謎の光によって犬になったんですが

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謎の犬

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翌日。オレ達は食料を探しに出かけた。
家には魚の骨やバナナの皮など、ゴミしかなかったからな。
オレ達はスーパーに入って行った。

カレーやパスタ、ハンバーグ。
オレ達が人間時代に食べていた食べ物がずらりと並んでいる。
「……おいしそう」
揮がポツリと呟いた。りんも好物のラーメンを眺めている。
でも、今のオレ達は犬。
ドッグフードやパンを食べるしかないのだ。
「……なあ、気持ちは分かるんだが……」
オレが二人を食材から引き離そうとすると、店員さんがやって来た。
「なんで犬がいるの?全く、ここは人が入る所なの」
そして、店員さんはオレ達を抱き抱えてスーパーの外に出した。
りんがオレに囁く。
「追い出されちゃったね」
「分かっててやったんじゃねえのかよ」
人間以外がスーパーに行って追い出されるのは当たり前。
オレはその事を意識した前提で行動しただけだ。
「……帰らないと……」
揮が不安そうに言葉を吐いた。

オレ達は食料を諦めて、家に戻ったのであった。

「ねえ、諦めちゃったけど、生きてくには食べ物が必要なんじゃ……」
家の近くまで来た時、りんが言い出した。
そんな事分かってる、誰だって。
「―帰って暫くしたらもう一度行く。―スーパーじゃないどこかに」
この時オレは、この先長旅になる事を覚悟していた。
その直後、家のゴミ箱からガサゴソ音が聞こえて来た。
「な、なんだ!?」
オレ達は急いで音のする方に向かった。
―そしていたのは、茶色い謎の犬だった。
揮がソイツに怒鳴る。
「知らない犬がいるぞ!」
その声を聞き、ヤツは慌てて振り向いた。
もしかして、コイツもここに住みたいのか?
―オレはそう考えたが、せっかく見つけた居場所を渡すわけにはいかなかった。
「ここは私たちの物。勝手に住まないで」
りんも珍しく怒りを爆発させている。
「そんなの知らねえよ……」
犬は言い訳を始めたが、揮がすぐに言い返した。
「いいから早くどっか行け!」
最後にはオレも怒鳴った。
「そうだ。勝手に住みつかれては困る」
ここにあるギリ食べれそうな物だけがオレ達の食料だ。
それを盗まれては、オレらは生きていけない。
するとその犬は諦めたのか、その場を去って行った。
「何とか物は盗まれなかったぽいよ。良かったあ」
安心して息を吐く揮。
りんも安堵している様子だ。
―でも、オレはそれで良かったのか、分からなかった。
「ねえ、結局食料はどうするの?」
「今から行く」
揮は答えるのが面倒くさかったのか、すぐに返事をした。

オレ達は、再び食料を探しに出かけたのだった。
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