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第二部「ハルコン青年期」
50 帝都での出来事_32
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* *
一行は、人通りの多い目抜き通りを抜けて、一本先の道に入っていく。
シルファー団長とステラ殿下は、先ほどから笑顔を交えながらマルス殿下と話をしていて、……。
その後方を、目を光らせながらミラが続いている。
昼時にも拘らず、裏道は人がまばらで、……。私(ハルコン)も、内心では大丈夫かなぁと思った。
ちらりと、元女盗賊を見上げた。
『くれぐれも、周囲の監視を怠らないように!』
『了解でやす!』
もしもの時のために、元女盗賊に念話を送る。頼もしい護衛がいてくれて、ホンとホッとする。
「皆さん、ここの店ですよ!」
マルス殿下が予約を入れていたハルコン焼の店に入ると、……。店ごと貸し切りのためか、昼時なのに客は一人もいなかった。
「殿下、私達のために、他の客を締め出しちゃいましたかねぇ?」
シルファー団長が、すまなそうにそう仰ると、……。
「いいえ、大丈夫なんですよ!」と、事もなくマルス殿下が仰った。
どうやら、この店は今やコリンドの宮殿御用達の店になっているそうで、……。
皇族にとって大事な打ち合わせなどは、この店を含めた数軒を順に回っているのだという。
まるで、日本でいう赤坂の料亭街の話みたいだなぁとハルコンは思った。
「この店の従業員には、守秘義務を徹底しておりまして。それに、ここでの会話が決して外に漏れないよう、壁に鉄板を張って音を遮断しているんです!」
凄いなぁ、……とハルコンは思った。
でも一方で、そんな場所にお昼時で油断しているタイミングで、こちらを誘ってこられるのだからさぁ、……。
あぁ、ちょっとシクったなぁと、思わず苦虫を噛んだ。
すると、……。終始黙っていた元女盗賊が、顔を近づけてそっと耳打ちする。
「ハルコン殿、……ここは戦場でやすよ!」
その一言に、胃に冷たい鉛の液体が流れ込んできたような錯覚を覚え、思わず眩暈がした。
ここは戦場。たとえ、相手が知的で温厚そうなマルス殿下だったとしても、……。常在戦場だということを、私は肝に銘じなければならなかったのだ。
すると、……。
「マルス兄様、……。シルファー殿下やハルコンは、我が国の大切なお客様ですからね! 粗相は、この際なしにして下さいまし!」
ステラ殿下が、「そんなことしちゃ、メッ、よ!」といった調子で軽く咎めてきて、……。
マルス殿下は、一瞬目を丸くされた。
つまり、ステラ殿下にとってシルファー団長とハルコンは、大切な外国の友人だから、軽々しく滅多なことをするなよ!
そう、暗にお示しになられたんだね。
一行は、人通りの多い目抜き通りを抜けて、一本先の道に入っていく。
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その後方を、目を光らせながらミラが続いている。
昼時にも拘らず、裏道は人がまばらで、……。私(ハルコン)も、内心では大丈夫かなぁと思った。
ちらりと、元女盗賊を見上げた。
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もしもの時のために、元女盗賊に念話を送る。頼もしい護衛がいてくれて、ホンとホッとする。
「皆さん、ここの店ですよ!」
マルス殿下が予約を入れていたハルコン焼の店に入ると、……。店ごと貸し切りのためか、昼時なのに客は一人もいなかった。
「殿下、私達のために、他の客を締め出しちゃいましたかねぇ?」
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「いいえ、大丈夫なんですよ!」と、事もなくマルス殿下が仰った。
どうやら、この店は今やコリンドの宮殿御用達の店になっているそうで、……。
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でも一方で、そんな場所にお昼時で油断しているタイミングで、こちらを誘ってこられるのだからさぁ、……。
あぁ、ちょっとシクったなぁと、思わず苦虫を噛んだ。
すると、……。終始黙っていた元女盗賊が、顔を近づけてそっと耳打ちする。
「ハルコン殿、……ここは戦場でやすよ!」
その一言に、胃に冷たい鉛の液体が流れ込んできたような錯覚を覚え、思わず眩暈がした。
ここは戦場。たとえ、相手が知的で温厚そうなマルス殿下だったとしても、……。常在戦場だということを、私は肝に銘じなければならなかったのだ。
すると、……。
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ステラ殿下が、「そんなことしちゃ、メッ、よ!」といった調子で軽く咎めてきて、……。
マルス殿下は、一瞬目を丸くされた。
つまり、ステラ殿下にとってシルファー団長とハルコンは、大切な外国の友人だから、軽々しく滅多なことをするなよ!
そう、暗にお示しになられたんだね。
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