俺は異世界召喚された『セイジョ』として。

田子タコ

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のんびり高速移動旅

131、テンプレ先の令嬢 11(簡易)

「……コホン。ラッ……ラナ、もういいわ」
「本当?長睡眠の後、このようなことになかったのよ」
「強制的に長睡眠にさせられていたから。あの方が言うように魔人でなければ、死んでいたと思うわ……無事に戻れるかしら、ラナ、私のジンケットから着替えを取って頂ける?」
「お待ち下さい。ディー、仕える方を使うのは止さないか」
動こうとする令嬢を止めたのは、祖父であり家令のカリー。
そう言えば、執事なのに主に対して口調が軽過ぎる。
「では、お祖父様、いつものように手だけ戻して宜しいの?お客様がいらっしゃるのに。状況からみてお二人に部屋から出てもらう訳にも出来ないわ」
「それは……」
口籠るカリーとは対象的に、俺一人ワクワク中。
「手だけ戻るとか出来んだ!おもしろっ!ってか、あれマッパってこと?こっちって人の着替え見ちゃダメなんだろ?どうすんの?」
「ライライナも顔だけ戻したろ。部分変化可能だよ。そうだな、今この部屋を出ることは出来ない、だから俺達が後ろを向くしかないな」
そんな俺達の話を聞いて、猪は即座に理解して、手だけを戻した。
「このようなもので宜しければ、存分にご覧下さい」
猪の腕が一度肩に潜り込み、その肩から人の腕がにょきにょき生えてきた。
「お~っ!すげ~!おもしろーっ、ほぇ~」
こんなのグロ映画やグロ動画で見たことはあっても、リアルではお目にかかれない代物。
ヤラセもCGでも偽物でも何でもないガチの本物。
テンション上がりまくりである。
「では、着替えさせて頂きますので、少し後ろを向いて頂けますか?」
「ディー、手伝うわ」
「ありがとう、お願いするわ」
「あっ、さっきのバリアを内部を可視出来ないように一個作って簡易更衣室作っちゃえ」
「バリアに色を付けるのか?なるほど……これでよいかな?」
「それそれ、簡易っこーいしつぅー、青猫ロボより」
「青ロボは、言い方を伸ばすのが好みなのだな」

一歩下ったカリーを除いて、二人だけをバリッてお着替えタイム。
「流石、ミニシッド様ね、このようなバリアを作られるとは。それにこのような発案するあの方も素晴らしいわね」
「コウタ様と言って、今代の聖女様よ。……っやはり痩せたわね」
「そう、聖女様なのね。……本当に魔人でなければ死んでいたでしょうね。まだ身体の感覚が鈍いわ」
うーん、この執事さん名前の通りかもしれない。
ツンディーレ、ツンデレ、どこかでデレてくれないだろか。
今のところ、ツンッぽいのしか見てない。
それに残りはどんな感じに戻っていくのか、見たいのが本音。

着替えと支度が終わった、と中からの声にリンがバリアを解く。
そこに現れたのは、執事服のケモミミ女性、白目のところが青と少しホラー系。
少しやつれた感も合わせて、気の弱そうなホワっと系な雰囲気に先程のツンデレとは思えない。
長い三編みが、ベッドに腰掛けた尻の横から更に20センチ程ベッドの上に乗っかっていた。
「本来であれば、長睡眠直後のこのような姿でお会いすることは失礼に当たりますが、ご容赦ください」
と、出て来た強めの口調に目と耳とのギャップが凄い。
「許すも何も、引き止めているのはこちらだ。これが終わったら、改めて挨拶させてくれ」
ということは、後で支度終わったら、ちゃんと挨拶するということは、今の場はある種のオフレコ的な。
「お気遣いありがとうございます。では、何からお話すれば宜しいのでしょうか?」
それにしても、気の弱そうな病弱そうな三編み女性から、ハキハキと強めな口調で言葉が出てくるのは、何か凄い。
フフフッとしか笑わなそうな見た目で、フッと笑いを飛ばす感じの口調。
青い目もいい感じにホラー映画にすーっと出てきそうなのに、何故かマシンガンを手にゾンビを倒してそう。
俺がそんなことを思っている間に、早くも状況説明が終わっていた。
「聞いてなかったな」
「おっ、何を?」
「正直だな、ツンディーレ、すまないがもう一度いいか?」
「では、簡潔にお伝えしましょう」
「はっ、はい、お願いしたいです」
麦わら仲間の考古学者のような、低音寄りの圧のある声音に、必然と敬語になってしまっていた。

アティモアが攫われた時に、実はツンディーレも一緒に攫われていた。
ツンディーレが本気で抵抗したら抗えただろうが、時期が長睡眠前な上に、相手が複数いたことと、一人が得体の知れないモノだった為に、抵抗することよりも攫われることを選択した。
薄汚れた荒屋に連れて行かれ、ソレは、アティモアに取り憑くかのように入ろうとしたところをツンディーレが体当たりしたら、その瞬間に二人に分かれたという。
その後、遂に来た長睡眠に耐えきれず、そこにあったベッドに横になり、どうにか書置きを残した。
そこまでが、ツンディーレの長睡眠前の記憶。
その後も、起きようとすると、アティモアの一人が来て、何かをしてまた眠るの繰り返しだったとの説明を受けた。
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