俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

文字の大きさ
9 / 172
異世界召喚されたった

009、聖愛の勇者 ※。

こんにゃくの説明に、ネコ型ロボットの前に、まずロボットから説明しなきゃいけないという、めんどくさい説明をなんだかんだと楽しみながら、引き続き街を探索する。

「もうそろそろ17刻になるな」
「そういや、刻って言うんだ」
「コウのところは違うのか?」
「時間。一日、24時間」
「なるほど、時間というのか。こちらは24刻だ。鐘が時を教えてくれる。日の出の朝の5刻から鐘が鳴り、夜は21刻までしか鳴らないから気を付けて」
「時計……持ち運びできるやつないの?」
「時計はあるが、高額だから金持ちの嗜好品の類いになる。俺も持ってはいるが、町にいる間は鐘の音を頼りにするよ」
「もしかして、当たったやつ?」
「半分当たり。さっき拾って届けたらクジの半分を貰うことになったと言ったろう、あれをそのまま教会に寄付したら、神父様にお古だけどと貰ったんだ」
チラリと見せるのは懐中時計型、大っぴらに見せないのはそれが高額なのだからだろう。
「やっぱり寄付したか」
「やっぱり?」
「聖愛の勇者様だろう。そういうのしてそうな二つ名じゃん。愛され過ぎとかもあるかもだけど、なんとなくリンの性格からも言われてそうな気がし……んっ?どうした?」
隣で歩いていたリンが立ち止まったのが、実はずっと繋いでいた手から伝わり、横を向くと、リンが目を見開いていた。
「どっどうした?」
すぐにキョロキョロと辺りを見回し、無言で歩き出すから、引っ張られるように歩き出す。
歩いていたのが大通りだとすると、そこから一本中に入った裏路地、大通りの喧騒は聞こえるが人がいない道に連れ込まれる。
「リン?どうしっ!!」
次に気付いた時には、壁を背にリンに抱き込まれ、キスされていた。
「なっ、んっっ」
しかも、ディープなやつ。
俺自身、下手だからとディープ、というかキス自体極力しないで生きていたが、そんなものとはこれは違う。
吸引力で吸われた舌をリンの舌が口が舐め回す。
不意打ちで腰にツキリと甘い感覚が下りたのは仕方がないが、これはヤバイ、咥内で快感を感じたのは初めてだ。
しかも、離そうにも離れない、腕力の差が歴然。
下半身に血が集まっていくのが分かる。
「リっ、リン、やめっ」
首を振ってできた隙間で言うと、ようやく止めてくれたが、今度は抱き締められた。
「コウ、同意も得ずにすまない。押さえることができなかった」
リンの声が、先程まで聞いていた落ち着いた声音ではなく、焦りとかを含んだ感のある緊張感のある声に、こちらが焦ってしまう。
「俺、何かやらかした?」
「……ハハっ、そうだな。やらかしたな。俺を本気にさせた」
俺がそう言うと、リンは痛い程キツく抱き締められた腕が少し弱まり、少し落ち着いたような声に戻り、何故か安堵した。
「なんで?」
「俺は、精霊に愛され過ぎているのだとずっと揶揄され続けてきた。何をやってもだ。だからそういうモノなのだと、俺自身が諦めていた。だが、コウはまだ会って間もない俺を肯定してくれたんだ。こんな嬉しいことが、こんな出会いがあるなんて思ってもいなかったよ」
先程とは違い、力強く抱き締められても、痛くも苦しくもないのは、リンに少し余裕が生まれたからだろうが、さてこれはどうしたらいいのだろう。
思い付いたことを言っていたら、リンの何かを刺激してしまったらしい。
今、上をリンを見たらいけない気がして、どうにか目をそらす。
だが、そんなことよりも今は下半身の高ぶりが危うい。
もぞもぞしていると、リンの腕が動いた。
「なっ、それはっ」
「なぜだ?このままでは辛いだろう」
「だけど、ここ……」
「ああ、そうか。大丈夫だ。ここには人が来ない」
大通りを一本入っただけの裏路地、人が来ないことはあり得ないだろう。
「来るって」
「俺は誰だ?」
「リンだろう。やっ、待てって、くっ」
リンの手がスルリとズボンの中に入り込み、息子を撫で擦る。
「俺は聖愛の勇者。精霊に愛され過ぎている勇者だ。俺がそう思えばここには人が来ないんだ」
「なっ、んっ、なんだよっそれっ」

女性の柔らかで小さい手ではなく、掌の皮が厚く固い大きな掌がすっぽりと包み込みつつ、同性ならではの手淫で瞬く間に高ぶる。
「大丈夫だ。ここには人が来ない。ただ俺を感じてくれ」
そう耳元で言われてもと、押していたリンの体がいきなり少し離れ、顔を見ると、初めて見る真剣で情熱的なエロい顔に心臓がドキリと高鳴り、抵抗していた腕が止まってしまった。
すると腕の位置が変わり、片手で頭を抱かれ、また口を塞がれた。
「んっ、んっっ……っ」
先程のよりももっとエロい舌使いに合わせて、片手は急所をガッチリとホールド&巧みな動きで翻弄される。
その器用すぎる勇者の手管に、抵抗することよりも甘美な快感を味わいたくなり、胸を押していた手から力が抜け、背に回された力強い腕は、崩れそうになる身体を難なく支える。

「くっ……んっっ、はっ、んっ、リ、リンっ」
早漏ではないはずだが、いつもよりも早くに訪れた感覚に腰が揺れる。
「でっ、出るっ、んっっ」
「ごめん」
「へっ?なっっああっ……」
すがっていた胸元がスッと下がったのにあわせて、崩れるように前屈みになり、リンの頭頂部に掴まる。
そして、俺の息子はリンの咥内に迎えられ、吸われると同時にイッた。
震え崩れそうになる腰を器用に支えられ、最後の一滴まで吸われ飲まれた。
「くっ……なっ、飲んだ?えっ?飲んだ!?」
リンの頭の上に全体重をかけているから、ゴクリと嚥下する音がハッキリと聞こえた。
「ああ、全部。こんなに旨いものだったんだな」
跪いていた身体を起こし、フワフワしてる俺を抱き締めながら、そんな感想を投下してくる。
「ないだろ。それは不味いの代表格。………じゃなくて、何してんだよ」
何故か怒りとかは湧いてこない、戸惑いと気恥ずかしいようなむず痒さで一杯だ。
「最初に謝っただろう。押さえることが出来なかった」
チラリと顔を見ると素敵としか言いようのないイケメン笑顔が、優しくても熱く俺を見下している。
「聞いたけど、あっここっ……えっ?」
改めて周りを恐る恐る見てみるが、誰もいない。
夕食の買い物やら帰宅などが始まるこの時間帯。
大通りから一本入ったただの裏路地に、誰もいないのは、明らかにおかしい。
「言ったろう、俺は精霊に愛され過ぎている勇者だ。俺に不都合なことは起こらない」
「なっなんだよ、それ」
「だから大丈夫だと確信を持って言えるんだ」
リンに付いている精霊の力は、チート能力以上のものだった。
「異世界に来てフェラとか……あー……」
しばらく抱き締められたまま呆けていると17刻の鐘が鳴り、ようやく意識が戻り、腕から逃げ出したが、リンにすぐに手を掴まれた。
はじめての街探索はそうして終わり、手を繋いだまま城へと戻った。
これがデートなら、会ったその日にAB的な……
あ、会ったその日にAなしのBCまでやったことある俺。
あー、これも死語……だろうな多分。
っていうか、久し振りにABCなんて思い出しちゃったよ。
異世界に来て、頭が活性化してるんだろうか。
感想 0

あなたにおすすめの小説

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

不思議の森の小さな家

エウラ
BL
ユーリは理由も分からず、一五年前、五歳の時に異世界に転移した。世間からは『聖域』と呼ばれるこの深い森に住んでいたハイエルフの青年エルリオに保護されて、魔法や錬金術を教わりながら暮らしていたが、ある理由で現在は一人暮らし。 森から出たことがないユーリはちょっと寂しいと思いながらものんびり過ごしていたが、ある日、行き倒れの冒険者を拾ってしまう。 彼はアイオンと名乗り、しばらくユーリの家に同居することになるのだが……。 R15。ハッピーエンド。 いつものように思いつきです。短編予定ですがたぶん不定期更新です。

Sランク宮廷魔術師、理不尽な理由でクビになったので田舎でスローライフ(農家)始めました

仁科異邦
ファンタジー
ざっくり言うと: 追放されても全然落ち込まない最強おじさんが、田舎で好き勝手やってたら村の柱になっていく話。 細かく言うと: 王立魔術師団の筆頭として十年間働いてきたSランク魔術師・ガイウス・ノア(32歳)は、次期国王を占う神託の儀式を執り行ったところ、まさかの自分の名前が出てしまう。 逆賊扱いで王都を追放されるが、本人はむしろホッとしていた。十年間、雑務と徹夜続きで好きなことを何もできなかったからだ。 財布の金貨を握りしめ、地図でいちばん何もなさそうな村——辺境の果てのエーデル村——を選んで移住を決意。幽霊が出ると噂の空き家を格安で借り、畑を耕し、ポーションを作り、夜は酒場でエールを一杯飲む。 夢のスローライフがついに始まった。 村人たちに正体を怪しまれつつも、 「俺はただの農家です」と言い張る日々が続く——。

過労で倒れかけの騎士団長を「カツ丼」で救ったら、なぜか溺愛され始めました。

水凪しおん
BL
王都の下町で、亡き両親が残した小さな食堂をたった一人で切り盛りする青年、ルカ。 孤独な日々の中で料理だけを生きがいにする彼の店に、ある冷たい雨の夜、全身を濡らし極限まで疲弊した若き騎士団長、レオンハルトが倒れ込むようにやってきた。 固形物さえ受け付けないほど疲労困憊の彼を救うため、ルカが工夫を凝らして生み出したのは、異世界の食材を組み合わせた黄金色の絶品料理「カツ丼」だった。 その圧倒的な美味しさと温もりに心身ともに救われたレオンハルトは、ルカの料理と彼自身に深く魅了され、足繁く店に通うようになる。 カツ丼の噂はまたたく間に王都の騎士たちや人々の間に広がり、食堂は大繁盛。 しかし、その人気を妬む大商会の悪意ある圧力がルカを襲う。 愛する人の居場所を守るため、レオンハルトは権力を振るって不正を暴き、ルカもまた自らの足で立つために「ルカ商会」を設立する決意を固める。 美味しいご飯が傷ついた心を癒やし、やがて二人の絆を「永遠の伴侶」へと変えていく。 胃袋から始まり、下町の小さな食堂から王都の食を支える大商会へと成り上がる、心温まる異世界お料理&溺愛ファンタジー!

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。