私の愛した召喚獣

Azanasi

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第三章 領地改革

【アトリア Side】

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 アトリア Side
゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*

 私は前世の記憶を持ったままオットー公爵家の長女として生まれてきた。
 これで前世の記憶を生かして内政チート出来ると思っていた。幼児期の頃はすごく頭のいい子と喜 ばれていたんだけど幼少期の頃になると少し様子が変わり警戒され出した。
 親の話を盗み聞きしているとこの世界には迷い人と呼ばれる人がまれに訪れるらしい、その迷い人はかなり警戒されていて迷い人とわかると捕まって恐ろしい事になるって事がわかった。
 
 かなり前の話だが迷い人として現れた人は異世界の知識を使って魔道具や自分の地域だけ発展させ、強力な兵器で反乱を起こして国を乗っ取り王として収まると隣国へ進攻し属国とした。
 王が死ぬと次第に国力は低下して段々と現在に近い形に戻ってきた。
 そういった経緯もあって迷い人と分かると良くても軟禁生活、もしくは死罪と言う形になったらしい。
 
 私はその事を知ると恐ろしくなり出来るだけ年相応に振る舞うように努めた、18で転生して5歳児の振る舞いをするのはかなり辛かったが死罪になるよりはましだと思って頑張った。
 仮に親にばれたところで国に密告されることはなかっただろう、それは私が可愛いからではなく親にも責任が及ぶ恐れがあるために過ぎない。恐らく両親は適当な理由を付けて親子の縁を切り放逐しただろう。
 5歳児が放逐されて生きて行ける世界ではないので『放逐=死』と言う図式が成り立ってしまう。
 
 私の苦痛に満ちた演技の生活も10年で終わりが来た。
 私の父親であるオットー公爵が脱税、公金横領、反乱罪で死罪となったのだ。
 私達、母上と私達、姉妹は死罪は免れたが犯罪奴隷として貢献のあった貴族に払い下げられる事になった。
 新たなる苦難の生活の始まりにしか過ぎないと。
 
 私は自分の生涯を愁いて失望し我が身を呪ってなく日々が続いた・・・
 なぜならうちにも奴隷がいたから奴隷の扱いはどんな物か分かっていた。
 奴隷は人間扱いされない、死なない程度に残飯とも言える様な食事を与えられ寝るのは馬小屋がよっぽどましと思えるような所だ。お手つきのメイドにでもなればもう少し小綺麗には出来るらしいけどそれでも苦痛が待ってる事には違いない。
 
 私達は奴隷の中でも犯罪奴隷なのです、通常の奴隷だと衣食住が保証され、とは言っても最低限度だけど、勝手に殺したりすれば持ち主が罰せられる事もあるけど、実際には滅多な事で所有者が罰せらられる事は無いらしいわ。..
 しかし犯罪奴隷は待遇がちがう、所有者の気分次第で殺しても何の問題もない・・・
 男だと鉱山などで働かされて3ヶ月後に生きていれば珍しい方らしい、女とて大して変わらない、鉱山こそ送られないが、性奴隷として心身ともに壊れるまで虜辱された後、森に捨てられて魔物の餌になるのがおちだ聞く。・・・
 
 貴族にはロリコンが多いと聞いている・・・
 私や姉様は恐らく死ぬまでには相当辛く苦しい思いが待ってるかと思うと怖くて堪らない。
 住み慣れた屋敷から動物のように引き立てられて馬車に乗せられた時にはいよいよ来る時がやって来たんだと思った。
 
 連れて行かれたのは知らない屋敷の地下牢だった。
 一番辛いのはトイレだった。牢内にトイレは付いていたけど、なんとトイレに仕切りがない、人が見てる前で用を足さなければならないこれは女性にとっては苦痛以外の何者でもないわ。
 
 牢へと続く階段を下りてくる足音が聞こえてくる度に姉と抱き合って震えていた。
 それが何時もの人で食事だとほっとした物です。
 
 ある日、階段を下りてくる足音が聞こえて、いつものように姉と抱き合って震えていると、年の頃は17,8歳の男が下りてきた、何時もの牢番の様子から見るとどうやらとうとう来る時が来たらしい、覚悟を決めないと行けないわねとは思ったけどそう簡単には決まらない。
 
 男は自分は私達の所有者である事、お父様を告発した本人である事を告げた。
 あぁ、これから始まるんだわって思っていると、男の視線はお母様の胸に向いているのが分かった、無論あからさまではないのだけれど、そう言う視線には敏感なのよね。
 どうやらこの男はロリコンではないらしい。
 
 男は意に反して自分に使えるように言ってきた。有無を言わさず引きずられて行くのかと思っていたのでこれには予想外だった。
 私はお父様から構って貰った事は無いので奴隷商に売られるよりは使える方がまだ、幾分かましに思えたので受け入れたいと思ったけど、お母様は夫を告発した男に恭順を示すとは思わなかった。
 
 あぁ、奴隷商に売られるのかぁと考えていると、以外にお母様は私達兄妹には手を出さない、もしくは乱暴にしない事を条件に男の案を受け入れた。
 恐らくお母様も男の視線に気がついていたのだと思う、伊達に女を長くやってないし。
 だからといって幾ら約束しようとも私達兄妹に手を出さないなんて言う約束が守られるなんて言ってる母親すら信じていないと思う。
 
 以前、うちに夜の相手は無しと言う約束でメイドとして働きに来ていた女の子がちょっとした失敗の罰として地下でお仕置きを受けていて叫び声と嗚咽が響いている事を何度聞いたか知れない。
 そもそも、奴隷相手に約束なんて通用しないのは散々見てきたから・・・
 
 実際はどうであれ表向きは3人ともメイドとして使える事になった。今までお世話される側だったのがお世話する側になった瞬間だった。
 何のお世話をする事になるか考えただけでもぞっとした。
 
 何より愕いた事に男は私が転生者である事を見抜いていた。
 不思議だった。ろくに話もしないうちに転生者な事に気づいていたみたい?
 彼も転生者?、でも彼自身も転生者だからと言って直ぐに分かる訳がないし・・・
 
 そんな事を考えてるうちにメイドが呼びに来て風呂に入れられ下着から服まで全て着替えさせられた。
 正直なところ久しぶりにお風呂に入れて新しい下着ですっきりとしたけど、当然この後はお約束だわね。そう考えると憂鬱になってきたが、どうせ犯られるのなら早いも遅いもないわ、嫌な事はさっさと済ました方が後は楽になれるわと思っていた。
 
 そんなところにまさかのお呼び出しだった。
 びっくりした。最初はお母様が呼ばれると思っていた。私達はどっちが先かは分からないが私が一番とは思ってもいなかっただけに驚いたけど、覚悟をきめて付いて行った。
 
 メイドに連れられ、促された部屋に入るとさっきの男が座っていた。
 椅子に座るように促された、入るなり有無を言わせず押し倒されるのかと思ったけど、さっきの様子だとロリコンではない気もしていたし、男の性《さが》は理解出来ないから何とも言えないわ。
 
 ソファーに座らされ転生者である事、転生の経緯などについて根掘り葉掘り聞かれた。転生者である事がばれてる以上別に聞かれても良いんだけど。..
 
 ただ、本人が転移者である事、そしてなんと亜神だということにはことさら驚いた。神威を出して神気をまとわれた時にはあまりの神々しさに思わずひれ伏してしまった。
 頭を上げるように言われてもなかなか体が言う事を聞かなかったのには自分も驚いたわ。
 
 亜神だからなのかも知れないがなんと地球とこの世界を自由に行き来が出来るというのにも驚いた、もう、驚きの連続でちょっと呆れてしまったぐらい。
 彼の眷属であれば連れて行く事もなのうだそう。
 
 『『『行きたい、日本に行きたい。』』』
 
 私、日本に帰ってみたい、母さんに会いたい。
 一目、一目だけでも良いから母さんを見てみたい。
 お母さんは、元気だろうか、私が突然死んでふさぎ込んでないだろうか?
 元気に前向きに暮らしてると良いんだけど・・・
 逢って確かめてみたい・・
 
 無論、日本で暮らしたいなんてはおもっていない、どう見ても日本人でないからだ・・・10歳と言う年齢、戸籍もない・・・法治国家の日本で暮らせるはずもないのは分かってる。
 良くて施設行きよね。
 
 日本に行くには眷属にならないと駄目らしい。
 人族の男と女で眷属になるのに契りを交わさない訳がない・・・それくらいは分かってる。
 全然構わないわ、日本に行けるなら喜んで何処でも開いてみせる。壊れたって構わない。
 どうせ、眷属にならなくても所詮犯罪奴隷、無理矢理、犯られるだもん、自分で開く方がまだましだしおおきな見返りもあるなら何も躊躇う必要はないわよね。
 
 ダメ元、いいえ、駄目と言われても何処までも食い下がってやるわ。
 覚悟を決めていって見た。
 彼は「連れて行くよ」といった、一瞬悩んだようだが、ほぼ即決だった。
 
 ちょっとあっけないぐらい・・・・
 断られると覚悟はしていたらからその場で惚けてしまった。
 
 どうして連れて行ってくれるかは言われなかった。..というより聞きそびれてしまったわ。
 私を連れて行くメリットなんてないはず・・・
 もしかして私の体・・・いや・体なら連れて行かなくて今すぐでも、力ずくならどうにでも出来るし、そもそも奴隷なので抵抗なんて出来ない・・・
 
 でも、理由なんて何でもいい。
 例えそれが死ぬような事だって母さんと会った後なら喜んで受け入れるわ。
 早く行きたい。あぁ~ん、もう、今日は眠れそうにないわ。
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