俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

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のんびり高速移動旅

056、過去を思い出す。

走ってると暇なのか頭の中で色々と考える。

ドラゴンボー○の話をしたからか、ふっと学生時代を思い出した。
高校の時にはもうドラゴンボー○は連載してなかったが、繋りってやつだろう。
高校の時には、友人四人と週刊誌の回し読みしていた。
俺はマガジ○買い担当、担当になると回し終わったら貰えるからやってた。
金はヒガが毎週集め、買い担当に渡していた。
あいつらも今どうしてんだろう。
ヒガとチバと……やべっ、他のやつの名前出てこねえし。
ユウはいたな、あとはあの細目の……ダメだ出てこねえ。あの細目の顔は出てくるんだが、名前がさっぱり、すまねぇ。
高校卒業して暫く経った頃、五人で集まってキャンプと決まっていた前日とかに、階段から落ちてビーサン履きで出てた足の甲を八針縫う怪我して、松葉杖なしじゃ歩けなくなり、メールとかでドタキャンした。
その後も松葉杖の生活とかでバタバタで、こっちから連絡とかしなくて、いつの間にか連絡することすら忘れ、そして連絡付かなくなった。
あれは、俺が悪かったから仕方がない。
ヒガはたまにふっと思い出す。
漫画好きであいつの家に、たまに行っては漫画読んでた。
友人宅に泊ったのは、あいつの家が初めて。
ダベって漫画読んでと、まったり過ごした記憶がある。
あいつは頭がいいし、無遅刻無欠席の皆勤狙いしたりと、その後の大学入学時の為に頑張っていたヤツだった。
俺は、卒業文集の中のアンケートで、授業中に寝てるやつ、卒業後に連絡取れなくなりそうな奴クラスNo.1を頂いた。
結果、その通りになったのだから、クラスの評価は当たってた訳だ。
だが、ヒガとは合ったと思う、もしかしたらあいつが合わせてくれてたのかもしれないが。
ばあちゃん家に住んでて、母ちゃんは近くの男の家に住んでるとかで、微妙で複雑だと思ったが突っ込んでは聞かなかった。
あっ、父ちゃんの名字がヒガだ、沖縄出身だ。
離婚してなくて、別居してるとか、複雑感が増した記憶ある。
あいつの母ちゃんのやってる?男がやってる?忘れたが、あの一回行っただけのうろ覚えの居酒屋に行けば、会えたりしたんだろうか。
って、何でこっちに来てから、あっちのことをよく思い出すんだろうか、すぐに行けないのに。
みな、元気でいっかな。
あいつらがいたから、特にヒガがいたから高校通ったもんだ。
懐かしいな、バイト禁止なのにバイトしまくった高校時代。
バイト先のコンビニ、何年後かに前を通ったら潰れてた。

中学は、ただただ時間を潰していた気がする。
家の中が汚さとかではない、ぐちゃぐちゃだったから、なるべく遅く帰るようにしたが、遅過ぎるとそれもまた面倒で、適度な時間まで適当に潰してた。
と言っても、ワルになるには器量も度胸も足りないから、図書館などで時間潰してた。
そんな俺の中で中学で一番残ってる記憶がある。
それは、先公の口臭にキレて、その後の休み時間に壁殴った記憶。
多分中一ではないはず、二か三のどっちか。
生徒の近くを回る先公で、その日は特に臭くて、なのに俺の前に止まり話し出して、虫の居所が悪かったのかもしれないが、なぜかキレた。
一発殴ったらスッキリして、席に着いたら友人にどうした?って聞かれて、ババアの臭さに何かイライラしてやっちまった、って言ったら、納得されたのを覚えてる。
ちょうど柱の部分で、穴は開かなくて済んだが、キレてたからか痛みはなかったが、右の人差し指の骨がずれたようで、拳の形が左右で違くなった。
なぜかその後、廊下の壁に二ヵ所ほど穴が開いてるのを見たことあるが、俺のせい?なんて思ったり。
比較的に悪中ではなかったから、遊んでとかのやつだろうと思うことにした。
友人は何人かいたが、そいつらともさっぱり。

小中高とイジメの対象ではなかったのは良かった。
家の中があれで、学校でイジメとかあったのなら、おじさんの言葉を無視して、死んでいたかもしれない。
比較的、中高は友人に恵まれていたと思う。
いや、友人以外は恵まれてなかったとも言える。
モブ系?で、馬鹿騒ぎするでもなく、のんびり過ごす系の友人達だった。
彼らがいなかったら、どうなっていたんだろうか。
でも、そんな友人達と連絡を怠ったのは自分だ。
今だからこそ思う。
なぜ、あのときに連絡をしなかったのだろうかと。
彼らと話がしたくなった。
あの時、ありがとうと。
お前らがいたから俺は、あの時期を無事に過ごすことが出来たと。
仕事が終わり、家にいれば見るでもなくテレビを点け、スマホでゲームをしたりと、一日を過ごすだけの毎日で、そんなこと思いもしなかった。

その日の夜、リンに求められた後。
イムリンのお掃除タイムを眺めながら、日中移動時にそんなことを考えたのだとリンに言ったら、抱き締められた。
「なに?」
「そんなことを考えてくれるのは嬉しいが、複雑だな」
「なにが?」
「コウの魅力が増す」
「訳わからん」
「出会った頃よりも素敵になっていく」
「なってない」
「いや、過去を切り捨ててきた前のコウよりも、過去の友人達に感謝を述べる今のコウの方が素敵だ」
「お前の思考回路どうなってる?」
「コウでいっぱいだよ」
「……寝よ寝よ」
「コウ、もう一度抱きたいのだがダメだろうか?」
そんなことを言われ、チラリと目を薄く開けると熱い目が俺を見ている。
一瞬色々と考えてから、手を伸ばすと、リンの背景に花が咲いたような笑顔。
熱い口付けが降りてきて、すぐに俺も熱くなる。
求められていることは、嬉しい。
誰にもこんな風に求められたことなどないのだから、余計に。
その後、またイムリンのお掃除タイムになった。
うちのイムリン働き者!

「人と抱き合うと言うことは、そんなにもいいものなのだろうか?」
タシュワ湖の中心でそう呟いたキュリアンリサエルは、己の下半身を見下ろした。
そこには、一度も活用されていない男性器と女性器、それに肛門がある。
男性でもあり、女性でもあるキュリアンリサエルには生殖器官はある。
そして、そのどれも出すことも消すことも可能。
飲まなくても食べなくても、ただ見守るだけのキュリアンリサエルにその排出器官は不要だが、ある。
毎日のように抱き合う二人を見ていると、今までは思わなかったことも思うようになっていく。
「これを触れば立つのか?」
今までの聖地巡行とは違い、スライムの観察も合わせ、常に見るようになった。
そして、ほぼ毎日AVを見せられている、そうすると今までなかった興味という一欠けらが沸いてきた。
だが、まだそこには手を付けるには至らない。
欲情という感情を理解するまでの心はまだ育っていない。
「うーん、分からぬな」
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