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第10章 新たなる拠点作り
第10話 援軍出撃
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兵士に連行された場所は立派なお屋敷だった。
準領主級と言ってもいいぐらい大きなお屋敷だった。
今まで見た大きな屋敷と言えば、フィッツバーグ領主城とボッシュールの領主屋敷と王都の王城、それと大商人のバーンズさんの屋敷ぐらいだ。
その中だとボッシュールの領主屋敷ぐらいの大きさが一番近いな。他が大きすぎるというのもあるけど。
ただこの屋敷、今、比較した屋敷や城に比べて庭が非常に狭い。やっぱり比較したものが、屋敷もそうだけど庭が広すぎたというのもあるんだけどね。
そんな屋敷の一室に丁重に連行された(招かれたと言い換えた方がいいぐらいだった)。
俺達に出されたお茶を飲み終えると、そこでようやく兵士から説明があった。
「このような事態になってしまって申し訳ありません。まずはゆっくりと旅の疲れを落として頂きたいところですが、気になってゆっくり休めないでしょうから先に説明をさせて頂いてよろしいでしょうか」
もちろんそう願いたいので「お願いします」と肯いた。
この口ぶりからしてもこの兵士は敵対はしないと思える。謝罪から入ってくれたから好感度もある。まず先に説明を聞いてから、こちらも質問をしてみよう。
「改めて、このような扱いになってしまい申し訳ありません」
兵士が頭を下げた。
この部屋には代表して説明してくれてる兵士の他に四名の兵士もいたが、全員が一斉に頭を下げてくれた。
護衛という名目の見張り役として付けられたのだろうが、彼らにそういう気は無いように見えた。本当に真摯に申し訳なさそうに頭を下げてくれたのだ。
こういった考えは単純でお人よしなのかもしれないけど、この人達は信じられると心でそう思ってしまった。
謝罪の後は説明が続いた。
まず、現在は町が危機的状況に見舞われてる事。
その原因がエルフでは無いかとの嫌疑が掛かってる事。
町からエルフ側の森の浅い部分に砦が五つあり、現在も押し寄せている魔物の進行を食い止めてるが、既に二つの砦が陥落し、残りの三つの内一つも時間の問題で陥落するであろう事。
援軍は当てにできない事。
説明が終わり、全く予想していなかった内容に暫く言葉が出なかった。
まず一番に思ったのは、何故こんな危険な場所に来てしまったんだ! だった。
エルフの大樹から逃げ出したのはつい昨日の事だ。それから、森を抜け草原に出て洞窟に泊まった。
そして一本道だった街道を右に行くか左に行くかを決めるだけだったのに、ダンタリアンが探索に向かった側に町があったがためにこちらに来ただけだ。
もし、ダンタリアンが逆側に向かったとしても町はあっただろう。そう、皆が非難した町が。
なんでこっちに来たんだよー! 俺のバカー! アホー! ダンタリアンが見つけた町なんて『魂を奪うのは絶対ダメだ』とか言って無視すればよかったんだよ!
でも、ここまで丁寧に対応してくれる兵士さん達が魔物に殺られるかもしれないと思うと、俺も協力しなければと思ってしまう。
そこで、現在の扱いについてまだ回答をもらってなかったので、質問を投げかけてみた。
「これは失礼しました。先にその件を話さなければなりませんでしたのに」
危機的現状を先に伝えなければと焦ってしまいました。と言い訳をしていたが、その気持ちは凄く分かる。だから攻めるつもりも無いし、先に伝えてもらってよかったとさえ思う。
「ええ、こちらを心配してくださってたんですよね。あ、今更ですけど、僕はエイジと言います。周りからはイージと呼ばれていますので、イージと呼んでください。それからこちらがアッシュで後ろに控えてるのがダンタリアンとザガンです」
うん、練習はしないでいいから、そっちも自己紹介しなよ。あーいつもながらウザいわー。
練習タイムが終わり、兵士さんも自己紹介してくれた。
「では、代表して私はコーポラルと申します。階級は伍長で、この者達は私の部下です」
コーポラルと名乗った兵士が後ろに控える四名の兵士を紹介してくれた。
五人組の長だから伍長ね。班長みたいだね。
「この町の置かれた状況は分かりました。それで、先に聞きたいのですけど、さっきのデブ…いやチョビ…いやいやブタ…違った、…そうじゃなくて体力ゼロ? ……いやいやいやいや……ごめんなさい…」
デブチョビの事を伝えようとしたのだが、適切な言葉が出てこなかった。全部悪口になってしまうのも、第一印象が悪すぎたからだと思う。思うけど、この人達の上司なのだろうからいい気はしないだろう。最後は何も思いつかず謝ってしまった。
「……プッ、プークックックック、アーハハハハハハハー」
伍長のコーポラルが堪えきれずといった感じで大爆笑すると、後ろの四人の兵士も大笑いしだした。
呆気に取られる俺達。
「いやー、久し振りに大笑いしたよー。あ、いや、大変失礼しました」
ようやく笑いが収まり、切り替えが終わったコーポラルさんが説明してくれた。
「皆が裏で言ってるあだ名と同じ呼び名がズラズラと並びましたので、笑いを抑え切れませんでした。失礼しました。名前はファットマシュタッシュ・リュードビアドと言いまして、一応貴族なのです。随分前になりますが、不祥事を起こし、王都からこのカッサリュート領へと左遷されて来たのです。領主様からは何も関わるなと言われているようですが、未だ王都への復権を諦めてないようで、毎日のように門の上から罵声……いえ、奇声……あ、いえ嫌味というか、怒声というか……」
「プッ…アハハハ、コーポラルさんも僕の事は言えないよねー。ハハハハハ」
「あ、ハハ、まぁ、確かに」
「ヘヘヘヘヘ」
「フフフフフ」
「「アハハハハハハハハ」」
思わず笑ってしまったが、同じように兵士さん達も笑っていたので場の空気は非常に和んだ。
三人の悪魔も声を出して笑わなかったが、微笑んでる感じだった。
「それで、そのファットマ……長い名前だね。やっぱりデブチョビでよくない?」
「ファットマシュタッシュ・リュードビアド様です。裏では何と呼んでも構わないと思いますが、いざという時につい出てしまわないとも限りませんので、覚えて頂いくのがよろしいでしょう」
ファットマシュタッシュ・リュー……やっぱ長いわ! 覚えやすい方法はないの!?
『タマちゃーん!』
『和訳してみるというのはどうでしょう』
おー! 訳して内容を理解すると覚えやすいかも。
『じゃあ、訳して』
『直訳すると、デブ髭・スケベ髭です』
スケベ髭~!? 家名がスケベ髭? それで、名前がデブ髭~? まんまじゃん! 和訳の方がイメージが強すぎて余計に名前が入って来ねーよ!
ダメだ、名前を覚えるのは諦めよう。『貴方様』とか『貴公』とかで行こう。爵位があれば、爵位で呼べるんだけどな。
「因みに爵位は?」
「ありません。伯爵家の次男なので爵位は持っていません。ですが、最近まで当主の英才教育を受けて来ていたのですが病弱な長男に跡継ぎが生まれてお役御免となりまして、そこから歯車が狂ったように失態を繰り返したと聞いています。王都でもその失態が原因で、この領地に左遷されて来たようです。だからなのでしょう、汚名返上とばかりに益々前に出て来るのですが、偉そうにするばかりで何の才能も無い方ですから空回りするばかりで誰からも信頼を得られない方です」
うわー、絶対関わりたくねー。やっぱり名前を覚えなくていいや。
「それって領主様は……」
「もちろん知っていますが、相手は伯爵家の次男です。事を荒立てたく無いので放置されています。それに……」
「それに?」
「はい、領主様は昨夜から不在ですので」
ん? いないの? なんか町がヤバイって言ってなかった? あっ、他の砦に行ってるのか。
そりゃそうだよな、領主様って言ったら町や領民を先頭になって護る人だもんな。
「あー、やっぱりとり……」
「はい、昨夜遅くに領民より先に避難されました。先行して皆の避難先の準備と王都より援軍を連れて来ると建前はおっしゃってました。ついでに、王都に魔物が行かぬよう食い止めておけ。とも言われていましたが、もう当分戻られないでしょう」
おいっ、それって逃げたんだよな。援軍なんていつまで待っても来ないんだよな。
しかし、辛辣な感想だな。トップが一番に逃げ出したんだから気持ちは分かるけど。
「じゃあ、今は……」
「はい、ファットマシュタッシュ・リュードビアド様が領軍の全権を委任されています」
オワタ。この町はもう長くないな。よし、すぐに町を出よう!
「しかしこのタイミングで国家公認冒険者がこの町に現れたのは正に僥倖! いや天啓に違いありません。イージ殿! 何卒この町をお救いください!」
あぅ……先手を打たれてしまった……これって、もう逃げられない?
だってさ、俺がトレーズ様に言われたのは、ここから先も頼むって言われただけなんだよ? だったら経済で、と思うじゃん! 違ったの!? 俺に武力を求められても…ねぇ。
「お任せなさい。エイジ様は慈悲深いお方です、魔物に侵略を受けている人間共を捨ておくはずがありません。まずは先方隊を派遣しましょう。一応、そのあとに本隊の準備はしますが必要ないかもしれません。が、負傷者もいるでしょうから救護隊中心の編成にしましょう」
うおーい! アッシュ! 何かってな事言ってんだよ! 誰が慈悲深いって? 誰が見捨てないって?
それにあんた人間共って言っちゃってんじゃん! 完全に悪魔目線でしゃべってんだろ! そりゃ死んだら餌にできないもんな、お前らの魂胆なんてそんなもんだよな。
アッシュがダンタリアンとザガンに目配せをすると、二人は軽く肯き部屋から出て行った。先方隊でも集めに行ったか。
アッシュはアッシュで、「上手く行ったらご褒美、期待してるわよ。まだ持ってるわよね?」と耳元で囁かれた。
うえっ? 絶対、丸薬とMP回復薬の事だー。バレてたんだ。
兵士達もコーポラルさんだけを残し、指示を受けて四人の兵士が出て行った。
聞こえた内容は救護隊の編成で、できる限り多くの衛生兵と輜重兵を集めろと指示を受けていた。
それから三時間後、門の外でデブチョビの隣に立ち、居並ぶ兵士に檄を飛ばしていた。主にデブチョビが。
「既に三つの砦が壊滅に追い込まれている。貴様達の使命は脅威を殲滅し、要救助者を速やかに救助するだけだ! 先方隊が魔物を追い返してくれているだろうが、後発の本隊にもそれ以上の戦果を期待する!」
と、簡単で大雑把な説明と檄だけ。
脅威を殲滅するだけって、それができないから砦が壊滅したんだろ? そんなのをどうやって排除する気なんだよ。もっと緻密な作戦を立てろって。
「イージ卿! くどいようだが、本当に先方隊が魔物を駆逐してくれているのであろうな! 本隊には衛生兵と輜重兵しかいないのだぞ、イージ卿からの指示で騎士団は町の防御のために参加させるべからずと本隊には編成されておらん。こちらの情報網では、まだ魔物を退けたという報告は無いのにだ。このような部隊編成では魔物に出た途端に全滅するのだぞ」
あー、それは何も心配してない。まず魔物が出る事は無いからね。先日、アッシュに森の上空を運ばれてる時に遠目で何体か見たぐらいで、俺には衛星がいるから魔物が近くに現れる事は無い。あ、こっちに来ていきなりの対面もあったか。
あの時はエルフの内情調査で手が回らなかっただけだし初日は設定がまだだっただけで、今は平常運転だしね。
もし、魔物が出るってんなら、俺が見てみたいぐらいだよ。
それよりも心配なのは先発しているという先方隊だ。
誰の指揮で何名ぐらいで行ってるのか、アッシュは何も教えてくれないんだ。衛星に聞いてもアシュタロトに任せておきましょうとしか言わないしさ。俺一人蚊帳の外なんだよ。
詰め寄られるのは俺なんだし、もっと情報をくれないと言い訳のしようが無いんだよ。
「先発した隊がどうなったかはこちらでも分かりませんが、この本隊が魔物に襲われる事はありませんからご安心ください」
「その自信が何処から来るのかは知らぬが、私はもう失敗できぬのだ! ここで功績を上げ、王都に返り咲くためならば一日四食でも我慢しよう! 本当に間違い無いのだな!」
一日四食って…我慢って事は毎日五食以上食ってんの? だから太るんだよ、食いすぎだって。
こうやって話し掛けられるのも待ってる三時間の間に説明を受けた。
この国と【星の家】のあるジュラキュール王国とは、以前には数年に一度の国交はあったのだそうだ。
山は越えられないが、川を使って行き来できたのだそうだ。
確かに国の南側には大きな川があったよな。その話を聞いた時には『帰れるじゃん!』と思わず叫んでしまったが、どうやらそう上手くは行かないようだった。
その川での航路も非常に過酷なものだったようで、レッテ山に川のトンネルがあり、そこを通っていたのだが、トンネルには魔物が跋扈しており、何艘も魔物に沈められたのだとか。だがそれも三〇年前までの話で、今はトンネルそのものが無くなってしまったのだそうだ。
今では完全に埋まってしまっていて、水は流れて来るのだが、小さな船でも入れる場所は無いらしい。
まぁ、俺が行こうとしたら邪魔が入るだろうな、主に神様と衛星から。それに、航路のトンネルが埋められたのも偶然じゃないんだろうな。たぶん、レッテ山を領域の外苑にしてるから守りを強化したとかじゃないかな。強い魔物で普通なら登れないはずだけど、何かが登って来れそうな感じになって来たとか。
候補としては勇者と魔王と……クラマ? うん……クラマあたりが一番怪しいな。魔族のために大きな館を衛星に建ててもらったはずだけど、衛星が建てたんだから領域外苑からは外れた場所に建てたんだろうな。
おっと、今はそれどころじゃなかった、もう出発の号令が掛かったな。
そんな感じで過去に国交があって、国家公認冒険者の名も知れ渡っていた。特に俺の場合は勲章持ちの爵位持ちでもあるから、この国でも優遇されるんだって。
だからこうやってデブチョビの横に立たされてるんだよ。
あまりにも何度もクドクド言って来るから「そんなに心配だったら町に残ればどうですか?」と言ってからはようやく大人しくなったよ。「私は臆病者ではない!」とゼィゼィ言いながら叫んでたけど、ただ無謀なだけじゃないの? 武術も魔術も大した腕前じゃないらしいから、こんな衛生兵と輜重兵の混成部隊じゃ魔物が出てきたらイチコロだよ? 出ないけどね。
行軍は徒歩だけど、デブチョビや俺達は馬車に乗っての移動だ。
砦までは、そう広くは無いけど道が整備されてるから馬車でも走れる。馬車の台数が兵士全体を運びきれる数が無いので一般兵達は皆徒歩だ。
コーポラルさんの計らいで、デブチョビとは別の馬車になった。
いい仕事してくれたよ。移動中もずっとあの調子でやられたら、俺ももたないけどアッシュがキレそうだからね。
で、こっちの四人乗りの馬車には俺とアッシュとコーポラルさんと部下の四人で乗っている。御者台には部下の人が二人いるみたいだけど、あと一人はどうしたんだろ。徒歩なのかな?
「それで、先程ようやく砦に出していた斥候からの報告が来ました。各砦には大量の魔物が押し寄せて来ていたようです。しかも、なぜか一昨日、突然何の予兆も無しに魔物が押し寄せてきたようなのです。まるで何かに追われているようだったそうです」
ふーん、不思議な事もあるもんだね。俺も森にいたけど気付かなかったなぁ。まぁ、遠かったしな。
「方向としては北西にあるレッテ山方面から押し寄せて来たようなのです。それで一番北にある砦が陥落し、次の砦で踏ん張っていたのですが、昨日別方向の西や南西からも魔物が押し寄せるようになり、北に防衛の援軍を送っていた南側が陥落、我々の出発前に北から二番目も陥落しました。もう砦がありませんので、いつ魔物が町へ押し寄せて来るかという状況です」
ふ~ん、北西からだけだった魔物の襲来が昨日から変わったのか。何か似てる?
少~しだけ気になったのでタマちゃんに確認。
『タマちゃん? 俺達の移動した方向と似てなくない?』
『魔物の襲撃に関してでしたら、完全一致します』
やっぱり? これって……
『魔物は我々から逃げて来たのでしょう。初めはそれほど多くは無かったかもしれませんが、レッテ山の麓の魔物は高ランクです。少数でも逃げてくれば、その逃げて来た魔物に追われて、こちらの森の魔物も逃げ出すでしょう。それが、大集団となって砦を襲ったのだろ確信します」
確信しちゃった? 頭のいいタマちゃんが確信しちゃったよ。この魔物の襲撃の原因を作ったのって俺なの?
『い、いや、偶然って事も……』
『ありません。レッテ山方面から来た翌日には別方面からも来ています。これはエイジがエルフの村から逃走した経路に合致します。との理由から魔物の襲来の原因はエイジだと断定できます』
おぅふ……亡くなった兵士さん達…すみませんでした。
『あと、エルフの森に結界がある事も影響はしています。エルフの森に近づけない結界を張っているため、逃げ場として砦方面しか選択肢が無かったのも事実です』
そうだよそうだよ、俺だけが悪いんじゃないって! 俺はただ森を歩いてただけなんだから!
『だったら俺だけのせいじゃないよね? エルフが変な結界を張ってなかったらもっと魔物は分散してたんだよね?』
『確かに分散はしていたでしょう。しかし、エイジの歩いた方角から推測すると、強力な魔物は砦方面に来ていたと思われます。砦壊滅の原因はエイジの影響が大きいでしょう』
あと、飛んで逃げている時に衛星が対処できなくて、悪魔達が派手に魔物を倒したのも影響があったと教えてくれた。
その悪魔も俺のせい…か……。もう亡くなった人達はどうにもできないけど、まだ生きてる兵士もいるんだ。まずは魔物の殲滅だ。
頼むぜ、衛星!
準領主級と言ってもいいぐらい大きなお屋敷だった。
今まで見た大きな屋敷と言えば、フィッツバーグ領主城とボッシュールの領主屋敷と王都の王城、それと大商人のバーンズさんの屋敷ぐらいだ。
その中だとボッシュールの領主屋敷ぐらいの大きさが一番近いな。他が大きすぎるというのもあるけど。
ただこの屋敷、今、比較した屋敷や城に比べて庭が非常に狭い。やっぱり比較したものが、屋敷もそうだけど庭が広すぎたというのもあるんだけどね。
そんな屋敷の一室に丁重に連行された(招かれたと言い換えた方がいいぐらいだった)。
俺達に出されたお茶を飲み終えると、そこでようやく兵士から説明があった。
「このような事態になってしまって申し訳ありません。まずはゆっくりと旅の疲れを落として頂きたいところですが、気になってゆっくり休めないでしょうから先に説明をさせて頂いてよろしいでしょうか」
もちろんそう願いたいので「お願いします」と肯いた。
この口ぶりからしてもこの兵士は敵対はしないと思える。謝罪から入ってくれたから好感度もある。まず先に説明を聞いてから、こちらも質問をしてみよう。
「改めて、このような扱いになってしまい申し訳ありません」
兵士が頭を下げた。
この部屋には代表して説明してくれてる兵士の他に四名の兵士もいたが、全員が一斉に頭を下げてくれた。
護衛という名目の見張り役として付けられたのだろうが、彼らにそういう気は無いように見えた。本当に真摯に申し訳なさそうに頭を下げてくれたのだ。
こういった考えは単純でお人よしなのかもしれないけど、この人達は信じられると心でそう思ってしまった。
謝罪の後は説明が続いた。
まず、現在は町が危機的状況に見舞われてる事。
その原因がエルフでは無いかとの嫌疑が掛かってる事。
町からエルフ側の森の浅い部分に砦が五つあり、現在も押し寄せている魔物の進行を食い止めてるが、既に二つの砦が陥落し、残りの三つの内一つも時間の問題で陥落するであろう事。
援軍は当てにできない事。
説明が終わり、全く予想していなかった内容に暫く言葉が出なかった。
まず一番に思ったのは、何故こんな危険な場所に来てしまったんだ! だった。
エルフの大樹から逃げ出したのはつい昨日の事だ。それから、森を抜け草原に出て洞窟に泊まった。
そして一本道だった街道を右に行くか左に行くかを決めるだけだったのに、ダンタリアンが探索に向かった側に町があったがためにこちらに来ただけだ。
もし、ダンタリアンが逆側に向かったとしても町はあっただろう。そう、皆が非難した町が。
なんでこっちに来たんだよー! 俺のバカー! アホー! ダンタリアンが見つけた町なんて『魂を奪うのは絶対ダメだ』とか言って無視すればよかったんだよ!
でも、ここまで丁寧に対応してくれる兵士さん達が魔物に殺られるかもしれないと思うと、俺も協力しなければと思ってしまう。
そこで、現在の扱いについてまだ回答をもらってなかったので、質問を投げかけてみた。
「これは失礼しました。先にその件を話さなければなりませんでしたのに」
危機的現状を先に伝えなければと焦ってしまいました。と言い訳をしていたが、その気持ちは凄く分かる。だから攻めるつもりも無いし、先に伝えてもらってよかったとさえ思う。
「ええ、こちらを心配してくださってたんですよね。あ、今更ですけど、僕はエイジと言います。周りからはイージと呼ばれていますので、イージと呼んでください。それからこちらがアッシュで後ろに控えてるのがダンタリアンとザガンです」
うん、練習はしないでいいから、そっちも自己紹介しなよ。あーいつもながらウザいわー。
練習タイムが終わり、兵士さんも自己紹介してくれた。
「では、代表して私はコーポラルと申します。階級は伍長で、この者達は私の部下です」
コーポラルと名乗った兵士が後ろに控える四名の兵士を紹介してくれた。
五人組の長だから伍長ね。班長みたいだね。
「この町の置かれた状況は分かりました。それで、先に聞きたいのですけど、さっきのデブ…いやチョビ…いやいやブタ…違った、…そうじゃなくて体力ゼロ? ……いやいやいやいや……ごめんなさい…」
デブチョビの事を伝えようとしたのだが、適切な言葉が出てこなかった。全部悪口になってしまうのも、第一印象が悪すぎたからだと思う。思うけど、この人達の上司なのだろうからいい気はしないだろう。最後は何も思いつかず謝ってしまった。
「……プッ、プークックックック、アーハハハハハハハー」
伍長のコーポラルが堪えきれずといった感じで大爆笑すると、後ろの四人の兵士も大笑いしだした。
呆気に取られる俺達。
「いやー、久し振りに大笑いしたよー。あ、いや、大変失礼しました」
ようやく笑いが収まり、切り替えが終わったコーポラルさんが説明してくれた。
「皆が裏で言ってるあだ名と同じ呼び名がズラズラと並びましたので、笑いを抑え切れませんでした。失礼しました。名前はファットマシュタッシュ・リュードビアドと言いまして、一応貴族なのです。随分前になりますが、不祥事を起こし、王都からこのカッサリュート領へと左遷されて来たのです。領主様からは何も関わるなと言われているようですが、未だ王都への復権を諦めてないようで、毎日のように門の上から罵声……いえ、奇声……あ、いえ嫌味というか、怒声というか……」
「プッ…アハハハ、コーポラルさんも僕の事は言えないよねー。ハハハハハ」
「あ、ハハ、まぁ、確かに」
「ヘヘヘヘヘ」
「フフフフフ」
「「アハハハハハハハハ」」
思わず笑ってしまったが、同じように兵士さん達も笑っていたので場の空気は非常に和んだ。
三人の悪魔も声を出して笑わなかったが、微笑んでる感じだった。
「それで、そのファットマ……長い名前だね。やっぱりデブチョビでよくない?」
「ファットマシュタッシュ・リュードビアド様です。裏では何と呼んでも構わないと思いますが、いざという時につい出てしまわないとも限りませんので、覚えて頂いくのがよろしいでしょう」
ファットマシュタッシュ・リュー……やっぱ長いわ! 覚えやすい方法はないの!?
『タマちゃーん!』
『和訳してみるというのはどうでしょう』
おー! 訳して内容を理解すると覚えやすいかも。
『じゃあ、訳して』
『直訳すると、デブ髭・スケベ髭です』
スケベ髭~!? 家名がスケベ髭? それで、名前がデブ髭~? まんまじゃん! 和訳の方がイメージが強すぎて余計に名前が入って来ねーよ!
ダメだ、名前を覚えるのは諦めよう。『貴方様』とか『貴公』とかで行こう。爵位があれば、爵位で呼べるんだけどな。
「因みに爵位は?」
「ありません。伯爵家の次男なので爵位は持っていません。ですが、最近まで当主の英才教育を受けて来ていたのですが病弱な長男に跡継ぎが生まれてお役御免となりまして、そこから歯車が狂ったように失態を繰り返したと聞いています。王都でもその失態が原因で、この領地に左遷されて来たようです。だからなのでしょう、汚名返上とばかりに益々前に出て来るのですが、偉そうにするばかりで何の才能も無い方ですから空回りするばかりで誰からも信頼を得られない方です」
うわー、絶対関わりたくねー。やっぱり名前を覚えなくていいや。
「それって領主様は……」
「もちろん知っていますが、相手は伯爵家の次男です。事を荒立てたく無いので放置されています。それに……」
「それに?」
「はい、領主様は昨夜から不在ですので」
ん? いないの? なんか町がヤバイって言ってなかった? あっ、他の砦に行ってるのか。
そりゃそうだよな、領主様って言ったら町や領民を先頭になって護る人だもんな。
「あー、やっぱりとり……」
「はい、昨夜遅くに領民より先に避難されました。先行して皆の避難先の準備と王都より援軍を連れて来ると建前はおっしゃってました。ついでに、王都に魔物が行かぬよう食い止めておけ。とも言われていましたが、もう当分戻られないでしょう」
おいっ、それって逃げたんだよな。援軍なんていつまで待っても来ないんだよな。
しかし、辛辣な感想だな。トップが一番に逃げ出したんだから気持ちは分かるけど。
「じゃあ、今は……」
「はい、ファットマシュタッシュ・リュードビアド様が領軍の全権を委任されています」
オワタ。この町はもう長くないな。よし、すぐに町を出よう!
「しかしこのタイミングで国家公認冒険者がこの町に現れたのは正に僥倖! いや天啓に違いありません。イージ殿! 何卒この町をお救いください!」
あぅ……先手を打たれてしまった……これって、もう逃げられない?
だってさ、俺がトレーズ様に言われたのは、ここから先も頼むって言われただけなんだよ? だったら経済で、と思うじゃん! 違ったの!? 俺に武力を求められても…ねぇ。
「お任せなさい。エイジ様は慈悲深いお方です、魔物に侵略を受けている人間共を捨ておくはずがありません。まずは先方隊を派遣しましょう。一応、そのあとに本隊の準備はしますが必要ないかもしれません。が、負傷者もいるでしょうから救護隊中心の編成にしましょう」
うおーい! アッシュ! 何かってな事言ってんだよ! 誰が慈悲深いって? 誰が見捨てないって?
それにあんた人間共って言っちゃってんじゃん! 完全に悪魔目線でしゃべってんだろ! そりゃ死んだら餌にできないもんな、お前らの魂胆なんてそんなもんだよな。
アッシュがダンタリアンとザガンに目配せをすると、二人は軽く肯き部屋から出て行った。先方隊でも集めに行ったか。
アッシュはアッシュで、「上手く行ったらご褒美、期待してるわよ。まだ持ってるわよね?」と耳元で囁かれた。
うえっ? 絶対、丸薬とMP回復薬の事だー。バレてたんだ。
兵士達もコーポラルさんだけを残し、指示を受けて四人の兵士が出て行った。
聞こえた内容は救護隊の編成で、できる限り多くの衛生兵と輜重兵を集めろと指示を受けていた。
それから三時間後、門の外でデブチョビの隣に立ち、居並ぶ兵士に檄を飛ばしていた。主にデブチョビが。
「既に三つの砦が壊滅に追い込まれている。貴様達の使命は脅威を殲滅し、要救助者を速やかに救助するだけだ! 先方隊が魔物を追い返してくれているだろうが、後発の本隊にもそれ以上の戦果を期待する!」
と、簡単で大雑把な説明と檄だけ。
脅威を殲滅するだけって、それができないから砦が壊滅したんだろ? そんなのをどうやって排除する気なんだよ。もっと緻密な作戦を立てろって。
「イージ卿! くどいようだが、本当に先方隊が魔物を駆逐してくれているのであろうな! 本隊には衛生兵と輜重兵しかいないのだぞ、イージ卿からの指示で騎士団は町の防御のために参加させるべからずと本隊には編成されておらん。こちらの情報網では、まだ魔物を退けたという報告は無いのにだ。このような部隊編成では魔物に出た途端に全滅するのだぞ」
あー、それは何も心配してない。まず魔物が出る事は無いからね。先日、アッシュに森の上空を運ばれてる時に遠目で何体か見たぐらいで、俺には衛星がいるから魔物が近くに現れる事は無い。あ、こっちに来ていきなりの対面もあったか。
あの時はエルフの内情調査で手が回らなかっただけだし初日は設定がまだだっただけで、今は平常運転だしね。
もし、魔物が出るってんなら、俺が見てみたいぐらいだよ。
それよりも心配なのは先発しているという先方隊だ。
誰の指揮で何名ぐらいで行ってるのか、アッシュは何も教えてくれないんだ。衛星に聞いてもアシュタロトに任せておきましょうとしか言わないしさ。俺一人蚊帳の外なんだよ。
詰め寄られるのは俺なんだし、もっと情報をくれないと言い訳のしようが無いんだよ。
「先発した隊がどうなったかはこちらでも分かりませんが、この本隊が魔物に襲われる事はありませんからご安心ください」
「その自信が何処から来るのかは知らぬが、私はもう失敗できぬのだ! ここで功績を上げ、王都に返り咲くためならば一日四食でも我慢しよう! 本当に間違い無いのだな!」
一日四食って…我慢って事は毎日五食以上食ってんの? だから太るんだよ、食いすぎだって。
こうやって話し掛けられるのも待ってる三時間の間に説明を受けた。
この国と【星の家】のあるジュラキュール王国とは、以前には数年に一度の国交はあったのだそうだ。
山は越えられないが、川を使って行き来できたのだそうだ。
確かに国の南側には大きな川があったよな。その話を聞いた時には『帰れるじゃん!』と思わず叫んでしまったが、どうやらそう上手くは行かないようだった。
その川での航路も非常に過酷なものだったようで、レッテ山に川のトンネルがあり、そこを通っていたのだが、トンネルには魔物が跋扈しており、何艘も魔物に沈められたのだとか。だがそれも三〇年前までの話で、今はトンネルそのものが無くなってしまったのだそうだ。
今では完全に埋まってしまっていて、水は流れて来るのだが、小さな船でも入れる場所は無いらしい。
まぁ、俺が行こうとしたら邪魔が入るだろうな、主に神様と衛星から。それに、航路のトンネルが埋められたのも偶然じゃないんだろうな。たぶん、レッテ山を領域の外苑にしてるから守りを強化したとかじゃないかな。強い魔物で普通なら登れないはずだけど、何かが登って来れそうな感じになって来たとか。
候補としては勇者と魔王と……クラマ? うん……クラマあたりが一番怪しいな。魔族のために大きな館を衛星に建ててもらったはずだけど、衛星が建てたんだから領域外苑からは外れた場所に建てたんだろうな。
おっと、今はそれどころじゃなかった、もう出発の号令が掛かったな。
そんな感じで過去に国交があって、国家公認冒険者の名も知れ渡っていた。特に俺の場合は勲章持ちの爵位持ちでもあるから、この国でも優遇されるんだって。
だからこうやってデブチョビの横に立たされてるんだよ。
あまりにも何度もクドクド言って来るから「そんなに心配だったら町に残ればどうですか?」と言ってからはようやく大人しくなったよ。「私は臆病者ではない!」とゼィゼィ言いながら叫んでたけど、ただ無謀なだけじゃないの? 武術も魔術も大した腕前じゃないらしいから、こんな衛生兵と輜重兵の混成部隊じゃ魔物が出てきたらイチコロだよ? 出ないけどね。
行軍は徒歩だけど、デブチョビや俺達は馬車に乗っての移動だ。
砦までは、そう広くは無いけど道が整備されてるから馬車でも走れる。馬車の台数が兵士全体を運びきれる数が無いので一般兵達は皆徒歩だ。
コーポラルさんの計らいで、デブチョビとは別の馬車になった。
いい仕事してくれたよ。移動中もずっとあの調子でやられたら、俺ももたないけどアッシュがキレそうだからね。
で、こっちの四人乗りの馬車には俺とアッシュとコーポラルさんと部下の四人で乗っている。御者台には部下の人が二人いるみたいだけど、あと一人はどうしたんだろ。徒歩なのかな?
「それで、先程ようやく砦に出していた斥候からの報告が来ました。各砦には大量の魔物が押し寄せて来ていたようです。しかも、なぜか一昨日、突然何の予兆も無しに魔物が押し寄せてきたようなのです。まるで何かに追われているようだったそうです」
ふーん、不思議な事もあるもんだね。俺も森にいたけど気付かなかったなぁ。まぁ、遠かったしな。
「方向としては北西にあるレッテ山方面から押し寄せて来たようなのです。それで一番北にある砦が陥落し、次の砦で踏ん張っていたのですが、昨日別方向の西や南西からも魔物が押し寄せるようになり、北に防衛の援軍を送っていた南側が陥落、我々の出発前に北から二番目も陥落しました。もう砦がありませんので、いつ魔物が町へ押し寄せて来るかという状況です」
ふ~ん、北西からだけだった魔物の襲来が昨日から変わったのか。何か似てる?
少~しだけ気になったのでタマちゃんに確認。
『タマちゃん? 俺達の移動した方向と似てなくない?』
『魔物の襲撃に関してでしたら、完全一致します』
やっぱり? これって……
『魔物は我々から逃げて来たのでしょう。初めはそれほど多くは無かったかもしれませんが、レッテ山の麓の魔物は高ランクです。少数でも逃げてくれば、その逃げて来た魔物に追われて、こちらの森の魔物も逃げ出すでしょう。それが、大集団となって砦を襲ったのだろ確信します」
確信しちゃった? 頭のいいタマちゃんが確信しちゃったよ。この魔物の襲撃の原因を作ったのって俺なの?
『い、いや、偶然って事も……』
『ありません。レッテ山方面から来た翌日には別方面からも来ています。これはエイジがエルフの村から逃走した経路に合致します。との理由から魔物の襲来の原因はエイジだと断定できます』
おぅふ……亡くなった兵士さん達…すみませんでした。
『あと、エルフの森に結界がある事も影響はしています。エルフの森に近づけない結界を張っているため、逃げ場として砦方面しか選択肢が無かったのも事実です』
そうだよそうだよ、俺だけが悪いんじゃないって! 俺はただ森を歩いてただけなんだから!
『だったら俺だけのせいじゃないよね? エルフが変な結界を張ってなかったらもっと魔物は分散してたんだよね?』
『確かに分散はしていたでしょう。しかし、エイジの歩いた方角から推測すると、強力な魔物は砦方面に来ていたと思われます。砦壊滅の原因はエイジの影響が大きいでしょう』
あと、飛んで逃げている時に衛星が対処できなくて、悪魔達が派手に魔物を倒したのも影響があったと教えてくれた。
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