俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

文字の大きさ
135 / 172
のんびり高速移動旅

135、テンプレ先の令嬢 15(相談)

ここで悪党登場するなら、超特急のほほんブラブラ旅じゃなくなりそうな……あれ?デビーズ?
ふっと、読んだ記憶が掠めて、ジンケットから溜め込んでいるペレパーをドサリと机に並べて、記憶と合わせる。
「コウ?」
「デビーズ?……んっ?あれ?」
少しの間、バサバサとペレパーを捲る音が部屋を満たす。
「……あった!デビーズって、正式にはデビー……ノクタマンスタイナーズじゃね?」
なんとか間違えずに名前を読み、その記事をユリルに突き付けると、ユリルが息を呑んだ。
「あっ!それ、それにその人、いつも仕事の時に頭からの伝言伝えてくれてた人」
そこには、2つの絵が書かれていた。
一つは、バツにSを横にしてぶっ刺したようなマークが書かれている絵。
もう一つは、目が閉じてるかのように細く、痩せた髪の長い人の肖像画。
「……極悪一味、デビーノクタマンスタイナーズの頭を逮捕?えっ?捕まった。頭?この人が?」
「名前なげーって思って覚えてたんだよ。これって、頭の名前そのものたから、通称デビーズって呼ばれるって、ほらここ」
『デビーノクタマンスタイナーズの頭、デビーノクタマン・スタイナーズを逮捕。デビーノクタマンスタイナーズ、通称デビーズは、約三年前、現アエモンクロ国勇者である、当時ハウスベルクス伯爵の反対派に依頼され……』
「なっ、デビーズだろ?……んっ?三年前?勇者?ハウスベルクス伯爵?あれ?これって?」
リンに、向くと少し驚いた顔をしていた。
「ライライナ、勇者になってたんだな。知らなかったよ。んっ?伯爵のことか?領主は大抵は伯爵の位だが、教えなかったか?」
聞いたような気もするが、位を持つ貴族なんかに会うことはないだろうと聞き流していた。
「さいでっか、えーっとまた今度詳しく、よろ」
「ああ、分かった。……さて、ユリル」
「あっ、はい」
「今後のことは、俺一人で決めるものではない。まずは……」
本当に今回はリンが活躍しまくった。
その後も、当事者達に説明したりと、色々と動いたリン。

俺はと言うと、任せたと部屋に戻り、ポェーっとしようと思っていた。
なのに、何故かの来客中。
目の前には、一人に戻った婚約者と近侍の二人。
「あの、貴方様が聖女様とライライナ様より伺いまして、ご相談に上がりました」
そう言えば、婚約者の声を聞いたのはこれが初めて。
「そう言われるの嫌だけど、そうみたい」
そして、俺個人相手に相談事なんてことも初めて、こっちに来てからホント初めてばっか。
「そうでしたか、失礼致しました。……あの……」
戸惑っているが、ここにいる時点で間違ってると思う。
「決めてることがあるなら、突き進めなよ。俺に聞くより本人に話したほうが早いと思うけど。それとも背中押されたいだけ?」
少し投げやりに言うと、婚約者はビクリッと肩を震わせ、近侍が俺をキッと目力を強く見た。
「多分、令嬢知ってぞ、お前らのこと」
婚約破棄された令嬢や伯爵ものは、漫画で読んだことある。
冒険モノの合間に、いろんなざまぁ系とか、紅生姜的な箸休めとして楽しんできた。
色々見たからこそ、他人の婚約者を横取りなんて、そんなのに加担する気はない。
ちなみに、普通の恋愛漫画や恋愛シュミレーションゲームはあまり好きではない。
と〇メモやほかにも何個かはやったことあるが、恋愛系やエロゲのフロ埋めスチ埋めは、飽きがきてしまう。
漫画でも、婚約破棄ざまぁとか、ざまぁが落ち着いたら見る気をなくすのは、そのあと破棄されたやつが誰かとくっつくからだろう。
推理ものや脱出系などのシュミレーションは好きな部類だから、基本恋愛要素が苦手なんだろう。

「はい。私達の心は決まっております。ですので、この度は私達ではなく、ライライナ様とツンディーレ様を仲立ちのお願いに来ました」
「はい……?」
これぞ肩透かし、思っていた内容とは違うことを言われ、毒気を抜かれた。
「これでも、ライライナ様がご自覚してない内に、私にお心を向けてもらえるよう努力してきました。結婚を先延ばしにしたのは、心無い政略結婚では、卵を授かる事もできないからです」
「えっ?自覚してない?」
「はい、あの方は他人の機微には鋭いのですが、ご自分のこととなると全く疎いのです。ご自分の目線が常にツンディーレ様に向かっていることを理解していないのです。しかも、しかもですよ、ライライナ様だけでなく、ツンディーレ様もなのです。相思相愛なのに、それを恋愛と認めないで、主従愛だと最早っ家族愛だと勘違い。何度も、申し上げたのです。でも、お二人共信じてくれないのですよっ、えっ……あっ、申し訳ありません」
話している内に熱量まで上がって、俺がタジっていると近侍が止めに入ってくれた。
「えーっと……あんたの話が本当なら、部屋の外にいる人を捕まえて聞いても、そう言うってことだな」
「家令のカリスファリア様以外なら間違いなく。あの方こそ、これこそが真の主従愛だと言って、聞き入れてくれない方です」
何故だが、カリーが両手を天に広げ、主従愛と言っている絵が脳内に湧いてきた。
感想 0

あなたにおすすめの小説

拝啓、目が覚めたらBLゲームの主人公だった件

碧月 晶
BL
さっきまでコンビニに向かっていたはずだったのに、何故か目が覚めたら病院にいた『俺』。 状況が分からず戸惑う『俺』は窓に映った自分の顔を見て驚いた。 「これ…俺、なのか?」 何故ならそこには、恐ろしく整った顔立ちの男が映っていたのだから。 《これは、現代魔法社会系BLゲームの主人公『石留 椿【いしどめ つばき】(16)』に転生しちゃった元平凡男子(享年18)が攻略対象たちと出会い、様々なイベントを経て『運命の相手』を見つけるまでの物語である──。》 ──────────── ~お知らせ~ ※第3話を少し修正しました。 ※第5話を少し修正しました。 ※第6話を少し修正しました。 ※第11話を少し修正しました。 ※第19話を少し修正しました。 ※第22話を少し修正しました。 ※第24話を少し修正しました。 ※第25話を少し修正しました。 ※第26話を少し修正しました。 ※第31話を少し修正しました。 ※第32話を少し修正しました。 ※第33話を少し修正しました。 ──────────── ※感想(一言だけでも構いません!)、いいね、お気に入り、近況ボードへのコメント、大歓迎です!! ※表紙絵は作者が生成AIで試しに作ってみたものです。

穏やかに生きたい(隠れ)夢魔の俺が、癖強イケメンたちに執着されてます。〜平穏な学園生活はどこにありますか?〜

春凪アラシ
BL
「平穏に生きたい」だけなのに、 癖強イケメンたちが俺を狙ってくるのは、なぜ!? トラブルを避ける為、夢魔の血を隠して学園生活を送るフレン(2年)。 彼は見た目は天使、でも本人はごく平凡に過ごしたい穏健派。
なのに、登校初日から出会ったのは最凶の邪竜後輩(1年)!? 
他にも幼馴染で完璧すぎる優等生騎士(3年)に、不良だけど面倒見のいい悪友ワーウルフ(同級生)まで……なぜか異種族イケメンたちが次々と接近してきて―― 運命の2人を繋ぐ「刻印制度」なんて知らない! 恋愛感情もまだわからない! 
それでも、騒がしい日々の中で、少しずつ何かが変わっていく。 個性バラバラな異種族イケメンたちに囲まれて、フレンの学園生活は今日も波乱の予感!? 
甘くて可笑しい、そして時々執着も見え隠れする 愛され体質な主人公の青春ファンタジー学園BLラブコメディ! 月、水、金、日曜日更新予定!(番外編は更新とは別枠で不定期更新) 基本的にフレン視点、他キャラ視点の話はside〇〇って表記にしてます!

不思議の森の小さな家

エウラ
BL
ユーリは理由も分からず、一五年前、五歳の時に異世界に転移した。世間からは『聖域』と呼ばれるこの深い森に住んでいたハイエルフの青年エルリオに保護されて、魔法や錬金術を教わりながら暮らしていたが、ある理由で現在は一人暮らし。 森から出たことがないユーリはちょっと寂しいと思いながらものんびり過ごしていたが、ある日、行き倒れの冒険者を拾ってしまう。 彼はアイオンと名乗り、しばらくユーリの家に同居することになるのだが……。 R15。ハッピーエンド。 いつものように思いつきです。短編予定ですがたぶん不定期更新です。

Sランク宮廷魔術師、理不尽な理由でクビになったので田舎でスローライフ(農家)始めました

仁科異邦
ファンタジー
ざっくり言うと: 追放されても全然落ち込まない最強おじさんが、田舎で好き勝手やってたら村の柱になっていく話。 細かく言うと: 王立魔術師団の筆頭として十年間働いてきたSランク魔術師・ガイウス・ノア(32歳)は、次期国王を占う神託の儀式を執り行ったところ、まさかの自分の名前が出てしまう。 逆賊扱いで王都を追放されるが、本人はむしろホッとしていた。十年間、雑務と徹夜続きで好きなことを何もできなかったからだ。 財布の金貨を握りしめ、地図でいちばん何もなさそうな村——辺境の果てのエーデル村——を選んで移住を決意。幽霊が出ると噂の空き家を格安で借り、畑を耕し、ポーションを作り、夜は酒場でエールを一杯飲む。 夢のスローライフがついに始まった。 村人たちに正体を怪しまれつつも、 「俺はただの農家です」と言い張る日々が続く——。

過労で倒れかけの騎士団長を「カツ丼」で救ったら、なぜか溺愛され始めました。

水凪しおん
BL
王都の下町で、亡き両親が残した小さな食堂をたった一人で切り盛りする青年、ルカ。 孤独な日々の中で料理だけを生きがいにする彼の店に、ある冷たい雨の夜、全身を濡らし極限まで疲弊した若き騎士団長、レオンハルトが倒れ込むようにやってきた。 固形物さえ受け付けないほど疲労困憊の彼を救うため、ルカが工夫を凝らして生み出したのは、異世界の食材を組み合わせた黄金色の絶品料理「カツ丼」だった。 その圧倒的な美味しさと温もりに心身ともに救われたレオンハルトは、ルカの料理と彼自身に深く魅了され、足繁く店に通うようになる。 カツ丼の噂はまたたく間に王都の騎士たちや人々の間に広がり、食堂は大繁盛。 しかし、その人気を妬む大商会の悪意ある圧力がルカを襲う。 愛する人の居場所を守るため、レオンハルトは権力を振るって不正を暴き、ルカもまた自らの足で立つために「ルカ商会」を設立する決意を固める。 美味しいご飯が傷ついた心を癒やし、やがて二人の絆を「永遠の伴侶」へと変えていく。 胃袋から始まり、下町の小さな食堂から王都の食を支える大商会へと成り上がる、心温まる異世界お料理&溺愛ファンタジー!

その首輪は、弟の牙でしか外せない。

ゆずまめ鯉
BL
養子ゆえに、王位継承権を持たないオメガで長男のレイン(24)は、国家騎士団として秘密裏に働き、ただ義弟たちを守るためだけに生きてきた。 第一継承権を持つアルファで次男のリオール(19)は、そんな兄に「ごく潰し」と陰口を叩く連中を許せなかった。自分を犠牲にしてまで守る価値はないと思っていた。なにかと怪我の多い国家騎士団を辞めさせたかった。 初めて訪れた発情期のとき。約束をすっぽかされたリオールが不審に思い、兄の部屋へ行くと、国家騎士団の同僚──グウェンソード(28)に押し倒されるところを目撃して激高する。 「今すぐ部屋から出ろ!」 独占欲をあらわにしたリオールは、グウェンソードを部屋から追い出し、兄であるレインを欲望のままに抱いた。 翌朝、差し出されたのは特注の首輪──外せるのはリオールのみ。 「俺以外に触らせるな」 そう囁かれたレインは、何年も首輪と弟の執着に縛られ続けてきた。 弟には婚約者がいるのに、こんな関係を続けてもいいのか。 本当にこのままでもいいのか。 ひたすら執着して独占したがる弟と、罪悪感に苛まれる兄。 その首輪は、いつか弟の牙で血に染まるのか──。 どうにかしてレインを落としたいリオールと、弟との関係に悩むレインのオメガバースです。 リオール・グランケット(19)×レイン・グランケット(24) ※この作品は2015年頃に本文を書き、2017年頃にオメガバースに改稿、さらに2026年に手直しした作品になります。読みにくいかもしれません。ご了承ください。 三人称ですが攻めだったり受けだったり視点がよくかわります。攻め視点多めです。

番に見つからない街で、子供を育てている

はちも
BL
目を覚ますと、腕の中には赤ん坊がいた。 異世界の青年ロアンとして目覚めた「俺」は、希少な男性オメガであり、子を産んだ母親だった。 現世の記憶は失われているが、 この子を守らなければならない、という想いだけははっきりと残っている。 街の人々に助けられ、魔石への魔力注入で生計を立てながら、 ロアンと息子カイルは、番のいない街で慎ましく暮らしていく。 だが、行方不明の番を探す噂が、静かに近づいていた。 再会は望まない。 今はただ、この子との生活を守りたい。 これは、番から逃げたオメガが、 選び直すまでの物語。 *本編完結しました

番を拒み続けるΩと、執着を隠しきれないαが同じ学園で再会したら逃げ場がなくなった話 ――優等生αの過保護な束縛は恋か支配か

雪兎
BL
第二性が存在する世界。 Ωであることを隠し、平穏な学園生活を送ろうと決めていた転校生・湊。 しかし入学初日、彼の前に現れたのは―― 幼い頃に「番になろう」と言ってきた幼馴染のα・蓮だった。 成績優秀、容姿端麗、生徒から絶大な信頼を集める完璧なα。 だが湊だけが知っている。 彼が異常なほど執着深いことを。 「大丈夫、全部管理してあげる」 「君が困らないようにしてるだけだよ」 座席、時間割、交友関係、体調管理。 いつの間にか整えられていく環境。 逃げ場のない距離。 番を拒みたいΩと、手放す気のないα。 これは保護か、それとも束縛か。 閉じた学園の中で、二人の関係は静かに歪み始める――。