天才女薬学者 聖徳晴子の異世界転生

西洋司

文字の大きさ
17 / 595
第一部「ハルコン少年期」

04 ハルコンと中年の一級剣士_01

 さて、どうしようかな?
 見た目は赤子、頭脳は大人のハルコンは、ふと考えた。

 とりあえず、有能なNPCが6人もいるんだけどさ、……。
 父カイルズに会わせるのなら、最初は誰が一番適任だろう? 

 実用性ならドワーフの鍛冶士の親方、意外性で言えば、一級剣士か女盗賊なんだよなぁ。

 すると、奥の方で、母ソフィアと姉サリナが話を続けている。

「サリナ、……お父様は、来週王都から戻ってこられるわよ。良かったわね!」

「はいっ。嬉しいですっ、お母様っ!」

 ニッコリと笑い合う母と姉の様子から、ハルコンは父カイルズが家族から随分好かれているんだなぁと、思わず心がほっこりした。

 なるほど、……来週か。

「お父様が戻られたら、春までこちらでお過ごしなさるのよ。良かったわね、たっぷり甘えなさいな」

「はいっ、お母さまっ」

 ふむふむ。つまり、春先までセイントーク領に滞在するということか。

 現在、ファイルド国各地に散らばる6人のNPC達。さすがに、全員を父に面会させるのもなぁ。

 ハルコンは、とりあえずNPC達の思念に同調を試みる。実は、この2週間で、随分上手くこなせるようになってきているのだ。

 すると、……昼間っから寝ている者もいれば、徒歩の者もいる。乗合馬車に乗る者もいる。
 雪深い森林をゆくエルフもいれば、大店の商人は自家用の馬車で何処かに向かっていたりもする。
 
 鐙のない鞍だけの馬に器用に跨る女盗賊。手下の強面の男達を従えて、雪原を進んでいる。
 
 もちろん、NPC達にも今の生活があるしなぁ。こちらの都合でムリヤリ呼びつけるのも、さすがにどうかと思った。
 
 なので、ハルコンが「天啓」と呼ぶスキル、伝えたい要件をNPC達の頭の中に、さっそく放り込んでみた。

 カイルズ・セイントークに会ってみたら、きっと面白いことになると思うよ、とね。

 すると、中年の一級剣士が食いついたように、ニヤリと笑った。
 他の5人は、一瞬閃いたような顔をしていたが、直ぐに今取り組んでいる作業に戻ってしまった。

 ビンゴッ! 中年の一級剣士っ! キミに決まりだっ!

 ハルコンは、これまで6人のNPC達をじっくりと観察してきたので、凡その性格も把握済み。基本、いずれのNPC達も、その技量は非常に高く有能だということ。

 精神も落ち着いていて無駄がなく、周囲からも一目置かれており、なかなか魅力的な人物達だと言っていい。

 とりわけ中年の一級剣士は、ハルコンにとってまさに理想的だった。
 先ず長身のイケメンだということ。そして、行動や態度、声もかなりのイケメンで、思わずゾクッとすることもしばしばだった。
 
 まぁ普通に考えて、この一級剣士、相当な傑物だよっ!
 
 でも、そんな一級剣士がアポなしでカイルズに会見を求めて、無事お目通りは叶うのだろうか?
 そもそも、父カイルズは如何なる人物だろうか?

 それは、母に抱きかかえられて屋敷内を見て思ったことなのだが、……整然とした屋敷の佇まいとか、よく訓練された家臣達の様子から、いくらでも推察することができる。

 父は、相当な人格者でかなりのやり手だ。おそらく、ここぞのチャンスを決して見逃さない性質に違いない。
 
 これからしばらくの間、私は家族の世話になる。
 なら、ぜひ有能なNPC達を、父にどんどん取り立てて貰おうかな?
 そうすれば、必ずセイントーク領に莫大な利益を齎すことになるのだろうし。
感想 7

あなたにおすすめの小説

元チート大賢者の転生幼女物語

こずえ
ファンタジー
(※不定期更新なので、毎回忘れた頃に更新すると思います。) とある孤児院で私は暮らしていた。 ある日、いつものように孤児院の畑に水を撒き、孤児院の中で掃除をしていた。 そして、そんないつも通りの日々を過ごすはずだった私は目が覚めると前世の記憶を思い出していた。 「あれ?私って…」 そんな前世で最強だった小さな少女の気ままな冒険のお話である。

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

世界一簡単にレベルアップ ~魔物を倒すだけでレベルが上がる能力を得た俺は、弱小の魔物を倒しまくって異世界でハーレム作る事にしました~

きよらかなこころ
ファンタジー
 シンゴはある日、事故で死んだ。  どうやら、神の手違いで間違って死んでしまったシンゴは異世界に転生することになる。  転生する際にオマケに『魔物を倒すだけでレベルが上がる』能力を貰ったシンゴ。  弱小の魔物を倒してレベルを上げ、異世界でハーレムを作る事を企むのだった。

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。

ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。 剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。 しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。 休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう… そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。 ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。 その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。 それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく…… ※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。 ホットランキング最高位2位でした。 カクヨムにも別シナリオで掲載。

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

レベル上限5の解体士 解体しかできない役立たずだったけど5レベルになったら世界が変わりました

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
前世で不慮な事故で死んだ僕、今の名はティル 異世界に転生できたのはいいけど、チートは持っていなかったから大変だった 孤児として孤児院で育った僕は育ての親のシスター、エレステナさんに何かできないかといつも思っていた そう思っていたある日、いつも働いていた冒険者ギルドの解体室で魔物の解体をしていると、まだ死んでいない魔物が混ざっていた その魔物を解体して絶命させると5レベルとなり上限に達したんだ。普通の人は上限が99と言われているのに僕は5おかしな話だ。 5レベルになったら世界が変わりました