幼馴染みとアオハル恋事情

有村千代

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番外編2 恋人になった記念(1)

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 千佳の部屋はとにかく物が多い。散らかっているというよりは、雑多としているという印象だろうか。
 彼の性格的に、《整理整頓》という言葉とは縁遠いのかもしれない。だからこそ部屋が片付いていると、明は妙に感心してしまうものがあった。
「部屋、片づけたんだな。綺麗になってる」
「おうよ! ついでに、懐かしいモン取り出してきたんだぜ?」
 千佳が得意げに笑う。その手にあったのは、一冊の分厚いアルバムだった。
 促されるままページを開くと、そこには幼い千佳の写真が収められていた。おそらくは幼稚園の頃だろうか。どれもこれも内気な笑顔でピースサインをしており、見ているだけで微笑ましい気持ちになった。
 今では天真爛漫っぷりが目立つ千佳だが、当時は引っ込み思案だったのを覚えている。子供ながらにどこか避けられている気がして、家が隣同士といえども距離感があった。
 それが変わったのは小学校に上がってからである。明は偶然にも、千佳のいじめ現場に遭遇し、そこで初めて会話らしい会話をしたのだ。それからというもの、すっかり二人は親友になったわけだが……、
「この頃はまだ、明と仲良くなかったんだよな――あ、こっからは明との写真ばっか」
 運動会や遠足といった学校行事に加え、家族ぐるみで遊びに行ったときの写真が並ぶ。千佳の隣には当然のように明がいて、なかには二人で肩を組んで笑っているものもあった。
 こうして振り返ってみると、自分たちがいかに長い付き合いなのかわかる。
 無自覚ではあったけれど、明はこのときからすでに千佳のことが好きだった。そこから二人の関係が大きく変わった日のことは、数か月経った今でも鮮明に覚えている――それこそ一生忘れられない思い出になるに違いない。
「なんつーか、親が写真撮ってくれるのが当たり前だったけどさ……形に残してもらえるのってありがたいもんだよな。こんなふうに後で見て、思い出に浸れるし」
 しみじみと語る千佳の横顔を眺めて、明もまた同意する。
「そうだな。これとか覚えてっか? 町内会の夏祭りでお前が迷子になったヤツ」
 そう言って指を差したのは、花火をバックに二人が浴衣姿で映っている写真だった。
「え、そんなことあった?」
「俺が迎えに行ってやったら大泣きしただろ。ほら、浴衣の袖口濡れてんじゃん」
「うっわ、マジだ。……ああー、なんか思い出してきたかも」
「そんで、このあと千佳が――」
「聞きたくねえ! もう思い出したっての、ずっと明に手ェ握ってもらってたヤツ!」
「……自分で言うのかよ」
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