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いざ、学院へ!

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 「はあ、緊張してきた」

リリーは今学院の門に立っている
約半年ぶりの学院なのだ
緊張するのも無理はない

「みんな私のこと覚えてるかな・・・」

ここに立っていてもしょうがないので、学院に足を踏み入れた

ざわざわ・・・

「なんだろう、なんか見られてる気がする」

先ほどからやけに視線を感じる
みなこっちを見てなにか言っているようだ

「まあ、半年ぶりに登校してきたらそうなるよね」

ましてや、あの出来事があってからの登校なのだ
貴族が大半のこの学院
婚約破棄騒動はほとんどの生徒が知っているだろう
なんなら突然の休学は婚約破棄にショックを受けたせいだと思われているだろう
しばらく注目されるのも仕方ない・・・

「みんな、おはよう」

クラスに入るとみなこっちを見てフリーズしている
え、まさか本当に忘れられた?
誰も挨拶を返してくれなかったことにショックを受けながら席につくと

「あの、そこリリーの席なんだけど・・・まさか!」

クラスでも仲の良いミラが声をかけてきた後、何かに気づき声をあげた

「うん、私リリーだけど・・・?」

そう答えると

「えー-------っ」

クラス中が驚きの声をあげた

「え、本当にリリーなの?」

「そうだけど・・・」

ミラが焦った様子で聞いてきた

「どうしたのよ、半年も来なかったと思えば別人になって・・・」

「ちょっとね・・・」

そう答えると納得したようだった

「そうよね・・・あんなことあったらショックに決まってる」

ミラは小声で何かを言っていたがリリーには聞き取れなかった

「リリー大丈夫?王子ったらひどいよね!」

「あれは、ひでえよな・・・」

「それにしてもリリー綺麗になったね!」

「俺めっちゃタイプ!」

口々にクラスメイトが言っている
意外にもリリーに味方する意見が多いみたいだ
リリーの変わった容姿にも好意的だ

「私たちはリリーの味方だからね」

ミラが言うとみな頷いた

「ありがとうみんな」

思ったよりもわたしの味方は多いみたい
あんなことがあったけど、おかげで気づいたこともあるわね
リリーはうれしく思った


休み時間、人が少ない廊下を歩いていると

「落とし物だ」

後ろから声をかけられた
振り返るとリリーのハンカチを持った
マイケルがいた

「あ、えっと・・・」

リリーが困っていると

「君はここの生徒か、見たことない顔だな」

マイケルはリリーに気づいていないようだ

そうよね、この人が気づくはずないわ
焦って損した・・・

「ありがとうございます」

リリーはハンカチを受け取ると立ち去った
後ろから引き留める声が聞こえた気がするけど無視した
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