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のんびり高速移動旅
137、テンプレ先の令嬢 17(解決)
「ツン、起立!聖女命令です!動かないように、分かった……よし。では、しっつれいしまーす」
立ち上がったツンに不動を約束させ、抱き締めると顔を近付けた。
「っ……、いやっ」
前のツンではなく、横からの悲鳴と一緒に、ドンッと何かが当たったが、聖女仕様で圧しか分からなかった。
ごめんよっと言ってから、ツンを離し、圧を仕掛けてきた令嬢を見ると、顔面蒼白。
「今のって魔法?俺、聖女だから、攻撃魔法とか全部無効らしいよ。傷一つ付かないんだって」
「あっ、わっわったくし、聖女様になんて、なんてことを……」
「見てー、見てくれるー、傷一つないから、そこはいいって。……いい?分かった?……俺はいいから、それじゃなくて、ツンがキスされて嫌だった?」
なんとか、魔法を放ったことは何ともないと無理やり納得させると、次へと移行。
「あっ、はい、はい、えっ、あのっ」
「はい、次!ツン、よく見ててね。次は確実にするからね!」
ツンから離れて、令嬢の元に行こうとすると、服を掴まれて、振り向くと苦虫を噛み潰したかのような表情のツンがいた。
「やめ、やめて……嫌です、お止め下さい、お願いします」
実は、さっきツンにキスをかましてない。
しようとした瞬間、リンが頭を過り、唇に到達する直前に止まりその時、魔法の圧を受けたから、キスしそびれた。
「どうして?ハッキリ言わないとしちゃうよ」
「……私のライライナ様に触れて欲しくないからです」
一瞬、躊躇したあと、絞り出した言葉に俺は満足した。
「私のかー、よし、よく言った!令嬢、聞いたね、令嬢はどう?……なんなら、ツンにもう一回したら分かる?」
多分、令嬢の位置からはしていたようにしか見えてないだろうと、もう一回と強調して言ってみる。
すると、令嬢が立ち上がるとツンを俺から離し、背中に隠した。
「お止め下さい。ディーは私だけのディーです。私以外が触れるのは我慢なりま……あっ……」
「うん、よく言った!はいっ解決!あとは、二人でよく話し合って。他は、解散!ほらー出るよー……あとは、お二人でごゆっくり」
二人の世界になってる二人を残して、他は部屋の外へと出た。
周りを見ると婚約者と近侍は安堵顔。
カリーは、なにやら思案顔。
宇宙人は、はてな顔。
リンは、無表情と様々な表情が並んでいる。
「えーっと、まずは、カリー。主従愛だと豪語してたかもしれないけど、それは間違いじゃない。単に主従愛を超えただけだから、主従関係よりも更に愛情が強くなっただけ。で、あの二人が結婚しても家令を続けるように。分かった?」
カンなのか、この後カリーが家令辞めそうって思ったから、そう言うと、カリーは目を少し潤ませ、腰を折った。
「はい、精選誠意、務めさせて頂きます」
「よし。うちゅー……えーっと、ユリルはカリーに任せた。もう悪さしないと思うから、普通に休ませて、明日また話そう」
「いいのか?」
「いいの!聖女のカンは当たるから。ってことで、解散!また明日ーっ」
俺が、歩き出すとリンが無言で付いて来る。
さて、どうしよう、怒られる??
部屋に入ると、リンがそのまま歩き椅子に腰掛けた。
いつもなら、お茶の用意をしてから座るから、確実に違うやつだ。
「えーっと、ツンとキスしてないぞ」
言い訳のようにそれが口から出てきた。
「知っている」
「傷とかもないぞ」
「ああ、それも知っている」
「なら、なんだ?」
「俺にあの役目をさせなかったことの意味を噛み締めている」
「んっ?なんだそれ?」
すると、無表情だったリンにとびっきりの笑みが出た。
「無意識になら、更に嬉しいよ」
訳が分からないが、リンが怒ってないならいいやっと安堵する。
「変なの。いつもの茶は?」
「ああ、今淹れるよ」
リンが立ち上がって、何時ものように動いたので俺は寛ぎモードで考えるのを止めた。
その後、二組のカップルが正式に出来上がった。
貴族なので、色々とあるらしいが、そこは聖女特権使おうと、そこの王様に一筆書いた。
『アエモンクロ国、国王へ
ランサーパルアロの俺が、この二組をくっつけたから、諸手続きとかなしにしてあげて。よろしく。
モロクエアンに幸多かれ』
王だけが知る、聖女と認識する為の名前を書いておけばいいはず。
ランサーパルは俺の聖女としての名前で、それに国名の前後の一文字のアロを付けてランサーパルアロ。
国が違えば名前の語尾が変わるから、聖女だと国王を騙そうとしても、それか判別材料になるらしい。
最後のモロクエアンは、アエモンクロのアナグラム。
聖女と認識させる為だからとセミに覚えて下さいっとメモさせられた。
絶対使うことはないと思ったが、使ったよ。
それで令嬢は片付き、次は宇宙人だと思ったら、そこは令嬢が解決すると言ってくれた。
なので、宇宙人は令嬢に預けた。
もし可能なら宇宙人の一族も令嬢の領地にと言ったら、聖女様のご要望なら喜んでっと快諾してくれた。
事後報告してもらえるように、リンの魔力を込めた石を令嬢の郵便鶏に渡した。
いつか、いい報告が聞けるはず。
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