俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

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のんびり高速移動旅

107、卵の管理 2(孫)

「ご存じでしたか」
「伴侶のお爺様が大賢者様と大魔法剣士だからな。聖女様、ようこそおいでくださいました。アフラスタ リフスナーと申します」
パカッとまた口が開いてしまった。
「あっ?えっ?」
「なるほど、そういうことでしたか。だからセミエール様がこちらに寄るようにと手紙に書いていたのですね」
「えっ、セミが?……えーっと……うーんと……ってことは、リンの隊長は、セミの孫の伴侶ってことだな……合ってる?」
「ああ、合ってるよ。隊長、彼は……」
「コウタだね。聞いてるよ。よく聖女を引き受けてくれましたね。本当にありがとう」
「あっ、いや、まあ」
脳内で地球外生命体の映画とサイボーグの映画が駆け巡った。
強いヒロインはまだまだいるが、あの二人を越えるのは俺の中ではまだいない。
ゾンビ映画のヒロインや、女性トレジャーハンター、刀を振り回した金髪ヒロイン等々、歴代の戦うヒロインの彼女らよりも、やはりあの二人だ。
その強すぎるヒロイン二人に似ていて、更に体格も凄い人に感謝されると、圧と重みが凄い。
「少し時間を貰ってもいいか?」
リンに視線が移り、ようやく肩から力が抜けた気がした。


教会の隣が自宅で、行くと他にも人がいた。
まずは隊長の旦那ではなく伴侶、セミの孫のミッツハリー(男)。
近くの村に住む、セミとアンの長女のイルクル。
その伴侶のマッツェイ(男)も、俺たちに挨拶に来ていた。
イルクルは、セミの若い女性版な顔で、中身はアンだから可愛いお婆ちゃん。
アンとセミの子供は親に似て、どうやってもお婆ちゃんに見えない。
ちなみにイルクル達には、五人の子がいて、四人に子供がいるから、確実にお婆ちゃんらしい。
ミッツハリーは末っ子、まだ子供はいない。
そんな四人に混ざり、お茶をしつつ、俺だけ少し緊張しながらも歓談していると、コンコンと戸がノックされた。
「はい」
「神父、お願いします」
「はいよ、すまないね。迷える者達が後をたたなくてね」
アフラスタが出ていくと、イルクルが重くため息を吐いたのでマッツェイが嗜めた。
「イル、コウタさん方がいるんだぞ」
「だってねぇー、コウタさんリンスラン様、聞いておくれよー。アフラスタが神父になってから、教会に来る人が増えたのさ。それはいいことよ。それだけアフラスタが皆の支えになってるのだから、でもね……」
「かあさん……」
ミッツハリーが止めようとするが、イルクルは止まらない。
「子供を作る暇がないのよ」
「んっ?」
聞けば、アフラスタが産休に入ることを良しとしない方々がいるとのこと。
神父は精霊から卵を預かる身、自身が妊娠するのなら、神父を辞めなければいけない風潮があるからだ。
「風潮ってことは、キマリじゃないんだろ、すればいいじゃん」
「そうだけどね」
イルクルがため息まじりに応えた。
「田舎では、風潮などの重みが違うのだよ」
そうリンに言われても、田舎に住んだことはないから、その感覚はさっぱり。
「ふーん、なら卵で産んじゃえば?」
「それも田舎では、女性なら腹で、とね」
イルクルは、大きなため息を吐きつつ応えた。

更に聞けば、アフラスタの両親が近くの村に住んでいるが、そこがまたド田舎、しかも両親は誰もが知る頑固者。
産むなら神父を辞めて腹で、と言っていたりしているらしい。
「……メンドッ……で、ミッツは子供欲しい?」
隊長よりも小柄なミッツハリーは、苦笑いのような寂しそうな顔で応えた。
「それはね……でも彼女の意思を尊重しなくてはね」
「でもそれって、隊長の意思じゃなくて、他の人の意思尊重だろ、それっておかしくないか?」
そう言った俺にリンを除いた皆が思案顔になった。

おしっ、ここでのキュピは、隊長とミッツはくっついてるから、その子供を二人にくっつけるキュピにする!
帰り際、そんな決意を語ると、リンがよろしく頼むと、珍しく言ってきた。
隊長には、語り尽くせぬほど世話になったからと。
いつもであれば、まだ移動時間だが、今日はここで宿を取って、作戦を練ることにした。
でも、どうするか。
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