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のんびり高速移動旅
089、サエランス 1(ペレパー)。
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「たらったったたた、たらったったたた、たらたったたー、たらたったったーら……」
いきなり歌い出した俺をリンがちらりと見て、すぐに調理を再開した。
「そこ、つっこみなしかいっ」
「またあちらの世界の音楽だろう」
「料理番組と言ったら、この曲みたいなやつ。うろ覚えだけどな。クエントだったら、ハントの肉焼きの曲になんだろうけど、あいつ元気にしてっかな?」
5日程走り、次の聖地サエランスに到着して、まずやったのが、魔王降臨はアウトなので、『お眠り(仮)』。
いまいち、良いのが浮かばなくて、(仮)な状況だが、いつかいいのをつけてやる!と思っている。
最終的に、リンがお眠り(仮)の最中、何をしているか、濁して教えてくれないのが悪いんだが、長旅中にたまにの秘密も有りちゃぁ有りな訳で。
次は見たるっ!と言っては、リンに変な言葉だと軽く笑われたりしながら、辿り着いたのがサエランス。
リサランス、サエランスと頭の二文字が人名っぽいから、ユリランス前のように、誰かをくっつけたりあるかと思ったが、何もなかった。
でも、鐘が鳴り響いたエリアで結婚式が急激に増えているとペレパーには書いていたから、そういうことなんだろう。
街に着いたらペレパーを買うことにしたが、小さな村や町にはペレパー売りがいないから、全部は買えていなかった。
だが、それも二日前に寄った街でどうにかなった。
ペレパーを買うのに並んで、ようやく順番になると、ペレパーの売り子が二匹になり、金の受け取りとペレパー渡しの分担制になっていたから、思わず口走った。
「二匹じゃん。良かったな。 あのフード、ちゃんと労働環境緩和してんじゃん、ホワイトで良かった良かった」
などと言ったら、金受け取りのペレパー売りが俺の顔をまじまじと見て、リンの顔もチラッと見た後、腹から手紙を出して、俺に差し出してきた。
「おっ、俺?」
「早く受け取れ、後ろに見られる」
「あっ、そっか、サンキュじゃなくて、ありがとな」
受け取った郵便鶏は、毛短毛の蝙蝠のようで折り畳み出来る羽の先に手が付いてる。
頭がペタのようなリス系なので、思わずなでなでしたら、気持ち良さそうに指にすりすりしてきた。
「こいつもかわぇー……あっ、ダメ?……じゃあなー」
その時、『ちっちっ』とペタの鳴き声がマントの中から聞こえた。
何となく、ダメ的な声に聞こえたので、手を引っ込めてペタを撫でながら、売り子から離れた。
「……お主が一番かわえぇぞぉ~」
とおべっか使いながら、撫でるとすぐに機嫌を直してくれたペタ。
結局、町中で肩乗りは目立ち過ぎるので、腰ベルトにイムリンをくっ付けた。
ウエストポーチのようにベルトにイムリンをくっつけた。
ナウシ○のユ○様のウエストポーチみたいに!
なんて色々とやっていたら、最初は上に乗っていたペタが俺の服やマントが当たるのを嫌がった。
そしたら、いつの間にかイムリンが変化して、鳥の巣のような形になり、その中にペタがぴったりサイズで収まっている。
イムリンがある意味進化した、なんて楽しんだ。
普段は、いつも通り大福なので、イムリンは大福形態がデフォなんだろう。
話はずれたが、その売り子が渡してきた手紙には、多分あのフードだろう、やつからの手紙だった。
『旅する貴方へ
貴方の案をそのまま使わせてもらった。
これで彼等の辛そうな姿を見ることはもうないだろう。
感謝する。
定期的に所望とあれば、配達したいと思うのだが、どうだろう。
所望というのであれば、お二人の内のどちらかの魔力の籠らせた石を売り子の近くに置いて欲しい。
販売中だとしても大丈夫だ、彼等は元郵便鶏、客に分からないうちに受け取ってくれる。
その時、小さな声で「アマカッパ」と言って欲しい。
それで彼等には分かるようにしてある。
ペレパロスより』
ペレパロス……って、ないんかい!って突っ込みは、クエントしか通じないので、いつかあいつに教えてやろう。
って言うか、アマカッパって、なんじゃいって突っ込みも分かるのはクエントだけだ、これもあいつに教えてやろう。
そんなんで、リンの魔力を籠めた石を売り子の近くに置く。
「アマカッパ」
と呟くと、置いた石が一瞬のうちにパッと消えた。
ペレパー売りを見ると、二匹ともそのままで、驚いているとリンが説明してくれた。
「手紙をくれた方の売り子が取りに来た。コウも気付かない程の速さだから、誰も気付いてないよ」
「見えたんか?」
「目はいい方でな」
「あー、同類」
「どういう意味だ?」
「消える」
「彼等よりは遅いぞ、俺は」
「……どっちにしろ、どうしたってずりー、俺もシュンッとかやってみてぇ」
などと、無いものねだりしながら、売り子達から離れた。
いきなり歌い出した俺をリンがちらりと見て、すぐに調理を再開した。
「そこ、つっこみなしかいっ」
「またあちらの世界の音楽だろう」
「料理番組と言ったら、この曲みたいなやつ。うろ覚えだけどな。クエントだったら、ハントの肉焼きの曲になんだろうけど、あいつ元気にしてっかな?」
5日程走り、次の聖地サエランスに到着して、まずやったのが、魔王降臨はアウトなので、『お眠り(仮)』。
いまいち、良いのが浮かばなくて、(仮)な状況だが、いつかいいのをつけてやる!と思っている。
最終的に、リンがお眠り(仮)の最中、何をしているか、濁して教えてくれないのが悪いんだが、長旅中にたまにの秘密も有りちゃぁ有りな訳で。
次は見たるっ!と言っては、リンに変な言葉だと軽く笑われたりしながら、辿り着いたのがサエランス。
リサランス、サエランスと頭の二文字が人名っぽいから、ユリランス前のように、誰かをくっつけたりあるかと思ったが、何もなかった。
でも、鐘が鳴り響いたエリアで結婚式が急激に増えているとペレパーには書いていたから、そういうことなんだろう。
街に着いたらペレパーを買うことにしたが、小さな村や町にはペレパー売りがいないから、全部は買えていなかった。
だが、それも二日前に寄った街でどうにかなった。
ペレパーを買うのに並んで、ようやく順番になると、ペレパーの売り子が二匹になり、金の受け取りとペレパー渡しの分担制になっていたから、思わず口走った。
「二匹じゃん。良かったな。 あのフード、ちゃんと労働環境緩和してんじゃん、ホワイトで良かった良かった」
などと言ったら、金受け取りのペレパー売りが俺の顔をまじまじと見て、リンの顔もチラッと見た後、腹から手紙を出して、俺に差し出してきた。
「おっ、俺?」
「早く受け取れ、後ろに見られる」
「あっ、そっか、サンキュじゃなくて、ありがとな」
受け取った郵便鶏は、毛短毛の蝙蝠のようで折り畳み出来る羽の先に手が付いてる。
頭がペタのようなリス系なので、思わずなでなでしたら、気持ち良さそうに指にすりすりしてきた。
「こいつもかわぇー……あっ、ダメ?……じゃあなー」
その時、『ちっちっ』とペタの鳴き声がマントの中から聞こえた。
何となく、ダメ的な声に聞こえたので、手を引っ込めてペタを撫でながら、売り子から離れた。
「……お主が一番かわえぇぞぉ~」
とおべっか使いながら、撫でるとすぐに機嫌を直してくれたペタ。
結局、町中で肩乗りは目立ち過ぎるので、腰ベルトにイムリンをくっ付けた。
ウエストポーチのようにベルトにイムリンをくっつけた。
ナウシ○のユ○様のウエストポーチみたいに!
なんて色々とやっていたら、最初は上に乗っていたペタが俺の服やマントが当たるのを嫌がった。
そしたら、いつの間にかイムリンが変化して、鳥の巣のような形になり、その中にペタがぴったりサイズで収まっている。
イムリンがある意味進化した、なんて楽しんだ。
普段は、いつも通り大福なので、イムリンは大福形態がデフォなんだろう。
話はずれたが、その売り子が渡してきた手紙には、多分あのフードだろう、やつからの手紙だった。
『旅する貴方へ
貴方の案をそのまま使わせてもらった。
これで彼等の辛そうな姿を見ることはもうないだろう。
感謝する。
定期的に所望とあれば、配達したいと思うのだが、どうだろう。
所望というのであれば、お二人の内のどちらかの魔力の籠らせた石を売り子の近くに置いて欲しい。
販売中だとしても大丈夫だ、彼等は元郵便鶏、客に分からないうちに受け取ってくれる。
その時、小さな声で「アマカッパ」と言って欲しい。
それで彼等には分かるようにしてある。
ペレパロスより』
ペレパロス……って、ないんかい!って突っ込みは、クエントしか通じないので、いつかあいつに教えてやろう。
って言うか、アマカッパって、なんじゃいって突っ込みも分かるのはクエントだけだ、これもあいつに教えてやろう。
そんなんで、リンの魔力を籠めた石を売り子の近くに置く。
「アマカッパ」
と呟くと、置いた石が一瞬のうちにパッと消えた。
ペレパー売りを見ると、二匹ともそのままで、驚いているとリンが説明してくれた。
「手紙をくれた方の売り子が取りに来た。コウも気付かない程の速さだから、誰も気付いてないよ」
「見えたんか?」
「目はいい方でな」
「あー、同類」
「どういう意味だ?」
「消える」
「彼等よりは遅いぞ、俺は」
「……どっちにしろ、どうしたってずりー、俺もシュンッとかやってみてぇ」
などと、無いものねだりしながら、売り子達から離れた。
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