167 / 172
インターバル
167,疑問 2 (再会)
しおりを挟む
翌朝もベッドの上で飯を食い、寝るでもなく横になりポケーッと窓の外を見ていると部屋をノックされた。
リンが椅子から立ち上がり、ドアを開けて入ってくる二人。
髭短いダンディバージョンのアンと、執事服ではなく商人やお役所をしていそうな格好のこざっぱりとしたセミだ。
「おっ、おひさぁ」
ベッドに寝たままで声をかけた。
「起き上がれないのか?」
ベッドに近寄ってきながらアンがそう言ってくるが、単なる面倒なだけ。
「ダラーッとしたいから、寝てるだけ。起きる?」
「そのままで良いわい。起きなくない時もあるじゃろ、今はそれじゃ」
「俺、あっちでいつも朝起きるの嫌だったし。そうそう、夜寝てたまに起きてを繰り返したら夜中になってた時あった」
「眠いなら寝て良いぞ」
「んにゃ、眠くないけどダルダルしてたい感じ」
「そうか……セミ」
「ダメですよ」
頷いたアンが、少し考えてからセミを呼びかけると被せ気味に注意されていた。
「呼んだだけじゃろうて」
「あなたは寝たら起きないのですから、変な時間に寝ようとしない。ちなみに忘れているかもしれませんが、コウタさんは知ってますからね」
今の呼びかけに自分も寝たいと要望が入っているとは、誰が思うだろう。
この伴侶漫才、突っ込み強し。
「何をじゃ?」
「あなたが一発で飛び起きる呪文を」
「あー、それはアウトじゃ」
「アウト~」
アンの言葉に乗って言ってから笑っているのに、なんだか心の中が冷めている。
「出会った時のコウタと話してるようじゃな、気力なしじゃ」
「うん、なんかそんな感じ」
「コウタ、前も書いたが休暇を取らぬか?」
「ん?休暇?」
「この短期間に21もの聖地巡礼をしておる。全く移動しない日などなかったじゃろ」
「そぅ?かも?」
「おとうなんぞ、馬車の中を改造して趣味の研究三昧じゃ、親父はいつも暇だと寝ておったらしいぞ。わしらが急がせた手前もあるが、お主らは自力移動じゃ」
「おお、意外とブラックしてたかも?」
「13カ所目辺りから魔物の出現も落ち着いた、と報告をあちらこちらから貰っての。手紙にも書いたと思うが覚えておるか?」
前に貰った手紙にそんなことが書かれていたことを何となく思い出す。
「あった?かも?」
「リンスランは……伝えたのじゃろうな」
「伝わってなかったようです」
なんだろう、ちょっと責められてる感が出てきた。
え?ヤリ過ぎはリンだけど、俺が先になんかやってた?
「まあ、こうして休む状態になったのはいいが、どうやったのじゃ?」
あれ?リンが言いあぐねてる。
「え?あの1日以上の食わず寝ずで抜かずでヤりまくりって、わざと?マジで?」
俺の暴露に二人がリンを見た。
「結果としてのこの状態は不本意だよ。言い訳として言うと、アレもありとあらゆる手段は講じた最終手段だ」
「えっ?あら、えーっとお疲れ?」
言いながら、気が更に抜けた。
あれこれ思っていたのとなんか違う。
「伝わってないからこれも言っておくよ。まだまだ足りないのは本心だ」
「えーっとそれは、ノーコメで」
そんな俺らにアンが一息吐いてから呟いた。
「リンスラン、ご苦労であった」
あれ?やっぱ、俺?
リンが椅子から立ち上がり、ドアを開けて入ってくる二人。
髭短いダンディバージョンのアンと、執事服ではなく商人やお役所をしていそうな格好のこざっぱりとしたセミだ。
「おっ、おひさぁ」
ベッドに寝たままで声をかけた。
「起き上がれないのか?」
ベッドに近寄ってきながらアンがそう言ってくるが、単なる面倒なだけ。
「ダラーッとしたいから、寝てるだけ。起きる?」
「そのままで良いわい。起きなくない時もあるじゃろ、今はそれじゃ」
「俺、あっちでいつも朝起きるの嫌だったし。そうそう、夜寝てたまに起きてを繰り返したら夜中になってた時あった」
「眠いなら寝て良いぞ」
「んにゃ、眠くないけどダルダルしてたい感じ」
「そうか……セミ」
「ダメですよ」
頷いたアンが、少し考えてからセミを呼びかけると被せ気味に注意されていた。
「呼んだだけじゃろうて」
「あなたは寝たら起きないのですから、変な時間に寝ようとしない。ちなみに忘れているかもしれませんが、コウタさんは知ってますからね」
今の呼びかけに自分も寝たいと要望が入っているとは、誰が思うだろう。
この伴侶漫才、突っ込み強し。
「何をじゃ?」
「あなたが一発で飛び起きる呪文を」
「あー、それはアウトじゃ」
「アウト~」
アンの言葉に乗って言ってから笑っているのに、なんだか心の中が冷めている。
「出会った時のコウタと話してるようじゃな、気力なしじゃ」
「うん、なんかそんな感じ」
「コウタ、前も書いたが休暇を取らぬか?」
「ん?休暇?」
「この短期間に21もの聖地巡礼をしておる。全く移動しない日などなかったじゃろ」
「そぅ?かも?」
「おとうなんぞ、馬車の中を改造して趣味の研究三昧じゃ、親父はいつも暇だと寝ておったらしいぞ。わしらが急がせた手前もあるが、お主らは自力移動じゃ」
「おお、意外とブラックしてたかも?」
「13カ所目辺りから魔物の出現も落ち着いた、と報告をあちらこちらから貰っての。手紙にも書いたと思うが覚えておるか?」
前に貰った手紙にそんなことが書かれていたことを何となく思い出す。
「あった?かも?」
「リンスランは……伝えたのじゃろうな」
「伝わってなかったようです」
なんだろう、ちょっと責められてる感が出てきた。
え?ヤリ過ぎはリンだけど、俺が先になんかやってた?
「まあ、こうして休む状態になったのはいいが、どうやったのじゃ?」
あれ?リンが言いあぐねてる。
「え?あの1日以上の食わず寝ずで抜かずでヤりまくりって、わざと?マジで?」
俺の暴露に二人がリンを見た。
「結果としてのこの状態は不本意だよ。言い訳として言うと、アレもありとあらゆる手段は講じた最終手段だ」
「えっ?あら、えーっとお疲れ?」
言いながら、気が更に抜けた。
あれこれ思っていたのとなんか違う。
「伝わってないからこれも言っておくよ。まだまだ足りないのは本心だ」
「えーっとそれは、ノーコメで」
そんな俺らにアンが一息吐いてから呟いた。
「リンスラン、ご苦労であった」
あれ?やっぱ、俺?
1
あなたにおすすめの小説
普段「はい」しか言わない僕は、そばに人がいると怖いのに、元マスターが迫ってきて弄ばれている
迷路を跳ぶ狐
BL
全105話*六月十一日に完結する予定です。
読んでいただき、エールやお気に入り、しおりなど、ありがとうございました(*≧∀≦*)
魔法の名手が生み出した失敗作と言われていた僕の処分は、ある日突然決まった。これから捨てられる城に置き去りにされるらしい。
ずっと前から廃棄処分は決まっていたし、殺されるかと思っていたのに、そうならなかったのはよかったんだけど、なぜか僕を嫌っていたはずのマスターまでその城に残っている。
それだけならよかったんだけど、ずっとついてくる。たまにちょっと怖い。
それだけならよかったんだけど、なんだか距離が近い気がする。
勘弁してほしい。
僕は、この人と話すのが、ものすごく怖いんだ。
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
ユキ・シオン
那月
BL
人間の姿をした、人間ではないもの。
成長過程で動物から人間に変わってしまう”擬人化種”の白猫青年と、16歳年上のオッサンとのお話。
出会ったのは猫カフェ。白猫従業員としての青年と客としてやってきたオッサン。
次に再会したのは青年が人間として通う大学。オッサンは保健室の先生だった。
青年が金のためにヤバいことをしていて、あるトラブルが起こる。
そこへ見計らったかのようにオッサンが飛び込んで救出したのをきっかけに2人の距離は縮まり……
※表紙絵は自作。本編は進むにつれてどんどん動物園と化します(笑)
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
オッサン、エルフの森の歌姫【ディーバ】になる
クロタ
BL
召喚儀式の失敗で、現代日本から異世界に飛ばされて捨てられたオッサン(39歳)と、彼を拾って過保護に庇護するエルフ(300歳、外見年齢20代)のお話です。
転生令息は冒険者を目指す!?
葛城 惶
BL
ある時、日本に大規模災害が発生した。
救助活動中に取り残された少女を助けた自衛官、天海隆司は直後に土砂の崩落に巻き込まれ、意識を失う。
再び目を開けた時、彼は全く知らない世界に転生していた。
異世界で美貌の貴族令息に転生した脳筋の元自衛官は憧れの冒険者になれるのか?!
とってもお馬鹿なコメディです(;^_^A
義兄の愛が重すぎて、悪役令息できないのですが…!
ずー子
BL
戦争に負けた貴族の子息であるレイナードは、人質として異国のアドラー家に送り込まれる。彼の使命は内情を探り、敗戦国として奪われたものを取り返すこと。アドラー家が更なる力を付けないように監視を託されたレイナード。まずは好かれようと努力した結果は実を結び、新しい家族から絶大な信頼を得て、特に気難しいと言われている長男ヴィルヘルムからは「右腕」と言われるように。だけど、内心罪悪感が募る日々。正直「もう楽になりたい」と思っているのに。
「安心しろ。結婚なんかしない。僕が一番大切なのはお前だよ」
なんだか義兄の様子がおかしいのですが…?
このままじゃ、スパイも悪役令息も出来そうにないよ!
ファンタジーラブコメBLです。
平日毎日更新を目標に頑張ってます。応援や感想頂けると励みになります。
※(2025/4/20)第一章終わりました。少しお休みして、プロットが出来上がりましたらまた再開しますね。お付き合い頂き、本当にありがとうございました!
えちち話(セルフ二次創作)も反応ありがとうございます。少しお休みするのもあるので、このまま読めるようにしておきますね。
※♡、ブクマ、エールありがとうございます!すごく嬉しいです!
※表紙作りました!絵は描いた。ロゴをスコシプラス様に作って頂きました。可愛すぎてにこにこです♡
【登場人物】
攻→ヴィルヘルム
完璧超人。真面目で自信家。良き跡継ぎ、良き兄、良き息子であろうとし続ける、実直な男だが、興味関心がない相手にはどこまでも無関心で辛辣。当初は異国の使者だと思っていたレイナードを警戒していたが…
受→レイナード
和平交渉の一環で異国のアドラー家に人質として出された。主人公。立ち位置をよく理解しており、計算せずとも人から好かれる。常に兄を立てて陰で支える立場にいる。課せられた使命と現状に悩みつつある上に、義兄の様子もおかしくて、いろんな意味で気苦労の絶えない。
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる