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のんびり高速移動旅
067、岩と雑草 11(鍾乳洞観光)。
勇者二人の魔法に照らされた広い空間は、見たかった鍾乳洞の想像を越えて存在していた。
無数の鍾乳石と石筍、石柱が並ぶ巨大な空間。
テレビ画面越しに見た鍾乳洞よりも、圧倒される自然の芸術品。
「すげーっ」
「コウ、こっちに来てみろ」
「んっ?……うぉっ、ドラゴンがいるみてぇ」
リンに呼ばれて、リンの方に行くとゴツゴツとした壁から飛び出した鍾乳石から延びる石筍が、ドラゴンが噛み付かんばかりに大口を開けて牙を剥いているかのようにも見えた。
「ドラゴンか、俺にはシャンデリアのように見えるな」
「俺には逆にした剣山を張り付けたみたいに見える」
「こんな不揃いな剣山があるかよ」
「あ、華道の剣山じゃなくて、リアルな剣の方」
「そっち?ってか、そんなんこっちでもねぇだろう」
「作った。柄埋めて剣並べたら、こんな感じになる」
「……そんだけ、食ったんな」
「だって記憶戻ってない時だし、暇で何となく作ってみちゃった、えへっ」
「魔物なのにそんなんするってことは、あれか!自分ドラゴンらしくないって思ってたりした系?」
「そうそう、だから記憶が戻ってあっさり納得しちゃった」
「戻って良かったな。そのまんまだったなら何かしでかしてそう」
「戻る前から魔王にでもなる為かとか色々考えたりしたけど、魔王な性格でもないし、従えるとか従うとかも面倒だし。で、引きこもりドラゴンしてたんだけど、場所が悪かったのか、討伐やら征伐とかでちょいちょい来んの、溜まる溜まる」
「『元リーマン、レアドラゴンに転生したので魔王になります』も、なかなかいい感じだけどな」
「読み専だから、そんなん考えもしなかった」
「俺も読み専、けどタイトルは自由だし」
「……んっ?コウタは、あらすじの一文切り取りましたなタイトル嫌な方?」
「いや、好きだけど、裏切られるのが多々」
「そりゃそうだろ、俺は、書籍化済みものを読み漁ってたほうだったはず」
「冒険嫌い?」
「めんどくさがりなだけ、探すのも面倒じゃん」
「そりゃそうだ」
そんな二人だけにしか分からない会話をしていると、ジララからもういいか?と少しキツそうな声がした。
「あっ、キツ……大変なら消してぇ」
「そうさせてもらう…………リンは凄いな」
ジララが魔法を消すと、リンは少し光源を少しジララの方に移動させ、その光源を頼りにこちらに歩いてくるジララ。
「初めてでそれだけ出来るんだ、充分じゃないか?」
「魔力量の消費のことだ」
「やっぱり、留めるのは大変?」
「大変だ、魔法を維持するのに体力まで使うとは思わなかった。これは万人に無理な使い方だ、リンだから使えるのだろう」
「あらー。んっ?あっこれなら俺も出来んじゃね?」
「俺も少し考えていた。練習してみるか?ここでは壊しかねないから、上に戻って練習してみよう」
「やっと練習できるー」
「んっ?魔法チートなしなん?召喚系なのに?」
「こっちって魔法は精霊が制御してるらしいけど、俺にはいないから制御されなくて、チートはあれども魔法使用すんの危険で練習すら出来なかったんよ」
「へぇー、精霊が制御してんだ」
「魔物はそれも違うのね」
「魔物ですからー」
そんなことを話しながら鍾乳洞から出る、まだ見たいが気分は練習の方に移行しているからだ。
「奥の方に水溜まりとかあったけど、それは俺の魔法で見る。綺麗だろうなー」
それから地上に出て、光魔法の練習をしたら、とてつもなく巨大な光の玉を生み出すことは成功した。
夜が朝となりそうな光で、目を閉じても光による苦痛を強いられて、渋々諦めた。
結局リンの光魔法でもう一度鍾乳洞に潜った。
奥の空間には大きな水溜まりがあり、どこからか光が差し込んでいるのか、光り輝いても見える鮮やかな青色の水溜まりがあった。
しだれ桜に見える石筍には、どうやって咲いたのか、石で出来た桜の花のような塊が数えきれないほどあったりして、完全にしだれ桜にしか見えなくて、クエントと花見だなっと二人にしか分からないあの感覚を味わったりと、1日を鍾乳洞探索で潰した。
そして、行ける範囲までを探索し終わると、ジララが呟いた。
「地獄への入口の奥にこんな場所があるとはな」
ジララの呟きに見て良かっただろーっと何故か自慢げに言ってみると、ジララは苦笑しながら、ああ、と頷いた。
「俺らの世界では、これって観光資源の一つなんだよ、こっちでもこれを観光にしたら、いいと思うんだけどな、道の整備と明かりの確保が大変だけど」
「観光資源か、確かにこれはその価値はありそうだな。忌み嫌われていた場所にこんな不思議な空間があったなんて。今度、王にお伝えしてみよう」
その日もジララの家に泊まり、俺の魔法がおかしいことや、鍾乳洞の感想などと、朝の気不味い雰囲気の欠片も感じられないほど色々と談笑した。
リン一人、笑いながらとあることを心に決めていたことを知らずに。
エムテヒヤ国は、勇者を有する国というだけの周辺諸国と比較すると貧しい国だった。
だが、管理人付きの安全な『クエンティクトダンジョン』と『ジラエント鍾乳洞』という二つの集客資源により徐々に発達していくのは先の話。
二ヶ所の名前を決めたのは、コウタであることは、ダンジョン管理人の二人だけしか知らない。
実は、ジラエント鍾乳洞には暗いところを好む魔物が住み着いていたが、コウタが練習で出した光魔法が欠け、それが丁度穴に落ちた。
その光魔法は、鍾乳洞内をくまなく移動して、鍾乳洞内を浄化し、魔物を殲滅した上、奥深い水溜まりの奥に収まるようにハマった。
それがコウタが見た光輝く水溜まりなのだが、その時は誰も光魔法が消えずに残るなどと考えてもいなかったために、誰も知るよしもなかった。
それはコウタが場を去っても永久に消えずに、絶えず鍾乳洞内を浄化し続けた。
その為、魔物のいない唯一の鍾乳洞となり、のちにエムテヒヤ国の鍾乳洞を真似ようと諸国が鍾乳洞を探索したが、魔物の巣窟となっている為、どの国も鍾乳洞を観光地化することが出来なかったのは、更に先の話。
無数の鍾乳石と石筍、石柱が並ぶ巨大な空間。
テレビ画面越しに見た鍾乳洞よりも、圧倒される自然の芸術品。
「すげーっ」
「コウ、こっちに来てみろ」
「んっ?……うぉっ、ドラゴンがいるみてぇ」
リンに呼ばれて、リンの方に行くとゴツゴツとした壁から飛び出した鍾乳石から延びる石筍が、ドラゴンが噛み付かんばかりに大口を開けて牙を剥いているかのようにも見えた。
「ドラゴンか、俺にはシャンデリアのように見えるな」
「俺には逆にした剣山を張り付けたみたいに見える」
「こんな不揃いな剣山があるかよ」
「あ、華道の剣山じゃなくて、リアルな剣の方」
「そっち?ってか、そんなんこっちでもねぇだろう」
「作った。柄埋めて剣並べたら、こんな感じになる」
「……そんだけ、食ったんな」
「だって記憶戻ってない時だし、暇で何となく作ってみちゃった、えへっ」
「魔物なのにそんなんするってことは、あれか!自分ドラゴンらしくないって思ってたりした系?」
「そうそう、だから記憶が戻ってあっさり納得しちゃった」
「戻って良かったな。そのまんまだったなら何かしでかしてそう」
「戻る前から魔王にでもなる為かとか色々考えたりしたけど、魔王な性格でもないし、従えるとか従うとかも面倒だし。で、引きこもりドラゴンしてたんだけど、場所が悪かったのか、討伐やら征伐とかでちょいちょい来んの、溜まる溜まる」
「『元リーマン、レアドラゴンに転生したので魔王になります』も、なかなかいい感じだけどな」
「読み専だから、そんなん考えもしなかった」
「俺も読み専、けどタイトルは自由だし」
「……んっ?コウタは、あらすじの一文切り取りましたなタイトル嫌な方?」
「いや、好きだけど、裏切られるのが多々」
「そりゃそうだろ、俺は、書籍化済みものを読み漁ってたほうだったはず」
「冒険嫌い?」
「めんどくさがりなだけ、探すのも面倒じゃん」
「そりゃそうだ」
そんな二人だけにしか分からない会話をしていると、ジララからもういいか?と少しキツそうな声がした。
「あっ、キツ……大変なら消してぇ」
「そうさせてもらう…………リンは凄いな」
ジララが魔法を消すと、リンは少し光源を少しジララの方に移動させ、その光源を頼りにこちらに歩いてくるジララ。
「初めてでそれだけ出来るんだ、充分じゃないか?」
「魔力量の消費のことだ」
「やっぱり、留めるのは大変?」
「大変だ、魔法を維持するのに体力まで使うとは思わなかった。これは万人に無理な使い方だ、リンだから使えるのだろう」
「あらー。んっ?あっこれなら俺も出来んじゃね?」
「俺も少し考えていた。練習してみるか?ここでは壊しかねないから、上に戻って練習してみよう」
「やっと練習できるー」
「んっ?魔法チートなしなん?召喚系なのに?」
「こっちって魔法は精霊が制御してるらしいけど、俺にはいないから制御されなくて、チートはあれども魔法使用すんの危険で練習すら出来なかったんよ」
「へぇー、精霊が制御してんだ」
「魔物はそれも違うのね」
「魔物ですからー」
そんなことを話しながら鍾乳洞から出る、まだ見たいが気分は練習の方に移行しているからだ。
「奥の方に水溜まりとかあったけど、それは俺の魔法で見る。綺麗だろうなー」
それから地上に出て、光魔法の練習をしたら、とてつもなく巨大な光の玉を生み出すことは成功した。
夜が朝となりそうな光で、目を閉じても光による苦痛を強いられて、渋々諦めた。
結局リンの光魔法でもう一度鍾乳洞に潜った。
奥の空間には大きな水溜まりがあり、どこからか光が差し込んでいるのか、光り輝いても見える鮮やかな青色の水溜まりがあった。
しだれ桜に見える石筍には、どうやって咲いたのか、石で出来た桜の花のような塊が数えきれないほどあったりして、完全にしだれ桜にしか見えなくて、クエントと花見だなっと二人にしか分からないあの感覚を味わったりと、1日を鍾乳洞探索で潰した。
そして、行ける範囲までを探索し終わると、ジララが呟いた。
「地獄への入口の奥にこんな場所があるとはな」
ジララの呟きに見て良かっただろーっと何故か自慢げに言ってみると、ジララは苦笑しながら、ああ、と頷いた。
「俺らの世界では、これって観光資源の一つなんだよ、こっちでもこれを観光にしたら、いいと思うんだけどな、道の整備と明かりの確保が大変だけど」
「観光資源か、確かにこれはその価値はありそうだな。忌み嫌われていた場所にこんな不思議な空間があったなんて。今度、王にお伝えしてみよう」
その日もジララの家に泊まり、俺の魔法がおかしいことや、鍾乳洞の感想などと、朝の気不味い雰囲気の欠片も感じられないほど色々と談笑した。
リン一人、笑いながらとあることを心に決めていたことを知らずに。
エムテヒヤ国は、勇者を有する国というだけの周辺諸国と比較すると貧しい国だった。
だが、管理人付きの安全な『クエンティクトダンジョン』と『ジラエント鍾乳洞』という二つの集客資源により徐々に発達していくのは先の話。
二ヶ所の名前を決めたのは、コウタであることは、ダンジョン管理人の二人だけしか知らない。
実は、ジラエント鍾乳洞には暗いところを好む魔物が住み着いていたが、コウタが練習で出した光魔法が欠け、それが丁度穴に落ちた。
その光魔法は、鍾乳洞内をくまなく移動して、鍾乳洞内を浄化し、魔物を殲滅した上、奥深い水溜まりの奥に収まるようにハマった。
それがコウタが見た光輝く水溜まりなのだが、その時は誰も光魔法が消えずに残るなどと考えてもいなかったために、誰も知るよしもなかった。
それはコウタが場を去っても永久に消えずに、絶えず鍾乳洞内を浄化し続けた。
その為、魔物のいない唯一の鍾乳洞となり、のちにエムテヒヤ国の鍾乳洞を真似ようと諸国が鍾乳洞を探索したが、魔物の巣窟となっている為、どの国も鍾乳洞を観光地化することが出来なかったのは、更に先の話。
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