灼炎の転生魔女〜いじめられて自殺した私、異世界で炎の魔女の娘に転生しましたが、今度こそ強く生き抜きます!〜

銀鏡。

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四章 ミフィアの青と水音

244.蠢く影と魔寄せの石

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 その主は、サラだった。
彼女は私たちより一歩下がった位置から、鋭く魔喰いの動きを見つめていた。

「もしかして・・・本体は、あれじゃありませんか!」

サラが弓を向けたのは──魔喰いではなく、その反対側。
壊れた木箱の傍にある、ひび割れた黒い石。
──“魔寄せの石”だ!

「本体・・・!?あの石が!?」

 私が叫ぶと、女王も目を細めた。

「・・・確かに、そうかもしれません!そのようなタイプの魔物も、存在しますし・・・!」

「じゃあ、あれを・・・破壊すればいいんですか!?」

ノエルが叫びつつ、魔喰いの攻撃を受け止める。
短剣を扱う彼女にとって、攻撃をガードするのは不得手だろうに・・・。

「ええ・・・そうね!破壊するわ!」

 シェルが鋭く叫ぶ。
私たちは一瞬、目を合わせ──同時に動いた。
魔喰いそのものを倒すためではなく、その心臓とも言える石を破壊するために。

シェルが正面から突き、母が横から牽制。
ノエルが足元へ斬り込み、サラが素早く矢を射る。
そして──

「任せて!」

 私は剣を構え、石目がけて跳び込んだ。

「──っ!」

石から黒い瘴気が吹き出し、私を包み込もうと蠢く。
だけど、怯まない。

(・・・これで、終わらせる!)

「はあああっ!」

 剣の切っ先が、瘴気の中で光る“魔寄せの石”に突き刺さった。

その瞬間、耳をつんざくような鋭い悲鳴が響き渡った。
魔喰いの体がびくんと大きく跳ね、ひび割れた黒い石が、私の剣先で脆く砕け散る。

 途端に──闇の瘴気は、まるで霧が晴れるように消え失せていった。
そして、魔喰いの体も・・・もろく崩れ、塵となって跡形もなく消えた。

「やった・・・の?」

私は剣を握ったまま、呆然と立ち尽くした。
シェルが、ほっと息をつきながら言った。

「・・・どうやら、そうみたいね。サラさん、よく気づいたわ」

 サラは、照れくさそうに微笑んだ。

「皆さんが戦ってくれてたから、落ち着いて見れただけですよ」

その姿を見て──私は、心の底からほっとした。
でも同時に、胸の奥にじわりと残る、得体の知れない“気味悪さ”もあった。

 あれは、何だったのか。
あの石が、呼び寄せた存在だったのだろうか。

私は砕けた石の欠片を見つめながら、ふとそんな疑問を抱いた。   

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