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母上から色んな授業を受けてから早一週間が経った。
イディはまだ吸血のコントロールができないのか、私の元に戻ってきていない。
私の授業はといえば気絶する事は無くなって、少しは拷問に慣れてきたぐらいだ。
それでも行き過ぎる拷問は吐き戻したりしてしまうが、気絶をしなくなっただけでも大きな進歩と言えるだろう。
今日は拷問の実技はなく、拷問用具についての勉強の時間だった。
実務的な拷問用具もあれば非実務的な拷問用具まで様々な道具が机いっぱいに所狭しと並べられていた。
大きな物は壁一面に飾られていて最早不気味でしかない。
「それではまずこれの説明から始めよう」
扱いが簡単なので物からの始まりだった。
そこから段々と難しい物、実用的には向かない物と拷問器具の説明をされていった。
最後にかなり大きな器具を紹介されたが、これは母上の知識から作られたもので拷問用具としては実用に向かないから放置されている物だ。
ファラリスの雄牛。
使い方を聞いて唯一吐きそうになった代物だ。
知識の元で作り出されたとはいえ、それを具現化しようとした母上の思考が末恐ろしい。
それぐらいの拷問器具だ。
「それじゃあ今日の勉強はこれでお終い。それとラグがホロの事を呼んでいたから一緒に書斎まで行こうか」
呼ばれた理由に検討がつかない。
母上に連れられて父上の元に向かうと、がっちりと拘束されたイディも待っていた。
「ゔゔーっ」
口元は猿轡をされていて真面に発言ができないようにされていた。
猿轡の隙間から涎が垂れて、視線はじっと私を見ている。
「父上一体イディはどういう状態なのだ?」
「問題があってな。全ての血を全く受け付けないのだ」
血を受け付けない?
「その血を受け付けないのは何の問題がある?」
吸血鬼といえど普通の食事をとれば問題なく生きていく事ができる。
だから血を吸う事が絶対ではない。
「血の覚醒を抑えるのには必ず血を飲む必要があるんだ。それなのにも関わらずイディはどの血を受け付けずずっとこのままなんだ」
血の覚醒自体は重要なことである事を調べて知っていたが、覚醒を抑えるのに吸血が必須だとは書かれていなかった。
恐怖を与えないようにする為の記載だろうが、必要な情報を書かないのは書物としては欠点でしかない。
「それではどうして私を呼んだのだ?」
「イディにお前の血を飲ませて欲しい。体が弱いから最終手段として置いて置いたのだが、最早なりふりを構ってられない程になってね」
私の血をイディに?
何故かゾクゾクとした背徳感が背筋を走った。
イディの糧になれるそう思うと喜びが腹の奥底から出てきた。
「いいぞ。なら血を…」
「直接与えるのはもう少し後になってからだ」
父上に手を止められた。
父上はそのまま何も言わず私の腕にナイフを走らせて血を流させた。
ピリッとした痛みが走ったが直ぐに治療をされて怪我は瞬時に消えた。
小さな器に溢れた血が溜まっており、その血をイディに飲ませる為に猿轡が外された。
「いい匂い…ホロの、ホロの血だぁ…」
イディが恍惚とした表情を浮かべ、僕の血の匂いを嗅ぎ取っている。
父上がイディに僕の血を飲ませると先程までの凶暴さから次第に落ち着き始めてきた。
「これはイディもホロも苦労するぞ」
父上が放った言葉の意味を今の私には到底理解する事ができなかった。
ーーーーーーーーーーーーーー
作者です。
某ウイルスに感染しており、投稿をおやすみしておりました。
本日より投稿を再開いたします。
イディはまだ吸血のコントロールができないのか、私の元に戻ってきていない。
私の授業はといえば気絶する事は無くなって、少しは拷問に慣れてきたぐらいだ。
それでも行き過ぎる拷問は吐き戻したりしてしまうが、気絶をしなくなっただけでも大きな進歩と言えるだろう。
今日は拷問の実技はなく、拷問用具についての勉強の時間だった。
実務的な拷問用具もあれば非実務的な拷問用具まで様々な道具が机いっぱいに所狭しと並べられていた。
大きな物は壁一面に飾られていて最早不気味でしかない。
「それではまずこれの説明から始めよう」
扱いが簡単なので物からの始まりだった。
そこから段々と難しい物、実用的には向かない物と拷問器具の説明をされていった。
最後にかなり大きな器具を紹介されたが、これは母上の知識から作られたもので拷問用具としては実用に向かないから放置されている物だ。
ファラリスの雄牛。
使い方を聞いて唯一吐きそうになった代物だ。
知識の元で作り出されたとはいえ、それを具現化しようとした母上の思考が末恐ろしい。
それぐらいの拷問器具だ。
「それじゃあ今日の勉強はこれでお終い。それとラグがホロの事を呼んでいたから一緒に書斎まで行こうか」
呼ばれた理由に検討がつかない。
母上に連れられて父上の元に向かうと、がっちりと拘束されたイディも待っていた。
「ゔゔーっ」
口元は猿轡をされていて真面に発言ができないようにされていた。
猿轡の隙間から涎が垂れて、視線はじっと私を見ている。
「父上一体イディはどういう状態なのだ?」
「問題があってな。全ての血を全く受け付けないのだ」
血を受け付けない?
「その血を受け付けないのは何の問題がある?」
吸血鬼といえど普通の食事をとれば問題なく生きていく事ができる。
だから血を吸う事が絶対ではない。
「血の覚醒を抑えるのには必ず血を飲む必要があるんだ。それなのにも関わらずイディはどの血を受け付けずずっとこのままなんだ」
血の覚醒自体は重要なことである事を調べて知っていたが、覚醒を抑えるのに吸血が必須だとは書かれていなかった。
恐怖を与えないようにする為の記載だろうが、必要な情報を書かないのは書物としては欠点でしかない。
「それではどうして私を呼んだのだ?」
「イディにお前の血を飲ませて欲しい。体が弱いから最終手段として置いて置いたのだが、最早なりふりを構ってられない程になってね」
私の血をイディに?
何故かゾクゾクとした背徳感が背筋を走った。
イディの糧になれるそう思うと喜びが腹の奥底から出てきた。
「いいぞ。なら血を…」
「直接与えるのはもう少し後になってからだ」
父上に手を止められた。
父上はそのまま何も言わず私の腕にナイフを走らせて血を流させた。
ピリッとした痛みが走ったが直ぐに治療をされて怪我は瞬時に消えた。
小さな器に溢れた血が溜まっており、その血をイディに飲ませる為に猿轡が外された。
「いい匂い…ホロの、ホロの血だぁ…」
イディが恍惚とした表情を浮かべ、僕の血の匂いを嗅ぎ取っている。
父上がイディに僕の血を飲ませると先程までの凶暴さから次第に落ち着き始めてきた。
「これはイディもホロも苦労するぞ」
父上が放った言葉の意味を今の私には到底理解する事ができなかった。
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作者です。
某ウイルスに感染しており、投稿をおやすみしておりました。
本日より投稿を再開いたします。
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