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異世界召喚されたった
007、眼鏡屋。
恥ずかしいや何だかんだと色々言い、なんとか手を離してもらった。
大きく息を吐いてから城を抜け、街を探索に出掛けた。
城を出るとレンガ作りの建物が立ち並び、多種多様な姿形の人?達が歩いている。
店からは、小粋な呼び掛けと活気のある街なのだと一目で分かる。
キョロキョロとしてはいけないと思いつつ、街中を眺めながら歩いていると、また手を繋がれた。
「迷子になりたいのか?」
「いや、だってなー」
「興味が引くものがあれば言ってくれ、眼鏡を買い終えたら寄るよ」
「冑、重そうだもんな」
「すぐに臭くなるのも嫌なんだよ、只でさえ鉄臭いのに」
「そうなんだ」
「俺には人狼の血が流れているから、鼻がよく効く。この髪色も人狼の血筋だとすぐに分かられてしまう」
「ほーっ」
リンは、さらっと色々と面白い情報を投下しながら、目指すは眼鏡屋と手を引かれて歩いた。
「色んな種族が混ざっているんだな」
「中には種族を意識している種族もいる。ハイエルフとか、ハイドワーフは混ざると特有の美点が損なわれると考えているようだ」
「エルフはなんとなく分かるけど、ドワーフの美点って?」
「小柄で筋肉質なのが、美点だと聞いた。ハイドワーフ特有の鍛冶能力も他種族が混ざると低くなるとも」
「ほーっ、あれがイケてるんだ」
「イケてる?」
こちらの俗語は異世界には通じないからちょいちょい聞いてくる。
「カッコいいとかの俗語。カッコいい男子のことをイケメンとか言うんだ。イケてるメンズ、あっメンズは男のことな。あとは顔のことをメンとも言うから、イケてる面っていう意味もあるらしい」
「面白いな」
「新しい俗語が生まれてはすぐに消えて、死語とかになるんだぜ。おっちゃんはついていけないよ」
新しく仕事場に入ってきた高校上がりとかの言葉は、意味不だ。
「死語?それにおっちゃんって、コウはいくつなんだ?」
「死語は時代遅れ流行遅れの言葉。俺は31。30過ぎれば、おじさんなんだってよ」
「もっと若く見えたよ。じゃあ、38の俺はおじいちゃん?」
へっと上を見ると兜の隙間から笑っているような目が見えた。
「38?上だったんだ。あー、イケメンはおじさん扱いされないから大丈夫。あと日本人っ、俺の国の顔は他の国からも若く見えるらしいよ」
「へえー。コウ、俺はイケメンなのかい?」
「どう見てもイケメンでしょ、ハリウッド俳優かと思ったよ」
「コウにそう言われると嬉しいな。あとハリウッド俳優とは?」
こちらとあちらの異文化質問合戦しながら、手を繋いで歩く様は、まさに付き合い出しの恋人風。
そんな俺たちを商店街の面々が温かい目で見ていたが、そんなこととは露知らず、会話を楽しむ二人であった。
眼鏡屋に着くと、店の亭主がおやっと首をかしげ、出迎えた。
「いらっしゃい。眼鏡をかけなきゃいけない年でもないのにどうしたね」
「あのー、眼鏡のレンズなしか、ただのガラスを入れた眼鏡を売るのってありです?」
自分から提案したものだからと、俺から亭主に話すと、やはり亭主に首をかしげられた。
「それは売ることは出来るが、何に使うのだい?」
隣でカチャリと音をさせて、冑を取るリン、その顔を見て誰かすぐに分かったようで、目を見開く。
「国王陛下の若き日に瓜二つ。あなた様はジヒル国、聖愛の勇者、ミニシッド様でしょうか?」
「はい。ここにいるコウより眼鏡で印象が変わると提案を受けて、こちらに足を運びました」
「ああ、なるほど。この国ではさぞ歩きにくかったでしょう」
リンが苦笑で返した。
リンの国王似は、一介の眼鏡屋亭主にも分かるほどの様子。
「そういった使い方をされるのは初めてです。ここに来るのは年寄りばかりで」
「見ても構いませんか?」
「どうぞ、そう数はありませんが、枠を用意して参りましょう」
眼鏡フレームが所狭しと並んでいる眼鏡屋の横を通ったことはあるが、実際に店に入ったのは初めてだ。
現代とは違って、形の違う枠が何点か置いているだけで、日本のそれとは全く違う。
しかも、その人にあったものをオーダーメイドで作るのが一般的らしい。
「そっかー、あっちとは違うよなー」
小さく呟くと、聞き付けたリンが聞きたそうにこちらを見るが、亭主の手前、そこは口を閉じ、適当にあるものに手を伸ばす。
「コウ、これはどうだろう」
「一回かけてみて、かけないといいも悪いも分からないから……悪いっていうのは合うか合わないかですから」
亭主のムッとした雰囲気を読み、一言言うとホウっと表情を和らげてくれた。
「これは、ジョブぽいけど合うね。こっちのスタンダードは合うな。片目は……………………リン、お前に合わないものはない。好きな形を選んでいい」
「そこはコウが選んでくれないと、俺ではどれがいいか分からないよ」
このイケメン、どの形でも合う様子に、丸投げしたら返された。
すると、そんな二人のやり取りに笑みで亭主が入ってくる。
「印象を変えたいのであれば、こちらの方がよいのでは?」
「あ、そっか。合うやつじゃなくて、印象変えだったの忘れてた。これの方が眼鏡に視線がいくから、これがいい」
亭主に言われて、スタンダードなフレーム、だて眼鏡によく使われる大きめな眼鏡を手に取り、リンにもう一度かけてと渡してみる。
大きめな眼鏡は、顔の印象をガラリと変える。
「では、これをって俺、金持ってない」
「セミから預かってる。でもここは俺が払うから気にしないでくれ」
「おっ、そうか。そういうのも覚えていかないとなんだよな。この年で勉強すんのかー……意外に楽しいかも」
などとブツブツ呟いていると、亭主にお礼を言われる。
「眼鏡にこのような使い方があるとは、ありがとうございます。これは商売の幅が広がりそうです」
「あ、開拓しちまった。えーっとじゃあ、名前はだて眼鏡で」
「だて眼鏡ですか、だてとは?」
「め、目立つでしょ。その言い回しを変えて、カッコよく言った感じの言葉です」
漢字で書くと伊達政宗の伊達だとは聞いたことはあるが、本来の意味は知らないので、なんとなく言い募る。
「良いですね。だて眼鏡で売り出してみましょう」
おしゃれアイテムの一つにだて眼鏡が加わり、大量生産しなければいけなくなり、亭主が嬉しい悲鳴をあげるのは、もう少しあとのこと。
大きく息を吐いてから城を抜け、街を探索に出掛けた。
城を出るとレンガ作りの建物が立ち並び、多種多様な姿形の人?達が歩いている。
店からは、小粋な呼び掛けと活気のある街なのだと一目で分かる。
キョロキョロとしてはいけないと思いつつ、街中を眺めながら歩いていると、また手を繋がれた。
「迷子になりたいのか?」
「いや、だってなー」
「興味が引くものがあれば言ってくれ、眼鏡を買い終えたら寄るよ」
「冑、重そうだもんな」
「すぐに臭くなるのも嫌なんだよ、只でさえ鉄臭いのに」
「そうなんだ」
「俺には人狼の血が流れているから、鼻がよく効く。この髪色も人狼の血筋だとすぐに分かられてしまう」
「ほーっ」
リンは、さらっと色々と面白い情報を投下しながら、目指すは眼鏡屋と手を引かれて歩いた。
「色んな種族が混ざっているんだな」
「中には種族を意識している種族もいる。ハイエルフとか、ハイドワーフは混ざると特有の美点が損なわれると考えているようだ」
「エルフはなんとなく分かるけど、ドワーフの美点って?」
「小柄で筋肉質なのが、美点だと聞いた。ハイドワーフ特有の鍛冶能力も他種族が混ざると低くなるとも」
「ほーっ、あれがイケてるんだ」
「イケてる?」
こちらの俗語は異世界には通じないからちょいちょい聞いてくる。
「カッコいいとかの俗語。カッコいい男子のことをイケメンとか言うんだ。イケてるメンズ、あっメンズは男のことな。あとは顔のことをメンとも言うから、イケてる面っていう意味もあるらしい」
「面白いな」
「新しい俗語が生まれてはすぐに消えて、死語とかになるんだぜ。おっちゃんはついていけないよ」
新しく仕事場に入ってきた高校上がりとかの言葉は、意味不だ。
「死語?それにおっちゃんって、コウはいくつなんだ?」
「死語は時代遅れ流行遅れの言葉。俺は31。30過ぎれば、おじさんなんだってよ」
「もっと若く見えたよ。じゃあ、38の俺はおじいちゃん?」
へっと上を見ると兜の隙間から笑っているような目が見えた。
「38?上だったんだ。あー、イケメンはおじさん扱いされないから大丈夫。あと日本人っ、俺の国の顔は他の国からも若く見えるらしいよ」
「へえー。コウ、俺はイケメンなのかい?」
「どう見てもイケメンでしょ、ハリウッド俳優かと思ったよ」
「コウにそう言われると嬉しいな。あとハリウッド俳優とは?」
こちらとあちらの異文化質問合戦しながら、手を繋いで歩く様は、まさに付き合い出しの恋人風。
そんな俺たちを商店街の面々が温かい目で見ていたが、そんなこととは露知らず、会話を楽しむ二人であった。
眼鏡屋に着くと、店の亭主がおやっと首をかしげ、出迎えた。
「いらっしゃい。眼鏡をかけなきゃいけない年でもないのにどうしたね」
「あのー、眼鏡のレンズなしか、ただのガラスを入れた眼鏡を売るのってありです?」
自分から提案したものだからと、俺から亭主に話すと、やはり亭主に首をかしげられた。
「それは売ることは出来るが、何に使うのだい?」
隣でカチャリと音をさせて、冑を取るリン、その顔を見て誰かすぐに分かったようで、目を見開く。
「国王陛下の若き日に瓜二つ。あなた様はジヒル国、聖愛の勇者、ミニシッド様でしょうか?」
「はい。ここにいるコウより眼鏡で印象が変わると提案を受けて、こちらに足を運びました」
「ああ、なるほど。この国ではさぞ歩きにくかったでしょう」
リンが苦笑で返した。
リンの国王似は、一介の眼鏡屋亭主にも分かるほどの様子。
「そういった使い方をされるのは初めてです。ここに来るのは年寄りばかりで」
「見ても構いませんか?」
「どうぞ、そう数はありませんが、枠を用意して参りましょう」
眼鏡フレームが所狭しと並んでいる眼鏡屋の横を通ったことはあるが、実際に店に入ったのは初めてだ。
現代とは違って、形の違う枠が何点か置いているだけで、日本のそれとは全く違う。
しかも、その人にあったものをオーダーメイドで作るのが一般的らしい。
「そっかー、あっちとは違うよなー」
小さく呟くと、聞き付けたリンが聞きたそうにこちらを見るが、亭主の手前、そこは口を閉じ、適当にあるものに手を伸ばす。
「コウ、これはどうだろう」
「一回かけてみて、かけないといいも悪いも分からないから……悪いっていうのは合うか合わないかですから」
亭主のムッとした雰囲気を読み、一言言うとホウっと表情を和らげてくれた。
「これは、ジョブぽいけど合うね。こっちのスタンダードは合うな。片目は……………………リン、お前に合わないものはない。好きな形を選んでいい」
「そこはコウが選んでくれないと、俺ではどれがいいか分からないよ」
このイケメン、どの形でも合う様子に、丸投げしたら返された。
すると、そんな二人のやり取りに笑みで亭主が入ってくる。
「印象を変えたいのであれば、こちらの方がよいのでは?」
「あ、そっか。合うやつじゃなくて、印象変えだったの忘れてた。これの方が眼鏡に視線がいくから、これがいい」
亭主に言われて、スタンダードなフレーム、だて眼鏡によく使われる大きめな眼鏡を手に取り、リンにもう一度かけてと渡してみる。
大きめな眼鏡は、顔の印象をガラリと変える。
「では、これをって俺、金持ってない」
「セミから預かってる。でもここは俺が払うから気にしないでくれ」
「おっ、そうか。そういうのも覚えていかないとなんだよな。この年で勉強すんのかー……意外に楽しいかも」
などとブツブツ呟いていると、亭主にお礼を言われる。
「眼鏡にこのような使い方があるとは、ありがとうございます。これは商売の幅が広がりそうです」
「あ、開拓しちまった。えーっとじゃあ、名前はだて眼鏡で」
「だて眼鏡ですか、だてとは?」
「め、目立つでしょ。その言い回しを変えて、カッコよく言った感じの言葉です」
漢字で書くと伊達政宗の伊達だとは聞いたことはあるが、本来の意味は知らないので、なんとなく言い募る。
「良いですね。だて眼鏡で売り出してみましょう」
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