私の愛した召喚獣

Azanasi

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第三章 領地改革

【婚約1】

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【婚約1】

 婚約の発表の前に王居へときていた。
 私室には国王、第一王妃、エマ王女、宰相が並んで座っていた。
 まず、国王が口を開いた。.
 「婚約の発表の前に重要な話とはなんじゃ?」
 
 「婚約、つまり結婚が前提ですよね。」
 「当たり前だろう。」
  
 「では、申し上げます、結婚すると言う事は私の眷属になるのと同じです。それでも構いませんか?」
 「眷属になるとどうなる?」
  
 「はい、眷属になると不老不死になります、また、エマ王女の1親等に限り不老になり寿命が200年~300年になってしまいます。つまり、今のご子息のを見送るという事になってしまいます。」
 
 「おぅ、そう言う物なのか?」
 陛下はかなり驚いている。
 「うーん、どうなんだかなぁ・・・そんなに長く生きながらえると不審がられよう。。」
  
 「あら、そんな事、構いませんわ。良いじゃないですの。私には反対する理由が見つかりませんけど・・」
 お后は乗り気のようだ・・・陛下は一応考えてるようだが・・・
 この様子だとノリノリのお后に押されそうだな。.
 
 「不老で寿命は延びても、病死や事故って事も有るからな・・・」
 「無理です、残念ながら病気にはかからなくなります、寿命が来るまでは首でも切り落とさない限り死にません。少々怪我をしても自己修復します。」
 
 「直ぐには決断出来ないでしょうから決まったらお知らせ下さい。」
 
 出て行こうと席を立ったとき・・・
 「まて、予定通りだ、エマはお前に嫁がせる、良いなエマ」
 「はい、陛下のお申し付けの通りに致します。」
 
 「分かりました、ご了解の上であれば、此方こそ宜しくお願いします。」
 「ただ、結婚は少し領内を安定させてからと思いますので1年ほどお時間を頂けないでしょうか?、暫くは領地にかかり切りに成ると思いますので・・・」
 
 「そうじゃの、結婚して行き成り離ればなれは可哀想だし、王女の結婚式とも成ればそれぐらいの時間は必要になるからの・・・構わんよ。」
  
 「お聞き届け頂き誠に有り難う御座います。」
 
 「それから、ルーク侯爵を知っておろう・・・・」
 「はい、金剛石の取引がありますし、何よりソフィーのお父上ですから」
  
 「それが無線機をたいそううらやましがっておったわ、わははは・・・」
 何やってんだ、このおっさん、自慢してどうするよ、って例え自慢しなくても衛兵が使っていれば直ぐに他の貴族にばれるのは必然だ・・・
 
 「で、どうされるのですか?、言わなくてもルーク侯爵なら私の所と気づいておられると思いますが・・・」
  
 「うん、そうじゃな、幾ら貴族とは言え幾らのべつまくなし売って良い物では無いから許可制に使用と思う、取り敢えずルーク侯爵は撃って良いじゃろう。以後は儂の許可証を持つ者以外は売っては成らんぞ!!」
  
 「分かりました、ルーク侯爵には許可証無しで良いのですね。」
 「あぁ、まにあわんじゃろうからな!」
 
 自宅に戻るとやっぱりルーク侯爵が来ていた・・・・
 「ルーカス殿、辺境伯への叙爵おめでとう。」
 「有り難う御座います、今後も宜しくご指導下さい。」
  
 「ふっ、ふっ、ふぅ、何を言うのかね?、今日も散々、陛下に自慢されてきたんだよね、ルーカス殿?」
  
 「はい、はい、無線機の事ですよね。、一応、軍事物資統制品として王家の許可状が必要だそうですよ。あっ、ご安心下さい侯爵の分は許可を取ってきていますから・・・」
 
 「おおそうか、そうかぁ・・流石婿殿だ・・・」
 「で、どのくらいの数が必要ですか?」
 
 「うーん、そうだなぁ~騎士には装備させたいからね。30台は必要かなぁ・・・それと範囲を広げる装置も欲しいなぁ・・・」
 「王家に治めたのが30台なので同じ構成で良いですかね。」
 「おぅ、それでいいぞ!、確か王家では1億5千万ルドって聞いておったが・・・」
 
 「そうですねぇ、3,000万ルドで結構ですよ。」
 値段を聞いて侯爵は驚いた・・てっきり1億5千万はすると思っていたからだ・・・
 3000万ルドと言えば1/5だ・・・幾ら公爵家と言えども億単位の金は気軽に出せる額ではない、しかし領地の警備や連絡手段としては1億5千でも安いと思っていた。それが3000万ルドになったので・・・
 
 「しかし、その金額ではルーカス殿にはもうけが出ないのではないか?」
  
 「ハハハァ、ソフィーの実家からもうけようとは思いませんよ。」
 元々公爵家にはいろんな品物を直接卸して稼がせて貰っているので、正直なところソフィーの実家でもあるし只でも良いとは思っていた、が流石にそれはあんまりだと思うし3000万ルドぐらいなら侯爵のポケットマネーでも出せる額なのでそのくらいに設定してみた。..
 ちなみに公爵家にはATVを3台納車していた。
 
 「ルーカス殿には世話になるな、領地と王都の屋敷の連絡は難しいかな?」
 「そうですねぇ、距離を考えると携帯型の無線機では無理ですが、屋敷間の固定機で途中の中継点を入れれば可能だと思います。」
 
 「では、そちらも頼めるか?」
 「構いませんが、少しお時間が掛かる事と設備に3000万ルド位は掛かってしまいますが・・・」
 「あぁ、構わん、宜しく頼むよ。」
 
 その後、夕食を供にした。..
 食事のマナーも侯爵がいても我が家ルールで行う、基本誰が来ても同一ルールになってる。もちろん、賓客の際には別だが・・・
 
 「相変わらず、この家は明るい、うちも明るいと自負しておったが完全にレベルがちがう・・・これだけ明るいと夜の執務もやりやすいだろう。」
  
 「前にも話した通り電気という物を使ってますので・・・」
 「うちにも導入出来ないだろうか、どれくらいの費用が掛かるのか見当も付かん」
  
 「費用ですか?、屋敷だけなら程度に寄りますが、3000万ルド~5000万ルドと行った処でしょうか?」
 「意外に安いんだな、うちにも頼めないだろうか?、そうですねぇ、今領地の方に手が掛かってるので暫く先で良ければ設置出来ますよ。」
 
 「じゃ、その時は是非、連絡してくれ・・・」
 その後、侯爵はしっかりデザートまで食べてからソフィーとお茶を飲みながら近況などをはなしてから王都の自宅へと戻っていった。
 
 「ルーカス様、お父様への便宜、有り難う御座います。」
 「気にしなくて良いよ、俺にとっても義父になるんだからそれくらいは当然だろう。」
 
 ゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*゚*。*☆*。*
 
 数日後、エマ王女、アトリア子爵、ソフィー令嬢の婚約が発表された。
 通常、婚約から結婚まで時間が空く場合には婚約式というのを行うのが通例だが今回、結婚式が1年後ぐらいに迫っているため婚約式は見送られた。
 遠いところだと1ヶ月以上の道のりを来なければならなくなり、それが短期間に行われると地方貴族の負担が大きい為の配慮だった。
 
 婚約が発表された後、俺は王居へと呼び出されていた。..
 
 「忙しいところ来て貰って悪いの・・・」
 はぁ、よく言えた物である、無線一本で呼び出しておいてその言いぐさはひどい・・・無線は間違いだったかもしれない。
 
 「いえ、陛下のお呼びとあれば万難を廃して馳せ参じます。」
 「そうか、そうか、実はな、エマが結婚までにお前の人となりを知りたいと、お前の所で暮らしたいと言うのだが、普通の貴族では当たり前でも流石に王家の娘が結婚前に同居というのは建前上格好が付かんので、毎日通わせたいと思う。」
 
 「ルーカス様、この身は嫁入りする身なれどルーカス様の人となりを知りとう御座います。どうかお認め下さい。」
  
 「はい、構いませんよ。」
  
 「ただ、私も多忙のみでもありますし、王女となれば幾ら直ぐ近くでも歩いてくると言う訳にも行かないでしょう。馬車に護衛で毎日では大変でしょう。もし、陛下の許可が出れば王女の部屋なり、どこかの一室を開けて下されば転移魔法を固定して置きましょう。そうしておけば好きなときに来て、好きなときに帰る事が出来ますし、何より護衛が必要ありません。」
 
 「そ、そんな事が出来るのか?」
 「はい、当家では王都の屋敷と領地の屋敷は固定転移魔法で繋いでおりますので頻繁に行き来しております。」
  
 「もちろん、落ち着いたらきちんと馬車で移動して途中で金を落とすつもりではありますが・・・」
 「よし、じゃ、転移用の部屋を用意させる、待っておれ・・・」
 陛下は宰相に部屋の準備を頼んでいた。
 
 「ルーカス様、私達は結婚するのですから、もう、敬語はやめにしませんか?、私の事はエマと呼び捨てにして下さい。」
 「わかったよ、エマ、何時でも気軽に家に来ると良い、屋敷の者とも仲良くなってくれると嬉しい・・・
  
  うちは辺境伯を叙爵されたとはいえもと、平民が多い為、メイドも含め皆気軽ですので、お気になさらずに頂けると助かります。」
 
 「はい、私もその方が気が楽ですわ。」
 (とは、いえ、家に来たら驚くだろうなぁ、貴族と言うよりは平民の暮らしに近い・・・メイドも強いし・・・ま、馴れて貰うしかないな・・・)
 
 宰相が部屋の用意が出来たと告げる。
 皆で転移用の部屋へと移動する、丁度、姿見がおいてあったのでそれを転移用の出入り口に設定する。
 「ここは王女専用にしますか?、それとも王家の方も通れるようにしますか?、流石に誰でも彼でもというのは防犯上出来ませんが・・・」
 「そんな事まで指定出来るのか?」
 
 「はい、出来ます、血筋での登録も可能ですし、個別に登録しておく事も出来ます。」
  
 「じゃ、エマは当然として儂と、王妃を通れるようにして置いてくれ・・・万が一の脱出先の選択肢が増えるのは良い事だからな」
 「わかりました、まあ、陛下と王妃は簡単には死にませんけどね・・・」
 
 登録作業は一人、1分も掛からないので3人しても5分で終わった。
 「では、エマ、私の後に付いてきて・・・」
 「はい、ルーカス様」
 
 「えっ、うわぁーっ、もう着きましたの?」
 「あぁ、ここは家の転移用の部屋だよ。」
 
 「お帰りなさいませ、主様、」、「ルーカス様、お帰りなさいませ!!」
 いつものようにジェシカとソフィーが出迎えてくれた。
 
 「こっちは、メイドのジェシカ、それと彼女が婚約者のソフィー、ルーク侯爵の娘さんだ・・・」
 「初めまして、エマ・ファン・ベルーナです、仲良くして下さいね・・・」
 
 「あっ、あぁぁ、うぅっ」
 「なに、どうしたんだ、話して置いただろう、婚約者のエマだ、仲良くしてやってくれ・・・」
 ジェシカとソフィーの様子が変だ・・・とくにジェシカは顔が青ざめている、ん、何だと思いながら振り返るとそこには陛下と第一王妃がいた・・
 
 「すいません、不敬でした、きちんと叱っておきますのでご容赦下さい。」
 なに、のこのこ付いてきてるんだよ、家の者が驚くじゃないか?、ジェシカなんかかなり縮こまっている。ソフィーは貴族の娘だけ有って一瞬たじろいだ物の、直ぐに貴族の礼節を取っている。
 
 「あぁ、よい、今は国王としてではなくエマの親としてきておる、気にしなくて良いぞ!!」
 「有り難う御座います。」
 
 「今日は皆そろってるので、エマ、皆に紹介するからおいで・・・」
 「はい、」
 
 「ジェシカ、陛下と王妃を懇談室に案内してくれ・・・」
 「いや、良い機会じゃ、娘の家族になる者達と会ってみたい。」
  
 「では、リビングのほうへ案内致します、粗末な屋敷ですがお気になさらないで下さい。では、此方へどうぞ!!」
 
 「うっ、うう、なんじゃ、部屋と良い、廊下といいどこもかしこも昼間のように明るいではないか?」
 「はい、屋敷では電気という物を使って明かりを照らしています。」
 「ううぅっ、それにやけにこの屋敷は涼しいんじゃないか?」
 「そうですねぇ、みんな領地が頑張って貰ってますから屋敷でぐらいゆっくりとくつろいで貰いたいので・・・」
 
 「だからって、こう、家中、涼しく出来る物なのか?」
 「はい、これも電気を使っております。」
 
 階段を下りると皆が立ち上がって待っていた。
 「皆は初めてだと思う、今度婚約した第一王女の、エマ・ファン・ベルーナだ、これからたびたび、屋敷に転移を使ってくる事になる、皆仲良くしてやって欲しい。」
  
 「ご紹介にあずかりました。エマ・ファン・ベルーナです、輿入れする以上王女では皆様と同様に接して頂ければ幸いです。」
 
 「そして後に立っておられるのがエマのご両親だ・・・」
 「あ、あのぅ、ご両親と言う事はこ、国王陛下では・・・」
 「えっ、えぇーーっ」
 
 「皆、聞いて欲しい・・・公式な訪問、もしくは玄関から訪問された場合は国王陛下として扱う、転移の部屋からの訪問であれば単なるエマの両親として扱う、皆もそう対応して欲しい・・・」
  
 「あっ、あははは・・無理でしょう。陛下ですもん。」
 「あ、今言われたように気にせずともよい、今はエマの父親じゃ・・・普通に話して構わん」
  
 「・・・はぁ・・・」
 
 「じゃ、奈津から順番に自己紹介してくれ・・・」
 奈津から順番に皆が簡単ながら挨拶を済せた。

ーーー2018/08/27:誤字修正---
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