72 / 268
第3節 女子高生(おっさん)の日常といともたやすく行われるアオハル
67.女子高生(おっさん)の部活
〈放課後 部室〉
「話があるのでござるが……良いですかな? アシュナ殿」
「え? うん……」
放課後、部活に勤しんでいるとケンが神妙な面持ちで話しかけてきた。他のみんなも同じ表情だ。きっとまた下ネタ系のくだらない事だろうなと思いつつ、真剣に聞いてみた。
「実は……我ら、小説家を目指すのを辞めたのでござるよ」
「…………………えっ!?」
真剣に聞いてみたら思いの外(ほか)に大切な話だったことに驚き、呆気にとられた。前世ではこんなイベントは存在しなかったから。
言葉が出てこない俺をよそにケンらは続けた。
「あ、でも勘違いしないでね。それぞれ小説書きは続けるよ? 僕らはやっぱり物語を創るのが好きだから……」
「そうだね! だからあくまで小説は趣味ってかたちになるかな!」
「え……じゃあどうして……?」
「小説家を目指すことよりも、やりたい事を見つけたんだ」
イオリとユウタ、タケルがそう言って沈黙する。この四人が俺と同じように頑張っていた事は誰よりも知っていたのに……それよりもやりたい事って一体何だろうか。
「アシュナ殿でござるよ」
俺の心を見透かしたように、眼鏡をクイッと上げながらケンは言った。
「アシュナ殿は色々と危ういでござる、DQNと対峙したり、詐欺グループと立ち回ったりと……アシュナ殿を大切に思っている我々は毎回、肝を冷やされるでござる」
「ぅ……ごめん……」
「極めつけはあのイケメン御曹司だ……よりによって俺のアシュナを狙うだなんてよ……! 鳳凰天馬……ライバルとして──あいつから絶対にアシュナを守らなきゃならねぇんだ!」
エロ猿のタケルがわなわなと震えている。
お前のじゃないし、たぶんお前じゃ分が悪すぎる。何一つ勝ってる部分がない。
「だからね……僕たちは強くなってアシュナちゃんを守っていこうって決めたんだ。これからアシュナちゃんは色々と忙しくなるでしょ? だからマネジメントみたいな事で協力できたらなっ、て」
髪妖怪のイオリが笑いながらそう言った。
確かにこれからはプロ作家として、小説を書き続けて推敲する日々が続くだろう。
まぁ、掲載する小説は既に完結済みでヤコウさんには渡してあるし……細部の調整だけで、次回作ももう半分は執筆済みだけど。
つまり、これまでとなにも変わらないんだけど。
「我々はここで趣味として小説を書き! アシュナ殿と趣味の共有などをして日々を過ごしつつも! アシュナ殿を守ると誓うでござるよ!」
「……それって今までとどう違うの……?」
ただ、オタサーの姫感が強くなっただけのような気がする。
「あ、ちなみにここはもう『同好会』じゃなくなったでござるよ。正式に顧問の先生がついた事により【ライト文芸部】にランクアップしたでござるよ!」
「えっ」
「ちなみに顧問の先生は校長先生でござる」
「ちなみにの話の方が衝撃的すぎるよ!」
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
同じアパートに住む年上未亡人美女は甘すぎる。
ピコサイクス
青春
大学生の翔太は、一人暮らしを始めたばかり。
真下の階に住むのは、落ち着いた色気と優しさを併せ持つ大人の女性・水無瀬紗夜。
引っ越しの挨拶で出会った瞬間、翔太は心を奪われてしまう。
偶然にもアルバイト先のスーパーで再会した彼女は、翔太をすぐに採用し、温かく仕事を教えてくれる存在だった。
ある日の仕事帰り、ふたりで過ごす時間が増えていき――そして気づけば紗夜の部屋でご飯をご馳走になるほど親密に。
優しくて穏やかで――その色気に触れるたび、翔太の心は揺れていく。
大人の女性と大学生、甘くちょっぴり刺激的な同居生活(?)がはじまる。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
マカロニ
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!