王女レーヌと悪魔の召使い

えだまめ

文字の大きさ
上 下
8 / 9
1章 【リヨンとレーヌのごく普通な日常】

1ー2、おはよう。早くしろレーヌ(リヨンside)

しおりを挟む
「レーヌ。ほらレーヌ起きて」

レーヌの部屋に辿り着くと翼をしまって
部屋に入る。
普通はここで、失礼しますだとか言わなきゃいけないんだろうけど、もう長い付き合いだ。そんなものとうの昔にかなぐり捨てた。今はもう普通にタメ口だ。お互い。
ファンシーでメルヘンな部屋の天蓋付きのベットですやすやと寝るレーヌ。
とても気持ちよさそうに寝てるけど、ここは執事として起こさなければならない。

「ほら、レーヌ。もう6時半。はやく起きないと『朝餉の刻』に遅れるよ。」

朝餉の刻とはこの国の法律……いや、スローガン?みたいなものだ。
初代国王が「朝ごはんはしっかり!」というのを国民に掲げる時に作った法律。

8時から8時半までは朝ごはんを食べ、ゆっくりしなさい。

というだ。なんともいい。
中には少し開始が遅れたという人もちらほらいるが、そんなのは気にしない。
別に法律では無いのだから。
だがしかし、ここは皇族の棲む宮廷。
朝餉の刻に遅れるととても怒られるのだ。
だから起こしてるのに!!!
どんなに揺さぶっても起きないレーヌにさすがにイラッとして私は最終手段に出る。
「……。レーヌ。起きないなら……こうだ!!」

サッと布団を剥がし、レーヌの脇腹をくすぐった。
流石にびっくりしただろうレーヌは体をよじらせ大笑い。
「あははははっ!!ちょ!やめてやめてリヨンん!起きる!起きるからぁ!」

朝から疲れるったらありゃしない。
私は堪忍してやって、部屋の大きな窓のカーテンを開ける。
「ほら、レーヌ。今日は天気がいいよ。
お日様の光でも浴びちゃいな。」

「ほんとだ!春の朝っていいよね~!」

「そうだね。今日は宮邸の庭でも散歩しよっか。」

「うん!じゃあ、早く着替えてご飯食べないと!」

「はいはい。待っててな。」

レーヌも起きたことだし、今日はどんな服装にしようか。
私はとても心がうきうきした、
しおりを挟む

処理中です...