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三章 学院生活・後半
197.希望と別れの祝福
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式典が終わり、講堂のざわめきも次第に静まっていく。
ローブの裾を揺らしながら、皆が外へ出ていく中、私たち六人はまだその場に残っていた。
「・・・終わっちゃったね」
ノエルがぽつりと呟く。
「うん、あっという間だったけど・・・長かった気もする」
私が返すと、隣でライドが腕を組みながら小さく笑った。
「まあ、いろいろあったからな。試験も、喧嘩も、夜更かしも」
「それ全部、あんたのせいでしょ」
ティナが呆れたように言って、皆の笑いがこぼれる。
でも、それも束の間──
「・・・じゃあ、そろそろ行こうか」
マシュルがそう言った時、静かに時間が動き出したような気がした。
卒業後、私と母・・・セリエナは、世界各地に散らばっている邪神の「封印」となっているものを探す旅に出る。
そしてその旅に、ノエルとサラも同行することになっている。
一方、シルフィンとライドは王都の錬金術院に進み、専門分野の研究に打ち込むそうだ。マシュルとティナは、南の国にある大学に進学する予定である。
──六人の進路は、同じじゃない。
でも、それぞれが“自分の道”を選んだ。
私は、それが何より誇らしかった。
「サラ、準備はできてる?」
「・・・はい。アリアさんと一緒に行けるなら、どこへでも」
彼女の瞳にはもう、迷いも怯えもなかった。 試験の日の炎を乗り越えて、サラは確かに強くなった。
「ノエルも、頼りにしてるよ」
「うん。こっちは魔力センサーも荷物も全部準備済み。・・・アリアの分まで詰めたから、文句言わないでね?」
「言わないよ、ありがとう」
私たちは微笑み合い、次に視線を交わしたのは、ライドとシルフィン。
「・・・なんだかんだ、寂しくなるな」
ライドが苦笑して言う。
「そっちが無茶しないか心配だよ」と私は言うと、彼はわざとらしく胸を張った。
「僕は、錬金術院に入ったら真面目に勉強するつもりだ。早く一人前の薬剤師になって、シルフィンのサポートをしたいからね」
「どうかなあ」と、シルフィンは呆れたように言った。
「・・・でも、また会えるよね。きっと」
「うん。絶対に」
シルフィンの声は小さかったけれど、どこよりも確かだった。
「じゃあ、私たちはそろそろ行くね」
ティナが歩き出す。マシュルがその隣で手を振った。
「アリア、今度会うときには、そっちが追いつくくらい立派になってるからな!」
「・・・そっちが落ちぶれてなきゃ、だけどね」
「そりゃひでえな」
皆が笑った。春風がふわりと吹き抜け、花の香りを運んでくる。
そして。
「──また、会おう」
誰が言ったかは、もう覚えていない。
でも、その言葉だけがずっと胸に残った。
私たちは、それぞれの道を歩き出す。
けれど、きっと、またどこかで交わると信じて。
私たちの旅立ちは、実は今日だったのだ。
そしてそれは、物語の新しい章の始まりでもあった。
仲間たちと別れを交わしたあと、私は母とともに学院の奥へと向かっていた。
向かう先は、五階の特別室。
国王やそれに近い身分の人と学院長が会談する時に使われる、学院で一番の迎賓室だ。
「・・・緊張してる?」
母が静かに問いかけてきた。
「まあ、ね。相手は国王様だもん」
「ふふ。彼は寛大な人だから、そんなに身構えることないのに」
母の笑いに、少しだけ緊張がほぐれる。
重厚な扉を開くと、左手にはソリス学院長。
右側には威厳のある若い男・・・国王、ラドム三世がいた。
「国王様、学院長。ただいま、卒業を終えた娘アリア・ベルナードをお連れしました」
母が静かに礼をする。 私もそれに倣い、深く頭を下げた。
「これはご丁寧に。・・・卒業おめでとう、アリア殿」
国王は、柔らかな口調で言った。
前々から思ってはいたが、この人は若さもあってか、全然堅苦しくない。
なんというか・・・新米の父親のような、温かさが先に立つ印象だ。
「ありがとうございます。・・・これまで、私がこの学院で学ぶことができたのは、国王様を始めとする皆さんのおかげです。心から、感謝しています」
私の言葉に、学院長が優しく目を細めた。
「立派になられましたね、アリアさん。入学当初のあなたが、今この場に立っているとは・・・時の流れは本当に早いものです」
「・・・はい。私、魔女としてはまだ未熟かもしれませんが、少しだけ、自分を誇れるようになった気がします」
「その誇りを忘れずにいてください。それが“真の力”です」
学院長の声は、いつもと同じように静かだったけれど──胸にしみ入るような重みがあった。
「さて」
と、ラドム三世が椅子から立ち上がった。
「セリエナ。あなたと娘がこれから向かう旅が、どれほど危険なものであるかは承知している。だが、決して止めはしない。我が国としても、いずれは向き合わねばならぬ道」
「はい。そもそも、邪神の復活の兆しは数年前から少しずつ広がってきています。・・・今から行動すれば、まだ間に合うかもしれません」
母の声には、一切の迷いがなかった。
「──私は、娘と共に行きます。この子は、私の唯一の後継ぎ。そして、私はかつて邪神を封印した魔女の一人・・・この旅は私たちの意志であり、責任です」
「・・・それは、頼もしい限りだ」
国王は深く頷き、私の方を見た。
「アリアよ。君は母共々、我が王国が誇る魔女の一人だ。どうか、その力と心で、希望を絶やさぬように──」
「はい。必ず」
私はしっかりと返事をした。
この世界は、私がもう一度生まれた世界。
今度こそ、自分の生を無駄にはしない。
何があっても、最後まで立って、生き抜く。
それが、私の「決意」だった。
短い会談を終え、部屋を出ようとしたとき、学院長がふと口を開いた。
「・・・旅の中で、どうか一つだけ覚えておいてください」
私と母が振り返る。
「過去も宿命も、今ここにいるあなたを縛るものではありません。進む先に、あなた自身の魔法を見つけてください」
「・・・はい」
その言葉を胸に刻んで、私は扉をくぐった。
──学院を、王国を、そして過去を、あとにして。
でも、それは「終わり」じゃない。
始まりなのだ。
私の、“若き魔女”としての、物語の。
ローブの裾を揺らしながら、皆が外へ出ていく中、私たち六人はまだその場に残っていた。
「・・・終わっちゃったね」
ノエルがぽつりと呟く。
「うん、あっという間だったけど・・・長かった気もする」
私が返すと、隣でライドが腕を組みながら小さく笑った。
「まあ、いろいろあったからな。試験も、喧嘩も、夜更かしも」
「それ全部、あんたのせいでしょ」
ティナが呆れたように言って、皆の笑いがこぼれる。
でも、それも束の間──
「・・・じゃあ、そろそろ行こうか」
マシュルがそう言った時、静かに時間が動き出したような気がした。
卒業後、私と母・・・セリエナは、世界各地に散らばっている邪神の「封印」となっているものを探す旅に出る。
そしてその旅に、ノエルとサラも同行することになっている。
一方、シルフィンとライドは王都の錬金術院に進み、専門分野の研究に打ち込むそうだ。マシュルとティナは、南の国にある大学に進学する予定である。
──六人の進路は、同じじゃない。
でも、それぞれが“自分の道”を選んだ。
私は、それが何より誇らしかった。
「サラ、準備はできてる?」
「・・・はい。アリアさんと一緒に行けるなら、どこへでも」
彼女の瞳にはもう、迷いも怯えもなかった。 試験の日の炎を乗り越えて、サラは確かに強くなった。
「ノエルも、頼りにしてるよ」
「うん。こっちは魔力センサーも荷物も全部準備済み。・・・アリアの分まで詰めたから、文句言わないでね?」
「言わないよ、ありがとう」
私たちは微笑み合い、次に視線を交わしたのは、ライドとシルフィン。
「・・・なんだかんだ、寂しくなるな」
ライドが苦笑して言う。
「そっちが無茶しないか心配だよ」と私は言うと、彼はわざとらしく胸を張った。
「僕は、錬金術院に入ったら真面目に勉強するつもりだ。早く一人前の薬剤師になって、シルフィンのサポートをしたいからね」
「どうかなあ」と、シルフィンは呆れたように言った。
「・・・でも、また会えるよね。きっと」
「うん。絶対に」
シルフィンの声は小さかったけれど、どこよりも確かだった。
「じゃあ、私たちはそろそろ行くね」
ティナが歩き出す。マシュルがその隣で手を振った。
「アリア、今度会うときには、そっちが追いつくくらい立派になってるからな!」
「・・・そっちが落ちぶれてなきゃ、だけどね」
「そりゃひでえな」
皆が笑った。春風がふわりと吹き抜け、花の香りを運んでくる。
そして。
「──また、会おう」
誰が言ったかは、もう覚えていない。
でも、その言葉だけがずっと胸に残った。
私たちは、それぞれの道を歩き出す。
けれど、きっと、またどこかで交わると信じて。
私たちの旅立ちは、実は今日だったのだ。
そしてそれは、物語の新しい章の始まりでもあった。
仲間たちと別れを交わしたあと、私は母とともに学院の奥へと向かっていた。
向かう先は、五階の特別室。
国王やそれに近い身分の人と学院長が会談する時に使われる、学院で一番の迎賓室だ。
「・・・緊張してる?」
母が静かに問いかけてきた。
「まあ、ね。相手は国王様だもん」
「ふふ。彼は寛大な人だから、そんなに身構えることないのに」
母の笑いに、少しだけ緊張がほぐれる。
重厚な扉を開くと、左手にはソリス学院長。
右側には威厳のある若い男・・・国王、ラドム三世がいた。
「国王様、学院長。ただいま、卒業を終えた娘アリア・ベルナードをお連れしました」
母が静かに礼をする。 私もそれに倣い、深く頭を下げた。
「これはご丁寧に。・・・卒業おめでとう、アリア殿」
国王は、柔らかな口調で言った。
前々から思ってはいたが、この人は若さもあってか、全然堅苦しくない。
なんというか・・・新米の父親のような、温かさが先に立つ印象だ。
「ありがとうございます。・・・これまで、私がこの学院で学ぶことができたのは、国王様を始めとする皆さんのおかげです。心から、感謝しています」
私の言葉に、学院長が優しく目を細めた。
「立派になられましたね、アリアさん。入学当初のあなたが、今この場に立っているとは・・・時の流れは本当に早いものです」
「・・・はい。私、魔女としてはまだ未熟かもしれませんが、少しだけ、自分を誇れるようになった気がします」
「その誇りを忘れずにいてください。それが“真の力”です」
学院長の声は、いつもと同じように静かだったけれど──胸にしみ入るような重みがあった。
「さて」
と、ラドム三世が椅子から立ち上がった。
「セリエナ。あなたと娘がこれから向かう旅が、どれほど危険なものであるかは承知している。だが、決して止めはしない。我が国としても、いずれは向き合わねばならぬ道」
「はい。そもそも、邪神の復活の兆しは数年前から少しずつ広がってきています。・・・今から行動すれば、まだ間に合うかもしれません」
母の声には、一切の迷いがなかった。
「──私は、娘と共に行きます。この子は、私の唯一の後継ぎ。そして、私はかつて邪神を封印した魔女の一人・・・この旅は私たちの意志であり、責任です」
「・・・それは、頼もしい限りだ」
国王は深く頷き、私の方を見た。
「アリアよ。君は母共々、我が王国が誇る魔女の一人だ。どうか、その力と心で、希望を絶やさぬように──」
「はい。必ず」
私はしっかりと返事をした。
この世界は、私がもう一度生まれた世界。
今度こそ、自分の生を無駄にはしない。
何があっても、最後まで立って、生き抜く。
それが、私の「決意」だった。
短い会談を終え、部屋を出ようとしたとき、学院長がふと口を開いた。
「・・・旅の中で、どうか一つだけ覚えておいてください」
私と母が振り返る。
「過去も宿命も、今ここにいるあなたを縛るものではありません。進む先に、あなた自身の魔法を見つけてください」
「・・・はい」
その言葉を胸に刻んで、私は扉をくぐった。
──学院を、王国を、そして過去を、あとにして。
でも、それは「終わり」じゃない。
始まりなのだ。
私の、“若き魔女”としての、物語の。
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