私の愛した召喚獣

Azanasi

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第二章 始動

【叙爵準備2】

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【叙爵準備2】

 辺境伯宅のリビングに転移した。
 転移した瞬間に久志のなかに脳内アナウンスが響いた。

 『形態変化魔法が回復魔法と上位統一化され神聖形貌変化魔法になりました。これにより他人の容姿を変化させる事が可能(若返りも可能)になりました、回復魔法はレベルが上がりました。』
  
 『土魔法を取得しました、これにより土や砂、石等の変形、流動、移動などを操る事が出来ます、なお、石を変形させて飛ばしたりとかは出来ません。』
 
 同様に奈津の中にもアナウンスが響いた。
 『スキル美顔術を取得しました。美顔術は顔だけに留まらず全身のケア、若返り(見た目)を可能にします。』
 
 愛彩の中にもアナウンスが響いた。
 『錬金術、鑑定、物質創造、組成変換を取得しました。この・・・・』
 (えっ、なに?、だれ?、辺りを見回してみるが奈津と久志は喋っていない・・・な、何なのよ)
 
 「ねぇ、頭の中に変な声が響いたんだけど・・・」
 愛彩は落ち着かない表情で怖々として居る。
 
 「あっ、大丈夫、こっちの世界に来ると魔法が使えるようになるから・・・内容は人によって違うけど・・後で教えてね。」
 
 「うん、大丈夫なら良いんだけど・・・」
 それでも愛彩は心配らしくて奈津の所へ近寄って何かを訴えるような目で奈津を見ている。
 
 ♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪
 
 リビングにはリネーネ様とアメリア様、フィオーネ様、ソフィーそれにメイドのジェシカがいた。
 
 一同、一瞬驚くが、フィオーネ様以外は直ぐに冷静になる、まあ、もう何度も見慣れたし・・・
 「お帰り・・・」、「お帰りなさいませ・・・」
 「うん、ただいま!!」

 アメリアやリネーネ様、ジェシカが挨拶する中で一人だけ驚いている。。。
 フィオーネ様だけが「あ、あぅ・・・・どっから来の?、えっ、どういう事・・・」
 他の物は皆、何事も無かった様にお茶を飲んでいる。。。。
 
 「彼の転移魔法よ、聞いた事有るでしょう。」
 リネーネ様がはぁ、ってため息を付きながら長女のフィオーネ様に説明している。
 
 「えっ、とっくに失われた古代魔法の転移魔法ですか?」
 「そうよ、彼は何でもありだから・・・気にするだけ疲れるだけよ。」

 「そんなぁーーー」
 フィオーネは王都の学院で魔法科を専攻していて中級魔法も自在に使える事からある程度の自負があったのだが目の前で転移魔法を見せられて自分の自信が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちて行くのが分かった。
 
 「えへっ、ルーカス様、お土産は有りますか?」
 ジェシカが毎回、元の世界に帰る度に買ってくるお土産を期待していた。..
 
 「あぁ、有るよ、」
 皆にはお約束のチョコレートとマカロンを、フィオーネ様には化粧道具一式を渡した・・・
 ジェシカには他のメイドや使用人達の分も一緒に渡してもらうように頼んだ・・・
 
 「何時も悪いわね。」、「ルーカス有り難う」
 皆が軽くお礼を言う中で、フィオーネ様だけが固まって化粧道具を見ている・・・
 
 「・・・・・」
 「・・・こんな高価な物頂いて宜しいのでしょうか?」
 「どうぞ!、リネーネ様やアメリア様にはお渡して下りますから気にせずに使って頂ければ幸いです、使い方はリネーネ様、アメリア様に尋ねられるといいと思います。」
 
 「わかりました、身に余る品ですが、有り難く頂戴させて頂きます、何か私に出来る事がありましたら遠慮なくおっしゃって下さいね。」
 フィオーネ様は溢れんばかりの笑顔でそう言うと、また、メイクボックスの中を改め始めた。
 
 (フィオーネ:ふっ、驚いたわ、こんなの王都でも誰も持っていないわ、アメリアはまあ、別としてもお母様の綺麗になっていた秘密はこれにあったのね。成る程・・・アメリアの従者で異世界人って言うからどんなのかと思ったら、なかなか良いじゃない、見た目も悪くないし今度は男爵に成るって言うし、恐らくもっと出世するわね、アメリアがおまけで子爵になるくらいだもの、アメリアにはもったいないわ、うふっ、見てらっしゃい。)
 
 フィオーネは平静を装いながら心の奥で激しい炎を燃やし始めた・・・この変化が後に騒ぎを起こす事は誰も気づいてはいなかった。そう、当の本人でさえ・・・
 
 「さて、向こうの世界の眷属候補を一人連れてきましたので紹介しますね、彼女は工業系の学者で『愛彩』って言います、今後お世話になると思いますので宜しくお願いします。」
 
 「いま、紹介頂きました、愛彩と言います、工業系を勉強しておりましたが、機会あってこちらにくる事になりました。宜しくお願いします。」
 
 「こちらこそよろしくね、」、「宜しくお願いします。」、「分からない事は何でも聞いて下さいね。」
 リネーネ様は殆ど興味が無いようだ、アメリアはちょっと気にしてるような・・・フィオーネ様は愛彩に対しては好意的に接してくれるような雰囲気だ。
 
 「ちょっと、良いかしら?」
 アメリアが何か言いたそうな顔をして軽く手をあげた。
 
 「アメリア様なんでしょうか?」
 「あ、あのう・・・・その・・・ルーカスは」
 「・・・・・私の領地を・・て、てつだって・・・」
 「・・・・・」
 
 「ん?、どうされました。」
 
 「ル、ルーカス、あなたは私の領地の運営を手伝いなさい!!、良いわね。」
 「はい、アメリア様」
 
 「・・・・・えっ、いいの?、本当に良いの?」
 「はい、従者ですから当然です。ただ、暇な時は私には商会の方も有りますのでそれをお認めになって頂けると嬉しいです。」

 「えぇ・・もちろんよ。」
 (あぁ、言っちゃった。バカ、バカ、バカ、アメリアのばか!、本当は眷属にして下さいって頼むはずだったのについ、威圧的になってしまったじゃないの、どうしよう・・・
 でも、ルーカスはOKしてくれた・・・ありがとう)
 
  威圧的に言ってしまったので断られるとおもった、アメリアは驚いたが、予想外の返事にアメリアは嬉しかった。
 
 「王都で叙爵された後、そのまま王都の屋敷に移ろうと思いますのでアメリア様も身の回りの品は準備されて置いて下さいね。」
 
 「えっ、屋敷?、まだ、そんなの無いわよ!」
 「いえ、私の方でアメリア様の屋敷は用意しておりますのでそちらに移って頂きます」
 
 「それって、ルーカスがもらった屋敷じゃないの?」
 「従者が主を差し置いて屋敷に住む訳には参りません、元々従者ですから同じ屋敷に住むのが当たり前ですから・・」
 (ルーカス、有り難う、こんな私の事、考えていてくれたんだ、私はもっとルーカスに対して素直にならなきゃ駄目よね。)
 
 「それから、リネーネ様も身の回りは準備されておいて下さい、リネーネ様には向こうの世界で住んで頂いてもらうつもりですから・・・」
 (リネーネ:やったー-ぁ、また、あの世界で暮らせるわ、もっといろんな物を食べたり、買い物したり出来るなんて・・・)
 
 「私は向こうで何をすれば良いのかしら・・・?」
 「そうですね、まずは、いろんな所に行って色々と見聞を深めてもらうのが当初の目的です。それ以降は向こうの品物でこちらで売れそうな物を選んで買い付けてもらったりする事になると思います。」
 
 「分かったわ、と言うより、女神の神託だもの拒否権なんて無い物ね、仕方ないわ、出来るだけ頑張るわ」
 (と、言った物のリネーネの気持ちはもう向こうの世界へと飛んでいたのをアメリアはもちろん、ジェシカさえ気づいていた・・・)
 
 辺境伯は執務室にいるというので、挨拶に行き洋酒の土産を渡して王都行きの打ち合わせを軽くして俺の部屋に戻った。
 
 得たスキルを確認してみると奈津は美顔系のスキルが使えるようになったようだし、愛彩はやっぱりというか前職の知識が生かされたスキルみたいだ・・・
 スキルについて検討していたら突然愛彩が声をあげた・・・
 
 「なによ、二人ともその格好、こっち来たら別人じゃん?、どういう事なの?」
 元の世界にいた時とこっちとでは姿形がかなり違うので、まあそれでも元と大幅に変わっている訳ではないので判別が何とか付くぐらい何だけど・・・そんな訳で愛彩が驚いている」
 
 「うん、こっちでは姿が変わるようにしてるんだ、こっちだと黒髪、黒目は目立つのでね、綾も変えた方が良いと思うぞ、容姿を変えたくなければ髪の色と目の色だけでも良いけど・・・」
 
 「うーん、折角だから若い方が良いわね、一緒ぐらいの年齢で髪はブラウン、目はブルーがいいな」
 「これは変更出来ないからな、ま、絶対出来ない訳じゃ無いけど頻繁に変えると色々と不都合が出るから・・・」
 
 愛彩を希望通りに変化させた・・・
 
 「うわっ、自分じゃないみたい、いや、いいわぁ・・・」
 「ねぇ、おっぱいとかも変えられるの?」
 
 「可能だけど、その辺は触らないと無理だぞ」
 「じゃ、今夜にでも二人っきりでお願い・・・」
 愛彩は誘うような目付きで、胸を寄せながら言ってくる
 
 「ん、まあ、そっちは取り敢えず外の世界を見てからだね、それにそれだけで終わらない自信はあるからさ・・」
  
 ちょっぴり本音を言う久志だったが、奈津の後ろには燃えさかる炎を背にした般若がいた・・・
 
 「・・・ひ・さ・し・・・」
 「ん、冗談だよ、冗談・・・」
 
 「ふーん、冗談なんだぁ・・・う・そ・つ・き・」
 何とも、いたたまれない気持ちになる久志だった。
 (あぁ、ほんとに眷属なんて増やして大丈夫かよ、何か背筋に寒気がするんだけどなぁ・・・)
 
 
 
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2018/09/17:誤字、脱字、誤用の修正をしました。
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