47 / 173
2
21
しおりを挟む
今度こそと思ってたのに魔法を使えなくて、あまりにものショックで部屋に閉じこもっていた。
魔法を使いたかったのに…
ぬいぐるみのみんなに囲まれながらごろごろしてる。
今日は休みだから部屋に閉じこもってごろごろしても怒られないもん!
「む~、なんで僕だけ…」
魔法を使えない不満はかなり高くなっていた。
転生してから魔法を使いたくて使いたくて堪らなかった。
それを!
既に2回も魔法が使えなくて、3回目は完全に未定の状態。
ここまで魔法に嫌われていると思うとしょんぼりせざるを得ない。
ギャジーを抱っこしてもう一度ごろごろを始めた。
勉強も身に入らないし、初等部の時は自衛ができなから外出もできないし。
身長も小さいから料理もできないし…
むしろ何に対してもやる気が出ない。
不貞寝したいけど、寝ることもできなくてもう僕はごろごろするしかないんだって諦めてた。
『ネヴィレント様』
急にフォラさんの声が響いて、びっくりして飛び起きた。
「え、え…何!?」
『ネヴィレント様のご学友様がお呼びでございます』
フォラさんの声の後ろに、クラスのみんなの声がかすかに聞こえた。
ギャジーをベッドの上に降ろして、ラグくんを抱っこし一階に降りれる魔法陣に乗って移動した。
受付の場所に行けばクラスメイトのメンバー全員がその場にいた。
珍しく起きていたクラウゼンが最初に僕に気がついた。
声をかける訳ではなく、アゼルの袖を引いて僕の方を指差した。
「あら、いらっしゃいましたね」
「ネヴィ!」
ハルト様が走り寄ってきて、僕にぎゅっと抱きついてきた。
「無事で良かったよぉ…」
ハルト様がぐすぐすと泣いている声が聞こえる。
びっくりしたけど、泣いているハルト様をそのままにできないから、頭を優しく撫でると余計に泣いてしまった。
ど、どうしたら泣き止んでくれるかな。
いっぱい撫でて、ぎゅっとすればする程大泣きになっていく。
「ちょ、いたた…。ハルト様…力、緩めて」
「ヴェルベルト様…、ネヴィレント様からザインハルト様を引き離してあげて。あのままではネヴィレント様が潰れてしまいますわ」
「そうだな」
やっと解放された時には服がびちょびちょになってしまっていた。
ハルト様はまだ泣いていたけど、離れて少しは落ち着いてくれたみたい。
「ザインハルト様も心配するのはわかりますが力加減は必要ですわよ。ネヴィレント様は私達と違って成長が遅いのですから、簡単に圧死してしまいますわ」
「ネヴィはぎゅっとしすぎると死んじゃうの?」
うるっとしていた瞳をもっとうるうるさせて今にも涙が溢れそうな状態に戻った。
「強すぎると苦しいけど、優しくなら大丈夫だよ。それにぎゅっとして貰えるのはとても嬉しいからして欲しいな」
「そっか、なら良かった」
瞳に溜まっていた涙はヒュンと引っ込んで、にっこりと笑ってくれた。
「一度お話は置いといて、本日ネヴィレント様をお呼びたてした内容ですが、学院内にカフェテリアがあるそうでして、気分転換として一緒に参りませんか?」
お菓子!
「お菓子!」
はっ、考えていたことが口から出ていた。
「ふふ、では一緒に参りましょうか。お菓子も、軽食も豊富なカフェテリアと伺っておりますので楽しめますわよ」
レザリアが柔らかく笑って僕たちを先導してくれた。
ハルト様と手を繋ぎながら、カフェテリアまで向かう。
段々カフェテリアに近づけば近づく程、いい匂いが強くなっていく。
「甘いいい匂いがするね」
「そうだね、ネヴィは何を食べるか考えてる?」
「スコーンも食べたいし、ケーキも食べたいな。あ、でもマカロンとか、クッキーも食べたい!いっぱい食べたいものがあって選べないよ」
「じゃあ一緒にちょっとずつ食べようか」
ハルト様の嬉しい提案に繋いでいる手をブンブンと振ってしまった。
「ずっと落ち込んでて暗い顔だったけど、楽しそうに笑ってくれて良かった。ネヴィは笑っている姿が一番可愛いよ」
すっごい誉め殺しで顔が熱くなった。
「ネヴィ顔真っ赤だよ?どうしたの?」
「え、いや、あの…だ、大丈夫だから!ちょっと、熱くなっただけだから!」
「大丈夫なら良かった」
本当にこの子は7歳児なんだろうか。
僕精神年齢一応高いはずなのに、なんでこんなに初心になってるの。
中々熱さが引かなくて、気がついた人にはちょっと揶揄われた。
揶揄われる度に顔が熱くなるから、カフェテリアに到着してやっと落ち着いた。
木を主体にした建物で、小さな館だけど豪華とかではなく落ち着いた印象を抱いた。
木でできた扉をアルフレッドが開くと、ふわっと甘い匂いが溢れ出てきた。
そこそこ席が埋まっており、学院内で人気な場所なんだろうな。
カフェテリアの席は自由みたいで、店員なのかな?その人には案内はされないみたい。
広い所が空いていたのでみんなで座ると、店員さんではなくスタッフと書かれた名札をつけた人がメニューを持ってきてくれた。
メニューで頼む形式で、全員が決まったら呼びかけるようにと説明をすると直ぐに去っていった。
この対応方法は前世のカフェと同じ感じで少し懐かしくも感じた。
「メニューをかなり頂きましたので、皆様個別で拝見いたしましょう。注文が決まりましたら私がお呼びしますわ」
頼もしいレザリアの一声。
各々メニューを手にとり、食べたいものを見始めた。
僕もメニューを手に取って、食べ物を選び始めた。
美味しそうなデザートがイラストとして描かれていて食欲をそそってくる。
全部が美味しそうに見えて選び難い。
「ネヴィ、どれ食べたい?」
「マカロンとクッキーで迷ってて…」
「じゃあ分けて一緒に食べようか。お菓子に合わせた飲み物も選ぼうね」
「ありがとうハルト様」
クッキーとマカロンに合う飲み物としてキャンディという名前の紅茶を選んだ。
僕が決めた頃にはみんな決まっていたみたいで、レザリアが纏めて注文してくれた。
頼んだものが楽しみだな。
魔法を使いたかったのに…
ぬいぐるみのみんなに囲まれながらごろごろしてる。
今日は休みだから部屋に閉じこもってごろごろしても怒られないもん!
「む~、なんで僕だけ…」
魔法を使えない不満はかなり高くなっていた。
転生してから魔法を使いたくて使いたくて堪らなかった。
それを!
既に2回も魔法が使えなくて、3回目は完全に未定の状態。
ここまで魔法に嫌われていると思うとしょんぼりせざるを得ない。
ギャジーを抱っこしてもう一度ごろごろを始めた。
勉強も身に入らないし、初等部の時は自衛ができなから外出もできないし。
身長も小さいから料理もできないし…
むしろ何に対してもやる気が出ない。
不貞寝したいけど、寝ることもできなくてもう僕はごろごろするしかないんだって諦めてた。
『ネヴィレント様』
急にフォラさんの声が響いて、びっくりして飛び起きた。
「え、え…何!?」
『ネヴィレント様のご学友様がお呼びでございます』
フォラさんの声の後ろに、クラスのみんなの声がかすかに聞こえた。
ギャジーをベッドの上に降ろして、ラグくんを抱っこし一階に降りれる魔法陣に乗って移動した。
受付の場所に行けばクラスメイトのメンバー全員がその場にいた。
珍しく起きていたクラウゼンが最初に僕に気がついた。
声をかける訳ではなく、アゼルの袖を引いて僕の方を指差した。
「あら、いらっしゃいましたね」
「ネヴィ!」
ハルト様が走り寄ってきて、僕にぎゅっと抱きついてきた。
「無事で良かったよぉ…」
ハルト様がぐすぐすと泣いている声が聞こえる。
びっくりしたけど、泣いているハルト様をそのままにできないから、頭を優しく撫でると余計に泣いてしまった。
ど、どうしたら泣き止んでくれるかな。
いっぱい撫でて、ぎゅっとすればする程大泣きになっていく。
「ちょ、いたた…。ハルト様…力、緩めて」
「ヴェルベルト様…、ネヴィレント様からザインハルト様を引き離してあげて。あのままではネヴィレント様が潰れてしまいますわ」
「そうだな」
やっと解放された時には服がびちょびちょになってしまっていた。
ハルト様はまだ泣いていたけど、離れて少しは落ち着いてくれたみたい。
「ザインハルト様も心配するのはわかりますが力加減は必要ですわよ。ネヴィレント様は私達と違って成長が遅いのですから、簡単に圧死してしまいますわ」
「ネヴィはぎゅっとしすぎると死んじゃうの?」
うるっとしていた瞳をもっとうるうるさせて今にも涙が溢れそうな状態に戻った。
「強すぎると苦しいけど、優しくなら大丈夫だよ。それにぎゅっとして貰えるのはとても嬉しいからして欲しいな」
「そっか、なら良かった」
瞳に溜まっていた涙はヒュンと引っ込んで、にっこりと笑ってくれた。
「一度お話は置いといて、本日ネヴィレント様をお呼びたてした内容ですが、学院内にカフェテリアがあるそうでして、気分転換として一緒に参りませんか?」
お菓子!
「お菓子!」
はっ、考えていたことが口から出ていた。
「ふふ、では一緒に参りましょうか。お菓子も、軽食も豊富なカフェテリアと伺っておりますので楽しめますわよ」
レザリアが柔らかく笑って僕たちを先導してくれた。
ハルト様と手を繋ぎながら、カフェテリアまで向かう。
段々カフェテリアに近づけば近づく程、いい匂いが強くなっていく。
「甘いいい匂いがするね」
「そうだね、ネヴィは何を食べるか考えてる?」
「スコーンも食べたいし、ケーキも食べたいな。あ、でもマカロンとか、クッキーも食べたい!いっぱい食べたいものがあって選べないよ」
「じゃあ一緒にちょっとずつ食べようか」
ハルト様の嬉しい提案に繋いでいる手をブンブンと振ってしまった。
「ずっと落ち込んでて暗い顔だったけど、楽しそうに笑ってくれて良かった。ネヴィは笑っている姿が一番可愛いよ」
すっごい誉め殺しで顔が熱くなった。
「ネヴィ顔真っ赤だよ?どうしたの?」
「え、いや、あの…だ、大丈夫だから!ちょっと、熱くなっただけだから!」
「大丈夫なら良かった」
本当にこの子は7歳児なんだろうか。
僕精神年齢一応高いはずなのに、なんでこんなに初心になってるの。
中々熱さが引かなくて、気がついた人にはちょっと揶揄われた。
揶揄われる度に顔が熱くなるから、カフェテリアに到着してやっと落ち着いた。
木を主体にした建物で、小さな館だけど豪華とかではなく落ち着いた印象を抱いた。
木でできた扉をアルフレッドが開くと、ふわっと甘い匂いが溢れ出てきた。
そこそこ席が埋まっており、学院内で人気な場所なんだろうな。
カフェテリアの席は自由みたいで、店員なのかな?その人には案内はされないみたい。
広い所が空いていたのでみんなで座ると、店員さんではなくスタッフと書かれた名札をつけた人がメニューを持ってきてくれた。
メニューで頼む形式で、全員が決まったら呼びかけるようにと説明をすると直ぐに去っていった。
この対応方法は前世のカフェと同じ感じで少し懐かしくも感じた。
「メニューをかなり頂きましたので、皆様個別で拝見いたしましょう。注文が決まりましたら私がお呼びしますわ」
頼もしいレザリアの一声。
各々メニューを手にとり、食べたいものを見始めた。
僕もメニューを手に取って、食べ物を選び始めた。
美味しそうなデザートがイラストとして描かれていて食欲をそそってくる。
全部が美味しそうに見えて選び難い。
「ネヴィ、どれ食べたい?」
「マカロンとクッキーで迷ってて…」
「じゃあ分けて一緒に食べようか。お菓子に合わせた飲み物も選ぼうね」
「ありがとうハルト様」
クッキーとマカロンに合う飲み物としてキャンディという名前の紅茶を選んだ。
僕が決めた頃にはみんな決まっていたみたいで、レザリアが纏めて注文してくれた。
頼んだものが楽しみだな。
191
あなたにおすすめの小説
愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない
了承
BL
卒業パーティー。
皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。
青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。
皇子が目を向けた、その瞬間——。
「この瞬間だと思った。」
すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。
IFストーリーあり
誤字あれば報告お願いします!
結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした
紫
BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。
実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。
オメガバースでオメガの立場が低い世界
こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです
強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です
主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です
倫理観もちょっと薄いです
というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります
※この主人公は受けです
【本編完結】断罪される度に強くなる男は、いい加減転生を仕舞いたい
雷尾
BL
目の前には金髪碧眼の美形王太子と、隣には桃色の髪に水色の目を持つ美少年が生まれたてのバンビのように震えている。
延々と繰り返される婚約破棄。主人公は何回ループさせられたら気が済むのだろうか。一応完結ですが気が向いたら番外編追加予定です。
虚ろな檻と翡翠の魔石
篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」
不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。
待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。
しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。
「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」
記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。
番に見つからない街で、子供を育てている
はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。
異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。
現世の記憶は失われているが、
この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。
街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、
ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。
だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。
再会は望まない。
今はただ、この子との生活を守りたい。
これは、番から逃げたオメガが、
選び直すまでの物語。
*本編完結しました
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
氷の婚約者様に破談を申し出たら号泣された
楽矢
BL
目が覚めると、レースの牢獄のような天蓋付きベッドの上だった。
何も覚えていない出来損ない下級貴族ミラ。無能だクズだと冷酷な罵詈雑言を浴びせてくる氷の騎士セティアス。
記憶喪失から始まる、2人のファンタジー貴族ラブコメディ。
----------
※注)
かっこいい攻はいません。
タイトル通りそのうち号泣しますのでご注意!
貴族描写は緩い目で雰囲気だけお読みいただけると幸いです。
ハッピーエンドです。
激重感情をこじらせた攻→受な関係がお好きな同志の方、どうぞよろしくお願いします!
全16話 完結済み/現在毎日更新予定
他サイトにも同作品を投稿しています。
様子を見ながらそのうち統合するかもしれません。
初めての一次創作でまだよく分かっておらず、何かおかしなことをしでかしていたら申し訳ないです!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる