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第12章 二つ目の地域制覇へ
第11話 アッシュのお出かけ①
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「さぁ、モックン。早く、あのチンチクリンを呼んでらっしゃい」
『はっ! しばしお待ちを』
モックンの背に乗り、アッシュはレッテ山の反対側にやって来た。
到着すると、プーちゃんを連れて来るように指示した。時間はまだ太陽が真上に来たところだった。
モックンの姿は大きい。しかも今は真っ昼間、目立つ事この上ない。
しかも、見知らぬ魔物の気配には精霊や妖精は敏感だ。なのに、森を歩いてもモックンは発見されなかった。あの、テリトリーの森の中では無敵を誇るヨウムでさえ、前回同様モックンには気付かなかったのだ。
森の中を彷徨うモックンだが、あてがある訳ではない。ただひとつ、プーちゃんはよく森の上を飛んでいるという話だけは覚えていた。
なのでモックンは樹上に登り、樹の上を移動しながらプーちゃんを探した。
デカイといってもモックンは蜘蛛。無音走も得意だし、軽業師の如く移動するのも得意だ。
そんなモックンだが、精霊の見分けが得意では無かった。なので、樹上を彷徨う小さな妖精や精霊を片っ端から捕らえて行ったのだ。
『ただいま戻りました』
「遅い! いったい何時まで待たせるのよ。それで、チンチクリンの姿が見えないけど、ちゃんと連れてきたの?」
『はっ! この中にいると思います』
総勢三十の蜘蛛糸で出来た玉をアッシュに披露するモックン。
「は? なによ、この糸玉は」
『はっ! 中に入っています。今から開けますのでご覧ください』
そう言って、シュルシュルと蜘蛛糸を解いていく。
これは下水工事で使った蜘蛛糸とは別の種類の糸で、粘着力も無く強度も弱い糸だった。モックンは『魔王蜘蛛』になって、色んな糸の使い分けができるようになっていたのだ。
次々と蜘蛛糸を解いていくと、中からは小さいものだと十センチ程度、大きいものでも五十センチ程度の妖精が現れた。
全員、解かれた瞬間に、モックンの姿に驚いて身を固めてしまう。酷い時には気絶をするものまで出た。
「モックン? これはどういう事?」
『はっ! 我にはどの者を見てもプーチャン殿にしか見えず、仕方がありませんので全てのプーチャン殿を捕らえて参りました。プーチャン殿とは、こんなにもおられたのですな』
その惨状と言っていい状態を見て、アッシュは額に手をやり頭を抱えた。
「はぁ、これは減点一ね。もう次は無いわよ」
『げっ! それはどういう意味でしょうか!』
「どうもこうも無いわよ! ここにはチンチクリンがいないじゃないの! こんなチンチクリンばっかり集めて来て、この役立たず!」
『それは、どういう……チンチクリンを集めるで、合ってるのでは。しかもこんなに沢山捕らえて来たのに減点とはご無体な』
「なに言ってんの! 私が連れて来いって言ったのはチンチクリンの事よ。こんなチンチクリンに用は無いの!」
アッシュとモックンが不毛な言い合いをしていると、目の前で蜘蛛糸から解放された妖精達が突然消えた。
「モックン? なにかした?」
『いえ、我はなにも。ご主人様こそ何かされたか』
「私も何もしてないわよ。別に、何かが襲って来てもどうとでもなるけど、気味が悪いわね」
『ここはエイジ様の本宅のある場所でございます。ご主人様は自重してくだされ』
「そんな事言われなくても分かってるわよ。でも、襲われたら反撃ぐらいはするわよ」
この二人は最上位の実力を持っている。
蜘蛛系の最上位の『魔王蜘蛛』のモックンでクラマと同程度、悪魔の侯爵寸前である大伯爵のアッシュはマイアよりも上の実力を持っている。もし、マイアもクラマもユーもいなければ、ここに太刀打ち出来る者などいないだろう。
「あなた達は……」
突然、上空から声を掛けられて、そちらに目を向けるアッシュ。モックンは蜘蛛特有の八つの単眼を持っているので発見は早いのだが、ピントが合わずにボケて見えるので誰なのか認識できない。
だから、声が掛かる前に発見はできたのだが、ここで暴れるのはご法度だと分かっているのでアッシュの前に出るに留めた。
「誰だったかしら。見た覚えはある気がするんだけど」
「アシュタロト様でしたね。モックン様とは二度目ですね。前回、来られた時にお会いしていますが、改めましてドーラと申します」
「ドーラさんね、よく見つけてくれたわ。何処に行けばいいのか分からなかったの」
『おお、ドーラ殿、お久し振りですな』
「あなた達はエイジ様の従者だと伺っておりましたが、今日はどのようなご用件で? まさか、エイジ様と喧嘩別れされて、ここに襲撃に来られたのでしょうか」
少し棘のある物言いで問い掛けるドーラ。
すると、サーフェとプーちゃんも遅れて現れた。そしてそのまま上空のドーラの横に並んで警戒をする。武器は持ってないが、すぐにでも精霊魔法が撃てる準備はしていた。
一方のアッシュは、そんな様子が分かっていても無関心を気取っている。彼女達に攻撃されてもダメージなど受けないと分かっているのだ。その余裕からアッシュは軽い口調で話を続けた。
「襲撃などしないわよ。エイジ様との仲も良好よ。今日は少し交渉に来ただけよ。あら、やっと会えたわね」
プーちゃんを見つけて声を掛けるアッシュ。
「先ほど、我々の部下の妖精が窮状に陥ってると連絡がありまして、それで様子を見に来たのですが、何かされましたか?」
「さっきのはあなたがやったのね。一瞬で消えたけど、どういう技なの?」
「まずはこちらの質問に答えてください」
「何かしたかって事? 私は何もしてないわよ? ね、モックン?」
『はっ! ご主人様は何もしておられん。やったのは我だ。プーチャン殿をお連れせよと指示を受け、三十人ばかりのプーチャン殿をお連れしただけなのだが』
「「三十人のプーちゃん!?」」
「……わたしが三十人」
驚くサーフェとドーラだったが、プーちゃんの反応は違った。自分が三十人いるのを想像し、少し嬉しそうにニヤリと笑うのだった。
その後、ドーラやサーフェが質問をし、モックンが答える事で、誤解だったとようやく判明した。
ただ、モックンは、怖がらせた妖精達に謝るように約束させられた。
彼女達三人が現れたのはヨウムから連絡があったからだ。
前回もそうだが、今回もアッシュとモックンをヨウムは認識できていない。しかし、怯えた三十人の妖精は感知できた。
それで、三人の精霊に緊急出動要請を出し、三十人の妖精を避難させたのだ。
「ええ、知り合いだった……いえ、まだ私達の目の前にいますわ……そう、分かりましたわ、お願いしてみます」
何かと話してたドーラがアッシュの前に降り立つと、サーフェとプーちゃんも続いて降りて来た。
「アッシュ様、お話をする前に、ひとつお願いを聞いて頂けないでしょうか」
「いいわよ、どんなお願い?」
アッシュも喧嘩をするために訪れたわけではない。交渉のために必要であれば簡単な事であれば応じる用意はあった。
「今、私達の仲間であるヨウムという精霊がアッシュ様に会いたいと申しておりまして、これは私達にも必要であると感じましたので、まずはヨウムのところまで付いて来て頂けませんか。ここから五分と掛からないところなので、ヨウムのところに寄った後、エイジ様の家にご案内します」
「エイジ様の家? 私はエイジ様の家には用は無いわよ?」
「え? では一体何のために来られたのですか?」
「武器や防具の仕入れね。あと、何か有用なアイテムがあればそれもほしいんだけど」
やっと何のために来たのかを知り、その理由が予想外だったためにドーラは少し言葉が出なかった。
こんな簡単な理由なら、先に聞いておけば良かったと反省するドーラだった。
だが、ヨウムのテリトリーでヨウムに感知できないアッシュとモックンも放置できない。
先ほどのヨウムからの連絡では、一度視認して原因を確かめたい。と言われたので同意して連れて行くと決めたのだが、果たしてそれが正解だったのか。動けないヨウムの前に連れて行って危険は無いだろうかと、思い悩むドーラであった。
だが、そんな心配も杞憂に終わった。
原因までは分からなかったが、ヨウムの目の前に行くまでアッシュとモックンはヨウムに認識されなかった。
しかし、一度視認してしまえば、目を閉じてもアッシュとモックンを視認できるようになったのだ。
ヨウムの目がどこにあるのかは本人しか知らない。幹のあちこちから出る顔はあるので、目の部分にあたる節穴だと誰もが思っているが、眼球は見当たらない。
アンデッドも同様に眼球は無いので、そんなもんだろうと誰も口には出さないが。
「今もハッキリと認識は出来ておりません。探索で感知させると森と同じようなものに見えます。ただ、この森とはいない植物に見えますので違いが分かるという程度です」
口にあたる部分の大きめの節穴を動かし話すヨウム。
誰もが、これをヨウムの普通だと認識していて変だと思ってる人はいない。ここにはいないが、エイジも何度も見ているから今では慣れたようだ。
「聞いた事はありませんでしたが、ヨウムには種別で見えるのですか?」
自分には視認以外は感覚で何かがいるとしか感じた事がないドーラが尋ねた。
「はい、動物、魔物、植物、それぞれ分かりますし、個人の特定できます。どんな魔物なのか、何体いるのか、何をしているのか、体力・魔力はどれぐらいあるのか。テリトリー内のものは全て分かります」
「じゃあ、私も分かるの?」
「いえ、アッシュ様とモックン様は分かりません。存在を確認できる程度です」
全員が不思議な現象にクビを傾げるが、誰にも答えは分からない。
答えが出ないものにいつまでも構ってる時間は無いとアッシュが声を出した。
「だったら、次から来た時は分かるのね?」
「はい、分かります」
「それならもういいじゃない。早く武器や防具を売ってくれるところに連れてって」
もう飽きたとばかりに問題を放り投げたアッシュ。
ただ、それには全員が賛成し、エイジの自宅近くのゼパイル工房に移動を開始した。
ヨウムは動けないので、精霊三人とアッシュとモックンでの移動だ。
モックンだけが飛べないので、先導役のドーラは道の上を飛んで案内した。
『はっ! しばしお待ちを』
モックンの背に乗り、アッシュはレッテ山の反対側にやって来た。
到着すると、プーちゃんを連れて来るように指示した。時間はまだ太陽が真上に来たところだった。
モックンの姿は大きい。しかも今は真っ昼間、目立つ事この上ない。
しかも、見知らぬ魔物の気配には精霊や妖精は敏感だ。なのに、森を歩いてもモックンは発見されなかった。あの、テリトリーの森の中では無敵を誇るヨウムでさえ、前回同様モックンには気付かなかったのだ。
森の中を彷徨うモックンだが、あてがある訳ではない。ただひとつ、プーちゃんはよく森の上を飛んでいるという話だけは覚えていた。
なのでモックンは樹上に登り、樹の上を移動しながらプーちゃんを探した。
デカイといってもモックンは蜘蛛。無音走も得意だし、軽業師の如く移動するのも得意だ。
そんなモックンだが、精霊の見分けが得意では無かった。なので、樹上を彷徨う小さな妖精や精霊を片っ端から捕らえて行ったのだ。
『ただいま戻りました』
「遅い! いったい何時まで待たせるのよ。それで、チンチクリンの姿が見えないけど、ちゃんと連れてきたの?」
『はっ! この中にいると思います』
総勢三十の蜘蛛糸で出来た玉をアッシュに披露するモックン。
「は? なによ、この糸玉は」
『はっ! 中に入っています。今から開けますのでご覧ください』
そう言って、シュルシュルと蜘蛛糸を解いていく。
これは下水工事で使った蜘蛛糸とは別の種類の糸で、粘着力も無く強度も弱い糸だった。モックンは『魔王蜘蛛』になって、色んな糸の使い分けができるようになっていたのだ。
次々と蜘蛛糸を解いていくと、中からは小さいものだと十センチ程度、大きいものでも五十センチ程度の妖精が現れた。
全員、解かれた瞬間に、モックンの姿に驚いて身を固めてしまう。酷い時には気絶をするものまで出た。
「モックン? これはどういう事?」
『はっ! 我にはどの者を見てもプーチャン殿にしか見えず、仕方がありませんので全てのプーチャン殿を捕らえて参りました。プーチャン殿とは、こんなにもおられたのですな』
その惨状と言っていい状態を見て、アッシュは額に手をやり頭を抱えた。
「はぁ、これは減点一ね。もう次は無いわよ」
『げっ! それはどういう意味でしょうか!』
「どうもこうも無いわよ! ここにはチンチクリンがいないじゃないの! こんなチンチクリンばっかり集めて来て、この役立たず!」
『それは、どういう……チンチクリンを集めるで、合ってるのでは。しかもこんなに沢山捕らえて来たのに減点とはご無体な』
「なに言ってんの! 私が連れて来いって言ったのはチンチクリンの事よ。こんなチンチクリンに用は無いの!」
アッシュとモックンが不毛な言い合いをしていると、目の前で蜘蛛糸から解放された妖精達が突然消えた。
「モックン? なにかした?」
『いえ、我はなにも。ご主人様こそ何かされたか』
「私も何もしてないわよ。別に、何かが襲って来てもどうとでもなるけど、気味が悪いわね」
『ここはエイジ様の本宅のある場所でございます。ご主人様は自重してくだされ』
「そんな事言われなくても分かってるわよ。でも、襲われたら反撃ぐらいはするわよ」
この二人は最上位の実力を持っている。
蜘蛛系の最上位の『魔王蜘蛛』のモックンでクラマと同程度、悪魔の侯爵寸前である大伯爵のアッシュはマイアよりも上の実力を持っている。もし、マイアもクラマもユーもいなければ、ここに太刀打ち出来る者などいないだろう。
「あなた達は……」
突然、上空から声を掛けられて、そちらに目を向けるアッシュ。モックンは蜘蛛特有の八つの単眼を持っているので発見は早いのだが、ピントが合わずにボケて見えるので誰なのか認識できない。
だから、声が掛かる前に発見はできたのだが、ここで暴れるのはご法度だと分かっているのでアッシュの前に出るに留めた。
「誰だったかしら。見た覚えはある気がするんだけど」
「アシュタロト様でしたね。モックン様とは二度目ですね。前回、来られた時にお会いしていますが、改めましてドーラと申します」
「ドーラさんね、よく見つけてくれたわ。何処に行けばいいのか分からなかったの」
『おお、ドーラ殿、お久し振りですな』
「あなた達はエイジ様の従者だと伺っておりましたが、今日はどのようなご用件で? まさか、エイジ様と喧嘩別れされて、ここに襲撃に来られたのでしょうか」
少し棘のある物言いで問い掛けるドーラ。
すると、サーフェとプーちゃんも遅れて現れた。そしてそのまま上空のドーラの横に並んで警戒をする。武器は持ってないが、すぐにでも精霊魔法が撃てる準備はしていた。
一方のアッシュは、そんな様子が分かっていても無関心を気取っている。彼女達に攻撃されてもダメージなど受けないと分かっているのだ。その余裕からアッシュは軽い口調で話を続けた。
「襲撃などしないわよ。エイジ様との仲も良好よ。今日は少し交渉に来ただけよ。あら、やっと会えたわね」
プーちゃんを見つけて声を掛けるアッシュ。
「先ほど、我々の部下の妖精が窮状に陥ってると連絡がありまして、それで様子を見に来たのですが、何かされましたか?」
「さっきのはあなたがやったのね。一瞬で消えたけど、どういう技なの?」
「まずはこちらの質問に答えてください」
「何かしたかって事? 私は何もしてないわよ? ね、モックン?」
『はっ! ご主人様は何もしておられん。やったのは我だ。プーチャン殿をお連れせよと指示を受け、三十人ばかりのプーチャン殿をお連れしただけなのだが』
「「三十人のプーちゃん!?」」
「……わたしが三十人」
驚くサーフェとドーラだったが、プーちゃんの反応は違った。自分が三十人いるのを想像し、少し嬉しそうにニヤリと笑うのだった。
その後、ドーラやサーフェが質問をし、モックンが答える事で、誤解だったとようやく判明した。
ただ、モックンは、怖がらせた妖精達に謝るように約束させられた。
彼女達三人が現れたのはヨウムから連絡があったからだ。
前回もそうだが、今回もアッシュとモックンをヨウムは認識できていない。しかし、怯えた三十人の妖精は感知できた。
それで、三人の精霊に緊急出動要請を出し、三十人の妖精を避難させたのだ。
「ええ、知り合いだった……いえ、まだ私達の目の前にいますわ……そう、分かりましたわ、お願いしてみます」
何かと話してたドーラがアッシュの前に降り立つと、サーフェとプーちゃんも続いて降りて来た。
「アッシュ様、お話をする前に、ひとつお願いを聞いて頂けないでしょうか」
「いいわよ、どんなお願い?」
アッシュも喧嘩をするために訪れたわけではない。交渉のために必要であれば簡単な事であれば応じる用意はあった。
「今、私達の仲間であるヨウムという精霊がアッシュ様に会いたいと申しておりまして、これは私達にも必要であると感じましたので、まずはヨウムのところまで付いて来て頂けませんか。ここから五分と掛からないところなので、ヨウムのところに寄った後、エイジ様の家にご案内します」
「エイジ様の家? 私はエイジ様の家には用は無いわよ?」
「え? では一体何のために来られたのですか?」
「武器や防具の仕入れね。あと、何か有用なアイテムがあればそれもほしいんだけど」
やっと何のために来たのかを知り、その理由が予想外だったためにドーラは少し言葉が出なかった。
こんな簡単な理由なら、先に聞いておけば良かったと反省するドーラだった。
だが、ヨウムのテリトリーでヨウムに感知できないアッシュとモックンも放置できない。
先ほどのヨウムからの連絡では、一度視認して原因を確かめたい。と言われたので同意して連れて行くと決めたのだが、果たしてそれが正解だったのか。動けないヨウムの前に連れて行って危険は無いだろうかと、思い悩むドーラであった。
だが、そんな心配も杞憂に終わった。
原因までは分からなかったが、ヨウムの目の前に行くまでアッシュとモックンはヨウムに認識されなかった。
しかし、一度視認してしまえば、目を閉じてもアッシュとモックンを視認できるようになったのだ。
ヨウムの目がどこにあるのかは本人しか知らない。幹のあちこちから出る顔はあるので、目の部分にあたる節穴だと誰もが思っているが、眼球は見当たらない。
アンデッドも同様に眼球は無いので、そんなもんだろうと誰も口には出さないが。
「今もハッキリと認識は出来ておりません。探索で感知させると森と同じようなものに見えます。ただ、この森とはいない植物に見えますので違いが分かるという程度です」
口にあたる部分の大きめの節穴を動かし話すヨウム。
誰もが、これをヨウムの普通だと認識していて変だと思ってる人はいない。ここにはいないが、エイジも何度も見ているから今では慣れたようだ。
「聞いた事はありませんでしたが、ヨウムには種別で見えるのですか?」
自分には視認以外は感覚で何かがいるとしか感じた事がないドーラが尋ねた。
「はい、動物、魔物、植物、それぞれ分かりますし、個人の特定できます。どんな魔物なのか、何体いるのか、何をしているのか、体力・魔力はどれぐらいあるのか。テリトリー内のものは全て分かります」
「じゃあ、私も分かるの?」
「いえ、アッシュ様とモックン様は分かりません。存在を確認できる程度です」
全員が不思議な現象にクビを傾げるが、誰にも答えは分からない。
答えが出ないものにいつまでも構ってる時間は無いとアッシュが声を出した。
「だったら、次から来た時は分かるのね?」
「はい、分かります」
「それならもういいじゃない。早く武器や防具を売ってくれるところに連れてって」
もう飽きたとばかりに問題を放り投げたアッシュ。
ただ、それには全員が賛成し、エイジの自宅近くのゼパイル工房に移動を開始した。
ヨウムは動けないので、精霊三人とアッシュとモックンでの移動だ。
モックンだけが飛べないので、先導役のドーラは道の上を飛んで案内した。
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