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第6話
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そして、
「敬太」
「・・・亮平・・・どうしたんや」
「ちょっと、こっちで知り合った人がいてさ・・・。いま、その人と、待ち合わせ」
「へぇー・・・」
そして、現れたのは・・・
「お待たせ。亮平君」
「えっ?怜奈先生」
「えっ?敬太先生・・・・?」
なぜだか、不思議な縁や。
「どんな出会いをしたんや。
偶然すぎるやろ。」
「自転車のチェーンが、外れちゃって・・・」
「たまたま通りかかった俺が直して・・・・」
「で?」
「で、楓さんのお店で意気投合しちゃって。」
「・・・意気投合・・・あっ、そっか。二人とも美術の先生やもんな。」
「・・・・私たち、もしかしたら、付き合うかも。」
「えっ?ほんまに?」
「いや、まさか。」
「どっちや。」
「でも、そうなると思う。」
「・・・怜奈さん」
「だって、わたしいま付き合ってる人いないし・・・亮平君もでしょ?」
「確かにそうですけど・・・・」
なんで、敬語?
「そっか。ふたりは、そんな出会いをしたんや。ええな。」
「敬太は?どうなの?幼馴染みと、会えたんだろ?なんかないの?」
「・・・ないわ。だって、亜理砂は、もうすぐ結婚するしな・・・」
「えっ?そうなの?」
「亮平君、どこまで聞いてるの?」
「あっ、怜奈さんの幼馴染みという人と、敬太の幼馴染みが婚約してるって・・・・」
「そうなの。」
「でも、怜奈先生は、その幼馴染みが本当は好きで・・・・」
「えっ?うそ・・・そんなことまで・・・」
「あと、敬太の幼馴染みは、敬太を忘れてるって・・・・」
「・・・・・・」
「ごめんなさい。敬太とは、親友だったし。メールや電話でしかもう会えないかと思ってたから」
「・・・・俺もや・・・。けど、亮平は昔から自転車の旅しとるもんな。いつかは再会できると信じとった。」
「あはは。ありがとう。敬太、俺も再会できてうれしいよ!今夜は飲もうぜ!」
「ふふっ。いいわね。男の友情って。」
「でしょう?敬太、再会に乾杯!!」
亮平は、そう言って、俺のグラスに自分のグラスを当てた。
その様子を、楓さんは微笑ましく見てくれていた。
「そっか。敬太先生と、亜理砂は約束した通り小学校の先生になったんだね。」
「でも、切なすぎるな。せっかく再会できたのに、忘れてしまってるなんて・・・・。」
「しょうがないやん。あの火事から、ほんまに会えてなくてな・・・・。俺は、引っ越すの決まってたから、荷物はほぼなかったから、燃えるものはなかったんや。けど、亜理砂はきっとトラウマとして残ってしまったんや。」
「そうね。それはあるわ。」
「もしかして、俺がその火事でいなくなってしもたとか・・・・」
「・・・・・」
「そういうことなんかな・・・。記憶なくすいうことは、そういうことやんな・・・・。俺たちの思い出がなくなってしまうなんて・・・・・」
「な、なんかほんとに切なすぎるよ・・・。話題変えようぜ?で?亜理砂ちゃんの他に気になる人とかいないのかよ」
「あのなぁ・・・そんなにすぐに気持ち切り替えれるわけないやろ?」
「そ、それもそっか・・・・・」
「一途になれる人って、素敵だと思う。」
「怜奈さん・・・・」
「だって、敬太先生は・・・亜利砂のことをずっとこれからも好きでいるってことですよね?」
「・・まぁ、そのつもりやけど?今のところ他の人を好きになる気はないな・・・・」
そう発言した俺・・・・。
本当に、他の人を好きになる気がしない。
「じゃあさ、楓とかどう?」
「えっ?楓ちゃん?」
「楓ちゃんとか言ってるし・・・」
「・・・・・・」
思わず楓ちゃんのほうを見る。
「・・・・?」
楓ちゃんは、軽く会釈をしてくれた。
「彼女、フリーだし・・・。敬太先生にぴったりだと思うけど?」
「・・・・いや、遠慮しておきます」
「えっ?なんで?」
「楓ちゃん美人やし・・・。俺に釣り合わんやろ。ちゃんと二人で話をしたことはないけど・・・」
「あの?」
「うわっ」
「さっきから、わたしをじろじろ見てなにか用ですか?敬太先生」
「・・・いや、え~っと・・・・」
「じゃあ、俺帰るわ!ほな、二人でごゆっくり」
「えっ?」
「わたしも帰るわ!敬太先生、頑張れ!」
「ちょっと!二人とも!」
「もうすぐ上がりなので・・・。よかったら、お話します?」
「えっ?」
半分話を聞いていたらしい。
「私と敬太先生を、くっつけようとしてるんですね。あの二人は」
「どうもそうらしいわ」
「わたしにだって、好みのタイプありますけど?」
「(ということは俺は好みのタイプやないゆうことやな)」
「・・・・敬太先生は、幼なじみの亜里沙さんと、どこまでいったんですか?」
「どこまでって・・・。いや、高校生やで?別れたの」
「・・・・その間、連絡先とかなんで交換しなかったんですか?」
「・・・・・(そう言われてみれば)」
「その顔はしたかったけでできなかったって感じですね」
「その頃は、携帯やなくて、ポケベルやったしな」
「文明の利器ってやつですか?」
「よく知ってるな。」
「でも、普通交換しますよね?」
「まぁ、俺は引っ越す直前やったし、バタバタしてたし・・・。お互い受験で忙しいし・・・・」
「幼なじみならもっと前から交換するでしょ?」
「・・・・・・」
「やっぱり、敬太さん面白い人・・・」
「そうか?」
「・・・友達としてならこれからもよろしくね」
「はは、なんやそれ」
先生から、さん付けに変えてくれた。
ということは、脈あり?
って、なに言うとるんやろ。
「で?楓ちゃんは?好きな人とか、気になる人とか・・・そういう話はないの?俺が話したんやから話してよ。友達やろ?」
「・・・・」
「さっき言うてたやん。わたしにも、好きなタイプはありますって。」
「・・・・・すごく好きな方がいて・・・」
「おっ?おったんやな?」
「でも、その人にはすごく好きな人がいて・・・」
「・・・・・・」
「いつも、そこの角に座る常連さんで・・・・」
「へぇー。俺だけが知ってる楓ちゃんの恋ばなや。」
「話しかけたことはありますが・・・・」
「うん・・・」
「いつのまにか、結婚してました」
「・・・・・・」
「笑えないですよね」
「そっか。いつのまにかか・・・・」
それは、今の俺にも言えることやろうな。
会わないうちに、彼女にはいつの間にか婚約者がいたってこと・・・。
そして、俺との「記憶が無い」ってこと。
「俺ら似たもん同士やな」
「ふふっ、そうですね」
それで話は終わり、俺は家に帰ることにした。
「敬太」
「・・・亮平・・・どうしたんや」
「ちょっと、こっちで知り合った人がいてさ・・・。いま、その人と、待ち合わせ」
「へぇー・・・」
そして、現れたのは・・・
「お待たせ。亮平君」
「えっ?怜奈先生」
「えっ?敬太先生・・・・?」
なぜだか、不思議な縁や。
「どんな出会いをしたんや。
偶然すぎるやろ。」
「自転車のチェーンが、外れちゃって・・・」
「たまたま通りかかった俺が直して・・・・」
「で?」
「で、楓さんのお店で意気投合しちゃって。」
「・・・意気投合・・・あっ、そっか。二人とも美術の先生やもんな。」
「・・・・私たち、もしかしたら、付き合うかも。」
「えっ?ほんまに?」
「いや、まさか。」
「どっちや。」
「でも、そうなると思う。」
「・・・怜奈さん」
「だって、わたしいま付き合ってる人いないし・・・亮平君もでしょ?」
「確かにそうですけど・・・・」
なんで、敬語?
「そっか。ふたりは、そんな出会いをしたんや。ええな。」
「敬太は?どうなの?幼馴染みと、会えたんだろ?なんかないの?」
「・・・ないわ。だって、亜理砂は、もうすぐ結婚するしな・・・」
「えっ?そうなの?」
「亮平君、どこまで聞いてるの?」
「あっ、怜奈さんの幼馴染みという人と、敬太の幼馴染みが婚約してるって・・・・」
「そうなの。」
「でも、怜奈先生は、その幼馴染みが本当は好きで・・・・」
「えっ?うそ・・・そんなことまで・・・」
「あと、敬太の幼馴染みは、敬太を忘れてるって・・・・」
「・・・・・・」
「ごめんなさい。敬太とは、親友だったし。メールや電話でしかもう会えないかと思ってたから」
「・・・・俺もや・・・。けど、亮平は昔から自転車の旅しとるもんな。いつかは再会できると信じとった。」
「あはは。ありがとう。敬太、俺も再会できてうれしいよ!今夜は飲もうぜ!」
「ふふっ。いいわね。男の友情って。」
「でしょう?敬太、再会に乾杯!!」
亮平は、そう言って、俺のグラスに自分のグラスを当てた。
その様子を、楓さんは微笑ましく見てくれていた。
「そっか。敬太先生と、亜理砂は約束した通り小学校の先生になったんだね。」
「でも、切なすぎるな。せっかく再会できたのに、忘れてしまってるなんて・・・・。」
「しょうがないやん。あの火事から、ほんまに会えてなくてな・・・・。俺は、引っ越すの決まってたから、荷物はほぼなかったから、燃えるものはなかったんや。けど、亜理砂はきっとトラウマとして残ってしまったんや。」
「そうね。それはあるわ。」
「もしかして、俺がその火事でいなくなってしもたとか・・・・」
「・・・・・」
「そういうことなんかな・・・。記憶なくすいうことは、そういうことやんな・・・・。俺たちの思い出がなくなってしまうなんて・・・・・」
「な、なんかほんとに切なすぎるよ・・・。話題変えようぜ?で?亜理砂ちゃんの他に気になる人とかいないのかよ」
「あのなぁ・・・そんなにすぐに気持ち切り替えれるわけないやろ?」
「そ、それもそっか・・・・・」
「一途になれる人って、素敵だと思う。」
「怜奈さん・・・・」
「だって、敬太先生は・・・亜利砂のことをずっとこれからも好きでいるってことですよね?」
「・・まぁ、そのつもりやけど?今のところ他の人を好きになる気はないな・・・・」
そう発言した俺・・・・。
本当に、他の人を好きになる気がしない。
「じゃあさ、楓とかどう?」
「えっ?楓ちゃん?」
「楓ちゃんとか言ってるし・・・」
「・・・・・・」
思わず楓ちゃんのほうを見る。
「・・・・?」
楓ちゃんは、軽く会釈をしてくれた。
「彼女、フリーだし・・・。敬太先生にぴったりだと思うけど?」
「・・・・いや、遠慮しておきます」
「えっ?なんで?」
「楓ちゃん美人やし・・・。俺に釣り合わんやろ。ちゃんと二人で話をしたことはないけど・・・」
「あの?」
「うわっ」
「さっきから、わたしをじろじろ見てなにか用ですか?敬太先生」
「・・・いや、え~っと・・・・」
「じゃあ、俺帰るわ!ほな、二人でごゆっくり」
「えっ?」
「わたしも帰るわ!敬太先生、頑張れ!」
「ちょっと!二人とも!」
「もうすぐ上がりなので・・・。よかったら、お話します?」
「えっ?」
半分話を聞いていたらしい。
「私と敬太先生を、くっつけようとしてるんですね。あの二人は」
「どうもそうらしいわ」
「わたしにだって、好みのタイプありますけど?」
「(ということは俺は好みのタイプやないゆうことやな)」
「・・・・敬太先生は、幼なじみの亜里沙さんと、どこまでいったんですか?」
「どこまでって・・・。いや、高校生やで?別れたの」
「・・・・その間、連絡先とかなんで交換しなかったんですか?」
「・・・・・(そう言われてみれば)」
「その顔はしたかったけでできなかったって感じですね」
「その頃は、携帯やなくて、ポケベルやったしな」
「文明の利器ってやつですか?」
「よく知ってるな。」
「でも、普通交換しますよね?」
「まぁ、俺は引っ越す直前やったし、バタバタしてたし・・・。お互い受験で忙しいし・・・・」
「幼なじみならもっと前から交換するでしょ?」
「・・・・・・」
「やっぱり、敬太さん面白い人・・・」
「そうか?」
「・・・友達としてならこれからもよろしくね」
「はは、なんやそれ」
先生から、さん付けに変えてくれた。
ということは、脈あり?
って、なに言うとるんやろ。
「で?楓ちゃんは?好きな人とか、気になる人とか・・・そういう話はないの?俺が話したんやから話してよ。友達やろ?」
「・・・・」
「さっき言うてたやん。わたしにも、好きなタイプはありますって。」
「・・・・・すごく好きな方がいて・・・」
「おっ?おったんやな?」
「でも、その人にはすごく好きな人がいて・・・」
「・・・・・・」
「いつも、そこの角に座る常連さんで・・・・」
「へぇー。俺だけが知ってる楓ちゃんの恋ばなや。」
「話しかけたことはありますが・・・・」
「うん・・・」
「いつのまにか、結婚してました」
「・・・・・・」
「笑えないですよね」
「そっか。いつのまにかか・・・・」
それは、今の俺にも言えることやろうな。
会わないうちに、彼女にはいつの間にか婚約者がいたってこと・・・。
そして、俺との「記憶が無い」ってこと。
「俺ら似たもん同士やな」
「ふふっ、そうですね」
それで話は終わり、俺は家に帰ることにした。
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