天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

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第二部「ハルコン青年期」

47 フォリア山の夜宴_03

   *          *

「そんな、大袈裟ですよ。私(ハルコン)は、ただやれることをやっただけですし、……」

「いやいや、ハルコン殿。私はこれまで多くの『武』の者と接して参りましたが、……。よもや、あのような攻撃をされる方など、全くおりませんでしたな」

 騎士長が、笑顔でこちらに語りかけてくる。
 今回の旅団の防衛部門のトップが、このアントン騎士長だ。

 先の大戦でも、防衛分野で活躍をされた方だそうで、今回シルファー先輩が旅団の団長に急遽おなりになったので、騎士長も加わった経緯があった。

「そうなのよ、アントン。ハルコンの強さは、ホンと折り紙付きなのよ!」

 シルファー団長の言葉に、隣りのステラ殿下とミラもうんうんと頷いた。

「ハルコン殿、……。今後も、シルファー姫殿下をお守り頂けますかな?」

「えぇ。お任せ下さい」

 こちらもニコリと笑顔で応じたら、……。
 横からステラ殿下が、「私もですよ、ハルコン」と仰って、流し目でふふふとお笑いになられた。

 何だかここ最近、両殿下の間では、ちょっとしたつばぜり合いがあるような、ないような、……。

「両殿下、私も微力ながらお助け申し上げます」

 ミラがニコリと口を挟むと、アントン騎士長が「おっ!」といった表情を浮かべた。

「ミラも、我々騎士団の中で、最年少ながらも大いなる戦力となっておりましてな。どうかお傍に置いてやって下さい」

「「そうですね」」

 騎士長の言葉に、両殿下が即座に反応する。お二人とも笑顔だけど、目はあまり笑っていないなぁと、……。何だかヒヤヒヤするやり取りだなぁと、ハルコンは思った。

「それはそうと、ハルコン。この度の旅団に参加されていらっしゃる、こちらの方を改めて紹介して頂けませんか? 物資の面で、いろいろ融通して頂いたと伺っておりますので」

「えぇ、そうでしたね」

 そう言って、隣りに座っている中年の商人(NPC6人衆の一人)を紹介する。

「殿下、この度は旅団に参加させて頂き、誠に恐縮でございます。今後とも商会をご贔屓(ひいき)にして頂ければ、幸いでございます」

 中年の商人が恭しく胸元に右手を添えて頭を下げると、シルファー団長はにこりと微笑んだ。

「シルファー団長。我々コリンドの宮殿とも、こちらの方の商会とお取引がございますのよ」

 ステラ殿下がニコリと中年の商人に微笑まれると、商人も「恐悦至極にございます」といって、再び恭しく頭を下げた。

 元々ハルコンとの付き合いで、サスパニアに同行する話だったのだけど、……。
 それがシルファー、ステラ両殿下も旅団に参加されることになったので、話が大いに広がることになった。

 中年の商人に、ファイルド王家と関わる、ビッグチャンスが訪れて良かったね、とハルコンは思った。
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