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第80話 コスタリア領都の日常9
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「ゴブ~」(ひさしぶりのプリンだゴブ~)
王妃様がお土産に持ってきてくれたプリンをみんなでいただく。
メイドさんたちの分もあるらしく後で出すよう厨房に運び入れていた。
さすが大物芸能人は違うゴブな、スタッフ全員分の差し入れをするとは。
そしてやっぱり健康第一だゴブ。
虫歯や病気だとおいしくデザートが食べられないですからな~。
わたしはゆっくり味わいたいので少しづつスプーンですくいながら一口一口丁寧に余韻を楽しみながら食べることにした。
「ふふ、本当に人間のようですわね。きちんと教育されていて見てて飽きないわ」
「ゴブ」(育ちの良さはちょっとした所作にも出るものゴブ)
「育ちの良さって・・・暗くて臭い洞窟の奥で生まれたって言っていたじゃない」
「ゴブッフ」(ゴブリン貴族として社交界に出ても恥ずかしくないゴブ)
「はぁ、貴族の社交界を舐めてるわね・・・ダンスは上手だったけど」
「あらあら、ダンスも踊れるの~?今年の秋の感謝祭にはアイラちゃんのお供としてぜひ参加してほしいわ。王家から許可を出しておきますね。ドレスを着せたらもっとかわいくなるわ~」
「・・・明日からマナー講義を再開させますか。奥様、よろしいですよね」
「え、まぁそうね。書類が溜まらない程度に時間をかけるのであればいいけど」
「サイネリアちゃん・・・やっぱり書類を手伝わせていたのね」
「おほほ、簡単なお手伝いだけですよ~。”ゴブリンの手でも借りたい”っていうことわざもあることですし」
「本当にゴブリンを雇っているのはうちだけでしょうけどね・・・」
「他家の内情には干渉しませんけど・・・ゴブリンの方が有能だとかで仕事を奪われないようにしなさいよ?」
「あっはは、そんな訳無いじゃない~。あくまで簡単な仕事だけよ」
「ゴブ~」(そうだゴブ~、誰でもすぐ出来る簡単な計算だけしてるゴブ~)
「誰でもすぐ出来る簡単な計算だけしてる、と言っていますから大丈夫そうですわ」
「すぐ出来る簡単な計算、だそうですよ奥様」
カタリナさんが目を細くして奥方様を見る。
「ぐふっ、それぞれの得意分野を生かす適材適所というやつですわ」
「それはいいとして明日は女神の日ですから今日は清めの湯浴みをしなければいけないですし、名残おしいけど今日はここまでにしてそろそろ帰ろうかしら」
「そうですね、今から帰ればぎりぎり間に合うかもしれません」
週に1度の女神の日を迎える前に全身を洗って清めるのだが、王城内で寝泊まりする全ての人が入るため、王族は午後一番に入らないと後が閊えてしまうらしい。
「ほほほ、人が多いと大変ですわね。城の大浴場はお湯を張るのも半日がかりですものね。皆さまも王族より先に入るわけにもいきませんしね」
「あっ、それならうちのお風呂で皆さん清められたらいいんじゃないですか?うちはあれからずっとお湯を張りっぱなしでいつでも入れるようになっていますし」
ぽんこつマリーがいいことを思いついたようなキラキラした目で提案した。
奥方様とカタリナさんは一瞬顔がこわばり小さく「ちっ、バカ」と舌打ちしている。
「はい?コスタリア家ではずっとお湯が張ってあっていつでも入れるってこと?でもそれじゃ使用人まで全員入ったらお湯が汚れてしまわないのかしら」
王妃様が真顔で首をかしげてマリーに聞いている。
カタリナさんがすごい形相でマリーを見て奥方様は笑顔満点で扇を仰いでいる。
「それが大丈夫なんです~。うちの浴場にはお湯を沸かしながら浄化するすごい女神像が設置されていていつでも快適、毎日でも入れるんです!しかもお湯は汚れていないだけでなく聖水みたいになっていて、ほら肌がピカピカつるつるになって若返りの効果まであるんじゃないかってみんな喜んでいるんですぅ」
マリーが腕をたくしあげてピチピチの肌をアピールしている。
若いから普通に張りがあり、くすみなんて無いだろうに・・・バカだゴブ。
そしてカタリナさんがさらにすごい形相で睨みつけている。
「へぇぇ~・・・。確かに水を使うメイドの手ではないですね。このあかぎれとか無い手もその聖水風呂とかのおかげなのかしら?」
「はい!もちろんです。浄化と回復の効果がしばらく持つので少し肌が荒れてもお風呂に入るだけでキズが無くなります」
ちらりと王妃様が奥方様の方を見る。
「お時間が許されればぜひ我が家の浴場にて身を清めてくださいませ。王城に比べるまでもなく小さく貧相な造りではありますが、ご用意はしておりましたわ」
奥方様が満面の笑みを浮かべて王妃様に答えている。
~~~~~~~~~
屋敷の大浴場には少し前に作った女神セレスティア像の差し伸べた両手からきれいなお湯が絶え間なく注ぎ出されている
「本当に浴槽のお湯全てが聖水になっているわ・・・」
「王妃様、こ、これは聖教会の奥深くにあるという一部の高位の神職しか立ち入れない聖女が清める泉以上の規模なのでは・・・」
「まずは入って効果を確かめましょう。せっかくだからあなた達も入りなさい」
~~~~~~~~~
「まったく、マリー。余計な事を王妃様に言っちゃうから厄介ごとが増えるかもしれませんよ」
「まぁまぁ、カタリナ。少し早かったかもしれませんがいつまでも秘密に出来ないこともあります。むしろライアー子爵としての訪問中にバレて良かったかもですよ」
「奥様・・・そうはいいますがアレに一度入るともう今までの湯浴みは何だったのかというほどの衝撃を受けますからね。素直にそのまま帰られるかどうか」
「・・・あの女神像はコスタリア領のダンジョン奥深くで見つかり用途は不明だったけどたまたまお風呂に設置したら浄化の効果があったとでも説明しましょう」
「女神像を欲しがられるだけで済めばいいですがミセッティが製作に関わっているのがバレればかなり厄介になりますからね」
王妃様がお土産に持ってきてくれたプリンをみんなでいただく。
メイドさんたちの分もあるらしく後で出すよう厨房に運び入れていた。
さすが大物芸能人は違うゴブな、スタッフ全員分の差し入れをするとは。
そしてやっぱり健康第一だゴブ。
虫歯や病気だとおいしくデザートが食べられないですからな~。
わたしはゆっくり味わいたいので少しづつスプーンですくいながら一口一口丁寧に余韻を楽しみながら食べることにした。
「ふふ、本当に人間のようですわね。きちんと教育されていて見てて飽きないわ」
「ゴブ」(育ちの良さはちょっとした所作にも出るものゴブ)
「育ちの良さって・・・暗くて臭い洞窟の奥で生まれたって言っていたじゃない」
「ゴブッフ」(ゴブリン貴族として社交界に出ても恥ずかしくないゴブ)
「はぁ、貴族の社交界を舐めてるわね・・・ダンスは上手だったけど」
「あらあら、ダンスも踊れるの~?今年の秋の感謝祭にはアイラちゃんのお供としてぜひ参加してほしいわ。王家から許可を出しておきますね。ドレスを着せたらもっとかわいくなるわ~」
「・・・明日からマナー講義を再開させますか。奥様、よろしいですよね」
「え、まぁそうね。書類が溜まらない程度に時間をかけるのであればいいけど」
「サイネリアちゃん・・・やっぱり書類を手伝わせていたのね」
「おほほ、簡単なお手伝いだけですよ~。”ゴブリンの手でも借りたい”っていうことわざもあることですし」
「本当にゴブリンを雇っているのはうちだけでしょうけどね・・・」
「他家の内情には干渉しませんけど・・・ゴブリンの方が有能だとかで仕事を奪われないようにしなさいよ?」
「あっはは、そんな訳無いじゃない~。あくまで簡単な仕事だけよ」
「ゴブ~」(そうだゴブ~、誰でもすぐ出来る簡単な計算だけしてるゴブ~)
「誰でもすぐ出来る簡単な計算だけしてる、と言っていますから大丈夫そうですわ」
「すぐ出来る簡単な計算、だそうですよ奥様」
カタリナさんが目を細くして奥方様を見る。
「ぐふっ、それぞれの得意分野を生かす適材適所というやつですわ」
「それはいいとして明日は女神の日ですから今日は清めの湯浴みをしなければいけないですし、名残おしいけど今日はここまでにしてそろそろ帰ろうかしら」
「そうですね、今から帰ればぎりぎり間に合うかもしれません」
週に1度の女神の日を迎える前に全身を洗って清めるのだが、王城内で寝泊まりする全ての人が入るため、王族は午後一番に入らないと後が閊えてしまうらしい。
「ほほほ、人が多いと大変ですわね。城の大浴場はお湯を張るのも半日がかりですものね。皆さまも王族より先に入るわけにもいきませんしね」
「あっ、それならうちのお風呂で皆さん清められたらいいんじゃないですか?うちはあれからずっとお湯を張りっぱなしでいつでも入れるようになっていますし」
ぽんこつマリーがいいことを思いついたようなキラキラした目で提案した。
奥方様とカタリナさんは一瞬顔がこわばり小さく「ちっ、バカ」と舌打ちしている。
「はい?コスタリア家ではずっとお湯が張ってあっていつでも入れるってこと?でもそれじゃ使用人まで全員入ったらお湯が汚れてしまわないのかしら」
王妃様が真顔で首をかしげてマリーに聞いている。
カタリナさんがすごい形相でマリーを見て奥方様は笑顔満点で扇を仰いでいる。
「それが大丈夫なんです~。うちの浴場にはお湯を沸かしながら浄化するすごい女神像が設置されていていつでも快適、毎日でも入れるんです!しかもお湯は汚れていないだけでなく聖水みたいになっていて、ほら肌がピカピカつるつるになって若返りの効果まであるんじゃないかってみんな喜んでいるんですぅ」
マリーが腕をたくしあげてピチピチの肌をアピールしている。
若いから普通に張りがあり、くすみなんて無いだろうに・・・バカだゴブ。
そしてカタリナさんがさらにすごい形相で睨みつけている。
「へぇぇ~・・・。確かに水を使うメイドの手ではないですね。このあかぎれとか無い手もその聖水風呂とかのおかげなのかしら?」
「はい!もちろんです。浄化と回復の効果がしばらく持つので少し肌が荒れてもお風呂に入るだけでキズが無くなります」
ちらりと王妃様が奥方様の方を見る。
「お時間が許されればぜひ我が家の浴場にて身を清めてくださいませ。王城に比べるまでもなく小さく貧相な造りではありますが、ご用意はしておりましたわ」
奥方様が満面の笑みを浮かべて王妃様に答えている。
~~~~~~~~~
屋敷の大浴場には少し前に作った女神セレスティア像の差し伸べた両手からきれいなお湯が絶え間なく注ぎ出されている
「本当に浴槽のお湯全てが聖水になっているわ・・・」
「王妃様、こ、これは聖教会の奥深くにあるという一部の高位の神職しか立ち入れない聖女が清める泉以上の規模なのでは・・・」
「まずは入って効果を確かめましょう。せっかくだからあなた達も入りなさい」
~~~~~~~~~
「まったく、マリー。余計な事を王妃様に言っちゃうから厄介ごとが増えるかもしれませんよ」
「まぁまぁ、カタリナ。少し早かったかもしれませんがいつまでも秘密に出来ないこともあります。むしろライアー子爵としての訪問中にバレて良かったかもですよ」
「奥様・・・そうはいいますがアレに一度入るともう今までの湯浴みは何だったのかというほどの衝撃を受けますからね。素直にそのまま帰られるかどうか」
「・・・あの女神像はコスタリア領のダンジョン奥深くで見つかり用途は不明だったけどたまたまお風呂に設置したら浄化の効果があったとでも説明しましょう」
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