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第1話
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「どうかしましたか?」
「いや......」
食欲には勝てなかった。俺は彼女の夕飯の手伝いに駆り出され、草原を歩いている。異世界というからには何か俺にも異変があったのだろう、そう思っていた。が、結果としてわかったのは何にもない、という事実だけだ。
力もなければ魔法のようなものも身に付いてはいない。まるであっちの世界と何も変わっていないじゃないか。本当に俺は異世界にやってきたのか? とさえ思ってしまう。
けれど事実を見逃せはしなかった。
「危ないです、倫也さん!」
「何っ......」
気が付いた時、俺の服は赤く染まっていた。けれど何かおかしい。オレンジ色の物体が俺の顔面をめがけて飛んできた。
そうそれはまるで彼女の持っているニンジンにそっくりだった。
「ニンシンには気をつけてくださいね。油断して頭に穴が空いた人がいるくらいなんですから」
妊娠? いやニンシンか。きっとまだ言葉を覚えきれていないんだろう。ともかく一体さっきまで何があったんだ? 間違いなく彼女の隣にいる大きなニンジンは俺を貫くように飛びかかってきたはずだ。
「シミル、さっき何かがあったのか教えてくれ......」
彼女は俺に背を向けた。だがそれは軽蔑でなく親切だった。彼女の前には俺たちを睨むキャベツやジャガイモの姿があった。
この世界じゃ植物ですら意思を持つのか。自分で動いてくれる野菜は金がかからなくて結構だが、いくら命があっても足りそうにない。運動不足の俺がそう言っていた。
「その前に片付けちゃいますね」
彼女はそう言って大きな籠を地面に置き、俺にニンジンを託した。
冷たっ。なんだこれ、凍ってるのか?
そんな呑気な疑問を浮かべた瞬間、俺は周囲の寒気を感じ取った。まるでエアコンの風を浴びせられたように身体は縮こまり熱を求め始めた。
「氷凛......」
彼女の言葉を聞いたとき、俺はこの世界の現実を見させられた。そしてまた俺の頭にニンジンが飛びかかった。
涼し気な風と共に俺は血の温かさを感じていた。
「大丈夫ですか倫也さん!」
彼女はキャベツを放り投げ俺の元へと近寄る。おいおい、食べ物を粗末に扱うと......声が出てこない。そうか、頭をやられたのか。
どうして俺は考えていられるんだ?
その疑問が1つの答えへと収束を始めた。最初のイノ鹿の攻撃、そしてニンジンたちの俺の頭部貫通。そしてまるで崩れたピースが1つずつ戻って行くような感覚。
俺の能力は、死なないってことなのか。強さも弱さもなくただそれだけ。俺は彼女の能力に口を開けていることしかできなかった。
彼女はそんな俺を見て謝罪するような顔をする。
「ごめんなさい。つい張り切ってやりすぎちゃいました。解凍するので収穫を手伝ってもらえますか?」
「あ、ああ......」
俺の頭は真っ白だった。すでに考えることすら忘れて意味のない言葉が通り過ぎた。彼女は野菜たちどころか草原そのものを氷で包んだ。そしてそれはまるで綺麗な薔薇の蕾のような形をしていた。
中学生くらいの見た目でこの実力。いくら死なないとはいえ......
幸先に不安が生じる。そして何より俺の予感が伝えていた。一番の敵となる人物が思い浮かんでしまったことを。
俺はそれを心に押し殺し、収穫を再開した。彼女が氷に触れると彼らはそれを避けるような動きを取った。収穫物は凍ったまま俺たちに驚きの顔を見せていた。
これを今から調理するのか? 俺には気味が悪くてできたもんじゃない。まぁもともと調理なんて人に自慢できるほどしたこともないが。
***
「おいしい」
帰る途中、きっとこいつらは切られた瞬間に叫び声を上げるに違いないだとか、煮えたぎる鍋の中で死ねを連呼してくるのだと思っていた。
が、そんなことは俺の妄想で、揚句に初めて食べた感想がそれだった。少年期を思い出すほどにほっこりと温かみのある味がどこか懐かしい。
「お口に合ったかしら?」
「ええ、そりゃもちろん! このサラダもおいしいですね!」
俺は家族に受け入れられていた。彼女の母親も父親も俺を変に思っている様子ではなかった。やっぱりシミルの影響だろうか。彼女の耳は俺と同じで丸みを帯びていた。
拾い子、養子か? いずれにしても何かの縁があったことだけは違いない。俺は彼女の作ったシチューを3杯も飲み、生きている実感を得た。
「倫也さん、おひげが付いてますよ」
彼女は優しく自分のナプキンで俺の口に付いた白鬚を取り除いた。
「悪いなシミル。ありがとう」
ありがとう。こんな言葉を言ったのはいつ以来だろう。そしてこんな家族の温かみも知れたのも。やっぱり大人数は寂しさが逃げていく。
「まるでシミルはお母さんみたいだな」
「はい、パティルお母様みたいな立派なお母さんになりたいんです!」
「まぁうれしいわー、シミルはきっといいお母さんになれそうね」
「へへ~」
彼女の母親は彼女を抱きしめ彼女はそれに少し照れを見せた。俺はその光景を羨ましく思った。これは決して彼女に惚れたわけではない。単純に羨ましく思ったのだ。
家族がほんの少しだけ恋しい。
「ところで、倫也くんはどこか行く場所はないのかい?」
「行く場所、ですか?」
「ああ。シミルの話だとどこかに向かう見たこともない服装をしていたというじゃないか」
「いえ、特にどこかへ行こうとは思っていないんです。けれど、できることなら俺は......」
まだここでのんびりと過ごした日々を過ごしていたい。それが本音だった。けれどここでこの言葉を飲み込むしかなかった。こんなところで甘えているわけにはいかない。シミルはともかく俺も大人だ。子供のような甘えたことは言っていられない。
「そうか。君が言いたいときになるまでここにいればいい。シミルの収穫に手伝ってもらえるだけでうちは大助かりだから」
俺は彼らに感謝を述べてその場を後にし星空を眺めた。綺麗でそれでいて鮮明だ。向こうの世界では少し曇ったりしていて、何より人混みでそんなことをしている暇なんてなかった。
俺はこの世界に救われた。この世界ではどんな仕事があるのだろう。さすがにサラリーマンはないか。できれば戦闘は勘弁したい。といいたいところだけどそれが一番まともかもしれないな。
「星がきれいですね」
彼女の言葉に俺は飛び起きた。そこにいたのは紛れもなくシミルだった。
「私の顔に何かついてますか?」
「いや、そういうわけじゃないが......」
彼女は俺の隣に座り身体をこちらに傾けた。やめてくれ、2人に誤解される。そう思ったが、純粋無垢な彼女にそんなことは言えなかった。
「倫也さん、相談があるんです」
彼女の口から発せられた言葉に俺は動揺を隠せなかった。できれば断りたいくらいだった。
「いや......」
食欲には勝てなかった。俺は彼女の夕飯の手伝いに駆り出され、草原を歩いている。異世界というからには何か俺にも異変があったのだろう、そう思っていた。が、結果としてわかったのは何にもない、という事実だけだ。
力もなければ魔法のようなものも身に付いてはいない。まるであっちの世界と何も変わっていないじゃないか。本当に俺は異世界にやってきたのか? とさえ思ってしまう。
けれど事実を見逃せはしなかった。
「危ないです、倫也さん!」
「何っ......」
気が付いた時、俺の服は赤く染まっていた。けれど何かおかしい。オレンジ色の物体が俺の顔面をめがけて飛んできた。
そうそれはまるで彼女の持っているニンジンにそっくりだった。
「ニンシンには気をつけてくださいね。油断して頭に穴が空いた人がいるくらいなんですから」
妊娠? いやニンシンか。きっとまだ言葉を覚えきれていないんだろう。ともかく一体さっきまで何があったんだ? 間違いなく彼女の隣にいる大きなニンジンは俺を貫くように飛びかかってきたはずだ。
「シミル、さっき何かがあったのか教えてくれ......」
彼女は俺に背を向けた。だがそれは軽蔑でなく親切だった。彼女の前には俺たちを睨むキャベツやジャガイモの姿があった。
この世界じゃ植物ですら意思を持つのか。自分で動いてくれる野菜は金がかからなくて結構だが、いくら命があっても足りそうにない。運動不足の俺がそう言っていた。
「その前に片付けちゃいますね」
彼女はそう言って大きな籠を地面に置き、俺にニンジンを託した。
冷たっ。なんだこれ、凍ってるのか?
そんな呑気な疑問を浮かべた瞬間、俺は周囲の寒気を感じ取った。まるでエアコンの風を浴びせられたように身体は縮こまり熱を求め始めた。
「氷凛......」
彼女の言葉を聞いたとき、俺はこの世界の現実を見させられた。そしてまた俺の頭にニンジンが飛びかかった。
涼し気な風と共に俺は血の温かさを感じていた。
「大丈夫ですか倫也さん!」
彼女はキャベツを放り投げ俺の元へと近寄る。おいおい、食べ物を粗末に扱うと......声が出てこない。そうか、頭をやられたのか。
どうして俺は考えていられるんだ?
その疑問が1つの答えへと収束を始めた。最初のイノ鹿の攻撃、そしてニンジンたちの俺の頭部貫通。そしてまるで崩れたピースが1つずつ戻って行くような感覚。
俺の能力は、死なないってことなのか。強さも弱さもなくただそれだけ。俺は彼女の能力に口を開けていることしかできなかった。
彼女はそんな俺を見て謝罪するような顔をする。
「ごめんなさい。つい張り切ってやりすぎちゃいました。解凍するので収穫を手伝ってもらえますか?」
「あ、ああ......」
俺の頭は真っ白だった。すでに考えることすら忘れて意味のない言葉が通り過ぎた。彼女は野菜たちどころか草原そのものを氷で包んだ。そしてそれはまるで綺麗な薔薇の蕾のような形をしていた。
中学生くらいの見た目でこの実力。いくら死なないとはいえ......
幸先に不安が生じる。そして何より俺の予感が伝えていた。一番の敵となる人物が思い浮かんでしまったことを。
俺はそれを心に押し殺し、収穫を再開した。彼女が氷に触れると彼らはそれを避けるような動きを取った。収穫物は凍ったまま俺たちに驚きの顔を見せていた。
これを今から調理するのか? 俺には気味が悪くてできたもんじゃない。まぁもともと調理なんて人に自慢できるほどしたこともないが。
***
「おいしい」
帰る途中、きっとこいつらは切られた瞬間に叫び声を上げるに違いないだとか、煮えたぎる鍋の中で死ねを連呼してくるのだと思っていた。
が、そんなことは俺の妄想で、揚句に初めて食べた感想がそれだった。少年期を思い出すほどにほっこりと温かみのある味がどこか懐かしい。
「お口に合ったかしら?」
「ええ、そりゃもちろん! このサラダもおいしいですね!」
俺は家族に受け入れられていた。彼女の母親も父親も俺を変に思っている様子ではなかった。やっぱりシミルの影響だろうか。彼女の耳は俺と同じで丸みを帯びていた。
拾い子、養子か? いずれにしても何かの縁があったことだけは違いない。俺は彼女の作ったシチューを3杯も飲み、生きている実感を得た。
「倫也さん、おひげが付いてますよ」
彼女は優しく自分のナプキンで俺の口に付いた白鬚を取り除いた。
「悪いなシミル。ありがとう」
ありがとう。こんな言葉を言ったのはいつ以来だろう。そしてこんな家族の温かみも知れたのも。やっぱり大人数は寂しさが逃げていく。
「まるでシミルはお母さんみたいだな」
「はい、パティルお母様みたいな立派なお母さんになりたいんです!」
「まぁうれしいわー、シミルはきっといいお母さんになれそうね」
「へへ~」
彼女の母親は彼女を抱きしめ彼女はそれに少し照れを見せた。俺はその光景を羨ましく思った。これは決して彼女に惚れたわけではない。単純に羨ましく思ったのだ。
家族がほんの少しだけ恋しい。
「ところで、倫也くんはどこか行く場所はないのかい?」
「行く場所、ですか?」
「ああ。シミルの話だとどこかに向かう見たこともない服装をしていたというじゃないか」
「いえ、特にどこかへ行こうとは思っていないんです。けれど、できることなら俺は......」
まだここでのんびりと過ごした日々を過ごしていたい。それが本音だった。けれどここでこの言葉を飲み込むしかなかった。こんなところで甘えているわけにはいかない。シミルはともかく俺も大人だ。子供のような甘えたことは言っていられない。
「そうか。君が言いたいときになるまでここにいればいい。シミルの収穫に手伝ってもらえるだけでうちは大助かりだから」
俺は彼らに感謝を述べてその場を後にし星空を眺めた。綺麗でそれでいて鮮明だ。向こうの世界では少し曇ったりしていて、何より人混みでそんなことをしている暇なんてなかった。
俺はこの世界に救われた。この世界ではどんな仕事があるのだろう。さすがにサラリーマンはないか。できれば戦闘は勘弁したい。といいたいところだけどそれが一番まともかもしれないな。
「星がきれいですね」
彼女の言葉に俺は飛び起きた。そこにいたのは紛れもなくシミルだった。
「私の顔に何かついてますか?」
「いや、そういうわけじゃないが......」
彼女は俺の隣に座り身体をこちらに傾けた。やめてくれ、2人に誤解される。そう思ったが、純粋無垢な彼女にそんなことは言えなかった。
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