俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

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のんびり高速移動旅

090、サエランス 2(敬称)。

そんなことがあって、これからはペレパー売りを探さなくても良くなった。
今朝、ペレパー売りが新刊を持ってきた。
聖地巡礼の記事がある既刊ペレパーを全部というおまけ付きで。

「そういやぁ、ロスどん、太っ腹なのはいいけどさ、あれ全部読む?」
「いい暇潰しになるだろう。ちなみにそのロスどんの『どん』とは?」
「んっ?太っ腹だから『どん』を付けただけ。ロスっちの方がいい?」
「太っ腹だからどん?……呼び方はどちらでも構わないが、付けなければいけない言葉なのか?」
「おー、そっかれこっちにはそういうのもないか。えーっと小さい子とかには、『ちゃん』付けるだろ。目上の人には『さん』とか……お前、セミに『様』付けてたじゃん。あれの延長で脱線した敬称でいいのかな?まあ、所謂愛称、あだ名とかニックネームと言う。ちなみにお前の異名とはちょいと違うぞ」
「……名前に遊びが入ってるということだな」
「おう、それそれ、それでいい!○○っち、○○たん、○○りん、○○どん、とか色々付けんの」
「もしかして、イムも?」
「んっ?ある意味?いや、うーん、あれは……肖ったものな訳で、けどその元はどうなんだろ。うーん、愛称なんじゃない?」
「前に俺にリンリンとは言わないとか言っていたが、あれがそれに当たるわけだな」
「んなこと言った?言ったような言わないような……まあ、それだ」
「父親ではない、セミエール様を『とうちゃん』と呼ぶのは?」
「あれは、あだ名。異名に近いけどニックネームの部類かな」
「なるほど」
「ってことは、俺がとうちゃんって言ってたのを、何故?とか思いながらスルーしてた訳か」
「言うときにからかい混じりだったから、そういうのでからかっているんだろうと……言われてみれば、それはスルーしてた」
「スルーを使いこなしてんじゃん」
「もう一つ、太っ腹だから、どん、と付けるのは何故だ?それにペレパロスは痩せていたと思うが」
「あー、太っ腹は腹のことでもあるけど。えーっと、大昔って裕福なやつって腹がデカいのな。神様とか金太郎……はめんどいから排除。まあ、腹がデカいやつは、器量が大きいというイメージがあるのよ。そこから、太っ腹って、器がデカい、度量が広いとかのまとめたやつ。今は太っ腹の方がケチだったりするけど。その昔のイメージって教えた?……そのイメージのまま、器量がデカいのを太っ腹っていうのよ」
「太っ腹は、器量、度量が大きいというのは分かった。太っ腹な人に『どん』と付けるのはなぜかな?」
「えっ?そっち?あー、丼みたいにデカい器だから?……こんな時は……スマホー辞書ぉー」
某猫型ロボのように、抑揚を付けてすぐにスマホ辞書にて検索を始める。
手が止まりがちなコウの横で、リンがテキパキと出来上がった料理をテーブルにセッティグしていく。
リンの火の魔法で温めていたパンを、皿に乗せて切ると、ふわりと湯気が上がった。
「おおー、土佐弁の◯◯殿は『どん』言うんだって!だから、西郷どんとか、坂本どんっとか言ってたのか!あー、しかも、西郷どんは太っ腹な腹で、太っ腹な気質で、更に納得。あっ、土佐ってのは、昔の……」
そんな会話をしながら、セッティグが終わったローテーブルに着いて、夕食を始めた。
「今日も、うめー!!!」

椅子を出す手間を省いて、ダイニングテーブルの脚を斬り、ローテーブルを食卓にした。
丸かったら、This isちゃぶ台だが、長方形。
コウは家で、近くのホームセンターで買った安い一人用の脚が折り畳み出来るテーブルで、食事をしていた。
もちろん、そんな安物ではなく、一枚板のダイニングテーブルの脚を文字通り斬った、リンが。
コウの案に乗ったリンが、テーブルだけ買って、剣でサクッと斬っただけ。
斬った後がヤスリ要らずのスベスベ、微調整の必要なく、リンの剣術の凄さを知ることができた一コマ。

そんな素敵なテーブルで夕食を頂いた。
翌日もそのテーブルで朝食を食べ、ささっとランスに突入。
守護核が光ったら、リンの『お眠り』開始。
すぐにみなで聖地を出ると、次のランスへひた走った。

相変わらず、リンの行動が速すぎて『お眠り』で何してるのか、全く見えなくて、コウは次こそはっ、と思っていた。
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