俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

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のんびり高速移動旅

119、口内洗浄して平和を語る 1

翌朝、いつもより早くに起きたリンスランは、ペレパレスへの手紙をしたため終えると、朝食を作り始めていた。
しばらくすると、身動ぎしたコウに気付いたリンが声をかける。
「コウ、おはよう」
「……んっ、はよっ。……イムリーン、よろぉ~」
コウタは、朝起きるとイムリンに顔を埋める。
ある時、試しで朝の洗顔をイムリンに任せてみたら、想像以上。
目やにやヨダレなども取って、油も毛穴の汚れも取ってくれっぞと、リンにもさせようとしていたりする程。
もしやと、口を開け、歯磨きまでさせようとした時は、リンが止めに入った。
後で隠れて試してみた結果、あり。
でも、マウスウォッシュしたようなスッキリ感はあるが、磨くという動作はない。
スッキリしてもスッキリしないという違和感を覚えて、歯磨きはその後、しっかりとすることにした。
使ったことのあるマウスウォッシュは、歯磨き前にするものだったから、それも違和感なかったりする。
なので、洗顔とマウスウォッシュをイムリンにさっとやってもらうと、顔を離し、伸びをしてから着替えた。
それから、テントを出て、ジンケットから歯磨きセットを取り出し、磨きに入る。

こちらの歯ブラシは、歯ブラシではなく、『歯みが木』で、木の実だ。
地球のどこかの国は、未だに木の枝で歯みがきしているのを、テレビで見たこともあった。
この世界には、地球にはない『歯みが木』という木がある。
まだ図鑑でしか見ていないが、見た目は藤の木みたいな木。
その先端の蔓に花が咲き、咲き終わると木の実を付ける。
細長いそら豆みたいな実がなり、その中身を乾燥させると、地球で使っていた歯ブラシみたいなる。
乾燥前の中身は、棒としか見えない。
先端の毛のような部分がどうしてその形になるのか謎。
どんな過程を経て、ブラシ型になるのかは図鑑には書いてないが、乾燥後は歯ブラシの形になっている。
その途中過程は、企業秘密的なのが隠れているのかもと思ってみたり。
最終的に、こちらの歯ブラシが、その『歯みが木』なのだから、仕方がないことだが。
朝晩使っていると、先端の毛みたいな部分が開いてくるから、約半月で交換になる。
しかも、『歯みが木』は種ではなく木の実だから、使い終わりは土に埋めるのが正解で、なかなかいい肥料になるらしい。
なんともエコな歯ブラシ、ではなく『歯みが木』だ。
プラスチックなのに、プラゴミで捨ててはダメな、リサイクルされない、あちらの歯ブラシが少し不憫に思ってしまった。

そして、その対のこの世界の歯磨き粉は、残念なことに本当に粉。
粘度のない粉が入った小瓶に、『歯みが木』を突っ込み、ブラシ部分に粉を付けて、粉で歯をみがく。
歯みがき粉の文字に、粉と付いているのは、大昔に粉だったから、歯みがき粉とそのままだと何かで見た。
こちらはそのままの粉。
粘度がある現代の歯みがき粉は、利便性の集合体だと本当に思う。
粉だから、瓶を倒したら散らかる。
粉だから、口に入る前に零れる。
粉だから、こぼれたのがあちこちに付く。
粉だから、ゲホンっとなりやすい。
粉だから、ゲホンやクシュンで散らかる。
粉だから、水厳禁。
瓶に水が入るとその部分が固まって使えなくなる。
歯みがき粉の粉型は、まじで面倒い。
本当に粘度のある歯みがき粉を欲しくなる。
あれを考えた人は、マジでスッゴイと思う!
ミント系の清涼感のある味は、磨き終わったあとはいい。
それだけは、地球の歯みがき粉と遜色ない。
たが、こちらの歯みがき粉を慣れるまでは、なかなか難易度が高かった。 
慣れてきても、零すことは多々あって、イムリン大活躍。

そんな歯みがきを終わらせ、口を濯ぐ。
少し離れた所でトイレをすませ、戻ってくるとイムリンに手を突っ込み、手洗い。
前は水場が近くにない時は、リンスランに水を出してもらっていた。
ある時、手洗いをイムリンに伺ってみたら、有りと承諾した雰囲気だったので、それからイムリン手洗いにすることにした。
泥や消し炭等を触った後でも一瞬でキレイになる優れもの。
そんな手洗いを終えて、立ち上がる。
丁度出来上がったリンの朝食が見えた。
「出来たよ、食べよう」
「ほーい」
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