1 / 1
1
しおりを挟む
「女の人はユミが初めてなんだ」
褐色の二の腕のしなやかな筋肉に拭い忘れた水滴が光っている。貴公子のように整った顔には、表情というものがない。
「いいから、早くいらっしゃい」
お金持ちのマダムにでもなったように、私は少年を促す。ためらいがちに私の横に座った少年の肌に乗った水滴をそっと舌で掬い取る。かすかな香辛料の匂いがして、私は少し安心した。夫の匂いがすることを恐れていたからだ。
シャワーなんか浴びさせずにそのまま、抱かれてしまえばよかった。そんなことをぼんやりと考えながら、あまり毛の生えていない腋に顔をうずめた。強い力で押し倒され、ゆるいウェーブのかかった髪を指でそっと梳く。
こんなやせっぽちのこの子のどこにこんな力があるんだろう。むしゃぶりつくようにキスをされ、ずぶずぶと入ってくる舌の裏側を優しく自分の舌で撫で回しながら、タオルの下で硬くなったペニスを握る。それだけで、膣の奥がきゅっと収縮して、クリトリスがつんと硬くなる。結婚したばかりの夫と最後にセックスをしたのは一ヶ月以上も前のことだ。最後どころか、それが最初だった。
夫とは結婚紹介所を介して知り合った。比較的しっかりした、男性会員は高収入の職についていて、女性からも決して安くはない登録料を取るようなところだ。サイトに載せるプロフィール写真は、明るく聡明でいかにも仕事ができる女風に写っているのを選んだ。婚期を逃したのは仕事にかまけて結婚相手を探しそこねたからだという筋書きが、理想の相手を捕まえるためには有利なような気がしたからだ。それでも料理が好きとかインテリアには凝るほうだとか、さりげなく良い妻になりそうなプロフィールをちりばめてケーキ屋さんのガラスケースに並べられた綺麗なお菓子のように、誰かが目を留めてくれるのを待った。
夫の前に四人の男性を紹介され、そのうちの三人と寝た。何しろ私は人生にうんざりしていて、とにかく嫌な男でなければさっさと結婚してしまいたかったのだ。でもそういう投げやりさが態度にでてしまっていたのか、結婚紹介所を新手の出会い系サイトと思っているだけの男だったのか、数ヶ月で連絡が途絶えた。残りの一人は、何を言っても返事しかしない恐ろしく陰気な人で、喫茶店で十五分話をしただけで二度と会いたいとは思わなかった。
胸元にきつく巻いたタオルを剥ぎ取ると、少年は私の乳房をぎゅっと掴んだ。
「舐めて。舐めるのは得意でしょ」
どちらかというと、命令されたり 焦らされたりするのが好きなので、こんなことを言ってしまっている自分が信じられない。私は夫に復讐しているつもりなのか。そんなことを考えていたら乳首を舐めあげられて、体がびくんと大きく震え、思考がはじけて飛んだ。褐色の顔からはみ出た赤い舌がとてもエロティックで、自分の乳房が白くてフワフワした甘いお菓子みたいだ。私はいやらしい声を上げて、喉をそらせる。
※続きはKindle書籍にてお楽しみください。
褐色の二の腕のしなやかな筋肉に拭い忘れた水滴が光っている。貴公子のように整った顔には、表情というものがない。
「いいから、早くいらっしゃい」
お金持ちのマダムにでもなったように、私は少年を促す。ためらいがちに私の横に座った少年の肌に乗った水滴をそっと舌で掬い取る。かすかな香辛料の匂いがして、私は少し安心した。夫の匂いがすることを恐れていたからだ。
シャワーなんか浴びさせずにそのまま、抱かれてしまえばよかった。そんなことをぼんやりと考えながら、あまり毛の生えていない腋に顔をうずめた。強い力で押し倒され、ゆるいウェーブのかかった髪を指でそっと梳く。
こんなやせっぽちのこの子のどこにこんな力があるんだろう。むしゃぶりつくようにキスをされ、ずぶずぶと入ってくる舌の裏側を優しく自分の舌で撫で回しながら、タオルの下で硬くなったペニスを握る。それだけで、膣の奥がきゅっと収縮して、クリトリスがつんと硬くなる。結婚したばかりの夫と最後にセックスをしたのは一ヶ月以上も前のことだ。最後どころか、それが最初だった。
夫とは結婚紹介所を介して知り合った。比較的しっかりした、男性会員は高収入の職についていて、女性からも決して安くはない登録料を取るようなところだ。サイトに載せるプロフィール写真は、明るく聡明でいかにも仕事ができる女風に写っているのを選んだ。婚期を逃したのは仕事にかまけて結婚相手を探しそこねたからだという筋書きが、理想の相手を捕まえるためには有利なような気がしたからだ。それでも料理が好きとかインテリアには凝るほうだとか、さりげなく良い妻になりそうなプロフィールをちりばめてケーキ屋さんのガラスケースに並べられた綺麗なお菓子のように、誰かが目を留めてくれるのを待った。
夫の前に四人の男性を紹介され、そのうちの三人と寝た。何しろ私は人生にうんざりしていて、とにかく嫌な男でなければさっさと結婚してしまいたかったのだ。でもそういう投げやりさが態度にでてしまっていたのか、結婚紹介所を新手の出会い系サイトと思っているだけの男だったのか、数ヶ月で連絡が途絶えた。残りの一人は、何を言っても返事しかしない恐ろしく陰気な人で、喫茶店で十五分話をしただけで二度と会いたいとは思わなかった。
胸元にきつく巻いたタオルを剥ぎ取ると、少年は私の乳房をぎゅっと掴んだ。
「舐めて。舐めるのは得意でしょ」
どちらかというと、命令されたり 焦らされたりするのが好きなので、こんなことを言ってしまっている自分が信じられない。私は夫に復讐しているつもりなのか。そんなことを考えていたら乳首を舐めあげられて、体がびくんと大きく震え、思考がはじけて飛んだ。褐色の顔からはみ出た赤い舌がとてもエロティックで、自分の乳房が白くてフワフワした甘いお菓子みたいだ。私はいやらしい声を上げて、喉をそらせる。
※続きはKindle書籍にてお楽しみください。
0
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
放課後の保健室
一条凛子
恋愛
はじめまして。
数ある中から、この保健室を見つけてくださって、本当にありがとうございます。
わたくし、ここの主(あるじ)であり、夜間専門のカウンセラー、**一条 凛子(いちじょう りんこ)**と申します。
ここは、昼間の喧騒から逃れてきた、頑張り屋の大人たちのためだけの秘密の聖域(サンクチュアリ)。
あなたが、ようやく重たい鎧を脱いで、ありのままの姿で羽を休めることができる——夜だけ開く、特別な保健室です。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる