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―前章までのあらすじ―
『異世界を先に生きる』第一部までのあらすじ
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永きにわたる、魔たるものとの戦を収めるには彼の者らが鍵となる
闇を秘めた鋭俊豪傑たる勇の者
老練にして英明果敢たる賢の者
年若く才気煥発たる巧の者
異界より来たりし伯楽一顧たる術の者
彼らを集め、希望をもって送り出せ。
さすれば、必ずや魔を払い共存共栄の道を歩めるだろう――。
――祈祷師シビラによる『勇者一行の予言』――――――――
14歳の中学生の少女『雪谷さくら』は、夏休み目前の学校からの帰り道、ひょんなことから異世界に転移してしまう。
そこは見事な『剣と魔法のファンタジー世界』であったが…言語も理も、何もかもが違う世界であった。
言葉が伝わらず、特別な力も持っていないさくらは、ひとりぼっちのまま絶望の淵に立たされてしまう。
――しかし、そんな彼女の前に現れたのは、1人の男性『竜崎清人』であった。
なんと彼は、20年前に転移して来ていた、さくらと同じ世界の出身者であったのだ。
竜崎、そして彼に憑りついている女霊体『ニアロン』の口から語られた様々なる事情は、どれもこれもさくらを驚かせた。
この世界は、魔術が包む異世界であるということ。20年前当時、大戦争が繰り広げられていたということ。
そして竜崎は、『勇者一行の予言』の『術の者』に選ばれ、戦争を終結させた英雄であると――。
そんな彼らに連れられ、さくらは『アリシャバージル』という国の『学園』へ籍を置くことに。
竜崎達から言葉や魔術を教わった彼女はメキメキと力をつけ、友人も数多く作ることができた。
また竜崎と共に各地へ赴くことで、元の世界では到底味わえぬ経験を積ませて貰えもした。
波乱万丈あれども、異世界生活を謳歌していたのだ。
……しかし、さくらが世界を深く知り、更に奥へと足を踏み入れると同時に、様々なことに巻き込まれ出してしまうのであった。
―ある日の事、さくらは命を狙われる事態に陥る。駆け付けた竜崎により事なきを得たが…。思わぬ拍子で、彼女は彼が隠していたあるものを見つけ出してしまう。
それは、『元の世界に帰れるかもしれない方法』。ただし、竜崎かさくら、どちらかが生贄となる必要がある危険な賭けでもあった。
竜崎はさくらの想いを聞き入れ、リスクのあるその方法を実行しに向かう。…彼自身が、生贄となる覚悟を決めて。
そして、いざ敢行…―。 …と思ったその矢先、竜崎達は『謎の魔術士達』による襲撃を受けてしまう。
奮戦虚しく、被害甚大。さくらの武器を奪われ、帰るための装置を破壊され、竜崎も瀕死の重傷を負ってしまった。
直後現れた『勇者一行』達により、彼の命は今際の際で救われたが…。数週間の昏睡を余儀なくされてしまう。
さくらは自らの軽率な行いを猛省。大切な人が死ぬ恐怖を学び、想いを改めた。
そして目覚めた竜崎へ、自らが魔術で作り出した『桜』の前で、共に歩むことを誓ったのであった―。
―――物語は、その直後。 一旦病室へと戻った竜崎達の元から始まる――。
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