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二章 学院生活・前半
25.魔物の異変と冬休み
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仲間たちと一緒に教室へ戻り、ドアを開けると、ざわめく学生たちの視線が一斉に私たちに集まった。
「アリア! 城に入ってきた魔物、君が倒したって本当か?・・・すごいな。でも、ケガとかしなかったか?」
「さすが、『灼炎の女皇』様の娘なだけはあるね・・・今さらだけど」
「無事だったのね。まあ、あなたは大丈夫だろうけど・・・他のみんなは?無事だった?」
クラスメイトたちは、ある者は心配そうに、ある者は予想通りというように聞いてきた。
教室に私たちがいないことはすぐにわかったのだろうが、魔物を倒したことまで伝わっていたとは。
恐ろしく、情報が早いものだ。
シルフィン、ライド、マシュルはそれぞれ何事もなかったかのように答えたが、私の心はまだ少し興奮していた。
自分の専属魔導書を使ったのは初めてだったし、あんなに派手な演出があるとは思っていなかった。
「無事よ。けど、先生たちから詳しい説明を受けるまで、油断しないでおこう」
私はクラスメイトたちに軽く警告をしながら、レシウス先生からの指示を待つ。
少しすると、先生が教室に入ってきた。
「みんな、落ち着け。すでに聞いているだろうけど、アリアたち4人の活躍により、学院に侵入してきた魔物は倒され、院内の安全は確保された。よって次の授業は予定通り行う」
その知らせは吉報だった。
しかしその次に来たのは、吉報とも凶報とも取れるものだった。
「だが、今回の事態を受けて、各教室での授業の内容を急遽変更することにした。座学の学習を減らし、実践訓練形式の授業を増やす」
先生の言葉に、クラス全体が静まり返る。
私たちはすでにある程度実践の授業を受けているけど、それがあまり好きではない子も当然いる。
そのような子にとっては、この知らせは凶報だっただろう。
「それは、全ての授業がそうなんですか?」とシルフィンが口を挟む。
「もちろんだ。そしてこれもみんなに言っておきたいんだが、今後は有事の際はもっと冷静に対処すること。今回のアリアたちのような行動は、学院全体の安全を脅かすこともあるんだ」
私たちは少し顔を見合わせ、黙って頷いた。
言い訳はできない。
勝手なことをしたのは、事実だ。
その後、授業が再開された。
私たちは今日の出来事を心に留めながら、改めて訓練と学びを重ねることを決意する。しかし、私はふと一つの疑問が頭をよぎった。
「そもそも、どうして魔物が入ってきたんだろう?」
シルフィンが私に問いかける。
「うーん、気になるね。弱い魔物が、先生たちの警備を突破してこれるとは思えないし・・・」
ライドが腕を組んで考え込みながら言う。
「てかさ、ウーズってそもそも、あんなにおっきい魔物だっけ?前授業でやったスライムは、もっとずっと小さかったぜ」
「だよね。うーん・・・」
「そういや、そうだったな。やっぱり、何か裏があるのかな?」
マシュルがぼそっと言う。
「それは、これから確かめよう。私たちだけでは解決できないかもしれないけど、少なくとも、この学院の周囲で何が起きているのか調査しないと」
私は心の中で、何か異変がこの学院に起きていること、それを突き止める必要があることを強く感じていた。
それは、私たちの学院生活に新たな危機をもたらすものであるから。
何となく、そんな気がした。
1日が終わり、仲間たちと別れた後、私は一人で学院の図書館に向かった。
何か手がかりを見つけたくて、静かな場所で集中して調べ物をするのが一番だと思ったからだ。
図書館に着くと、薄暗い中で本のページをめくる音だけが響いていた。
ここではさまざまな魔法に関する資料が集められており、魔物やその出現に関する書籍も多くあった。
私は一冊の古びた本を手に取ると、ページをめくりながら魔物の動向を調べ始めた。
「魔物の異常な成長・・・」
その文字が目に飛び込んできた。
それは、魔物の進化や異常な強化についての記録だった。
どうやら、特定の条件下で魔物は通常よりも強力になり、時には完全に異なる形態へ進化することがあるという。
この進化には強い魔力や、何らかの魔法的な干渉が関わっている可能性が示唆されていた。
また、これは本の後半に、コラムのようなコーナーに小さく書いてあったことだが、「闇の力」なる力を受けた魔物は急激に成長し、強くなるという。
場合によっては、そのまま進化することもあるらしい。
「そういうことか・・・」
本を閉じ、深いため息をついた。
これから、何か大きな出来事が起きる予感がしていた。
しかし、私はその時、心の中で誓った。
どんな困難でも、私たちで乗り越えてみせる、と。
それから数日後、冬休みが始まった。
期間は、30日ぴったり。これは毎年決まっている日数らしい。
ちなみに夏休みもあったが、こちらはなんと10日しかなかった。
でも、前世で経験した休みより遥かに楽しかった。
だるい宿題はないし、友達とも遊べたし、母とも色々出来たしで、毎日が楽しかった。
それ故、あっという間に終わってしまったのだが。
夏の3倍の休みがあるなら、少しは違うと思いたい。
冬休みに入ってから数日後、私の大好きなイベントがあった。
この世界では、1年の最後の日にケーキを食べる習慣がある。
クリスマスがない代わりに、大晦日にケーキを食べると言った感じだ。
これまでは、母が作ってくれたケーキを食べるだけだったが、今年は違う。
私も、母と一緒にケーキを作るのだ。
母と一緒にケーキを作った。
「アリア、卵を割ってくれる?」
母が微笑みながらボウルを差し出す。私は「うん!」と元気よく返事をして、卵を割った。
ぱかっ。
――失敗した。
「・・・あ」
卵の殻がボウルの中に落ちてしまい、私は慌てて指を突っ込む。でも、生地を混ぜる前でよかった。
「ふふ、慎重にね」
母はそう言いながら、私の手元を優しく見守る。
前世では料理なんてろくにしたことがなかったけど、転生してからはこうやって母と一緒に作る時間がすごく楽しい。
「よし、次は砂糖とバターを混ぜるわよ」
私が木の杓子でぐるぐると混ぜると、甘い香りがふわりと漂ってきた。
次に、小麦粉をふるいながら少しずつ加え、最後に泡立てた卵白をそっと混ぜる。
「アリア、あまり混ぜすぎるとふわふわにならないわよ」
「うん、わかってる!」
生地を魔法の耐熱皿に流し込み、母が軽く指を振る。すると、空間に淡く炎が灯り、それが皿の下でゆらゆらと揺れ始めた。
「火加減が大事よ。強すぎると焦げてしまうし、弱すぎると膨らまないから」
母は手を軽くかざし、炎の強さを微調整している。私は興味津々でそれを見つめた。
「すごい・・・」
「アリアもやってみる?」
「うん!」
母に教わりながら、私も手をかざし、炎の温度を調整する。思ったよりも繊細な作業だったけど、じわじわと膨らんでいく生地を見ていると、なんだか嬉しくなった。
「もう焼けたかな?」
生地がふっくらと膨らみ、黄金色に焼き上がるのを確認すると、母が指を鳴らして炎を消した。
「うわぁ、いい感じ!」
「成功ね。さあ、粗熱を取っている間にクリームを作りましょう」
生クリームをボウルに入れ、魔法で氷の冷気を送りながら泡立て器を動かす。
最初はシャバシャバだったクリームが、次第にもったりと固まってきた。
「・・・よし、これくらいでいいかな?」
「ええ、ちょうどいいわ」
スポンジが冷めたところで、二枚にスライスして、間にクリームといちごをたっぷり挟む。
仕上げに上からもクリームを塗って、いちごを飾ったら――
「できたー!」
私は大きく息をつき、母と顔を見合わせて笑った。
「とっても上手にできたわね、アリア」
母が優しく私の頭を撫でてくれる。
「・・・えへへ」
前世では、こんなふうに家族と過ごすことなんてなかった。けど、今は違う。
大好きな母と一緒に、こんなにも幸せな時間を過ごしている。
「さあ、一緒に食べましょう?」
母がカットしたケーキを皿に乗せ、私の前に差し出す。フォークで一口すくい、口に運ぶと――
「・・・おいしい!」
ふわふわのスポンジと甘いクリーム、そしていちごの酸味が絶妙に合わさって、幸せな味が口いっぱいに広がる。
「頑張った甲斐があったわね」
母も微笑みながら、ケーキを口に運ぶ。
この世界で迎える、8回目の大晦日。
温かくて、甘くて、幸せな母娘の時間。
来年も、再来年も、ずっとこうして母と一緒に過ごせますように――。
私は小さく願いながら、もう一口ケーキを頬張った。
「アリア! 城に入ってきた魔物、君が倒したって本当か?・・・すごいな。でも、ケガとかしなかったか?」
「さすが、『灼炎の女皇』様の娘なだけはあるね・・・今さらだけど」
「無事だったのね。まあ、あなたは大丈夫だろうけど・・・他のみんなは?無事だった?」
クラスメイトたちは、ある者は心配そうに、ある者は予想通りというように聞いてきた。
教室に私たちがいないことはすぐにわかったのだろうが、魔物を倒したことまで伝わっていたとは。
恐ろしく、情報が早いものだ。
シルフィン、ライド、マシュルはそれぞれ何事もなかったかのように答えたが、私の心はまだ少し興奮していた。
自分の専属魔導書を使ったのは初めてだったし、あんなに派手な演出があるとは思っていなかった。
「無事よ。けど、先生たちから詳しい説明を受けるまで、油断しないでおこう」
私はクラスメイトたちに軽く警告をしながら、レシウス先生からの指示を待つ。
少しすると、先生が教室に入ってきた。
「みんな、落ち着け。すでに聞いているだろうけど、アリアたち4人の活躍により、学院に侵入してきた魔物は倒され、院内の安全は確保された。よって次の授業は予定通り行う」
その知らせは吉報だった。
しかしその次に来たのは、吉報とも凶報とも取れるものだった。
「だが、今回の事態を受けて、各教室での授業の内容を急遽変更することにした。座学の学習を減らし、実践訓練形式の授業を増やす」
先生の言葉に、クラス全体が静まり返る。
私たちはすでにある程度実践の授業を受けているけど、それがあまり好きではない子も当然いる。
そのような子にとっては、この知らせは凶報だっただろう。
「それは、全ての授業がそうなんですか?」とシルフィンが口を挟む。
「もちろんだ。そしてこれもみんなに言っておきたいんだが、今後は有事の際はもっと冷静に対処すること。今回のアリアたちのような行動は、学院全体の安全を脅かすこともあるんだ」
私たちは少し顔を見合わせ、黙って頷いた。
言い訳はできない。
勝手なことをしたのは、事実だ。
その後、授業が再開された。
私たちは今日の出来事を心に留めながら、改めて訓練と学びを重ねることを決意する。しかし、私はふと一つの疑問が頭をよぎった。
「そもそも、どうして魔物が入ってきたんだろう?」
シルフィンが私に問いかける。
「うーん、気になるね。弱い魔物が、先生たちの警備を突破してこれるとは思えないし・・・」
ライドが腕を組んで考え込みながら言う。
「てかさ、ウーズってそもそも、あんなにおっきい魔物だっけ?前授業でやったスライムは、もっとずっと小さかったぜ」
「だよね。うーん・・・」
「そういや、そうだったな。やっぱり、何か裏があるのかな?」
マシュルがぼそっと言う。
「それは、これから確かめよう。私たちだけでは解決できないかもしれないけど、少なくとも、この学院の周囲で何が起きているのか調査しないと」
私は心の中で、何か異変がこの学院に起きていること、それを突き止める必要があることを強く感じていた。
それは、私たちの学院生活に新たな危機をもたらすものであるから。
何となく、そんな気がした。
1日が終わり、仲間たちと別れた後、私は一人で学院の図書館に向かった。
何か手がかりを見つけたくて、静かな場所で集中して調べ物をするのが一番だと思ったからだ。
図書館に着くと、薄暗い中で本のページをめくる音だけが響いていた。
ここではさまざまな魔法に関する資料が集められており、魔物やその出現に関する書籍も多くあった。
私は一冊の古びた本を手に取ると、ページをめくりながら魔物の動向を調べ始めた。
「魔物の異常な成長・・・」
その文字が目に飛び込んできた。
それは、魔物の進化や異常な強化についての記録だった。
どうやら、特定の条件下で魔物は通常よりも強力になり、時には完全に異なる形態へ進化することがあるという。
この進化には強い魔力や、何らかの魔法的な干渉が関わっている可能性が示唆されていた。
また、これは本の後半に、コラムのようなコーナーに小さく書いてあったことだが、「闇の力」なる力を受けた魔物は急激に成長し、強くなるという。
場合によっては、そのまま進化することもあるらしい。
「そういうことか・・・」
本を閉じ、深いため息をついた。
これから、何か大きな出来事が起きる予感がしていた。
しかし、私はその時、心の中で誓った。
どんな困難でも、私たちで乗り越えてみせる、と。
それから数日後、冬休みが始まった。
期間は、30日ぴったり。これは毎年決まっている日数らしい。
ちなみに夏休みもあったが、こちらはなんと10日しかなかった。
でも、前世で経験した休みより遥かに楽しかった。
だるい宿題はないし、友達とも遊べたし、母とも色々出来たしで、毎日が楽しかった。
それ故、あっという間に終わってしまったのだが。
夏の3倍の休みがあるなら、少しは違うと思いたい。
冬休みに入ってから数日後、私の大好きなイベントがあった。
この世界では、1年の最後の日にケーキを食べる習慣がある。
クリスマスがない代わりに、大晦日にケーキを食べると言った感じだ。
これまでは、母が作ってくれたケーキを食べるだけだったが、今年は違う。
私も、母と一緒にケーキを作るのだ。
母と一緒にケーキを作った。
「アリア、卵を割ってくれる?」
母が微笑みながらボウルを差し出す。私は「うん!」と元気よく返事をして、卵を割った。
ぱかっ。
――失敗した。
「・・・あ」
卵の殻がボウルの中に落ちてしまい、私は慌てて指を突っ込む。でも、生地を混ぜる前でよかった。
「ふふ、慎重にね」
母はそう言いながら、私の手元を優しく見守る。
前世では料理なんてろくにしたことがなかったけど、転生してからはこうやって母と一緒に作る時間がすごく楽しい。
「よし、次は砂糖とバターを混ぜるわよ」
私が木の杓子でぐるぐると混ぜると、甘い香りがふわりと漂ってきた。
次に、小麦粉をふるいながら少しずつ加え、最後に泡立てた卵白をそっと混ぜる。
「アリア、あまり混ぜすぎるとふわふわにならないわよ」
「うん、わかってる!」
生地を魔法の耐熱皿に流し込み、母が軽く指を振る。すると、空間に淡く炎が灯り、それが皿の下でゆらゆらと揺れ始めた。
「火加減が大事よ。強すぎると焦げてしまうし、弱すぎると膨らまないから」
母は手を軽くかざし、炎の強さを微調整している。私は興味津々でそれを見つめた。
「すごい・・・」
「アリアもやってみる?」
「うん!」
母に教わりながら、私も手をかざし、炎の温度を調整する。思ったよりも繊細な作業だったけど、じわじわと膨らんでいく生地を見ていると、なんだか嬉しくなった。
「もう焼けたかな?」
生地がふっくらと膨らみ、黄金色に焼き上がるのを確認すると、母が指を鳴らして炎を消した。
「うわぁ、いい感じ!」
「成功ね。さあ、粗熱を取っている間にクリームを作りましょう」
生クリームをボウルに入れ、魔法で氷の冷気を送りながら泡立て器を動かす。
最初はシャバシャバだったクリームが、次第にもったりと固まってきた。
「・・・よし、これくらいでいいかな?」
「ええ、ちょうどいいわ」
スポンジが冷めたところで、二枚にスライスして、間にクリームといちごをたっぷり挟む。
仕上げに上からもクリームを塗って、いちごを飾ったら――
「できたー!」
私は大きく息をつき、母と顔を見合わせて笑った。
「とっても上手にできたわね、アリア」
母が優しく私の頭を撫でてくれる。
「・・・えへへ」
前世では、こんなふうに家族と過ごすことなんてなかった。けど、今は違う。
大好きな母と一緒に、こんなにも幸せな時間を過ごしている。
「さあ、一緒に食べましょう?」
母がカットしたケーキを皿に乗せ、私の前に差し出す。フォークで一口すくい、口に運ぶと――
「・・・おいしい!」
ふわふわのスポンジと甘いクリーム、そしていちごの酸味が絶妙に合わさって、幸せな味が口いっぱいに広がる。
「頑張った甲斐があったわね」
母も微笑みながら、ケーキを口に運ぶ。
この世界で迎える、8回目の大晦日。
温かくて、甘くて、幸せな母娘の時間。
来年も、再来年も、ずっとこうして母と一緒に過ごせますように――。
私は小さく願いながら、もう一口ケーキを頬張った。
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