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第27話 皆で温泉
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ダンジョンから出た翌日、ようやく家に辿り着いた俺たち。
もう足はパンパンだし、服も汚れているしで、どうにもならない。
ひとまず俺は、地下のお風呂に向かった。
……向かったんだけど、後ろからゾロゾロとついてくる足音が聞こえる。
「ちょっと……なんで皆ついてくるんだよ!?
それに、なんでロウキまで来るんだよ!?
しかも、なんでちょっと体が小さくなってるわけ!?」
振り返るとクロとユキがいて、
ロウキはいつもの威圧感を失った少しミニサイズの姿で、当然のように歩いていた。
「良いではないか。我も温泉とやらに興味がある。
普段の大きさでは狭いからな。体の調整だ。知らんのか?
従魔になった魔物は体の大きさを割と自由に変えられるのだ」
「そんな都合よくなるなんて聞いてないけど!!」
「ボスとは、いつもいっしょ。だから、おれも、いく」
ミルまで当然のように風呂へ向かってくる。
いや、君たち魔獣だよね? お風呂って、そんなに魅力的なの?
「いやいやいや……お前たち、お風呂とか別に好きじゃないだろ!?」
「バカめ。我は風呂にも入れる特殊個体だ」
「フェンリルにそんな個体がいてたまるかよ!」
「あるじ、おれ、はいっちゃだめ?」
「いやぁ、まぁいいんだけどさぁ……
ちゃんと体を洗ってからお湯につかるんだぞ?」
「わかった。がんばる」
「ロウキとユキもだぞ! 体洗ってやるから、それから湯船に入れよな!」
一体この会話は何なんだろう。何をどう考えたら、こんな展開になるのか。
魔獣たちって、こんなにコミュ力高めな存在でしたっけ?
そんなことを考えながら、仕方なく皆を連れてお風呂時間を過ごすことになった。
地下の浴室に辿り着くと、なぜか皆テンションが高かった。
こういうことが初めてなミルは戸惑っていたけれど、
すかさずクロが手助けしてやっている。もうすっかり、お兄ちゃん気分だな。
そんな様子を見て、ミルのことはクロに任せ、
俺は可愛らしいロウキとユキを担当することにした。
ロウキは素直にユキと同じくらいのサイズになり、意外にも大人しく洗われていた。
「かゆいところはないですかー?」
「うむ。ない」
「はーい。じゃあ流すよー」
ザバアアアン——
「……人に洗われるというのは、意外と良いものだな。これからは定期的に頼む」
「えー……なんでだよー……はい、次はユキだよー」
「ワオンッ!」
「わぁ! ブルブルしないでー!」
「主! 俺もミルも洗い終わったぜ! 入ってもいい?」
「ああ、大丈夫だよ」
ロウキとユキはゆっくりと前足を湯船に浸けた。
その様子は、まるでトラやライオンが水浴びをしているようで、とても可愛らしい。
体全体をお湯に浸すと、その温かさにすぐハマった様子だった。
だけどね——……毛がね。すごいのよ、これ。
「これが温泉……思っていた以上に体がほぐれるな。
魔法で綺麗にするより、癒しの効果がありそうだ」
「まぁね……って、あーあ……毛が……まぁ、飼い主なんて、こんなもんだよなぁ」
湯船の表面に、ふわふわと浮かぶ毛たち。
……これ、後で掃除するの俺なんだよなぁ。
「我の毛は、かき集めたら売れるぞ?
フェンリルの毛なんてそう集まるものではないからな」
「あ、本当? じゃあ、これ後で掃除するから、集めて乾かしてみようかな」
「そうするが良い。特別だ」
お風呂の中はすっかり毛だらけになってしまったけれど、
フェンリルの体毛は言い値で売れると聞いて、掃除のやる気が少しだけ湧いてきた――
◇
「ふぁぁ……すっかり夜になっちゃったな」
お風呂に入ったこともあり、俺たちはエントランスホールのソファの上で、そのまま眠ってしまった。
目を覚ますと少し体は痛かったけど、スッキリしている。
玄関を出てみると、大きな月が綺麗に輝いていた。
「さてと……皆が起きる前に、晩ご飯作りますかぁ。
そういえば、野菜が切れてたんだった。畑、畑ー」
キイッ——
「あるじ、おれ、おきた。どこいくの?」
「ミル。起きたのか。これから晩ご飯の野菜を、すぐそこの畑に取りに行くよ」
「おれも、いく」
夜風に当たりながら畑に着くと、俺はミルに収穫を手伝ってもらうことにした。
「あまり力を入れずに、優しくな」
「わかった」
ミルは素直に頷いて、教えた通り、一生懸命収穫していた。
初めての作業が楽しいのか、魔物とは思えないほど丁寧で、嬉しそうに動く姿がとても可愛らしい。
独りきりの生活の中でロウキと出会い、また独りになり……
ずっと寂しかったのかもしれないな。
「あるじ、ボスにだす、おりょうり、おしえて」
「お? ミル、料理に興味があるのか?
じゃあ、一緒に夜ご飯作ってみようか!」
「つくる!」
子供のように懐いてくれるミルを見ていると、護ってやりたいな、って自然に思えた。
失敗もあるかもしれないけど、意外と器用だったりして?
魔物と作る晩ご飯。なんだか、それはそれで面白いな。
そう思いながら、俺はミルとの初めての料理作りを楽しんでいた——
もう足はパンパンだし、服も汚れているしで、どうにもならない。
ひとまず俺は、地下のお風呂に向かった。
……向かったんだけど、後ろからゾロゾロとついてくる足音が聞こえる。
「ちょっと……なんで皆ついてくるんだよ!?
それに、なんでロウキまで来るんだよ!?
しかも、なんでちょっと体が小さくなってるわけ!?」
振り返るとクロとユキがいて、
ロウキはいつもの威圧感を失った少しミニサイズの姿で、当然のように歩いていた。
「良いではないか。我も温泉とやらに興味がある。
普段の大きさでは狭いからな。体の調整だ。知らんのか?
従魔になった魔物は体の大きさを割と自由に変えられるのだ」
「そんな都合よくなるなんて聞いてないけど!!」
「ボスとは、いつもいっしょ。だから、おれも、いく」
ミルまで当然のように風呂へ向かってくる。
いや、君たち魔獣だよね? お風呂って、そんなに魅力的なの?
「いやいやいや……お前たち、お風呂とか別に好きじゃないだろ!?」
「バカめ。我は風呂にも入れる特殊個体だ」
「フェンリルにそんな個体がいてたまるかよ!」
「あるじ、おれ、はいっちゃだめ?」
「いやぁ、まぁいいんだけどさぁ……
ちゃんと体を洗ってからお湯につかるんだぞ?」
「わかった。がんばる」
「ロウキとユキもだぞ! 体洗ってやるから、それから湯船に入れよな!」
一体この会話は何なんだろう。何をどう考えたら、こんな展開になるのか。
魔獣たちって、こんなにコミュ力高めな存在でしたっけ?
そんなことを考えながら、仕方なく皆を連れてお風呂時間を過ごすことになった。
地下の浴室に辿り着くと、なぜか皆テンションが高かった。
こういうことが初めてなミルは戸惑っていたけれど、
すかさずクロが手助けしてやっている。もうすっかり、お兄ちゃん気分だな。
そんな様子を見て、ミルのことはクロに任せ、
俺は可愛らしいロウキとユキを担当することにした。
ロウキは素直にユキと同じくらいのサイズになり、意外にも大人しく洗われていた。
「かゆいところはないですかー?」
「うむ。ない」
「はーい。じゃあ流すよー」
ザバアアアン——
「……人に洗われるというのは、意外と良いものだな。これからは定期的に頼む」
「えー……なんでだよー……はい、次はユキだよー」
「ワオンッ!」
「わぁ! ブルブルしないでー!」
「主! 俺もミルも洗い終わったぜ! 入ってもいい?」
「ああ、大丈夫だよ」
ロウキとユキはゆっくりと前足を湯船に浸けた。
その様子は、まるでトラやライオンが水浴びをしているようで、とても可愛らしい。
体全体をお湯に浸すと、その温かさにすぐハマった様子だった。
だけどね——……毛がね。すごいのよ、これ。
「これが温泉……思っていた以上に体がほぐれるな。
魔法で綺麗にするより、癒しの効果がありそうだ」
「まぁね……って、あーあ……毛が……まぁ、飼い主なんて、こんなもんだよなぁ」
湯船の表面に、ふわふわと浮かぶ毛たち。
……これ、後で掃除するの俺なんだよなぁ。
「我の毛は、かき集めたら売れるぞ?
フェンリルの毛なんてそう集まるものではないからな」
「あ、本当? じゃあ、これ後で掃除するから、集めて乾かしてみようかな」
「そうするが良い。特別だ」
お風呂の中はすっかり毛だらけになってしまったけれど、
フェンリルの体毛は言い値で売れると聞いて、掃除のやる気が少しだけ湧いてきた――
◇
「ふぁぁ……すっかり夜になっちゃったな」
お風呂に入ったこともあり、俺たちはエントランスホールのソファの上で、そのまま眠ってしまった。
目を覚ますと少し体は痛かったけど、スッキリしている。
玄関を出てみると、大きな月が綺麗に輝いていた。
「さてと……皆が起きる前に、晩ご飯作りますかぁ。
そういえば、野菜が切れてたんだった。畑、畑ー」
キイッ——
「あるじ、おれ、おきた。どこいくの?」
「ミル。起きたのか。これから晩ご飯の野菜を、すぐそこの畑に取りに行くよ」
「おれも、いく」
夜風に当たりながら畑に着くと、俺はミルに収穫を手伝ってもらうことにした。
「あまり力を入れずに、優しくな」
「わかった」
ミルは素直に頷いて、教えた通り、一生懸命収穫していた。
初めての作業が楽しいのか、魔物とは思えないほど丁寧で、嬉しそうに動く姿がとても可愛らしい。
独りきりの生活の中でロウキと出会い、また独りになり……
ずっと寂しかったのかもしれないな。
「あるじ、ボスにだす、おりょうり、おしえて」
「お? ミル、料理に興味があるのか?
じゃあ、一緒に夜ご飯作ってみようか!」
「つくる!」
子供のように懐いてくれるミルを見ていると、護ってやりたいな、って自然に思えた。
失敗もあるかもしれないけど、意外と器用だったりして?
魔物と作る晩ご飯。なんだか、それはそれで面白いな。
そう思いながら、俺はミルとの初めての料理作りを楽しんでいた——
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