は鉄面皮のように眉一つ動かさず感情を表現しなかった玲衣がケラケラと笑う。嬉しい変化というヤツだろう。
「じゃあ行くよ。副隊長達。」
紫苑さんは俺らの前を歩く。俺らはついて行く。いつかこの日常も在りし日になるのだろうか。
だとしたら変わり続ける世の中で、変えさせてはいけないものがあるはずだ。
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