天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

46 サスパニア出張旅団、フォリア山国境付近まで前進する_04

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   *          *

「翼竜ですっ! 1、2、3、4、5っ! 全5体の群れが、南東よりこちらに向かって間もなく飛来しますっ!!」

 女占い師の先読みに従い、ハルコンは直ぐさま双眼鏡で南東方面を見た。

 いる。確かに、……。

 それらは大空の水色に溶け込んでいて、最初よくワカらなかったのだけど。
 でも、徐々にその5つの灰色の点が、段々と大きくなり、……。つまり、もの凄い速度でこちらに向かって近づいてきているのだと、ハルコンは思った。

 ハルコンは、指揮車の天井から旅団全団員の様子を垣間見る。
 すると、この度の参加者達にとっては、こういう魔物の襲来など、日常茶飯事らしい。

 皆、緊急警戒態勢を取ってはいるものの、各々が手持ちの武器を南東方面に構え、とても堂々としたものだ。

 旅団の女官ら女性陣は、そもそも馬車の中に控えているワケで。
 後は、男性陣は今か今かと魔物の襲来を待ち侘びているのが、その表情から汲み取ることができた。

「女占い師殿っ、……。飛来する翼竜は、5体で相違ないかっ?」

 指揮車の外から、中年の一級剣士が呼びかけると、女占い師は半ばおびえた声で、「えぇっ、他にはございませんっ!」と叫んだ。

「ならば、よしっ!」

 中年の一級剣士は、そう言って指揮車の中に控えている女性陣らに力強く頷くと、シルファー団長らも、表情を引き締めて頷き返した。

 ここで、中年の一級剣士は大きく上半身を仰け反って、肺いっぱいに空気を吸い込むと、

「やぁやぁ遠からん者はっ、音にも聞けっ! 近くの者ば、寄って見よ! ここでお主らは、王族のご前で名を上げる、絶好の機会なるぞっ! 我はこの一番槍で、見事翼竜一体を仕留めて進ぜようぞっ!」と、旅団全体に響き渡る声で叫んだ。

 その次の瞬間、……。

「「「「「「「「「「うおおおおおおぉぉぉ――――――っっっ!!!」」」」」」」」」」

 フォルナ山の四囲を轟かせるほどの、旅団全団員による絶叫が、その後に続く。

「だってよ、ハルコン。あのイケオジに、美味しいところ、みぃ~んな持ってかれちゃったね?」

「まぁ、……。いいんじゃないですか?」

 こちらをちらりと見て、「半次郎」さんが半ば呆れたような表情でニヤリと笑う。

 実際の話、シルファー団長やステラ殿下らも、ホッとした表情をされているし、……。
 別に、どうしても手柄を欲しい、……というワケでもないしね、とハルコンは思った。
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