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のんびり高速移動旅
115、卵の管理 10(二)
一通りの掃除を済ませ、話していたら、九刻の鐘が鳴った。
「さっきも言ったけど、この後、卵がどう渡るかも見てくから」
「そんなに確認しなくても大丈夫だよ、いきなり出ていけとは言わないよ」
ドアの外に人が来た気配がして、俺らは壁際に置かせて貰ったベンチに腰かけ、隊長は台座の後ろに回って親を出迎える。
一人一人が手水してから入るから、ちょっと待つ。
ドアから男女が、神妙な面持ちで現れた。
昨日の暇潰しの時に会った二人で、俺が手を振ると少し安心したような顔になった。
「ようこそ、いらっしゃいました。どうぞ、こちらへ」
「あっ、お願いします。えーっと、そちらにいる方にここに来るように言われて」
「あらっ、そうでしたか?」
「昨日、ぶらぶらしてる時に会ってね。なかなか妊娠できないと悩んでいるんだって、だからここに来ちゃえって言っておいた……んっ?」
「あらっ?」
俺と隊長だけが見えるキラキラとした輝きが、二人から伸びて、巣ではなく、その下に伸びている。
隊長が台座を開けて、中を覗くと一つの卵が輝いていた。
「……エルファン、あなたの親御さんがいらしたわよ」
エルファンと名前を付けていた卵を取り出した隊長は、戸惑う二人に大きく育った卵を見せると、二人は驚きの表情。
「あの、この卵は……」
「あなた達の卵よ。ずっと待っていたのよ。こんなに大きくなっても、ずっと……」
昨日、暇潰しで立ち寄った時にふっと二人の話が聞こえた。
また妊娠できなかったのだと、女性の方は泣くのを通り越して放心状態のよう。
男性の方も苦しそうな表情で、なぜか気になった。
そして、人生初の全く知らない人に、自分から話しかけるという奇跡を起こした。
教会に行けばっと言うと、男女の場合は卵を使わない妊娠が望ましいと家族や親戚が言うので、行けないっと、泣きそうになっていた。
そこで、親や親戚の為に産む訳じゃないじゃんと。
女性の体に問題がある時もあれば、男性の方の問題もあるのだと。
子供を妊娠や出産した後、そのせいで体を悪くしたりして、それで子供に八つ当たりする親もいる。
お腹を痛めずに、子供を授かることが出来る世界なのに、なぜそれを活用しないなどと。
色々と言ったら、俺の勢いに少し引きつつも、一度教会に行ってみると、重い腰を上げてくれた。
そして、それをそばで聞いていたもう一組も乗ってきた。
二組に、明日朝一で教会に行く用事あるから、明日教会に来れるかと聞いた。
すると、二組とも今日から明日まで休みだと。
なら、9刻に来てと言ったら、二組とも頷いてくれた。
ドアが開き、もう一組の男女も登場で、そちらにも手を振ると、少し安堵の表情。
よほど、男女で教会に来ることはいとわれてきたようだ。
「あらっこちらも……っ、今度はスニフ……」
もう一つの卵も輝き、入ってきた男女に手渡される。
「……この卵たちは、ずっとあなた方が来ることを待ってました。男女だからといって、卵で子供を授かってもいいのです。コウタさん、この方々の背を押して下さり、本当にありがとう……」
聞けば、一組目は二年前に結婚し、その頃、卵(エルファン)が出現したらしい。
二組目は五年前に結婚し、こちらに引っ越ししてきたらしい。
隊長がここで神父する前からあった卵(スニフ)の親だったのだ。
親、親戚に何を言われても、卵がずっと待ってくれたと言えば大丈夫だと、根拠のない後押しをした。
認めてくれなかったら、卵に触らせないと脅してしまえっと言うと、驚きながらも笑ってくれてた。
もう二組とも、アンとセミみたいな目で卵を見ている。
卵でもそこには生命があるのだ。
隊長に、一通りの注意事項などを聞き終えた二組は、卵を大事そうに抱え、帰路に着いた。
「……コウタ、改めてありがとう。実は、他の教会にも受け取りに来ていない卵はある。いつの間にか失くなったりする卵もあるみたいだけど……卵の保存はその神父たちに一任されていて、だから長い間来ない卵は……ね。でも、これで受け取りに来ない理由の一つが分かった。この事実は他の教会にも知らせないといけない」
「教会だけじゃ、情報の伝達が甘いから、ペレパーに活躍してもらおう……」
その時、ドアが動いた。
「さっきも言ったけど、この後、卵がどう渡るかも見てくから」
「そんなに確認しなくても大丈夫だよ、いきなり出ていけとは言わないよ」
ドアの外に人が来た気配がして、俺らは壁際に置かせて貰ったベンチに腰かけ、隊長は台座の後ろに回って親を出迎える。
一人一人が手水してから入るから、ちょっと待つ。
ドアから男女が、神妙な面持ちで現れた。
昨日の暇潰しの時に会った二人で、俺が手を振ると少し安心したような顔になった。
「ようこそ、いらっしゃいました。どうぞ、こちらへ」
「あっ、お願いします。えーっと、そちらにいる方にここに来るように言われて」
「あらっ、そうでしたか?」
「昨日、ぶらぶらしてる時に会ってね。なかなか妊娠できないと悩んでいるんだって、だからここに来ちゃえって言っておいた……んっ?」
「あらっ?」
俺と隊長だけが見えるキラキラとした輝きが、二人から伸びて、巣ではなく、その下に伸びている。
隊長が台座を開けて、中を覗くと一つの卵が輝いていた。
「……エルファン、あなたの親御さんがいらしたわよ」
エルファンと名前を付けていた卵を取り出した隊長は、戸惑う二人に大きく育った卵を見せると、二人は驚きの表情。
「あの、この卵は……」
「あなた達の卵よ。ずっと待っていたのよ。こんなに大きくなっても、ずっと……」
昨日、暇潰しで立ち寄った時にふっと二人の話が聞こえた。
また妊娠できなかったのだと、女性の方は泣くのを通り越して放心状態のよう。
男性の方も苦しそうな表情で、なぜか気になった。
そして、人生初の全く知らない人に、自分から話しかけるという奇跡を起こした。
教会に行けばっと言うと、男女の場合は卵を使わない妊娠が望ましいと家族や親戚が言うので、行けないっと、泣きそうになっていた。
そこで、親や親戚の為に産む訳じゃないじゃんと。
女性の体に問題がある時もあれば、男性の方の問題もあるのだと。
子供を妊娠や出産した後、そのせいで体を悪くしたりして、それで子供に八つ当たりする親もいる。
お腹を痛めずに、子供を授かることが出来る世界なのに、なぜそれを活用しないなどと。
色々と言ったら、俺の勢いに少し引きつつも、一度教会に行ってみると、重い腰を上げてくれた。
そして、それをそばで聞いていたもう一組も乗ってきた。
二組に、明日朝一で教会に行く用事あるから、明日教会に来れるかと聞いた。
すると、二組とも今日から明日まで休みだと。
なら、9刻に来てと言ったら、二組とも頷いてくれた。
ドアが開き、もう一組の男女も登場で、そちらにも手を振ると、少し安堵の表情。
よほど、男女で教会に来ることはいとわれてきたようだ。
「あらっこちらも……っ、今度はスニフ……」
もう一つの卵も輝き、入ってきた男女に手渡される。
「……この卵たちは、ずっとあなた方が来ることを待ってました。男女だからといって、卵で子供を授かってもいいのです。コウタさん、この方々の背を押して下さり、本当にありがとう……」
聞けば、一組目は二年前に結婚し、その頃、卵(エルファン)が出現したらしい。
二組目は五年前に結婚し、こちらに引っ越ししてきたらしい。
隊長がここで神父する前からあった卵(スニフ)の親だったのだ。
親、親戚に何を言われても、卵がずっと待ってくれたと言えば大丈夫だと、根拠のない後押しをした。
認めてくれなかったら、卵に触らせないと脅してしまえっと言うと、驚きながらも笑ってくれてた。
もう二組とも、アンとセミみたいな目で卵を見ている。
卵でもそこには生命があるのだ。
隊長に、一通りの注意事項などを聞き終えた二組は、卵を大事そうに抱え、帰路に着いた。
「……コウタ、改めてありがとう。実は、他の教会にも受け取りに来ていない卵はある。いつの間にか失くなったりする卵もあるみたいだけど……卵の保存はその神父たちに一任されていて、だから長い間来ない卵は……ね。でも、これで受け取りに来ない理由の一つが分かった。この事実は他の教会にも知らせないといけない」
「教会だけじゃ、情報の伝達が甘いから、ペレパーに活躍してもらおう……」
その時、ドアが動いた。
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