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のんびり高速移動旅
049、雨宿り 2(出来立て)。
奥に通じる通路も広めに作られているからと、ラウ達も一緒に進んでいく。
もし可動して離れ離れになるのは避けたかったのもある。
「ここってダンジョンだよな」
「だと思うが、なぜだろうな」
五分以上歩いているが、魔物一匹出てこない。
脇道もない、単なる通路をひたすら歩いていた。
「お前の魔除けチートってダンジョンでも有効だったりするのか?」
リンの魔力は、精霊の加護付きで魔物が避けて近付いてこないチート仕様だ。
「いやっそれはなかった。ダンジョンの魔物は、野生であって野生ではない特殊な生態だから、俺の魔力に逃げるとかないはずだが……一匹も出てこないな」
「まだ出来立てで、魔物の配置をまだしてないとか?」
「配置してないとか、お前のゲームじゃないんだからそれはないだろうよ」
「あるかもよー、今は通路とかを作ってる最中とかで、大まかな道を作ってから、次に部屋を作って……?」
真っ直ぐ歩いていた通路にザッと音がしたかと思ったら、横路が出来た。
しかも覗いてみると単なる何もない部屋。
「……そのようだな、じゃあ次はどうするんだ?」
「部屋を何個か作ったら、次に魔物の配置じゃないかと」
「なら、入り口で出来上がるのを待つか、先を急いでダンジョンマスターに出して貰えるように頼むのが得策だな、どっちにする?」
「もし俺なら、作るのにかなり時間かけるから、頼んだ方が早く出れると、思う」
リンはその回答を聞くとディラに騎乗し、俺も倣って騎乗し先を急いだ。
「途中過程見せたくないだろうに、入り口閉じちゃったのってなんでだろ?」
「それは本人に聞いた方が早いだろう」
「この先にいると思う?」
「分からないが、行くしかない、だろ?」
「だなっ」
しばらく通路を進んでいくと巨大な扉が聳え立っていた。
いかにもザ・ラスボス的な装飾された扉に、ワクワクしてしまうのはゲーム脳なせいだろう。
ラウから降りて扉の前に行き、触らないようにじっくりと眺める。
こういうのは触ってしまったら、エンカウントしてしまうのが多いので、バトル気がないなら触るなかれが基本。
「おおーっ!すげーっ、多分ダンマスはここを最初に作ったな、これはワクワクする」
「分かります~そうなんですよ~、ここに結構時間かけてしまって~」
「これとか、この先にドラゴンいるから気を付けろよってやつだろう、案外優しいな」
「そうですか~?そんな~優しいなんて~」
リンではない声と会話してしまっていることに気付き、声の方向を見るとブカブカよれよれローブを羽織ったボサボサの長めの真っ赤な髪色のニコニコ顔の少年のような人がいた。
突然の赤髪の登場に、すでにリンが俺と赤髪の間に入っていて、剣を出さずにいたが警戒心はありありと醸し出していた。
「誰?あっここのダンマス?」
「はじめまして~っ、ここのダンジョンマスターすることになりました~、クエントです~。よろしくお願いします~勇聖者のリン様と聖女のコウタ様、それに~っ従魔の皆様ぁ」
「なぜ知ってる?」
「ダンマスだぞ、そりゃあ知ってるって」
「そうなんですよ~、ダンマスですので~」
「そうなのか?」
「だってダンマスだぞ!」「ダンマスですから~」
そう言ってもリンは頭を捻るばかりで、その姿にダンマスの役割を知らないと気が付いた。
「もしかしてダンマスのことって知らない?」
「いるのは知ってるが、何をしているのかは知らない」
「おおっ、そっか、そうだよな。簡単に言うとだな、ここはこいつ「クエントです~」……クエントの腹の中?みたいな頭の中というか、まあこの中でこいつに「クエントです~」……クエントに知らないことはないんだよ、だよな?」
名前を言ってほしいようで、一々ちゃちゃを入れてくる。
「言い得て妙ですね~。そうなんです~このダンジョンの中で知らないことはないんですよ~。入ってきた者のことも分かってしまうんですよ~」
「そうだったのか?」
「まあ、出入りの激しいダンジョンだったら、わざわざ入ってきたやつのことなんて見ないだろうけど、ここは出来立ての初侵入者だから見たんだろ、んでステータス見て面白そうだから閉めちゃった的な?」
「あら~よくお分かりで~。そうなんですよ~、正式稼働してたら話すのはご法度なんですけど、ここはまだですし、最後に会話するのに素晴らしい方々が訪れたので招き入れてしまいました~」
クエントは、ニコニコ顔で言うが内容的には重くて驚いた。
「まじ?最後になんの?」
「じゃないですかね~」
「ここで死にそうになったやつとか招き入れたりしないの?」
「そこまで知っているんですか~、それはやろうと思えば出来ますけど~そこまで高度なダンジョンにはしたくないんですよね~」
「だから、コレでコレか!」
ラスボスの扉には、この先にはドラゴンが出るぞと思わせるようなレリーフが描かれている。
しかも、端にはドラゴンの弱点は水だと考えれば分かるようなものも書かれている。
「あら~これは分かり過ぎですかね~」
「これは分かり過ぎだろ、あれかっ死なせたくない系?」
「凄いですね~聖女様ってなんでもわかってしまうんですね~」
「いや、俺の場合はちょっと違う。もうちょっと見ていいぞ」
多分、こいつは名前と肩書きしか見てない、そんな気がする。
「そうですか~あらら~異世界人でしたか~しかも日本人~なら知ってますね~。僕もですよ~」
「転生?」
「そう~もうこちらの世界に来て何百年とか経ってて、あっちのことは大分忘れてますけど~」
「……もしかして、このドラゴンお前?」
レリーフのドラゴンを指差して言うと、ニコニコ顔が目を見開き、驚きの表情に変わる。
「バレちった?」
語尾を伸ばしていたのも消え、少し高めな声音だったのが少し低温気味な声音に変わる。
分かっていたが、キャラも作っていたようだ。
「なんとなく、だってこの世界での最高年齢って三百ちょいだっけ?でも何百年ってことはそれ以上生きてるしょっ、それにその赤い髪で、このドラゴンの弱点が水ってことはお前かなぁっと」
「まあ、あっちの人ならバレバレか」
そう呟くとボサボサの髪をボリボリ掻いた。
ちなみにリンはずっと俺とクエントの間で警戒してたが、クエントの正体が分かると、俺に少し離れろとジェスチャーしてきた。
「大丈夫だと思うぞ、こいつ根っからの悪人とかになれそうにないから」
「うわーっ、なんなんお前?」
「平成最後の平成31年から来た、立花幸多ってんだ。こっちではセイジョとして召喚された」
「えっ?平成最後?死んだ?」
「いやいや、歳だから引退したいってよ、確か85とかだったし。でも新しい年号聞く前にこっちに来たから新しい年号知らねーの」
「まじでー、結構あの人の笑顔好きだったのにー、なんかショックだわー、いやっ生きてっからそれはそれでいっか、ってことはお疲れ様ってやつ?」
「そうそう、お疲れ様なやつ」
そのフランクな謎の会話内容に、リンはようやく警戒を解いた。
「んっ?ってことは12月23日のイブイブ休日なくなる?」
「知らんし、ってかイブイブ休日とかいらねぇ」
「おっ、同士」
「お前もか」
ドラゴンで人型でダンマスの友人が出来た瞬間である。
もし可動して離れ離れになるのは避けたかったのもある。
「ここってダンジョンだよな」
「だと思うが、なぜだろうな」
五分以上歩いているが、魔物一匹出てこない。
脇道もない、単なる通路をひたすら歩いていた。
「お前の魔除けチートってダンジョンでも有効だったりするのか?」
リンの魔力は、精霊の加護付きで魔物が避けて近付いてこないチート仕様だ。
「いやっそれはなかった。ダンジョンの魔物は、野生であって野生ではない特殊な生態だから、俺の魔力に逃げるとかないはずだが……一匹も出てこないな」
「まだ出来立てで、魔物の配置をまだしてないとか?」
「配置してないとか、お前のゲームじゃないんだからそれはないだろうよ」
「あるかもよー、今は通路とかを作ってる最中とかで、大まかな道を作ってから、次に部屋を作って……?」
真っ直ぐ歩いていた通路にザッと音がしたかと思ったら、横路が出来た。
しかも覗いてみると単なる何もない部屋。
「……そのようだな、じゃあ次はどうするんだ?」
「部屋を何個か作ったら、次に魔物の配置じゃないかと」
「なら、入り口で出来上がるのを待つか、先を急いでダンジョンマスターに出して貰えるように頼むのが得策だな、どっちにする?」
「もし俺なら、作るのにかなり時間かけるから、頼んだ方が早く出れると、思う」
リンはその回答を聞くとディラに騎乗し、俺も倣って騎乗し先を急いだ。
「途中過程見せたくないだろうに、入り口閉じちゃったのってなんでだろ?」
「それは本人に聞いた方が早いだろう」
「この先にいると思う?」
「分からないが、行くしかない、だろ?」
「だなっ」
しばらく通路を進んでいくと巨大な扉が聳え立っていた。
いかにもザ・ラスボス的な装飾された扉に、ワクワクしてしまうのはゲーム脳なせいだろう。
ラウから降りて扉の前に行き、触らないようにじっくりと眺める。
こういうのは触ってしまったら、エンカウントしてしまうのが多いので、バトル気がないなら触るなかれが基本。
「おおーっ!すげーっ、多分ダンマスはここを最初に作ったな、これはワクワクする」
「分かります~そうなんですよ~、ここに結構時間かけてしまって~」
「これとか、この先にドラゴンいるから気を付けろよってやつだろう、案外優しいな」
「そうですか~?そんな~優しいなんて~」
リンではない声と会話してしまっていることに気付き、声の方向を見るとブカブカよれよれローブを羽織ったボサボサの長めの真っ赤な髪色のニコニコ顔の少年のような人がいた。
突然の赤髪の登場に、すでにリンが俺と赤髪の間に入っていて、剣を出さずにいたが警戒心はありありと醸し出していた。
「誰?あっここのダンマス?」
「はじめまして~っ、ここのダンジョンマスターすることになりました~、クエントです~。よろしくお願いします~勇聖者のリン様と聖女のコウタ様、それに~っ従魔の皆様ぁ」
「なぜ知ってる?」
「ダンマスだぞ、そりゃあ知ってるって」
「そうなんですよ~、ダンマスですので~」
「そうなのか?」
「だってダンマスだぞ!」「ダンマスですから~」
そう言ってもリンは頭を捻るばかりで、その姿にダンマスの役割を知らないと気が付いた。
「もしかしてダンマスのことって知らない?」
「いるのは知ってるが、何をしているのかは知らない」
「おおっ、そっか、そうだよな。簡単に言うとだな、ここはこいつ「クエントです~」……クエントの腹の中?みたいな頭の中というか、まあこの中でこいつに「クエントです~」……クエントに知らないことはないんだよ、だよな?」
名前を言ってほしいようで、一々ちゃちゃを入れてくる。
「言い得て妙ですね~。そうなんです~このダンジョンの中で知らないことはないんですよ~。入ってきた者のことも分かってしまうんですよ~」
「そうだったのか?」
「まあ、出入りの激しいダンジョンだったら、わざわざ入ってきたやつのことなんて見ないだろうけど、ここは出来立ての初侵入者だから見たんだろ、んでステータス見て面白そうだから閉めちゃった的な?」
「あら~よくお分かりで~。そうなんですよ~、正式稼働してたら話すのはご法度なんですけど、ここはまだですし、最後に会話するのに素晴らしい方々が訪れたので招き入れてしまいました~」
クエントは、ニコニコ顔で言うが内容的には重くて驚いた。
「まじ?最後になんの?」
「じゃないですかね~」
「ここで死にそうになったやつとか招き入れたりしないの?」
「そこまで知っているんですか~、それはやろうと思えば出来ますけど~そこまで高度なダンジョンにはしたくないんですよね~」
「だから、コレでコレか!」
ラスボスの扉には、この先にはドラゴンが出るぞと思わせるようなレリーフが描かれている。
しかも、端にはドラゴンの弱点は水だと考えれば分かるようなものも書かれている。
「あら~これは分かり過ぎですかね~」
「これは分かり過ぎだろ、あれかっ死なせたくない系?」
「凄いですね~聖女様ってなんでもわかってしまうんですね~」
「いや、俺の場合はちょっと違う。もうちょっと見ていいぞ」
多分、こいつは名前と肩書きしか見てない、そんな気がする。
「そうですか~あらら~異世界人でしたか~しかも日本人~なら知ってますね~。僕もですよ~」
「転生?」
「そう~もうこちらの世界に来て何百年とか経ってて、あっちのことは大分忘れてますけど~」
「……もしかして、このドラゴンお前?」
レリーフのドラゴンを指差して言うと、ニコニコ顔が目を見開き、驚きの表情に変わる。
「バレちった?」
語尾を伸ばしていたのも消え、少し高めな声音だったのが少し低温気味な声音に変わる。
分かっていたが、キャラも作っていたようだ。
「なんとなく、だってこの世界での最高年齢って三百ちょいだっけ?でも何百年ってことはそれ以上生きてるしょっ、それにその赤い髪で、このドラゴンの弱点が水ってことはお前かなぁっと」
「まあ、あっちの人ならバレバレか」
そう呟くとボサボサの髪をボリボリ掻いた。
ちなみにリンはずっと俺とクエントの間で警戒してたが、クエントの正体が分かると、俺に少し離れろとジェスチャーしてきた。
「大丈夫だと思うぞ、こいつ根っからの悪人とかになれそうにないから」
「うわーっ、なんなんお前?」
「平成最後の平成31年から来た、立花幸多ってんだ。こっちではセイジョとして召喚された」
「えっ?平成最後?死んだ?」
「いやいや、歳だから引退したいってよ、確か85とかだったし。でも新しい年号聞く前にこっちに来たから新しい年号知らねーの」
「まじでー、結構あの人の笑顔好きだったのにー、なんかショックだわー、いやっ生きてっからそれはそれでいっか、ってことはお疲れ様ってやつ?」
「そうそう、お疲れ様なやつ」
そのフランクな謎の会話内容に、リンはようやく警戒を解いた。
「んっ?ってことは12月23日のイブイブ休日なくなる?」
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