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第154話 エピローグ2
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日が暮れて夜の帳がとっぷりとまわりを包み込んで暗闇がひろがる
いつもは労働を終えた民衆が静かに自宅で休む時間ではあるが街は降臨祭が始まり広場や大通りには屋台が立ち並んで賑わいをみせている
周りの喧騒とは逆に開館時間を終えた大聖堂は静寂に包まれていた
神像が立ち並ぶ脇にある小さな祠の前には孤児院の子供達がお供えした少しのパンと干し肉などがきれいに整列されて置いてある
毎日孤児たちは自分達の割り当ての食事を削って祠の前に捧げているのだった
真っ暗な聖堂の中でキィーと小さな音をさせて祠の扉が中から開かれ緑色の小さな手が伸びてパンを取ろうとしている
掴もうとした寸前で食事の乗った皿がスッと下げられ宙を掴む
緑色の小さな手がさわさわと周りを手探りで撫でてお皿を探している
「探し物をこれですか?ミセッティ!」
わずかしか開いていなかった祠の両扉をバンッと全開にして中を確認する
閉館し人が退出した大聖堂でアイラ様とマリーは息をひそめて待っていたのだ
「ゴブッ!」(うわぁ!びっくりしたぁ!ってアイラお嬢様だったゴブか)
祠の中でびっくりして飛び跳ねた小さなゴブリンはミセッティだった
「びっくりしたぁ!・・・じゃないですよミセッティ!帰ってきたならそうと何故知らせないのですか、私はあの時に死んで消えてしまったとばかり思いこんで思い出しては悲しい気持ちになっていましたのですよ、あれから3年も経っているのです」
「ゴブ~」(ここにミセッティが眠るってあるから寝床だと思ったゴブ)
「これは・・・ミセッティが眠っている墓標のつもりで建ててあるのですけど」
「ゴブ」(そうなのかゴブ、子供達はここに居ていいって言ってゴブ、テトの奴も」
「くっ、さすが孤児たちです、すでに利権確保に動いていたようですね、守護都市情報集積部のテトさんは把握していましたか、そちらもさすがですがコスタリア家への報告義務などはどうなっているのか一度話し合いを設けた方がよいかもですね」
「ゴブ~」(むずかしい話はいいゴブ~お嬢様も大人になったゴブ~あとマリーも)
「ミセッティ様~無事で何よりです~それにあの時とちっとも変わらないお姿です~あれから3年も経っているんですよ?私なんかもう2児の母なんですぅ~」
マリーの奴、メイド服じゃないと思ったら結婚してたんだな
やけに豪華な重そうな服を着ているし玉の輿に乗ったみたいだな、やったじゃん
「でも、本当にあの時消滅したように見えましたよ?ほらこの祠の中にはミセッティの魔石もあったでしょう?私の腕の中で確かに消えて魔石だけが残ったのですが」
布団の中にゴリゴリした小さな石があるな~と思って隅に投げ捨てていたのがまさか私の魔石だったとはちょっとだけ驚きだゴブ
「ゴブ~」(それには話せば長くなる物語があるんだゴブ・・・)
~~~~~~~~~~~~
回想 3年前の女神セレスティアの降臨の日
わたしミセッティは薄れゆく意識の中で女神セレスティア様の降臨の鐘の音を聞いた
この命が尽きてしまうのは悲しいが替わりに世界が救われるとの希望を抱き、スキルで神になり女神様の眷属神となったうえで存在の危機に陥ったのだ
創造神が世界に干渉できる条件の一つ、眷属神の存在の危機を発生させるために
そしてそれは見事に条件を満たし女神セレスティア様は地上に降臨を果たされた
「ゴブ・・・」(ここはどこだゴブ・・・)
わたしは気付くと知らない神殿のようなところで寝そべっていた
『おお~、気づかれたようですぞ、小さな勇者、いや邪神殿が』
『やっほー、お疲れ~ここは私たちの普段居る神界だよ~危なかったよね~』
「ゴブ・・・」(どういうことゴブ、神になって死んだら復活は出来ないとか)
『あ~そうだよ、神になって消滅したら終わり、復活は出来ないのは当たり前だよ』
「ゴブ」(この身を犠牲にしてセレスティア様の召喚に成功し、消滅したゴブ?)
わたしの疑問に神様たちが気まずそうにお互いを見合わせている・・・
なんなんだゴブ!言いたいことがあれば早く言ってほしいゴブ
『あー・・・それなんだけど、セレスティア様が地上に顕現できたのはミセッティちゃんの犠牲があったからじゃないんだよなぁ』
「ゴブ!?」(ど、どういうことゴブ!?)
眷属神様たちがため息まじりに指をさす方向にはロープでぐるぐる巻きにされ簀巻きにされて転がされている若い男がいた
そしてそのまわりにはセレスティア様と女性創造神5人が取り囲んでいる
「ゴブー・・・」(誰だコイツ・・・知らない奴だゴブ)
『あはは、知らなくても当然だよ、こいつはセレスティア様と同期の別世界の創造神様だよ、セレスティア様と同じで最終課題を試験中のひよっこ創造神さ』
「ゴブ」(創造神様が簀巻きにされて転がせれているゴブ)
『こいつはね~自分の世界に溜まってしまった瘴気をこそこそとうちらの世界に送り込んでやがったのさ、しかも300年前からずっとやってたんだってさ!マジふざけんなよって感じ!』
『戦争や災害を起こすと文化の発展の起爆剤ともなるが、その反面として負の感情が高まり魔法社会では瘴気として発散されるからのぅ、バランスが難しいところじゃ』
『しかし、自分達の世界で貯まった瘴気は自分達で処理させるのが世界創造の鉄則である、結果歪んだ発展をしてもそれは歴史の流れである』
こいつは自分の創造した世界で発生した瘴気をこっちの世界に送ってなすりつけていたのか・・・とんでもない奴だゴブ
『ふふふ、セレスティアの世界が大変なことになっていると聞いて少し様子を見に来ましたが私はすぐにピンときましたわ!戦争も災害も魔王も発生していないセレスティア界でこの瘴気の発生量は異常だとね!ちょっと調べたらすぐに異界との一方通行の接続穴が見つかりましたわ!・・・逆に300年も気付かないのも疑問ですが』
『ふぇ!?文化の発展に瘴気の発生は仕方がない永遠の課題だと教科書に載っていましたから~魔法文明を放棄するしか解決策が無いとかなんとかって・・・』
セレスティア様が気の強そうな女神様に言われてもじもじ言い訳している・・・
1軍女子に圧倒されてすくんでしまっている2軍女子感がすごい
『あなたねぇ~こんなに大陸中を汚染するだけの瘴気がどうやって発生するのよ、魔王が人類全てを奴隷にして半分を殺しちゃってもこんなに発生しないわよ!?まぁ今回は手遅れになる前に気が付いてよかったけど、危うく失格になるところですわよ』
「ゴブー・・・」(ということはセレスティア様が顕現できた理由って・・・)
『もちろんそれは[別世界からの創造神の介入]という事案が発生したからだよ!ミセッティが犠牲になる前に委員長たちが来て発見してくれたのさ!君も地上で生きているうちにセレスティア様の降臨の鐘の音を聞いたでしょ、存在が消滅する前に間に合ったってことだよね」
「ゴブ!?」(確かに鐘の音は聞こえたゴブ、でもわたしの犠牲は一体!?)
『結論からいうと君の肉体の消滅は意味が無かったってことだね!』
「ゴブー!!」(ふっざけんな!この生っちょろいくそガキがよぉ~!!)
わたしは簀巻きにされて転がっている男子の顔にドロップキックをしてやった
『ぶぎゃ!悪かったよ~反省してるってば~』
てめーのせいでこっちの世界が汚染されたのか!
わたしは痛い思いをして存在が消えかけたんだぞ!ごらぁ!
『う~ん、セレスティアのとこじゃ全然バレないから上手くやれてたんだけどな~、少し前に天才魔導士が生まれちゃて、僕の異界接続の魔術式を解読して儀式魔法として完成させちゃったんだよね、人間ってすごいね』
「ゴブ!」(いいから黙れゴブ!他人事みたいに感想言いやがって)
わたしはもう一度このくそガキの顔をサッカーボールのように蹴とばしてやった
『やるわね、ミセッティちゃん、でもまぁさんざん私たちでお仕置きしといたし、コイツの世界は送り返した瘴気と異形化した魔物で人類は滅んで魔族と魔物だけが闊歩する魔界に成り果てたし、この辺で勘弁してあげて』
『こいつは今回の課題は失格よ、しっかり反省して次回の試験ではズルをせずに時間がかかっても地道に発展させることね』
『とほほ~、でも何かおかしいなぁ、セレスティアのところに送った瘴気と残った瘴気を合わせても星全体が魔境に成る程の量は無いはずだったけど・・・それに意味が分からない呪物みたいのが大量に出現してるし』
『ぎくっ、とにかくセレスティア界が理不尽に汚染されなくて良かったですわ』
『本当にそうですわよ、セレスさんも今後はしっかり管理してくださいね』
『私たちも瘴気発生と文化の発展のバランスをしっかり管理していきましょう、あと3000年は放っておいても大丈夫になりましたけど!おほほほ』
『・・・ねぇ、まさかと思うけど今回のセレスティアの瘴気返還のどさくさで自分達の世界の分も僕の世界に送りつけたりしてないよね?ねぇねぇ!』
『知らないですわ~大体戦争を起こして発展を促すなんて時代遅れですのよ』
『どちらにせよあなたの創造した世界は人類が滅んで課題は終了したのですから今更どうなっても問題ないですわ』
『セレスティアが少しトロいからといって舐めて余裕だと思っていたのでしょう?自分がされるかもって思いつかない脇の甘さがあなたの落ち度ですわ』
こいつら・・・別世界の創造神が干渉するのはご法度だと言いながら今回のセレスティア様の返還のタイミングに合わせてそれぞれ自分の世界のゴミをこの人の世界に押し付けて掃除したな・・・
創造神(女)って怖いゴブ
セレスティア様のご友人たちですからここは何も聞かなかったことにするゴブ
少し予定と違ったが女神セレスティア様は世界をお救いくださったし結果としては上々だと思うゴブ
わたしも神として完全に消滅する前に強制的に[神化]スキルを解いて神界で復活させてくれたようだし、さすがはセレスティア様といったところだよ
「ゴブゴブ」(一件落着ゴブ、これからは眷属神としてゆったりここで暮らすゴブ」
地上の生活に未練が無いこともないがここもそれなりに居心地良さそうだし
『あ~・・・それはゴメンね、ミセッティちゃんは眷属神になれなかったのよ、私の属性が秩序だから混沌の神とは主従契約が結べないのよね、せめて中庸だったらよかったんだけど・・・一応あの時承認かけたんだけど不可判定が出ちゃった』
はぁ?あんなに辛くて痛い思いをして信者を集めてやっとの思いで眷属申請したのに
属性違いで眷属神にすらなれていないかっただと~詐欺だゴブ!
『あと善神である私の神殿に邪神がいるのも外聞悪いから地上に降りててもらおうかしら、私の世界で邪神が発生したってことはあまり広まって欲しくないのよね』
「ゴブー!?」(おぉ~い!?種族差別、職業差別は良くないゴブー!)
『差別じゃなくて区別よ♡、あと何も命まで取ろうってことじゃないから安心してちょうだい~きちんと私の世界で生まれたものには責任とりますよ、じゃあ10年に1度の報告会には呼ぶから元気にやっててね』
そうしてわたしは問答無用で神界からまた地上に降ろされたんだゴブ!
いつもは労働を終えた民衆が静かに自宅で休む時間ではあるが街は降臨祭が始まり広場や大通りには屋台が立ち並んで賑わいをみせている
周りの喧騒とは逆に開館時間を終えた大聖堂は静寂に包まれていた
神像が立ち並ぶ脇にある小さな祠の前には孤児院の子供達がお供えした少しのパンと干し肉などがきれいに整列されて置いてある
毎日孤児たちは自分達の割り当ての食事を削って祠の前に捧げているのだった
真っ暗な聖堂の中でキィーと小さな音をさせて祠の扉が中から開かれ緑色の小さな手が伸びてパンを取ろうとしている
掴もうとした寸前で食事の乗った皿がスッと下げられ宙を掴む
緑色の小さな手がさわさわと周りを手探りで撫でてお皿を探している
「探し物をこれですか?ミセッティ!」
わずかしか開いていなかった祠の両扉をバンッと全開にして中を確認する
閉館し人が退出した大聖堂でアイラ様とマリーは息をひそめて待っていたのだ
「ゴブッ!」(うわぁ!びっくりしたぁ!ってアイラお嬢様だったゴブか)
祠の中でびっくりして飛び跳ねた小さなゴブリンはミセッティだった
「びっくりしたぁ!・・・じゃないですよミセッティ!帰ってきたならそうと何故知らせないのですか、私はあの時に死んで消えてしまったとばかり思いこんで思い出しては悲しい気持ちになっていましたのですよ、あれから3年も経っているのです」
「ゴブ~」(ここにミセッティが眠るってあるから寝床だと思ったゴブ)
「これは・・・ミセッティが眠っている墓標のつもりで建ててあるのですけど」
「ゴブ」(そうなのかゴブ、子供達はここに居ていいって言ってゴブ、テトの奴も」
「くっ、さすが孤児たちです、すでに利権確保に動いていたようですね、守護都市情報集積部のテトさんは把握していましたか、そちらもさすがですがコスタリア家への報告義務などはどうなっているのか一度話し合いを設けた方がよいかもですね」
「ゴブ~」(むずかしい話はいいゴブ~お嬢様も大人になったゴブ~あとマリーも)
「ミセッティ様~無事で何よりです~それにあの時とちっとも変わらないお姿です~あれから3年も経っているんですよ?私なんかもう2児の母なんですぅ~」
マリーの奴、メイド服じゃないと思ったら結婚してたんだな
やけに豪華な重そうな服を着ているし玉の輿に乗ったみたいだな、やったじゃん
「でも、本当にあの時消滅したように見えましたよ?ほらこの祠の中にはミセッティの魔石もあったでしょう?私の腕の中で確かに消えて魔石だけが残ったのですが」
布団の中にゴリゴリした小さな石があるな~と思って隅に投げ捨てていたのがまさか私の魔石だったとはちょっとだけ驚きだゴブ
「ゴブ~」(それには話せば長くなる物語があるんだゴブ・・・)
~~~~~~~~~~~~
回想 3年前の女神セレスティアの降臨の日
わたしミセッティは薄れゆく意識の中で女神セレスティア様の降臨の鐘の音を聞いた
この命が尽きてしまうのは悲しいが替わりに世界が救われるとの希望を抱き、スキルで神になり女神様の眷属神となったうえで存在の危機に陥ったのだ
創造神が世界に干渉できる条件の一つ、眷属神の存在の危機を発生させるために
そしてそれは見事に条件を満たし女神セレスティア様は地上に降臨を果たされた
「ゴブ・・・」(ここはどこだゴブ・・・)
わたしは気付くと知らない神殿のようなところで寝そべっていた
『おお~、気づかれたようですぞ、小さな勇者、いや邪神殿が』
『やっほー、お疲れ~ここは私たちの普段居る神界だよ~危なかったよね~』
「ゴブ・・・」(どういうことゴブ、神になって死んだら復活は出来ないとか)
『あ~そうだよ、神になって消滅したら終わり、復活は出来ないのは当たり前だよ』
「ゴブ」(この身を犠牲にしてセレスティア様の召喚に成功し、消滅したゴブ?)
わたしの疑問に神様たちが気まずそうにお互いを見合わせている・・・
なんなんだゴブ!言いたいことがあれば早く言ってほしいゴブ
『あー・・・それなんだけど、セレスティア様が地上に顕現できたのはミセッティちゃんの犠牲があったからじゃないんだよなぁ』
「ゴブ!?」(ど、どういうことゴブ!?)
眷属神様たちがため息まじりに指をさす方向にはロープでぐるぐる巻きにされ簀巻きにされて転がされている若い男がいた
そしてそのまわりにはセレスティア様と女性創造神5人が取り囲んでいる
「ゴブー・・・」(誰だコイツ・・・知らない奴だゴブ)
『あはは、知らなくても当然だよ、こいつはセレスティア様と同期の別世界の創造神様だよ、セレスティア様と同じで最終課題を試験中のひよっこ創造神さ』
「ゴブ」(創造神様が簀巻きにされて転がせれているゴブ)
『こいつはね~自分の世界に溜まってしまった瘴気をこそこそとうちらの世界に送り込んでやがったのさ、しかも300年前からずっとやってたんだってさ!マジふざけんなよって感じ!』
『戦争や災害を起こすと文化の発展の起爆剤ともなるが、その反面として負の感情が高まり魔法社会では瘴気として発散されるからのぅ、バランスが難しいところじゃ』
『しかし、自分達の世界で貯まった瘴気は自分達で処理させるのが世界創造の鉄則である、結果歪んだ発展をしてもそれは歴史の流れである』
こいつは自分の創造した世界で発生した瘴気をこっちの世界に送ってなすりつけていたのか・・・とんでもない奴だゴブ
『ふふふ、セレスティアの世界が大変なことになっていると聞いて少し様子を見に来ましたが私はすぐにピンときましたわ!戦争も災害も魔王も発生していないセレスティア界でこの瘴気の発生量は異常だとね!ちょっと調べたらすぐに異界との一方通行の接続穴が見つかりましたわ!・・・逆に300年も気付かないのも疑問ですが』
『ふぇ!?文化の発展に瘴気の発生は仕方がない永遠の課題だと教科書に載っていましたから~魔法文明を放棄するしか解決策が無いとかなんとかって・・・』
セレスティア様が気の強そうな女神様に言われてもじもじ言い訳している・・・
1軍女子に圧倒されてすくんでしまっている2軍女子感がすごい
『あなたねぇ~こんなに大陸中を汚染するだけの瘴気がどうやって発生するのよ、魔王が人類全てを奴隷にして半分を殺しちゃってもこんなに発生しないわよ!?まぁ今回は手遅れになる前に気が付いてよかったけど、危うく失格になるところですわよ』
「ゴブー・・・」(ということはセレスティア様が顕現できた理由って・・・)
『もちろんそれは[別世界からの創造神の介入]という事案が発生したからだよ!ミセッティが犠牲になる前に委員長たちが来て発見してくれたのさ!君も地上で生きているうちにセレスティア様の降臨の鐘の音を聞いたでしょ、存在が消滅する前に間に合ったってことだよね」
「ゴブ!?」(確かに鐘の音は聞こえたゴブ、でもわたしの犠牲は一体!?)
『結論からいうと君の肉体の消滅は意味が無かったってことだね!』
「ゴブー!!」(ふっざけんな!この生っちょろいくそガキがよぉ~!!)
わたしは簀巻きにされて転がっている男子の顔にドロップキックをしてやった
『ぶぎゃ!悪かったよ~反省してるってば~』
てめーのせいでこっちの世界が汚染されたのか!
わたしは痛い思いをして存在が消えかけたんだぞ!ごらぁ!
『う~ん、セレスティアのとこじゃ全然バレないから上手くやれてたんだけどな~、少し前に天才魔導士が生まれちゃて、僕の異界接続の魔術式を解読して儀式魔法として完成させちゃったんだよね、人間ってすごいね』
「ゴブ!」(いいから黙れゴブ!他人事みたいに感想言いやがって)
わたしはもう一度このくそガキの顔をサッカーボールのように蹴とばしてやった
『やるわね、ミセッティちゃん、でもまぁさんざん私たちでお仕置きしといたし、コイツの世界は送り返した瘴気と異形化した魔物で人類は滅んで魔族と魔物だけが闊歩する魔界に成り果てたし、この辺で勘弁してあげて』
『こいつは今回の課題は失格よ、しっかり反省して次回の試験ではズルをせずに時間がかかっても地道に発展させることね』
『とほほ~、でも何かおかしいなぁ、セレスティアのところに送った瘴気と残った瘴気を合わせても星全体が魔境に成る程の量は無いはずだったけど・・・それに意味が分からない呪物みたいのが大量に出現してるし』
『ぎくっ、とにかくセレスティア界が理不尽に汚染されなくて良かったですわ』
『本当にそうですわよ、セレスさんも今後はしっかり管理してくださいね』
『私たちも瘴気発生と文化の発展のバランスをしっかり管理していきましょう、あと3000年は放っておいても大丈夫になりましたけど!おほほほ』
『・・・ねぇ、まさかと思うけど今回のセレスティアの瘴気返還のどさくさで自分達の世界の分も僕の世界に送りつけたりしてないよね?ねぇねぇ!』
『知らないですわ~大体戦争を起こして発展を促すなんて時代遅れですのよ』
『どちらにせよあなたの創造した世界は人類が滅んで課題は終了したのですから今更どうなっても問題ないですわ』
『セレスティアが少しトロいからといって舐めて余裕だと思っていたのでしょう?自分がされるかもって思いつかない脇の甘さがあなたの落ち度ですわ』
こいつら・・・別世界の創造神が干渉するのはご法度だと言いながら今回のセレスティア様の返還のタイミングに合わせてそれぞれ自分の世界のゴミをこの人の世界に押し付けて掃除したな・・・
創造神(女)って怖いゴブ
セレスティア様のご友人たちですからここは何も聞かなかったことにするゴブ
少し予定と違ったが女神セレスティア様は世界をお救いくださったし結果としては上々だと思うゴブ
わたしも神として完全に消滅する前に強制的に[神化]スキルを解いて神界で復活させてくれたようだし、さすがはセレスティア様といったところだよ
「ゴブゴブ」(一件落着ゴブ、これからは眷属神としてゆったりここで暮らすゴブ」
地上の生活に未練が無いこともないがここもそれなりに居心地良さそうだし
『あ~・・・それはゴメンね、ミセッティちゃんは眷属神になれなかったのよ、私の属性が秩序だから混沌の神とは主従契約が結べないのよね、せめて中庸だったらよかったんだけど・・・一応あの時承認かけたんだけど不可判定が出ちゃった』
はぁ?あんなに辛くて痛い思いをして信者を集めてやっとの思いで眷属申請したのに
属性違いで眷属神にすらなれていないかっただと~詐欺だゴブ!
『あと善神である私の神殿に邪神がいるのも外聞悪いから地上に降りててもらおうかしら、私の世界で邪神が発生したってことはあまり広まって欲しくないのよね』
「ゴブー!?」(おぉ~い!?種族差別、職業差別は良くないゴブー!)
『差別じゃなくて区別よ♡、あと何も命まで取ろうってことじゃないから安心してちょうだい~きちんと私の世界で生まれたものには責任とりますよ、じゃあ10年に1度の報告会には呼ぶから元気にやっててね』
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