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第29話 私と私
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学校生活は順調だ。
決して多くの友人はいないが、私には親友と呼べる友達が2人いる。
いつもこの3人で行動しており、秘密ごともなく皆何の相談にでも乗ってくれる。
私達は高校3年生で、もう直ぐ離れ離れになってしまう。
まだ夏にも関わらず、私以外の皆は上京する事を決め、もう準備をしているそうだ。
大学に受かった訳でもないのに気が早いと思うが、皆やりたい事がそれぞれあるらしい。
私は今だに、進路希望の用紙を提出出来ずにいた。
将来何になりたいとか、今まで全然考えてこなかった。
友人達は写真の専門学校に行くためにお金を貯めてたり、
大学に行って留学するのが夢だったり、皆には夢があるらしい。
私は働けるならどんな職業でもいいし、
勉強を続けるのなら大学を目指すのもいいし、正直どちらでもよかったのだ。
でも、この時期になってようやく私は急ぎ始めていた。
教師からはもう少し勉強を頑張れば、良い大学に進めると言われた。
でも何のために勉強するのかも決まっていないので、全くやる気が起きないのだ。
幼かった私は。ケーキ屋さんになりたかった。
でもケーキ屋なんてアルバイトで出来る年齢だし、パティシエになりたかった訳でもない。
昔の私はただ、ケーキが好きでそこで働くことが幸せと思っていただけだ。
それ以降、夢らしい夢はない。
この歳になっても、私は何をしたいのかが自分でも定まっていないのだ。
放課後、いつもの2人と新しいカフェに訪れた。
そこの抹茶ラテはとても美味しくて、皆が選んだドリンクもどれも美味しかった。
皆とても気に入っていたので、卒業まで暫くこのお店に世話になりそうだ。
たわいもない話で盛り上がり、長い間カフェに居座ってしまった。
友人と別れた帰り道、私は将来の事を悩みながら歩いていた。
今日、友人の1人からもし何も決まっていなくても、一緒に上京しないかと誘われた。
東京の方が賃金も高いし、地元に留まるより外の世界を見てみたらどうか、と。
一緒にルームシェアをすれば家賃も半額になるから是非一緒に来たらと言われた。
私はそれはそれで良いよなあと思いながら、本当にその道が正しいのか定かではなかった。
なので、友人には検討しておくと伝え一旦保留にした。
でも確かに地元で育って都会の様子は知らないし、行ってみてもいいかもしれない。
私はぐるぐると色んな事を考え歩いていると、目の前が少しチカチカした気がした。
目を閉じて開ける。
そうするといつも通りの帰り道だった。
変だなと思ったがそのまま歩き始めた。
でも、少し歩いて不思議に思う。
昨日まで、本屋があった場所にスポーツジムが建っていた。
建て替えの工事の現場も目撃していないし、昨日まで普通に本屋だったのに、
何故か急にスポーツジムになっている。
何かがおかしいと思い、私は走り出した。
ある程度見渡すと、そこは自分の知っている場所なのだけれど、少しだけ違う。
そこまでビックリする程の大差はなかったが、
先ほどの様に、昨日までは確かにあったお店が別のお店になっていたりする。
知ってる町が、知らない町の様に思えた。
何だか怖くなってきて、家まで走る。
途中、女性が道の前から歩いてきた。
私は遠目でも、その女性を見て驚愕し足を止めた。
向こうも私に気づいて、ピタリと足を止める。
お互い、2メートル程の距離のまま見つめ合った。
「あなた、誰?」
私がそう聞くと、相手は「あなたこそ…。」と言葉が詰まった。
私が見ている目の前の女性は、私だった。
同じ制服を着て、容姿も瓜二つだ。
「私、フウカです。あなたは…。」
恐る恐る声を出すと、相手も「私もフウカ。」と答えた。
何十秒か、ずっとそこで見つめ合っていると、向こうのフウカがこちらに近づいてきた。
「なんか、双子みたいだね。」
彼女はそう言って笑った。
私も不思議とつられて笑う。
「なんで、同じ顔してるの?」
笑いながらそう言っても、相手も知らないよと返して笑う。
「ね、ちょっと話さない?お茶でもしてかない?」
そう言って、フウカが私を誘う。
自分と同じ顔が目の前で笑っているのは奇妙だが、
このフウカが、どの様な生活を送っているのかも気になった。
せっかくだから、是非と伝えると、フウカは私の手を繋いで歩き出した。
「何だか、他人の気がしないの。」
フウカが言った。
私も、最初から他人の気がしてなくてもしかして生き別れの双子では、と思った。
「ねえ、お母さんが秘密にしてるだけで、双子って事ないよね?」
私がそう聞くと、母親の名前はと聞かれ、フウカが同時に同じ名前を言った。
母親が同じ名前、私達の名前も同じ。
そして極め付けは私と同じ住所に、フウカは住んでいる。
見知った喫茶店に入り、2人で座った。
双子と思っているのか、同じ顔が2人で座っていても誰も何も言わなかった。
店員さんにレモンスカッシュを頼むと、フウカも私もいつもそれなの、と同じ飲み物を頼んだ。
「あのね、私今ずーっと勉強頑張ってるの。」
フウカがそう言ってカバンの中から色々な教材やノートを見せてくる。
「私、ずっと医師になりたくて。だから受験のために猛勉強中!」
フウカは届いたレモンスカッシュを飲みながら話した。
「医者になるってお金かかるでしょ。だから、少しでも安い国公立に入る為に頑張ってるんだ。」
その言葉を聞いて、私は何も言えなくなった。
私には夢はないが、このフウカには夢がちゃんとある。
「実は…私ね。夢がなくて困ってるの。
上京しないかって友達に誘われたけど、でもどうしたら正解なのか分からなくて。」
正直に今の自分の気持ちを話した。
するとフウカは私の手を握って言った。
「正解なんか、きっとどこにもないよ。
上京してみてもいいんじゃない。だって、そこでやりたい事が見つかるかもしれないし。」
フウカの話は何故かすんなりと心に入ってくる。
確かに、ずっと迷ってみてもどれが正解かなんて分からないかもしれない。
「そっか。そうだよね。でも、いいなあ。フウカは夢があって。」
私はフウカを見ながら話した。
「んー。医者になりたいのってドラマ見たからなんだよね。」
フウカは笑いながら言った。
医療ドラマ、そう言えば私も大好きな作品があった。
もしかして、あれ?と聞くとフウカはそうそうと笑った。
私もあのドラマを見た時は、医師になりたいと思った。
でも、自分の学力を考えると難しかったので、憧れこそしたものの夢にはならならかった。
目の前のフウカは、きっと私自身だ。
何故だか分からないけれど、同じ人物が今この世界に2人いるのだ。
ここのフウカは、あのドラマを見て医師を目指した。
かく言う私は、努力する前に医師になりたいと思った憧れを諦めた。
「私は、諦めちゃったんだ。でも、フウカは頑張って合格してね。」
目の前のフウカはありがとうと言って微笑んだ。
「お待たせしました~。」
そう言って、急に見知らぬ男性が私たちの座っているボックス席に座ってきた。
こちらにはカーキー色の男性が座り、目の前のフウカの横には黒髪の男性が座る。
「え、え、誰?」
フウカと私は混乱しつつ、お互い見つめ合った。
「AUPDのセイガ、目の前にいるのがアマギリ。今、俺の隣のフウカちゃんじゃなくて、
アマギリの隣にいるフウカちゃんが別の世界線に飛んじゃったんだ。で、その世界線に住んでる自分に合ってる。」
つまり、医師を目指しているフウカの世界線に、私が飛んできてしまった事だろうか。
でも、映画とかタイムスリップ系の作品では、同じ自分に絶対会ってはいけなかった様な気がする。
「あの、もし同じ自分をみたら、タイムパラドクス…でしたっけ。そう言う何かが起きるんじゃないですか?」
隣に座っているアマギリさんが、冷静に答えた。
「起こらないですね。世界線Aのフウカさんが世界線Bのフウカさんと合った。
そうすると世界線C、つまり2人フウカさんがいる世界線が生まれただけです。」
そうなんだあ、とフウカと同じタイミングで呟く。
「だから、俺たちが限りなく近い世界線へ移送するんだ。今の経験を失くす事は出来ないから、
全く同じ世界線には戻れない。でも、0.0001%だけ違うほとんど同じ世界だよ。」
セイガさんが、そう話す。
なんの確率なのかは分からないが、とりあえず今日こっちのフウカと出会った記憶とかは
消えないらしく安心した。
「2人で話せて楽しかった~?」
セイガさんは笑いながら聞いた。
「楽しかったです!」
2人の声がハモって、私たちはまた笑った。
「じゃあ、移送しますね。」
アマギリさんが何か機械を操作した様子だった。
目の前のフウカが「元気でね。」と微笑んだ。
気がつくと先ほどまでの道に私はいて、目の前にフウカもセイガさんもアマギリさんもいなかった。
本屋はスポーツジムにはなっていない。
他の店もいつも通りの町並みだった。
変な経験をしたなあ、と思ったがあれは夢なんかでは絶対にない。
違う世界の自分に合った。
その世界ではフウカは夢に向かって頑張っていた。
私は、本当にこのままで良いのだろうか。
確かに同じ様に医師を目指したい気持ちはあるが、今から勉強しても難しいだろう。
帰宅後の夜、ベットに入り今日あった色々な出来事を思い出した。
今自分が出来る事、これからどうなりたいか。
じっくり煮詰める様に考えた。
そして私は次の日、進路希望調査の紙をようやく提出した。
流石に医師は目指せないけれど、医療の道には興味があった。
なので、看護師なら今からでも目指せるのではないかと考えたのだ。
先生に進路調査の容姿を提出すると、嬉しそうにようやく決まったんだねと先生が言った。
私の学力では、もう少し勉強を頑張らないと希望する所に受からないだろう。
でも、他の世界線の自分はちゃんと頑張っている事を知れた。
それは私にとって希望となり、力となった。
あちらのフウカは医者で、こっちの私は看護師。
もう絶対交わらないだろうけれど、同じ医療の現場で私が色んな人を救えたらいいなと思う。
決して多くの友人はいないが、私には親友と呼べる友達が2人いる。
いつもこの3人で行動しており、秘密ごともなく皆何の相談にでも乗ってくれる。
私達は高校3年生で、もう直ぐ離れ離れになってしまう。
まだ夏にも関わらず、私以外の皆は上京する事を決め、もう準備をしているそうだ。
大学に受かった訳でもないのに気が早いと思うが、皆やりたい事がそれぞれあるらしい。
私は今だに、進路希望の用紙を提出出来ずにいた。
将来何になりたいとか、今まで全然考えてこなかった。
友人達は写真の専門学校に行くためにお金を貯めてたり、
大学に行って留学するのが夢だったり、皆には夢があるらしい。
私は働けるならどんな職業でもいいし、
勉強を続けるのなら大学を目指すのもいいし、正直どちらでもよかったのだ。
でも、この時期になってようやく私は急ぎ始めていた。
教師からはもう少し勉強を頑張れば、良い大学に進めると言われた。
でも何のために勉強するのかも決まっていないので、全くやる気が起きないのだ。
幼かった私は。ケーキ屋さんになりたかった。
でもケーキ屋なんてアルバイトで出来る年齢だし、パティシエになりたかった訳でもない。
昔の私はただ、ケーキが好きでそこで働くことが幸せと思っていただけだ。
それ以降、夢らしい夢はない。
この歳になっても、私は何をしたいのかが自分でも定まっていないのだ。
放課後、いつもの2人と新しいカフェに訪れた。
そこの抹茶ラテはとても美味しくて、皆が選んだドリンクもどれも美味しかった。
皆とても気に入っていたので、卒業まで暫くこのお店に世話になりそうだ。
たわいもない話で盛り上がり、長い間カフェに居座ってしまった。
友人と別れた帰り道、私は将来の事を悩みながら歩いていた。
今日、友人の1人からもし何も決まっていなくても、一緒に上京しないかと誘われた。
東京の方が賃金も高いし、地元に留まるより外の世界を見てみたらどうか、と。
一緒にルームシェアをすれば家賃も半額になるから是非一緒に来たらと言われた。
私はそれはそれで良いよなあと思いながら、本当にその道が正しいのか定かではなかった。
なので、友人には検討しておくと伝え一旦保留にした。
でも確かに地元で育って都会の様子は知らないし、行ってみてもいいかもしれない。
私はぐるぐると色んな事を考え歩いていると、目の前が少しチカチカした気がした。
目を閉じて開ける。
そうするといつも通りの帰り道だった。
変だなと思ったがそのまま歩き始めた。
でも、少し歩いて不思議に思う。
昨日まで、本屋があった場所にスポーツジムが建っていた。
建て替えの工事の現場も目撃していないし、昨日まで普通に本屋だったのに、
何故か急にスポーツジムになっている。
何かがおかしいと思い、私は走り出した。
ある程度見渡すと、そこは自分の知っている場所なのだけれど、少しだけ違う。
そこまでビックリする程の大差はなかったが、
先ほどの様に、昨日までは確かにあったお店が別のお店になっていたりする。
知ってる町が、知らない町の様に思えた。
何だか怖くなってきて、家まで走る。
途中、女性が道の前から歩いてきた。
私は遠目でも、その女性を見て驚愕し足を止めた。
向こうも私に気づいて、ピタリと足を止める。
お互い、2メートル程の距離のまま見つめ合った。
「あなた、誰?」
私がそう聞くと、相手は「あなたこそ…。」と言葉が詰まった。
私が見ている目の前の女性は、私だった。
同じ制服を着て、容姿も瓜二つだ。
「私、フウカです。あなたは…。」
恐る恐る声を出すと、相手も「私もフウカ。」と答えた。
何十秒か、ずっとそこで見つめ合っていると、向こうのフウカがこちらに近づいてきた。
「なんか、双子みたいだね。」
彼女はそう言って笑った。
私も不思議とつられて笑う。
「なんで、同じ顔してるの?」
笑いながらそう言っても、相手も知らないよと返して笑う。
「ね、ちょっと話さない?お茶でもしてかない?」
そう言って、フウカが私を誘う。
自分と同じ顔が目の前で笑っているのは奇妙だが、
このフウカが、どの様な生活を送っているのかも気になった。
せっかくだから、是非と伝えると、フウカは私の手を繋いで歩き出した。
「何だか、他人の気がしないの。」
フウカが言った。
私も、最初から他人の気がしてなくてもしかして生き別れの双子では、と思った。
「ねえ、お母さんが秘密にしてるだけで、双子って事ないよね?」
私がそう聞くと、母親の名前はと聞かれ、フウカが同時に同じ名前を言った。
母親が同じ名前、私達の名前も同じ。
そして極め付けは私と同じ住所に、フウカは住んでいる。
見知った喫茶店に入り、2人で座った。
双子と思っているのか、同じ顔が2人で座っていても誰も何も言わなかった。
店員さんにレモンスカッシュを頼むと、フウカも私もいつもそれなの、と同じ飲み物を頼んだ。
「あのね、私今ずーっと勉強頑張ってるの。」
フウカがそう言ってカバンの中から色々な教材やノートを見せてくる。
「私、ずっと医師になりたくて。だから受験のために猛勉強中!」
フウカは届いたレモンスカッシュを飲みながら話した。
「医者になるってお金かかるでしょ。だから、少しでも安い国公立に入る為に頑張ってるんだ。」
その言葉を聞いて、私は何も言えなくなった。
私には夢はないが、このフウカには夢がちゃんとある。
「実は…私ね。夢がなくて困ってるの。
上京しないかって友達に誘われたけど、でもどうしたら正解なのか分からなくて。」
正直に今の自分の気持ちを話した。
するとフウカは私の手を握って言った。
「正解なんか、きっとどこにもないよ。
上京してみてもいいんじゃない。だって、そこでやりたい事が見つかるかもしれないし。」
フウカの話は何故かすんなりと心に入ってくる。
確かに、ずっと迷ってみてもどれが正解かなんて分からないかもしれない。
「そっか。そうだよね。でも、いいなあ。フウカは夢があって。」
私はフウカを見ながら話した。
「んー。医者になりたいのってドラマ見たからなんだよね。」
フウカは笑いながら言った。
医療ドラマ、そう言えば私も大好きな作品があった。
もしかして、あれ?と聞くとフウカはそうそうと笑った。
私もあのドラマを見た時は、医師になりたいと思った。
でも、自分の学力を考えると難しかったので、憧れこそしたものの夢にはならならかった。
目の前のフウカは、きっと私自身だ。
何故だか分からないけれど、同じ人物が今この世界に2人いるのだ。
ここのフウカは、あのドラマを見て医師を目指した。
かく言う私は、努力する前に医師になりたいと思った憧れを諦めた。
「私は、諦めちゃったんだ。でも、フウカは頑張って合格してね。」
目の前のフウカはありがとうと言って微笑んだ。
「お待たせしました~。」
そう言って、急に見知らぬ男性が私たちの座っているボックス席に座ってきた。
こちらにはカーキー色の男性が座り、目の前のフウカの横には黒髪の男性が座る。
「え、え、誰?」
フウカと私は混乱しつつ、お互い見つめ合った。
「AUPDのセイガ、目の前にいるのがアマギリ。今、俺の隣のフウカちゃんじゃなくて、
アマギリの隣にいるフウカちゃんが別の世界線に飛んじゃったんだ。で、その世界線に住んでる自分に合ってる。」
つまり、医師を目指しているフウカの世界線に、私が飛んできてしまった事だろうか。
でも、映画とかタイムスリップ系の作品では、同じ自分に絶対会ってはいけなかった様な気がする。
「あの、もし同じ自分をみたら、タイムパラドクス…でしたっけ。そう言う何かが起きるんじゃないですか?」
隣に座っているアマギリさんが、冷静に答えた。
「起こらないですね。世界線Aのフウカさんが世界線Bのフウカさんと合った。
そうすると世界線C、つまり2人フウカさんがいる世界線が生まれただけです。」
そうなんだあ、とフウカと同じタイミングで呟く。
「だから、俺たちが限りなく近い世界線へ移送するんだ。今の経験を失くす事は出来ないから、
全く同じ世界線には戻れない。でも、0.0001%だけ違うほとんど同じ世界だよ。」
セイガさんが、そう話す。
なんの確率なのかは分からないが、とりあえず今日こっちのフウカと出会った記憶とかは
消えないらしく安心した。
「2人で話せて楽しかった~?」
セイガさんは笑いながら聞いた。
「楽しかったです!」
2人の声がハモって、私たちはまた笑った。
「じゃあ、移送しますね。」
アマギリさんが何か機械を操作した様子だった。
目の前のフウカが「元気でね。」と微笑んだ。
気がつくと先ほどまでの道に私はいて、目の前にフウカもセイガさんもアマギリさんもいなかった。
本屋はスポーツジムにはなっていない。
他の店もいつも通りの町並みだった。
変な経験をしたなあ、と思ったがあれは夢なんかでは絶対にない。
違う世界の自分に合った。
その世界ではフウカは夢に向かって頑張っていた。
私は、本当にこのままで良いのだろうか。
確かに同じ様に医師を目指したい気持ちはあるが、今から勉強しても難しいだろう。
帰宅後の夜、ベットに入り今日あった色々な出来事を思い出した。
今自分が出来る事、これからどうなりたいか。
じっくり煮詰める様に考えた。
そして私は次の日、進路希望調査の紙をようやく提出した。
流石に医師は目指せないけれど、医療の道には興味があった。
なので、看護師なら今からでも目指せるのではないかと考えたのだ。
先生に進路調査の容姿を提出すると、嬉しそうにようやく決まったんだねと先生が言った。
私の学力では、もう少し勉強を頑張らないと希望する所に受からないだろう。
でも、他の世界線の自分はちゃんと頑張っている事を知れた。
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