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のんびり高速移動旅
058、岩と雑草 2(初ドワ)。
穴に近寄ろうとしたその時、ピーッと笛のような音がして、その方向を見ると、先の小高い丘から赤い旗を振るのが見えた。
そして、烏のような鳥がこちらに向かってきた。
近くに来たら完全に烏にしか見えない鳥は、近くに着地し、トコトコと跳ねるように歩き近付いてきた。
「烏?」
「クロドリと言って、偵察等によく使われる従魔だ。手紙を足に巻いているな」
そのままの名称に驚いてしまうが、黒くて偵察にはもってこいで、確か烏は頭のいい鳥なはずだから、まさに適材適所。
「『危ないから、離れろ』とだけ書かれているよ」
「見付かっちゃったから、降りるのは一先ず置いといて、会いに行くか」
「んっ?会いに行くのか?」
「ここの人ってことだろう、なら鍾乳洞の正式な入り口知ってそうじゃん。初めてのロープ降りとかしなくて済みそうじゃん」
「なるほど、そうだな、会いに行こう」
穴から離れ、乗馬すると丘を目指して、また慎重に歩いた。
穴に注意しながら、丘へと向かうとザ・ドワーフが待っていた。
「こんな所に何しに来た?」
「少し急いでいたので、地図上で直線を走っていたら、ここに通りかかってしまったんだ」
一見背の低い小太りのようにも見える、筋肉粒々のザ・ドワーフに俺はワクワクしてしまう。
だが、年齢不詳にさせる髭もじゃではなく、顔回りはスッキリとして、比較的に若そうに見えるが、しかしドワーフ。
ハイエルフの次に長寿なので、そこは聞かないとさっぱり。
「無茶する、ここは地元の奴でも滅多に来ない場所だ」
「地図には載ってなかったんだ」
「ああ、昔はここはこんなんじゃなくて、森の一部だったからな、ドラゴンの炎で焼けてから、木々は育たなくなったし、人も寄り付かなくなった、地図の改定もろくに行われていないからな」
ドラゴンと言われるとクエントを思い出すのは安直なのだが、あの赤いドラゴン姿のクエントがここを焼いているのを想像したら笑ってしまった。
「んっ?いきなり笑ってどうした?」
「クエントがここを焼いてるのを想像しちまった」
「どうしてクエントだと知ってる?」
リンに、聞かれて答えたら、少し大きな声でそう言われ、ドワーフを見ると、驚いた顔でこちらを見ている。
「マジあいつなん?知り合いだから、想像しやすくて、しただけなのに」
「クエントと知り合い?」
「あっ、えーっと……」
またやっちまったとリンを見ると、もう俺のやっちまったには慣れた様子で、笑みで返された。
「あなたもクエントを知ってるのだな」
「……ああ」
「なら、あのドラゴンは友好的なのは知ってるか?」
「友好的か、そうだな。アイツはいい奴だ。ここを悪魔の住む草原に変えてくれたんだ」
「んっ?変えてくれた?」
「ああ、話すと長くなる、作業してもいいか?」
「ああ、かまわない」
「手伝うことあるなら、手伝うぞ」
「なら、この薬草がそこに生えてるから、優しく引っ張れば根から全て抜けるから抜いてくれ、根が必要だから優しくな」
「はぃよー」
三人でしゃがんで薬草を引っ張る合間に、ドワーフが話し出した。
ここが森だった頃、森としては魔物も少なくて薬草や木の実が豊富で良かったんだが、たまに人がいなくなる魔の森でもあったんだ。
今思えば、穴に落ちたんだと分かるが、その頃はそれが分からなかった。
日頃の採集は、必ず二人以上で来るように言われていた位の場所だが、肝試しや度胸試しの場にもよく使われていて、俺もよく参加していた。
ある時、度胸試ししていたら、俺は穴に落ちてしまったんだ。
落ちた時に頭でもぶつけたんだろう、気を失っていて、起きたら真っ赤なドラゴンの腹の横だった。
驚いて逃げようとしたら、足も挫いていて痛みで倒れそうになった俺を、アイツの尻尾が支えてくれたりしてな。
俺の横には果物とかもあるし、しばらくかかったが、助けてくれたんだと分かったよ。
そうそう、俺を食うのかと聞けば首は振るし、果物や薪で焼いた肉を食う変なドラゴンで、話は出来なかったが、意志疎通は取れていたんだ。
クエントって名前もお遊びのように、首振りと頷きで聞いたんだ。
歩けるようになるまでの数日だったが、俺はクエントと色々話したよ。
って言っても俺が話すだけで、あっちは頷くとか首振るしかしなかったけどな。
その中で、この森のことも話した、よく人がいなくなる森だと、もっと見易い場所なら良かったのにとかも話したと思う。
俺がまともに歩けるようになって、穴を自分で登れるようになったから、クエントに礼を言って帰ろうとしたら、クエントは背中に乗らせてくれた。
あの時、背中に乗せるために咥えられたときには、やっぱり食うのかと思ったりしたっけ。
それで、礼を言って帰ったその日に、ここが焼けた。
それを偶然見た人は、赤いドラゴンが森を焼いていたと言っていたから、クエントだとすぐに分かったよ。
翌朝ここに来てみると、そこは焼け野原でもなかった。
白い岩肌に煤けた焦げカスが舞っているだけで、何もなくなっていた。
だけど、実を付けている木が二、三十本ほど、今までなかった場所に並んでいたから、それをあの手でやったのかと一人で笑ったよ。
誰に話しても信じてくれなくてな。
それもそうだろう、ドラゴンに食べられずに助けられた上に話したなんて、誰が信じる。
俺が頭を打ったせいで夢でも見たんだろうと言われたよ。
そのあと、森を焼き払ったドラゴンを討伐するなんて話にもなって、止めたんだが討伐隊も結成されてた。
でも、森の中じゃなくて、こんな見渡しのいい更地に真っ赤なドラゴンがいる訳じゃないから、すぐに解散したけどな。
それが俺とクエントの出会いだ。
そして、烏のような鳥がこちらに向かってきた。
近くに来たら完全に烏にしか見えない鳥は、近くに着地し、トコトコと跳ねるように歩き近付いてきた。
「烏?」
「クロドリと言って、偵察等によく使われる従魔だ。手紙を足に巻いているな」
そのままの名称に驚いてしまうが、黒くて偵察にはもってこいで、確か烏は頭のいい鳥なはずだから、まさに適材適所。
「『危ないから、離れろ』とだけ書かれているよ」
「見付かっちゃったから、降りるのは一先ず置いといて、会いに行くか」
「んっ?会いに行くのか?」
「ここの人ってことだろう、なら鍾乳洞の正式な入り口知ってそうじゃん。初めてのロープ降りとかしなくて済みそうじゃん」
「なるほど、そうだな、会いに行こう」
穴から離れ、乗馬すると丘を目指して、また慎重に歩いた。
穴に注意しながら、丘へと向かうとザ・ドワーフが待っていた。
「こんな所に何しに来た?」
「少し急いでいたので、地図上で直線を走っていたら、ここに通りかかってしまったんだ」
一見背の低い小太りのようにも見える、筋肉粒々のザ・ドワーフに俺はワクワクしてしまう。
だが、年齢不詳にさせる髭もじゃではなく、顔回りはスッキリとして、比較的に若そうに見えるが、しかしドワーフ。
ハイエルフの次に長寿なので、そこは聞かないとさっぱり。
「無茶する、ここは地元の奴でも滅多に来ない場所だ」
「地図には載ってなかったんだ」
「ああ、昔はここはこんなんじゃなくて、森の一部だったからな、ドラゴンの炎で焼けてから、木々は育たなくなったし、人も寄り付かなくなった、地図の改定もろくに行われていないからな」
ドラゴンと言われるとクエントを思い出すのは安直なのだが、あの赤いドラゴン姿のクエントがここを焼いているのを想像したら笑ってしまった。
「んっ?いきなり笑ってどうした?」
「クエントがここを焼いてるのを想像しちまった」
「どうしてクエントだと知ってる?」
リンに、聞かれて答えたら、少し大きな声でそう言われ、ドワーフを見ると、驚いた顔でこちらを見ている。
「マジあいつなん?知り合いだから、想像しやすくて、しただけなのに」
「クエントと知り合い?」
「あっ、えーっと……」
またやっちまったとリンを見ると、もう俺のやっちまったには慣れた様子で、笑みで返された。
「あなたもクエントを知ってるのだな」
「……ああ」
「なら、あのドラゴンは友好的なのは知ってるか?」
「友好的か、そうだな。アイツはいい奴だ。ここを悪魔の住む草原に変えてくれたんだ」
「んっ?変えてくれた?」
「ああ、話すと長くなる、作業してもいいか?」
「ああ、かまわない」
「手伝うことあるなら、手伝うぞ」
「なら、この薬草がそこに生えてるから、優しく引っ張れば根から全て抜けるから抜いてくれ、根が必要だから優しくな」
「はぃよー」
三人でしゃがんで薬草を引っ張る合間に、ドワーフが話し出した。
ここが森だった頃、森としては魔物も少なくて薬草や木の実が豊富で良かったんだが、たまに人がいなくなる魔の森でもあったんだ。
今思えば、穴に落ちたんだと分かるが、その頃はそれが分からなかった。
日頃の採集は、必ず二人以上で来るように言われていた位の場所だが、肝試しや度胸試しの場にもよく使われていて、俺もよく参加していた。
ある時、度胸試ししていたら、俺は穴に落ちてしまったんだ。
落ちた時に頭でもぶつけたんだろう、気を失っていて、起きたら真っ赤なドラゴンの腹の横だった。
驚いて逃げようとしたら、足も挫いていて痛みで倒れそうになった俺を、アイツの尻尾が支えてくれたりしてな。
俺の横には果物とかもあるし、しばらくかかったが、助けてくれたんだと分かったよ。
そうそう、俺を食うのかと聞けば首は振るし、果物や薪で焼いた肉を食う変なドラゴンで、話は出来なかったが、意志疎通は取れていたんだ。
クエントって名前もお遊びのように、首振りと頷きで聞いたんだ。
歩けるようになるまでの数日だったが、俺はクエントと色々話したよ。
って言っても俺が話すだけで、あっちは頷くとか首振るしかしなかったけどな。
その中で、この森のことも話した、よく人がいなくなる森だと、もっと見易い場所なら良かったのにとかも話したと思う。
俺がまともに歩けるようになって、穴を自分で登れるようになったから、クエントに礼を言って帰ろうとしたら、クエントは背中に乗らせてくれた。
あの時、背中に乗せるために咥えられたときには、やっぱり食うのかと思ったりしたっけ。
それで、礼を言って帰ったその日に、ここが焼けた。
それを偶然見た人は、赤いドラゴンが森を焼いていたと言っていたから、クエントだとすぐに分かったよ。
翌朝ここに来てみると、そこは焼け野原でもなかった。
白い岩肌に煤けた焦げカスが舞っているだけで、何もなくなっていた。
だけど、実を付けている木が二、三十本ほど、今までなかった場所に並んでいたから、それをあの手でやったのかと一人で笑ったよ。
誰に話しても信じてくれなくてな。
それもそうだろう、ドラゴンに食べられずに助けられた上に話したなんて、誰が信じる。
俺が頭を打ったせいで夢でも見たんだろうと言われたよ。
そのあと、森を焼き払ったドラゴンを討伐するなんて話にもなって、止めたんだが討伐隊も結成されてた。
でも、森の中じゃなくて、こんな見渡しのいい更地に真っ赤なドラゴンがいる訳じゃないから、すぐに解散したけどな。
それが俺とクエントの出会いだ。
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