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のんびり高速移動旅
155、音ありクランとクランモリ 10(朝)
クスランスに入る前に宿屋を引き払った。
ラウとディラをクラン小屋の横に待機させて、二人でクスランス入り。
ペタ乗せのイムリンを抱き見ていたが、降臨の様子は分からずじまい。
早々に町を歩き、クラン小屋のある門から外に出たところで鐘が鳴り響いた。
門兵やら、街の人やら、みな視線をクスランスに向け、ワーッと歓喜の声。
窓から顔出す人。
戸から飛び出してくる人。
抱き合う、手を取り合う、飛び上がる、走り出すと様々。
小さな子供たちは大人が喜んでいることに、理由も分からずともぴょんぴょんと笑顔で飛び跳ねていたり。
中にはクスランスに向かって祈りらしきポーズしている人もいる。
門から100メートルくらい先ある広場まで見渡せる街作りだから、そこまでの人達のはしゃぎ様が見て取れる。
それらをしばらく見たあと、クラン小屋へと足を向けたコウ。
そのコウが少し嬉しそうな表情をしていることに、今回はツッコミもせずに見るだけにしたリンスランも自然と笑顔になった。
クラン小屋をコンコンすると四人……二人と二匹が出迎えた。
「知っておったが、ほんにセイジョなんじゃな」
「なー、俺も未だに慣れないし、慣れたくない。やっぱさ、漢字変換違うと思う」
「確かに、あちらの聖女のイメージとはかけ離れてるからの。そうじゃ、朝ご飯作っておったぞ」
「おっ、サンキュー!何作ったん?」
「聞いて驚け!日本の朝食じゃ」
「まじか!米と味噌汁と、鮭?納豆?……えーっと卵焼きとか?」
「納豆はジパンゲアでお食べ、他のはオススメせん。ほらっ忘れとるぞ、ポリポリのアレを」
「漬物かー!」
「ぬか漬けと塩漬と梅干しがあるぞ」
「うわー、まじか!そんなん修学旅行の旅館と漫画でしか見たことない組み合わせ!リアル日本の朝食じゃん!」
「……おー……そうであったな。記念にこれが日本の朝食と覚えていきな」
一昨日粗めに話した生い立ちを思い出したようで、ポリポリと眉毛をかいたミヤコ。
「うーん、ならミヤコの朝食と記憶しておく」
「……許そう!ついでに商標登録しておいとくれ」
「どこに出すのさ。あっそうだ、すっかり忘れてた!写真おけ?どこにも出さないから」
「なっ、もしやアレか?」
「そのアレ!俺しか扱えない神スマホ」
「まじ!見たい、アンド?アイ?」
「アンドー」
「うち、アイ」
「コホン」
コホンと咳払いしたのはリンだ。
「ミヤコさん、用意して下さった日本の朝食冷めてしますよ」
「お、そうじゃな。まずは食べよう……みな、手を合わせて」
「「「「「イタダキマス」」」」」
皆で手を合わせて、色んなものへの感謝をのべた。
ヌシは、何度か見たことあるくらいだったから、周りを真似て。
ジキモリも、自分でやるのは初めてだが、テルがやっているのは何度も見ていたから、なんとなく知っているのを真似た。
コウタもちゃんと手を合わせたのは、小学生ぶりでなんとも歯痒さを感じた。
リンのは臨機応変の賜物。
ミヤコは、テルに教えた。
食材を作った人、運んだ人、売った人と一つの食材でも様々な手を通っていると。
もっと言えば、命ある肉の命や野菜の成長を止めてまでもらい受けること。
それらに感謝を込めての頂きます。
日本人でも言わなくなってきているのを、態々言うのは日本への何かをも含まれているのだろう。
と、昨日の話でそう思ったコウタも今日ばかりは心を込めた。
日本の朝食を作ってくれたミヤコに向かって。
カシャっと朝食を撮影してから、箸を持つとミヤコがよくそれやってたと笑った。
炊きたての米は、粒が大きい。
卵焼きは黄色よりも赤めな色合い。
きんぴらみたいな煮付け。
味は鮭なのに白身の鮭もどき。
ワカメとネギっぽい味噌汁。
見た目がきゅうりっぽいのと、大根っぽい漬物。
極めつけは、すももサイズの梅干しだ。
見た目は日本の朝食だが、ビジュパンチが視覚を連打する。
「外国にある日本食のように感じてしまうのは、俺だけか?」
「調味料は、ジパンゲアからの直送物だが、食材はここで買えるものでアレンジしておる。この梅干しモドキなんて、塩分控えめ蜂蜜漬けだから、酸っぱいのが苦手でもいけるぞ、苦手なのあったか?」
「うんにゃ。ってか、アレンジでこれ?ミヤちゃんすげー!…………おっ、見た目から反してまじでこれガチじゃん!違和感ねぇ」
「アレンジ……その言い方だと、本来のものではないものでこの朝食を作って、それは本来のものと遜色ないということか?」
「それそれ!この鮭、魚なんてもっとピンク……薄い赤なのに、味が鮭!きんぴらはごぼうと人参としか思えないし、梅干しもこれいいー」
ポリポリと漬物を頂くも、普通の漬物としか思えない。
「えっ?そうなの?オババ様がこれが秘境ジパンゲアの朝食だってよく出してくれてたよ」
「調味料だけでなかなかな値段でな。ジパンゲアを出る時に貰ったレシピを参考に更にアレンジを加えた日本食じゃ」
「あとで、そのレシピ&アレンジちょうだい。リンに作らす!」
「お前が作らないんかい!」
「作れっかい!」
賑やかな朝食中、二匹はクランの花を抱え、静かに茎ストローでお食事していた。
ラウとディラをクラン小屋の横に待機させて、二人でクスランス入り。
ペタ乗せのイムリンを抱き見ていたが、降臨の様子は分からずじまい。
早々に町を歩き、クラン小屋のある門から外に出たところで鐘が鳴り響いた。
門兵やら、街の人やら、みな視線をクスランスに向け、ワーッと歓喜の声。
窓から顔出す人。
戸から飛び出してくる人。
抱き合う、手を取り合う、飛び上がる、走り出すと様々。
小さな子供たちは大人が喜んでいることに、理由も分からずともぴょんぴょんと笑顔で飛び跳ねていたり。
中にはクスランスに向かって祈りらしきポーズしている人もいる。
門から100メートルくらい先ある広場まで見渡せる街作りだから、そこまでの人達のはしゃぎ様が見て取れる。
それらをしばらく見たあと、クラン小屋へと足を向けたコウ。
そのコウが少し嬉しそうな表情をしていることに、今回はツッコミもせずに見るだけにしたリンスランも自然と笑顔になった。
クラン小屋をコンコンすると四人……二人と二匹が出迎えた。
「知っておったが、ほんにセイジョなんじゃな」
「なー、俺も未だに慣れないし、慣れたくない。やっぱさ、漢字変換違うと思う」
「確かに、あちらの聖女のイメージとはかけ離れてるからの。そうじゃ、朝ご飯作っておったぞ」
「おっ、サンキュー!何作ったん?」
「聞いて驚け!日本の朝食じゃ」
「まじか!米と味噌汁と、鮭?納豆?……えーっと卵焼きとか?」
「納豆はジパンゲアでお食べ、他のはオススメせん。ほらっ忘れとるぞ、ポリポリのアレを」
「漬物かー!」
「ぬか漬けと塩漬と梅干しがあるぞ」
「うわー、まじか!そんなん修学旅行の旅館と漫画でしか見たことない組み合わせ!リアル日本の朝食じゃん!」
「……おー……そうであったな。記念にこれが日本の朝食と覚えていきな」
一昨日粗めに話した生い立ちを思い出したようで、ポリポリと眉毛をかいたミヤコ。
「うーん、ならミヤコの朝食と記憶しておく」
「……許そう!ついでに商標登録しておいとくれ」
「どこに出すのさ。あっそうだ、すっかり忘れてた!写真おけ?どこにも出さないから」
「なっ、もしやアレか?」
「そのアレ!俺しか扱えない神スマホ」
「まじ!見たい、アンド?アイ?」
「アンドー」
「うち、アイ」
「コホン」
コホンと咳払いしたのはリンだ。
「ミヤコさん、用意して下さった日本の朝食冷めてしますよ」
「お、そうじゃな。まずは食べよう……みな、手を合わせて」
「「「「「イタダキマス」」」」」
皆で手を合わせて、色んなものへの感謝をのべた。
ヌシは、何度か見たことあるくらいだったから、周りを真似て。
ジキモリも、自分でやるのは初めてだが、テルがやっているのは何度も見ていたから、なんとなく知っているのを真似た。
コウタもちゃんと手を合わせたのは、小学生ぶりでなんとも歯痒さを感じた。
リンのは臨機応変の賜物。
ミヤコは、テルに教えた。
食材を作った人、運んだ人、売った人と一つの食材でも様々な手を通っていると。
もっと言えば、命ある肉の命や野菜の成長を止めてまでもらい受けること。
それらに感謝を込めての頂きます。
日本人でも言わなくなってきているのを、態々言うのは日本への何かをも含まれているのだろう。
と、昨日の話でそう思ったコウタも今日ばかりは心を込めた。
日本の朝食を作ってくれたミヤコに向かって。
カシャっと朝食を撮影してから、箸を持つとミヤコがよくそれやってたと笑った。
炊きたての米は、粒が大きい。
卵焼きは黄色よりも赤めな色合い。
きんぴらみたいな煮付け。
味は鮭なのに白身の鮭もどき。
ワカメとネギっぽい味噌汁。
見た目がきゅうりっぽいのと、大根っぽい漬物。
極めつけは、すももサイズの梅干しだ。
見た目は日本の朝食だが、ビジュパンチが視覚を連打する。
「外国にある日本食のように感じてしまうのは、俺だけか?」
「調味料は、ジパンゲアからの直送物だが、食材はここで買えるものでアレンジしておる。この梅干しモドキなんて、塩分控えめ蜂蜜漬けだから、酸っぱいのが苦手でもいけるぞ、苦手なのあったか?」
「うんにゃ。ってか、アレンジでこれ?ミヤちゃんすげー!…………おっ、見た目から反してまじでこれガチじゃん!違和感ねぇ」
「アレンジ……その言い方だと、本来のものではないものでこの朝食を作って、それは本来のものと遜色ないということか?」
「それそれ!この鮭、魚なんてもっとピンク……薄い赤なのに、味が鮭!きんぴらはごぼうと人参としか思えないし、梅干しもこれいいー」
ポリポリと漬物を頂くも、普通の漬物としか思えない。
「えっ?そうなの?オババ様がこれが秘境ジパンゲアの朝食だってよく出してくれてたよ」
「調味料だけでなかなかな値段でな。ジパンゲアを出る時に貰ったレシピを参考に更にアレンジを加えた日本食じゃ」
「あとで、そのレシピ&アレンジちょうだい。リンに作らす!」
「お前が作らないんかい!」
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