私の愛した召喚獣

Azanasi

文字の大きさ
36 / 116
第二章 始動

【叙爵準備2】

しおりを挟む
【叙爵準備2】

 辺境伯宅のリビングに転移した。
 転移した瞬間に久志のなかに脳内アナウンスが響いた。

 『形態変化魔法が回復魔法と上位統一化され神聖形貌変化魔法になりました。これにより他人の容姿を変化させる事が可能(若返りも可能)になりました、回復魔法はレベルが上がりました。』
  
 『土魔法を取得しました、これにより土や砂、石等の変形、流動、移動などを操る事が出来ます、なお、石を変形させて飛ばしたりとかは出来ません。』
 
 同様に奈津の中にもアナウンスが響いた。
 『スキル美顔術を取得しました。美顔術は顔だけに留まらず全身のケア、若返り(見た目)を可能にします。』
 
 愛彩の中にもアナウンスが響いた。
 『錬金術、鑑定、物質創造、組成変換を取得しました。この・・・・』
 (えっ、なに?、だれ?、辺りを見回してみるが奈津と久志は喋っていない・・・な、何なのよ)
 
 「ねぇ、頭の中に変な声が響いたんだけど・・・」
 愛彩は落ち着かない表情で怖々として居る。
 
 「あっ、大丈夫、こっちの世界に来ると魔法が使えるようになるから・・・内容は人によって違うけど・・後で教えてね。」
 
 「うん、大丈夫なら良いんだけど・・・」
 それでも愛彩は心配らしくて奈津の所へ近寄って何かを訴えるような目で奈津を見ている。
 
 ♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪.。+゜♪
 
 リビングにはリネーネ様とアメリア様、フィオーネ様、ソフィーそれにメイドのジェシカがいた。
 
 一同、一瞬驚くが、フィオーネ様以外は直ぐに冷静になる、まあ、もう何度も見慣れたし・・・
 「お帰り・・・」、「お帰りなさいませ・・・」
 「うん、ただいま!!」

 アメリアやリネーネ様、ジェシカが挨拶する中で一人だけ驚いている。。。
 フィオーネ様だけが「あ、あぅ・・・・どっから来の?、えっ、どういう事・・・」
 他の物は皆、何事も無かった様にお茶を飲んでいる。。。。
 
 「彼の転移魔法よ、聞いた事有るでしょう。」
 リネーネ様がはぁ、ってため息を付きながら長女のフィオーネ様に説明している。
 
 「えっ、とっくに失われた古代魔法の転移魔法ですか?」
 「そうよ、彼は何でもありだから・・・気にするだけ疲れるだけよ。」

 「そんなぁーーー」
 フィオーネは王都の学院で魔法科を専攻していて中級魔法も自在に使える事からある程度の自負があったのだが目の前で転移魔法を見せられて自分の自信が、ガラガラと音を立てて崩れ落ちて行くのが分かった。
 
 「えへっ、ルーカス様、お土産は有りますか?」
 ジェシカが毎回、元の世界に帰る度に買ってくるお土産を期待していた。..
 
 「あぁ、有るよ、」
 皆にはお約束のチョコレートとマカロンを、フィオーネ様には化粧道具一式を渡した・・・
 ジェシカには他のメイドや使用人達の分も一緒に渡してもらうように頼んだ・・・
 
 「何時も悪いわね。」、「ルーカス有り難う」
 皆が軽くお礼を言う中で、フィオーネ様だけが固まって化粧道具を見ている・・・
 
 「・・・・・」
 「・・・こんな高価な物頂いて宜しいのでしょうか?」
 「どうぞ!、リネーネ様やアメリア様にはお渡して下りますから気にせずに使って頂ければ幸いです、使い方はリネーネ様、アメリア様に尋ねられるといいと思います。」
 
 「わかりました、身に余る品ですが、有り難く頂戴させて頂きます、何か私に出来る事がありましたら遠慮なくおっしゃって下さいね。」
 フィオーネ様は溢れんばかりの笑顔でそう言うと、また、メイクボックスの中を改め始めた。
 
 (フィオーネ:ふっ、驚いたわ、こんなの王都でも誰も持っていないわ、アメリアはまあ、別としてもお母様の綺麗になっていた秘密はこれにあったのね。成る程・・・アメリアの従者で異世界人って言うからどんなのかと思ったら、なかなか良いじゃない、見た目も悪くないし今度は男爵に成るって言うし、恐らくもっと出世するわね、アメリアがおまけで子爵になるくらいだもの、アメリアにはもったいないわ、うふっ、見てらっしゃい。)
 
 フィオーネは平静を装いながら心の奥で激しい炎を燃やし始めた・・・この変化が後に騒ぎを起こす事は誰も気づいてはいなかった。そう、当の本人でさえ・・・
 
 「さて、向こうの世界の眷属候補を一人連れてきましたので紹介しますね、彼女は工業系の学者で『愛彩』って言います、今後お世話になると思いますので宜しくお願いします。」
 
 「いま、紹介頂きました、愛彩と言います、工業系を勉強しておりましたが、機会あってこちらにくる事になりました。宜しくお願いします。」
 
 「こちらこそよろしくね、」、「宜しくお願いします。」、「分からない事は何でも聞いて下さいね。」
 リネーネ様は殆ど興味が無いようだ、アメリアはちょっと気にしてるような・・・フィオーネ様は愛彩に対しては好意的に接してくれるような雰囲気だ。
 
 「ちょっと、良いかしら?」
 アメリアが何か言いたそうな顔をして軽く手をあげた。
 
 「アメリア様なんでしょうか?」
 「あ、あのう・・・・その・・・ルーカスは」
 「・・・・・私の領地を・・て、てつだって・・・」
 「・・・・・」
 
 「ん?、どうされました。」
 
 「ル、ルーカス、あなたは私の領地の運営を手伝いなさい!!、良いわね。」
 「はい、アメリア様」
 
 「・・・・・えっ、いいの?、本当に良いの?」
 「はい、従者ですから当然です。ただ、暇な時は私には商会の方も有りますのでそれをお認めになって頂けると嬉しいです。」

 「えぇ・・もちろんよ。」
 (あぁ、言っちゃった。バカ、バカ、バカ、アメリアのばか!、本当は眷属にして下さいって頼むはずだったのについ、威圧的になってしまったじゃないの、どうしよう・・・
 でも、ルーカスはOKしてくれた・・・ありがとう)
 
  威圧的に言ってしまったので断られるとおもった、アメリアは驚いたが、予想外の返事にアメリアは嬉しかった。
 
 「王都で叙爵された後、そのまま王都の屋敷に移ろうと思いますのでアメリア様も身の回りの品は準備されて置いて下さいね。」
 
 「えっ、屋敷?、まだ、そんなの無いわよ!」
 「いえ、私の方でアメリア様の屋敷は用意しておりますのでそちらに移って頂きます」
 
 「それって、ルーカスがもらった屋敷じゃないの?」
 「従者が主を差し置いて屋敷に住む訳には参りません、元々従者ですから同じ屋敷に住むのが当たり前ですから・・」
 (ルーカス、有り難う、こんな私の事、考えていてくれたんだ、私はもっとルーカスに対して素直にならなきゃ駄目よね。)
 
 「それから、リネーネ様も身の回りは準備されておいて下さい、リネーネ様には向こうの世界で住んで頂いてもらうつもりですから・・・」
 (リネーネ:やったー-ぁ、また、あの世界で暮らせるわ、もっといろんな物を食べたり、買い物したり出来るなんて・・・)
 
 「私は向こうで何をすれば良いのかしら・・・?」
 「そうですね、まずは、いろんな所に行って色々と見聞を深めてもらうのが当初の目的です。それ以降は向こうの品物でこちらで売れそうな物を選んで買い付けてもらったりする事になると思います。」
 
 「分かったわ、と言うより、女神の神託だもの拒否権なんて無い物ね、仕方ないわ、出来るだけ頑張るわ」
 (と、言った物のリネーネの気持ちはもう向こうの世界へと飛んでいたのをアメリアはもちろん、ジェシカさえ気づいていた・・・)
 
 辺境伯は執務室にいるというので、挨拶に行き洋酒の土産を渡して王都行きの打ち合わせを軽くして俺の部屋に戻った。
 
 得たスキルを確認してみると奈津は美顔系のスキルが使えるようになったようだし、愛彩はやっぱりというか前職の知識が生かされたスキルみたいだ・・・
 スキルについて検討していたら突然愛彩が声をあげた・・・
 
 「なによ、二人ともその格好、こっち来たら別人じゃん?、どういう事なの?」
 元の世界にいた時とこっちとでは姿形がかなり違うので、まあそれでも元と大幅に変わっている訳ではないので判別が何とか付くぐらい何だけど・・・そんな訳で愛彩が驚いている」
 
 「うん、こっちでは姿が変わるようにしてるんだ、こっちだと黒髪、黒目は目立つのでね、綾も変えた方が良いと思うぞ、容姿を変えたくなければ髪の色と目の色だけでも良いけど・・・」
 
 「うーん、折角だから若い方が良いわね、一緒ぐらいの年齢で髪はブラウン、目はブルーがいいな」
 「これは変更出来ないからな、ま、絶対出来ない訳じゃ無いけど頻繁に変えると色々と不都合が出るから・・・」
 
 愛彩を希望通りに変化させた・・・
 
 「うわっ、自分じゃないみたい、いや、いいわぁ・・・」
 「ねぇ、おっぱいとかも変えられるの?」
 
 「可能だけど、その辺は触らないと無理だぞ」
 「じゃ、今夜にでも二人っきりでお願い・・・」
 愛彩は誘うような目付きで、胸を寄せながら言ってくる
 
 「ん、まあ、そっちは取り敢えず外の世界を見てからだね、それにそれだけで終わらない自信はあるからさ・・」
  
 ちょっぴり本音を言う久志だったが、奈津の後ろには燃えさかる炎を背にした般若がいた・・・
 
 「・・・ひ・さ・し・・・」
 「ん、冗談だよ、冗談・・・」
 
 「ふーん、冗談なんだぁ・・・う・そ・つ・き・」
 何とも、いたたまれない気持ちになる久志だった。
 (あぁ、ほんとに眷属なんて増やして大丈夫かよ、何か背筋に寒気がするんだけどなぁ・・・)
 
 
 
♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪
2018/09/17:誤字、脱字、誤用の修正をしました。
♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*♪゜*☆*゜♪*☆*゜♪゜*☆*゜♪
しおりを挟む
感想 10

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

悪徳貴族の、イメージ改善、慈善事業

ウィリアム・ブロック
ファンタジー
現代日本から死亡したラスティは貴族に転生する。しかしその世界では貴族はあんまり良く思われていなかった。なのでノブリス・オブリージュを徹底させて、貴族のイメージ改善を目指すのだった。

勇者召喚に巻き込まれ、異世界転移・貰えたスキルも鑑定だけ・・・・だけど、何かあるはず!

よっしぃ
ファンタジー
9月11日、12日、ファンタジー部門2位達成中です! 僕はもうすぐ25歳になる常山 順平 24歳。 つねやま  じゅんぺいと読む。 何処にでもいる普通のサラリーマン。 仕事帰りの電車で、吊革に捕まりうつらうつらしていると・・・・ 突然気分が悪くなり、倒れそうになる。 周りを見ると、周りの人々もどんどん倒れている。明らかな異常事態。 何が起こったか分からないまま、気を失う。 気が付けば電車ではなく、どこかの建物。 周りにも人が倒れている。 僕と同じようなリーマンから、数人の女子高生や男子学生、仕事帰りの若い女性や、定年近いおっさんとか。 気が付けば誰かがしゃべってる。 どうやらよくある勇者召喚とやらが行われ、たまたま僕は異世界転移に巻き込まれたようだ。 そして・・・・帰るには、魔王を倒してもらう必要がある・・・・と。 想定外の人数がやって来たらしく、渡すギフト・・・・スキルらしいけど、それも数が限られていて、勇者として召喚した人以外、つまり巻き込まれて転移したその他大勢は、1人1つのギフト?スキルを。あとは支度金と装備一式を渡されるらしい。 どうしても無理な人は、戻ってきたら面倒を見ると。 一方的だが、日本に戻るには、勇者が魔王を倒すしかなく、それを待つのもよし、自ら勇者に協力するもよし・・・・ ですが、ここで問題が。 スキルやギフトにはそれぞれランク、格、強さがバラバラで・・・・ より良いスキルは早い者勝ち。 我も我もと群がる人々。 そんな中突き飛ばされて倒れる1人の女性が。 僕はその女性を助け・・・同じように突き飛ばされ、またもや気を失う。 気が付けば2人だけになっていて・・・・ スキルも2つしか残っていない。 一つは鑑定。 もう一つは家事全般。 両方とも微妙だ・・・・ 彼女の名は才村 友郁 さいむら ゆか。 23歳。 今年社会人になりたて。 取り残された2人が、すったもんだで生き残り、最終的には成り上がるお話。

チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活

仙道
ファンタジー
 ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。  彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。

初期スキルが便利すぎて異世界生活が楽しすぎる!

霜月雹花
ファンタジー
 神の悪戯により死んでしまった主人公は、別の神の手により3つの便利なスキルを貰い異世界に転生する事になった。転生し、普通の人生を歩む筈が、又しても神の悪戯によってトラブルが起こり目が覚めると異世界で10歳の〝家無し名無し〟の状態になっていた。転生を勧めてくれた神からの手紙に代償として、希少な力を受け取った。  神によって人生を狂わされた主人公は、異世界で便利なスキルを使って生きて行くそんな物語。 書籍8巻11月24日発売します。 漫画版2巻まで発売中。

冴えない経理オッサン、異世界で帳簿を握れば最強だった~俺はただの経理なんだけどな~

中岡 始
ファンタジー
「俺はただの経理なんだけどな」 ブラック企業の経理マンだった葛城隆司(45歳・独身)。 社内の不正会計を見抜きながらも誰にも評価されず、今日も淡々と帳簿を整理する日々。 そんな彼がある日、突然異世界に転生した。 ――しかし、そこは剣も魔法もない、金と権力がすべての世界だった。 目覚めた先は、王都のスラム街。 財布なし、金なし、スキルなし。 詰んだかと思った矢先、喋る黒猫・モルディと出会う。 「オッサン、ここの経済はめちゃくちゃだぞ?」 試しに商店の帳簿を整理したところ、たった数日で利益が倍増。 経理の力がこの世界では「未知の技術」であることに気づいた葛城は、財務管理サービスを売りに商会を設立し、王都の商人や貴族たちの経済を掌握していく。 しかし、貴族たちの不正を暴き、金の流れを制したことで、 王国を揺るがす大きな陰謀に巻き込まれていく。 「お前がいなきゃ、この国はもたねえぞ?」 国王に乞われ、王国財務顧問に就任。 貴族派との経済戦争、宰相マクシミリアンとの頭脳戦、 そして戦争すら経済で終結させる驚異の手腕。 ――剣も魔法もいらない。この世を支配するのは、数字だ。 異世界でただ一人、"経理"を武器にのし上がる男の物語が、今始まる!

処理中です...