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第18話 帰還
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「ゴブフ・・・」(燃え尽きたぜ・・・真っ白にな・・・)
オレは今ゴトゴトと揺れる馬車の中で椅子の上で座ってうつ向いている。
満足げ、自虐的に薄ら笑いを浮かべていて、某ボクシング漫画の最終回のようだ。
「すごかったです、お嬢様。負傷者全員を回復させるなんて」
回復魔法が使えると分かったメイドが騒ぎ出し護衛たちも回復するはめになったのだ
全力で拒否したのだが、オレの言葉が理解できるのはお嬢様のみ、さらに隊長が剣をシャコシャコと高速で研いでいるプレッシャーに負けた。
こいつ絶対オレがテイマーされていないのに気付いているだろ。
結局、最初は自力で歩けない重傷者のみのはずだったが軽傷者、果てはスリ傷まで治すことになったのだ。
「お嬢様、やっぱりすごいです。私の長年の悩みだった手のあかぎれまで治してくださるなんて。これは領地に早く帰ってみんなにも教えてあげないと」
「ゴブ!」(なんだと!気付かなかったゴブ!)
こいつ、回復希望者がズラッと並んで、流れ作業になってオレが注意散漫になっていたどさくさに紛れてケガしていない自分の手にも回復をかけさせていたのか。
許せないゴブ。
こっちは聖魔法を使うたび軽いやけどをするってのに。
「ゴブ!」(お嬢様、こいつに説教するゴブ!)
「すやすや、くぅくぅ・・・」
寝てるし・・・。
「無理もありません。テイムしたまま聖魔法をあれだけ連発されたのですから」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
そう聖魔法はお嬢様が行使したことになっているのだ。
本来お嬢様は聖魔法の素質とテイマーの素質をお持ちであったが、魔法を行使するのに少し問題があり、テイムした従魔を通してでしか魔法を発現できないらしい。
テイムしつつ魔法も行使するのはかなりの精神力と集中力が必要になるはず。
っていうのが同行している魔法使いの見解だ。
全然、違うけどな!!
まぁ魔物が強力な聖魔法をバンバン使いまくり、通常では治せない内部の見えない部分まできっちり治療しているのを認められんだろ。
ただオレが痛がりながら回復を行使しても全てお嬢様に感謝がいくのは納得できねぇ
お嬢様は否定も肯定もせずただオレの横にいてにこにこ笑っているだけだし。
そちらが勝手に誤解してそう思うのは止めませんってところか。
まだ小学生高学年くらいなのにそういうところはしっかり上流貴族だな!
まぁオレも隊長がシャコシャコ鳴らす隣りで満面のゴブリンスマイルで対応したけど
そして全員を回復しおわったところで緊張の糸が切れて倒れたのだった。
「ゴブ~」(ところでこの服はなんだゴブ)
オレは少し薄地の白いワンピースを着させられている。
袖口にかわいいフリフリが付いていて胸の真ん中にリボンが付いている。
「ゴブリンさんが着ていた何の動物の皮か分からない気持ち悪い腰みのは脱がしちゃいましたよ。お嬢様の下着が余っているので上着だけかぶせたら結構似合いました」
おいこら。勝手に装備を変えるんじゃない。
こっちもゴブリンとしてのアイデンティティーがあるぞ。
「ゴブ?」(そういえばオレの革袋も無い)
革袋を探してきょろきょろしているとメイドがどや顔で言ってきた。
「ゴブリンさんの腰みのと臭いものがいっぱい入った革袋は魔物の死骸を燃やしている時に一緒に放り込んでしっかり燃やしてきたから大丈夫ですよ」
「ちゃんと捨てたあと手を入念に洗いましたから心配いりません」
「ゴブ~」(オレの全財産が生ゴミあつかいゴブ)
オレは少し遠くなった立ちのぼる煙を見ながら涙した。
「泣くまで喜んでくれるなんて、かわいい恰好をさせたかいがあります~」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
オレは今ゴトゴトと揺れる馬車の中で椅子の上で座ってうつ向いている。
満足げ、自虐的に薄ら笑いを浮かべていて、某ボクシング漫画の最終回のようだ。
「すごかったです、お嬢様。負傷者全員を回復させるなんて」
回復魔法が使えると分かったメイドが騒ぎ出し護衛たちも回復するはめになったのだ
全力で拒否したのだが、オレの言葉が理解できるのはお嬢様のみ、さらに隊長が剣をシャコシャコと高速で研いでいるプレッシャーに負けた。
こいつ絶対オレがテイマーされていないのに気付いているだろ。
結局、最初は自力で歩けない重傷者のみのはずだったが軽傷者、果てはスリ傷まで治すことになったのだ。
「お嬢様、やっぱりすごいです。私の長年の悩みだった手のあかぎれまで治してくださるなんて。これは領地に早く帰ってみんなにも教えてあげないと」
「ゴブ!」(なんだと!気付かなかったゴブ!)
こいつ、回復希望者がズラッと並んで、流れ作業になってオレが注意散漫になっていたどさくさに紛れてケガしていない自分の手にも回復をかけさせていたのか。
許せないゴブ。
こっちは聖魔法を使うたび軽いやけどをするってのに。
「ゴブ!」(お嬢様、こいつに説教するゴブ!)
「すやすや、くぅくぅ・・・」
寝てるし・・・。
「無理もありません。テイムしたまま聖魔法をあれだけ連発されたのですから」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
そう聖魔法はお嬢様が行使したことになっているのだ。
本来お嬢様は聖魔法の素質とテイマーの素質をお持ちであったが、魔法を行使するのに少し問題があり、テイムした従魔を通してでしか魔法を発現できないらしい。
テイムしつつ魔法も行使するのはかなりの精神力と集中力が必要になるはず。
っていうのが同行している魔法使いの見解だ。
全然、違うけどな!!
まぁ魔物が強力な聖魔法をバンバン使いまくり、通常では治せない内部の見えない部分まできっちり治療しているのを認められんだろ。
ただオレが痛がりながら回復を行使しても全てお嬢様に感謝がいくのは納得できねぇ
お嬢様は否定も肯定もせずただオレの横にいてにこにこ笑っているだけだし。
そちらが勝手に誤解してそう思うのは止めませんってところか。
まだ小学生高学年くらいなのにそういうところはしっかり上流貴族だな!
まぁオレも隊長がシャコシャコ鳴らす隣りで満面のゴブリンスマイルで対応したけど
そして全員を回復しおわったところで緊張の糸が切れて倒れたのだった。
「ゴブ~」(ところでこの服はなんだゴブ)
オレは少し薄地の白いワンピースを着させられている。
袖口にかわいいフリフリが付いていて胸の真ん中にリボンが付いている。
「ゴブリンさんが着ていた何の動物の皮か分からない気持ち悪い腰みのは脱がしちゃいましたよ。お嬢様の下着が余っているので上着だけかぶせたら結構似合いました」
おいこら。勝手に装備を変えるんじゃない。
こっちもゴブリンとしてのアイデンティティーがあるぞ。
「ゴブ?」(そういえばオレの革袋も無い)
革袋を探してきょろきょろしているとメイドがどや顔で言ってきた。
「ゴブリンさんの腰みのと臭いものがいっぱい入った革袋は魔物の死骸を燃やしている時に一緒に放り込んでしっかり燃やしてきたから大丈夫ですよ」
「ちゃんと捨てたあと手を入念に洗いましたから心配いりません」
「ゴブ~」(オレの全財産が生ゴミあつかいゴブ)
オレは少し遠くなった立ちのぼる煙を見ながら涙した。
「泣くまで喜んでくれるなんて、かわいい恰好をさせたかいがあります~」
「ゴブー!」(ち・が・い・ま・す!ゴブ)
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