寝たら次の日、犬になっていた件

このままずっと

「なんで……」
俺は驚愕して声が出なかった。
「急に起きたらお前がいなくなってたんだよ。ロボランがまた推理してくれたからよかったものの……」
「何をしにいってたの？」
リンが強い口調で聞いてくる。
俺は正直に話した。
「……実は、俺は人間なんだ。朝起きたらこうなってて。それで、元に戻ろうとしてたんだ……」
三匹は俺を「信じられない」というように目で見つめてきた。それもそうだ。
「なんで元に戻ろうとしたんだ？」
「このままだと何もかも不便だ。人間の方が出来ることも多い。だから、元に戻った方が……」
「なーに馬鹿な事考えてるんだ」
ダラルは呆れたように小さな声で言った。
俺は混乱した。
「それは……」
「お前、勉強嫌いなんだろ？勉強しなくていいだろ？それに、動物はいろんな人から好かれまくって幸せだろ？」
ダラルの主張に共感してしまい、俺は反論できなくなる。

「……このままずっと。オレたちと一緒に生きようぜ？」

「………いい」
「？」
「いいよ」
俺は賛成を選んだ。

この時俺はダラルの言う通り、死ぬまで犬でいる事を誓った。